足場作りと足場固め

足場を作ることと、足場を固めることを、同じ事だと混同する人は、意外に多いものです。でも実は、「0から作ること」と、「1を10に増やすこと」は、大きく異なるのです。

 

前例がない新しいプロジェクトに対し、前例をいくら探そうとしても、的外れな前例に翻弄され時間を浪費するばかりです。

 

一方で、新しいプロジェクトを完成させた後で、さらに次のプロジェクトにおいても新しい要素を盛って盛って大風呂敷を広げても、いつまで経ってもメソッド化もシステム化もできず、実験段階から実用段階へと駒を進めることができません。

 

要は、

 

今、自分は、足場を作ろうとしているのか、

 

それとも、足場固めをしようとしているのか、

 

自分、もしくは自分たちを冷静に自己分析する必要があります。

 

 

 

団体や協会の調査やアンケートで得られるのは、その性質上、過去から現在までの情報=前例ばかりですから、それをもとに全く新しいタイプの未来を思い描こうとしても、無理なんです。

 

限られたフィールドで、過去と現在の範例だけを分析しても、未来は見えません。

 

同じ穴のムジナが、昔から住み続けた巣穴を、どんなに覗き込んでも、そこにあるのは見慣れたものばかりです。数々の新しい要素の複合体というべき未来は、ムジナが古い巣穴に閉じこもるばかりでは、どんなに待ち続けても手に掴むことはできません。

 

同じ穴のムジナが、同じ穴の中で起きた色々な思い出話をいくら語ろうと、過去と変わらぬ未来が待つだけです。

 

温故知新とも言いますが、故き(古き)から一歩も外に出ずに、古きを客観視することができましょうか。古きものから新しきものを得るにも、一旦、古きものから離れることが必要です。

 

 

 

瓢箪から駒‥‥というのは言い過ぎかも知れませんが、意外なところから思わぬものが、いくつも飛び出して、新たな発想や技術や方法論が生まれるのです。

 

思いもよらぬ組み合わせを恐れたり敬遠しているようでは、新しい血をもつ子供など生まれようがありません。

 

アニメ業界の技術は、近親交配が極まって、血が濃すぎる‥‥とも言えましょう。純血種と言っても、交配が親等が近過ぎれば、色々と問題も浮上しましょう。

 

巣穴から出て、外界の4KやHDRやカットアウトと結婚してみれば?

 

劇的に新しい血が、アニメ制作の血統にもたらされますヨ。

 

新しい血をもつ新しい子供が生まれたならば、今度は育てるフェイズ=足場固めの段階へと進めば良いです。

 

 

 

足場作りであれば、積極的に外界の要素を取り入れるのが肝要。

 

足場固めであれば、取り入れた要素を消化吸収し自己を発達促進させるのが肝要。

 

作ることと、固めることは、似ているようで全く違うので、混同しないように心がけたい‥‥ですネ。

 

 

 

 

 

 


画面比

私は35mmフィルムのライカ判だけでなく、ブローニーの中判まで手を伸ばしましたが、66とか67ではなく、69を選んだのは画面比率の感覚がライカ判の比率と同じで(全く同一かは不明)、テレビと映画の中間のような画面比率だったからです。

 

テレビやビデオはNTSC〜SDの当時は、4:3で、1.3333....の画面比

35mm一眼レフカメラや69判は、3:2で、1.5の画面比

1920x1080の16:9は、1.78の画面比

アメリカンビスタは、1.85の画面比

シネスコは、2.35の画面比(実は色々あるようで、2.38の作品を作業した記憶があります〜スクイーズが絡むので余計記憶が曖昧です〜都度、ポスプロの方に確認して作業しています)

 

私は純粋にカメラだけの視点でカメラを使っていたのではなく、自分のアニメ映像制作に応用するためにカメラを用いていたので、ブローニーもテレビや映画の観点で比率を決めました。のちにデジカメで4:3の比率が出現した時は抵抗なく受け入れられましたし、16:9が出現した時は「映画っぽい!」と喜んで導入しました。

 

2007年前後に制作され私も関わった「スカイクロラ」は、いち早く16:9を取り入れた劇場作品で、「なぜビスタで作らないのか」との意見もあったようですが、今となっては16:9で作っておいて正解だったと思います。2019年の今日において、例えば4Kの55インチのテレビで画面いっぱい埋め尽くす(=レターボクシングやトリミングがない)画面比率は、見応えたっぷりと思います。既に「スカイクロラ」の頃は彩色以降はデジタルデータ運用がすっかり定着していましたので、「地デジ化」に先行してデジタルハイビジョンの画面比率で作ったのです。新時代の「映像データ運用時代」において、いつまでもビスタサイズに固執する必要はないと考えました。

 

2019年現在、シネスコはともかく、ビスタサイズで劇場アニメを作っている作品って、存在しますかね? 私の聞く範囲では、16:9で作っている作品ばかりです。そもそも今はフィルムレコーディングはせずに、DCPですしネ。

 

ただ、色域の狭いsRGBやRec.709で最初からデジタルデータとして作っていたのは、時代の限界です。今では「せっかく丁寧に作っているのにSDRではもったいない」と強く感じますが、2007年当時に1000nitsなんてとても考えが及びませんでしたし、明確な規格も存在しなかったと思います(2007年当時にDCI-P3なりの広色域が存在したのか、検索しても見つけられませんでした〜Rec.2020は2012年とのことです)。その辺は、秘めたポテンシャルを持つフィルムとは大きく異なります。デジタルデータはどんなに細かく分析しても、99は99、100は100なので、SDRで作られたデジタルデータ組成の映像作品は、後付けの「HDR感」に未来を託すことになりましょう。

 

比率に話を戻して。

 

今は、16:9という画面比率で作っておけば、ひとまず安心です。色々な上映媒体で共通して観れます。

 

ちなみに、タブレットPCやスマホの画面比率は、

 

AmazonのFire 10は、16:10で、1.6の画面比率

iPad Pro 12.9インチやほとんどのiPadは、ほぼ4:3で、1.33...の画面比率

iPhoneの6〜8は、16:9で、1.78の画面比

iPhoneのXS Maxは、2688x1242で、2.16の画面比率(カメラやセンサーの切り欠きを除くとどのくらいの画面比になるかは不明)

 

‥‥と、iPadが昔のテレビ(NTCSのSD)の比率に似ている以外は、16:9や16:10(パソコンのモニタは16:9だけでなく16:10も多い)など似たような比率でまとまっていますネ。

 

悩ましいのは電子出版側の原稿比率で、アマゾンは自社のFireに合わせた「16:10推し=1.6」ですが、例えばクリスタは電子出版と紙出版を兼ねて「AB用紙」〜例えばB5用紙サイズ〜の比率がデフォルトです。A4用紙のサイズを比率に直すと、「297/210=1.41」です。

 

電子出版は様々な媒体で読まれるので、紙由来の1.41かAmazon推奨の1.6あたりで作って各端末ではレターボクシングにおまかせ‥‥が落とし所かと思います。断ち切りのことを考えると、全てに対応するのはそもそも無理ですもんネ。

 

 

 

映像分野では通常16:9で考えておいて、適宜シネスコなどに対応し、パソコンやタブレットPCやスマホのサイズは気にせず、むしろ端末側で対応してもらう。‥‥というのが落とし所でしょうかネ。

 

深刻に考えてもムダですネ。これだけバラバラですと。

 

当該制作作品の画面比率に関しては、素直にポスプロさんに問い合わせましょう。知ったふりして事故を起こすより、素直に「今回はシネスコなんですが、具体的なピクセル寸法とピクセルレシオはどんな数値でしょうか?」と聞いた方が良いです。特にシネスコはスクイーズも絡むので毎回確認したほうが良いです。「シネスコ」の言葉だけでは終わらせないようにネ。「24フレ」も23.976か24.0かを毎回確認したほうが良いです。

 

プロだからって、「他人に聞いたら負け」なんてないです。逆にプロだったら、ちょっとでも危うかったら、当該作品の専門の技術者さんに問い合わせるのが行動の指針です。

 

聞く側でなく聞かれる側も、他所からの正式な問い合わせに対してスラングもどきの用語や自分の慣習だけで答えるのは、そもそも仕事をスカしてナメてる証拠で、実はとてもプロとしてカッコ悪いことです。問い合わせに正確に答えるのもお互いの業務の1つですからネ。

 

 

 


XDR

‥‥と豪語していた、本日未明のApple HDRディスプレイ新製品。

 

HighではなくExtreme、「H」DRではなく「X」DRだ、と。

 

製品としてみれば1000nitsで60万円以下の価格設定は、魅力的です。講演会場では価格に対して微妙な反応でしたが、1000nitsの現在の「相場」を知っていれば、その手の関係筋は「そこから来たか」と唸るでしょう。

 

私は、事前のリークで6KのHDRモニタが出るとネットで読んで(リークがネットで広く出回るというのもアレですが)、本当のところはどうなのか、あまりヒートアップしないでいました。

 

60万円クラスで1000nitsなのは、確かにHDRの映像制作には魅力的なのですが、本当にちゃんと「調整」できるかは、今までのApple製品の流れを考えると、懐疑的な印象をもちます。

 

業務用のモニタは、色の「見た目」の鮮やかさや綺麗さなど「かえって事故のもと」です。1000nitsなら1000nitsのRGB通りに、ブレなく映し出す性能が大前提です。民生のテレビやコンシューマ向けパソコンモニタとは一線を画します。

 

測定器で測って、ちゃんとデータの値通りの輝度が、全帯域においてフラットに出力されているかが、何よりもプロの現場では重要です。

 

 

 

Pro Display XDRのスペックで特筆する部分もありましたが、そうでない部分もありました。例えば10bit深度のスペックです。今では10bitは常識になり始めており、12bit製品の価格が現場にとって手頃になるのを、1000nits同様、HDR作品制作に関わるスタッフは待っています。価格は全然違いますが、EIZOのCG-3145が12bitを受け取って出力できるのは、やはり優れた部分だと思います。

 

また、PQについての言及がなかったのは、話が専門的になり過ぎるのを避けたのでしょうかね? ‥‥PQに関する設定項目がなかったり、HDMI信号任せだったりしたら、Dolby Visionの制作には使えないことになります。まあ、細かいスペックの発表を待てば良いでしょう。

 

日々、HDRの作品制作を進めるスタッフにおいて、1000nitsやPQは一番の関心どころです。色を思った通りに表現するには、なくてはならない性能です。1000nitsのモニタをポンポン買えるわけではないのは重々承知していますが、300nitsで60万円クラスのリファレンスモニタで日々作業する傍ら、部署に1台は1000nisでPQ設定を持つリファレンスorマスターモニタは欲しいです。

 

業務用としてHDRのマスターモニタとして機能する製品は、2019年現在300万〜450万円の高値です。一方、AppleのXDRは60万円で、その性能の如何が問われます。

 

 

 

今まで、Appleのモニタ製品が映像制作用途でリファレンスやマスモニとして基準になったことはありません。その過去のレッテルをXDRは覆せるかは、興味深いところです。

 

私はXDR云々よりも、市場が活気づく要素になれば、間接的に嬉しいです。思うに、10万円台の業務にも耐える低価格HDRモニタ、30万円台のHDRモニタ、そして60万円くらいの1000nits低価格モニタが日本国内メーカー(って今や実質1社だよね)から出てくれれば、HDR映像制作の敷居はぐんと下がると思います。もちろん、価格ごとの格付けはあって良くて、ニーズに合わせた選択肢が豊富になることを望んでいます。

 

 

 

実際、EIZOのCG-3145はHDR制作の羅針盤ともいえる、前途多難なHDR航海の道しるべのような存在です。正確な色彩と1000nitsの強力な輝度を日々体験せずして、1000nits合わせの映像は作れません。300nitsでも絵は作れますが、1000nitsのマスモニ的存在はどうしても必要です。

 

新たに出現したAppleのXDRが、映像業界でどのような評判となるのか、日々興味深いです。

 

 


自動中割りとカットアウト

自動中割りとか聞くと、結構多くの人が、無造作に描いた自分の線画が、よくわからない魔法のコンピュータ技術によって中割りしてくれる‥‥と思いがちです。

 

そんなわけないじゃん。

 

CACANiにしろToon Boomにしろ、描いた線がオブジェクト(呼び名は様々)としてソフトウェア内部で独立管理制御されていて、その線がどのように変化するかを、巧妙に組み合わせて、あたかも動いているように見せるのです。つまり、カットアウトです。ツイッターの映像でも、全ての線がそうなっていることを、よく見てくださいネ。

 

その辺はちゃんと説明しておかないと、みな勘違いして、コンピュータのミラクルで不思議なテクノロジーで無人動画機能が自動中割りしてくれると思い込んでしまいます。

 

そして、実際に使って描いた時に呆然とすると思います。

 

「うわ。誤魔化しが効かねえ‥‥」と。

 

要は、「描いた線1本1本の面倒をちゃんと見る」ということです。

 

旧来の現場風に言えば、「すべての線の割り先が存在する」ように描くわけです。今までの原画作業スタイルとは少々異なります。動画さんがなんとか辻褄を合わせて描いていたようなことは、カットアウトベースの自動中割り(Toon BoomやCACANi)には期待できません。

 

すべての線を把握して制御するのが、技術のキモです。

 

 

 

原画時点で線画のなりゆきを完全把握し、線のBirth & Deathや、特定領域での消し込みも含めて、すべて原画時点で「責任を持つ」作業スタイルを受け入れないと、「自動中割り」は実現しません。

 

自動中割りという言葉は、客寄せパンダみたいなもので、実際に技術のフタを開いてみると、紙で原画を描いていたようにはいかないことを痛感するでしょう。しかし、そのカットアウトスタイルに慣れれば、今までとは格段に向上した生産効率が実現できます。

 

私は近くToon Boomに移行してカットアウトを開始しますが、Toon Boomは値段も値段だけあって、機能が盛りだくさんです。ベクタートレス線に自分の思うようなペンテクスチャ(鉛筆や筆の)をもてるし、トレス線のウェイト(太さ細さ)は時間軸で変えられるし、そもそもベクターベースなのでラスターのように解像度に依存しない(どんなに拡大してもジャギがでない)し、「ベクター=単純な絵」という常識を覆せます。‥‥実際、そういう使い方で私らはToon Boomを使う運びです。

 

私は今まで線画はビットマップで、After Effectsでカットアウトを実施してきましたが、Toon Boomによってカットアウト周りの工程がシームレスに繋がることにより、より一層のカットアウト技術の発展を「日本流」にて推進できると、ワクワクしております。欧米流の価値観とは違うToon Boomのカットアウトをどんどん実践していく所存です。

 

思うに、4Kとベクターとカットアウトは、未来の線画要素のトリオだと思います。つまり、今までのアニメ現場の紙作画にはなかった要素です。それに慣れるか慣れないか‥‥は、まさに現場の人間次第です。

 

従来の送り描きの動画と、(日本では)新しいカットアウトの動画の、ハイブリッド運用こそ、4K時代を生き抜いて未来でもアニメを作り続ける道です。

 

電卓を弾けば、4Kドットバイドットが要求される未来のアニメ制作において、送り描き技術体制のコストが破綻するであろうことは誰でもわかるはず。

 

1.5Kの絵柄を4Kに拡大したって4Kのアニメにはなりません。ゆえに、根本から意識を変えていく必要がありますが、どこの誰だって突然には変えられませんので、徐々に自分のカラダを慣らす必要があります。

 

 

 

AppleのWWDCも未来を予感する要素でいっぱいでした。

 

時代性や最新テクノロジーを敵にするより、味方にしたほうが良いですよネ。

 

アニメは生まれた時から、テクノロジーの申し子です。

 

 


フィルムなら4KHDRで

フィルム作品の復刻は、4KHDRの技術によって、ようやくあるべき姿が見えてきます。

 

4KHDR生粋の作品を新たに作っていくことも未来のビジョンですが、フィルム時代の作品をディテールそのままに蘇らせるのも未来の大いなるビジョンです。

 

「今のブルーレイじゃダメなの?」

 

フィルム作品の場合は、現行の2Kブルーレイでは役不足です。ダメとは言いませんが、スペックがたりません。

 

  • 秒間の解像度(フレームレート)=24fpsと24pで特に問題なし
  • 画素数=1920pxのHDでは細部の情報量が足りない
  • 色域=Rec.709・sRGBの100nitsでは甚だしく不足しており、500〜1000nitsの明るさとP3以上の色域は必要

 

HD(2K)の映画のブルーレイは、24pで1920pxでRec.709なので、旧テレビ放送やDVDよりはマシですが、フィルム映画を再現するメディアとしては、特に発色で大きく劣っています。

 

ちまたで4Kのリマスターやレストアと言っても、実は4Kに併せて導入されるHDRのほうが見た目の効果は絶大です。

 

1年くらい前に、実際に専門技術のラボに言って「4KHDR PQ 1000nits」のデモを、しかるべき機材で見させてもらいましたが、まるでリバーサルフィルムをライトボックスでルーペで見ているような鮮明な色彩に、胸が踊る想いでした。だって、私はアニメも好きですが、フィルムの映画も好きだからこそ、この職業を30年以上もず〜っと続けているわけですから、4KHDR 1000nitsの映像に魅了されないわけがないです。

 

 

 

でもまあ、今は状況が揃うのを感じつつ、自分らのなすべきことを進めましょう。世界規模で動く物事だということを、明確に意識して。

 

家庭のテレビが4KHDRにリプレースされ、コンテンツも4KHDRが豊富になって、その時に「我々アニメ制作者」がどのように時代を掴むか強くイメージしつつ、クリスタやToon Boom、After EffectsやDaVinciを未来派志向で使っていこうと思います。

 

タブレット作画に関しては、ボトムアップで機運を盛り上げていくのがよろしいでしょう。映像技術の未来と、アニメ制作現場の未来を交差させるには、両方の未来が進み続ける必要があります。

 

 


クリッパー

鉄は熱いうちに打て。

 

Strike while the iron is hot.

 

「好機を逃すな」‥‥物事はホットなうちに、勢いを削がないようにして進めるのが、昔からの戦いの鉄則です。逆に、緩く勢いがない時は、次の攻勢に備えて準備を整えておくべし‥‥です。

 

クリスタに対して、急速に事態が進展した私の周囲環境に対して、ここでまた、気を緩めていては、成功するものも成功しません。

 

好機を逃して、勝機を逸する‥‥とは、勢いづいたことに安易に慢心して手を緩めることとも同義です。

 

状況が動く時に、状況は動かせ!‥‥です。状況が動く時の1日と、状況が停滞している時の1日の、時間の価値や重さは、等価ではありません。

 

なので早速、Webの準備を開始しました。情報を共有するための私的なWebですが、クリスタを使う知人友人も多いので、After Effectsのコンポジット技術との連携も絡めて、「ボトムアップ」による作業システムの機運を高めていきたいと思います。

 

数日前に取り組み始めたので、まだ公開できる状況ではないですが、独自ドメインもサーバスペースもWebフォントも今日の休日を使ってセットアップしました。

 

内容は無いですが、こんな感じです。

 

https://clippers.work/

 

クリップスタジオなので、クリッパー。‥‥あまりコネくって考える必要もあるまい‥‥と、数分で考えました。

 

一応、セキュアのhttpです。「work」のトップレベルドメインを選択したのは、単に安かったのと、「clipper」や「clippers」はかなり人気で、すでに誰かに取得されており、ドメインの選択の余地がほとんどなかった‥‥という理由です。1年1000円なのはありがたいですし、仕事にも深く関わることなので「work」は「あまりもの」でもちょうど良いと思いました。

 

まだまだ表示試験の段階で、CSSの定義も中途です。CSSの様子はこちら。

 

https://clippers.work/temp.html

*意味不明な文がテストページに表示されていますが、テキストの回り込みの雰囲気を確認するためで、何かがおかしくなったわけではありません。

 

CSSはホントに機能が豊富で、数ヶ月では網羅できるものとは思えませんし、仕事の片手間のプライベートではさらに習得に時間がかかるでしょうから、基本的なもの、必要なものだけを覚えて、HTML5の機能も併せて、サイトを構築していこうと思います。

 

Adobe Fontsのおかげで、Webの趣旨と雰囲気を代弁してくれるフォントを選択できるのも、時代の強みですネ。新しい時代のニュアンスを表現するために、スッキリとして軽快なサンセリフだけで構成しています。

 

 

 

まずは準備して思うのは、時代の強みは、ふんだんに使ってこそ。‥‥ということです。以前なら無理なことばかりが、今は簡単(というのは知識さえあればという条件付きですが)に実現できます。

 

独自ドメインの取得が初年度100円未満だったり、レンタルサーバも月数百円で済みますし、CSSやHTML5などを駆使すれば以前のケバケバしい原色の文字やデリカシーのないレイアウトに甘んじることもなく綺麗なWebページを作れますし、レスポンシブデザインによってパソコンモニタだけでなくiPadやiPhoneなどにもコンテンツを最適化して公開できますし、色々な恩恵で満ちています。

 

特に、CSSとAdobe Fontsには、時代に対する感謝しかないです。2000年前後では絶対ムリでしたもんネ。

 

 

 

余談ですが、最近終了したジオシティーズの「ホームページ」コミュニティが、コンテンツのありようゆえに「黒歴史」とか言われますけど、それは使っていた人だけの問題じゃないですヨ。例えばHTMLのリンクカラーの「色彩のデリカシーを欠いた、色の数値設定」など、HTMLや当時のパソコンの各ジャンルのリソースが「デザインなど気にしなかった」がゆえに、黒い歴史に拍車をかけたとも思えます。

 

こんなケバケバしい色。どうやったって、馴染ませることはできませんもんネ。

 

0とFだけで作った色なんて、HDRになったら、即OUTです。

 

Webセーフカラーは、時代の古く苦い思い出、でもちょっと懐かしい思い出だけで、今はじゅうぶんです。

 

現代は高機能なCSSもAdobe Fontsもあって、少なくとも「いかにもパソコンで作ったホームページ」のイメージから脱却することはできます。

 

私は映像制作が本業ゆえに、プロの人のようには到底できませんが、以前よりは読みやすく伝わりやすく、目にも優しいWebを作れたらと思います。

 

 

 

で、クリッパー。

 

クリスタ。

 

クリスタにしろ、TVPにしろ、ToonBoomにしろ、風評とも言える噂が業界内を飛び交っていますが、まずは自分で使ってみましょう。今は、リサーチやアンケートに右往左往して勝機を逸し続けるトップダウンではなく、実際に自分で使って小さいことでも確かな手応えを得て積み上げるボトムアップの時期です。

 

自分で使う‥‥となると、すぐに使えるのはクリスタになります。500円はね‥‥反則技とも言える価格設定だもんねえ‥‥。

 

アニメ業界の数年内に超えるべきハードルは、多くの人がペンタブ作画に慣れること、ソレに尽きます。ペンタブを使わなければ、その先には進めません。紙をトレスデータの入力装置として使い続ける以上、未来の映像産業との溝はどんどん深くなって、辛くなるばかりです。

 

TVPに関しては、私は旧知のAura使い(TVPの前身のAura時代、日本国内きっての)の人がいることもあって、使うこと自体はやぶさかではないのですが、如何せん、機会に恵まれないので、今はクリスタ、そしてToon Boomに専念することにはなると思います。私は以前、Mirageのライセンスを持っていましたし、クリスタよりもAura系のTVPのほうが親近感があったのですが、仕事の流れの都合で、今は安価なクリスタによってペンタブ作画自体を普及させることのほうが重要だと考えています。

 

とにかく、どんなソフトやハードを使うにせよ、ペンタブを使う人間を全世代分け隔てなく増やしていかにゃあ、なるまい。

 

 


フレーミング

カメラで写真を撮るのと絵を描くのは別物だと無意識に思っている人は、それなりに多いと思うのですが、フレーミングという観点で言えば、当人の撮った写真を見ただけで、当人のレイアウト作画の基礎能力を察することができます。無意識に撮ったiPhoneの写真なら余計に、当人の素性が出ます。

 

例えば、日頃の風景写真の多くが右(か左)の一方だけに傾いている場合。

 

つまり、こういうことです。

 

 

パッと見た感じでは、このくらいの傾きは大したことないと思いがちです。

 

しかし、水平に気を配って写真を撮る癖がついていると、以下のようになります。

 

 

見比べると、随分と傾きが判りますよね。

 

当人は全く気がついていないのか、水平ではなく、右のほうが微かに下がって傾いているのは、フレーミングを全く意識できておらず、目に映った情景を漠然とiPhoneを構えて撮影ボタンを押すからです。

 

並べてみると、一目瞭然です。

 

 

 

 

水平で良いものは、水平にちゃんとフレーム内に収めて、シャッターボタンを押すところからです。傾いた写真を撮ることに意図や意味などないのなら、まずはちゃんと水平に撮りましょう。

 

「自分の癖だ」というのなら、その癖を直しましょう。カッチリと水平を維持するのは、意識するようになると中々難しいものです。

 

実は、ほぼ水平に見える二番目の写真も、ほんの微かに今度は左側に傾いています。慣れてくると、そうした傾きが瞬時にわかるようになります。まあ、シャッターチャンスを逃すくらいなら、多少傾いていても撮ってしまうのが良いですが、静物・風景を撮る際には「自分の癖」で画面がどちらかに傾くのはできる限り避けたいものです。

 

*このくらいの傾きなら、バレを最小に防いで、Photoshopで修正できます。

*明らかに無意識で傾いているのと、体の揺れで傾いているのでは、見る人が見ればイッパツで判ります。スマホはつまんで構えるので傾きやすいですが、意識さえしていれば、少なくともこのくらいの傾きには抑えることができます。

 

 

水平、垂直にフレーミングできるようになったら、今度は撮りたいものをちゃんと写真に収められるようにフレーミングします。

 

撮りたいものにレンズを向けてシャッターボタンを押せば、撮りたかったものが無条件に写真に収まるわけではないです。「あ。この風景、イイ!」と思った時に、その情景の何が良いと思ったのか、インスピレーションを瞬時にフレーミングで切り取る能力が必要です。

 

人間の視覚は、即物的な記録装置と違って、脳内でフレーミングやトリミングをして、情報の特性を抽出する能力があります。人間の両眼の視野は、40〜50mmレンズのライカ判と同じくらいですが、人間は視覚によって得られた画像・映像を、ビデオカメラのように決まった画面アスペクト比と時間軸で脳内に収録するわけではなく、断片的に画像を抽出して、さらにはタイムリマップして記憶します。

 

その脳内のイメージ、情景から刹那に感じ取ったニュアンスを、画用紙なりカメラフレームなりに収めるのは、まさにレイアウト能力、フレーミングのセンスが必要になります。

 

 

 

もちろん、能力やセンスは磨くことができます。

 

一眼レフカメラを首からぶら下げて、街を散策してみましょう。歩いて回るだけで十分です。

 

ふと刹那、なんとも言えないニュアンスを情景から感じたら、そのニュアンスをフレーミングするために、サッと一眼レフを構えてファインダーを覗き、レイアウトを決め込みます。

 

ファインダー越しにフレーミングして切り取った情景レイアウトの中に、自分が感じたニュアンスは見えているでしょうか。

 

見えたならそこでシャッターを押します。見えないのなら、無駄なシャッターは押さなくて良いです。

 

初心の頃は、自分の肉眼を含めた身体感覚のほうが、レンズ越しのフレーミングより優っています。自分が瞬間に肌身で感じたニュアンスより、レンズ越しに撮影した写真のほうが劣っていることでしょう。そういうのを、寝ぼけた写真と呼びます。

 

つまり、自分の体は外界・世界から様々なニュアンスを感じ取っているのに、そのニュアンスをフレーミングへと翻訳できていないのです。

 

しかし、慣れてきてコツを掴んでくると、レンズ越し、ファインダー越しのフレーミングのほうが、自分の感じたニュアンスを大幅にブーストして拡声して代弁してくれるようになります。肉眼の視覚よりも、カメラのフレーミングの方が勝る体験を幾度となく経験します。

 

やがて、肉眼ではありきたりで平凡に見える日常の中から、カメラだからこそ切り取れる「特別な瞬間」を撮影できるようになります。

 

 

 

人間の眼にはフレームがありません。ぼんやりとしてブラーのかかった瞼のマスクが四辺になんとなく見えるだけです。しかも、眼を動かして情報を脳に送り、マッピングして収録します。

 

そうした眼から記憶した情報を、フレームという情報格納スタイルに準じて、しかも単眼でワンチャンスで、レイアウトして収めるのは、モロに当人の処理能力が影響します。カメラで写真を撮るということは、実はとても難しいことで、当人のスキルがありありと表れる性質を持ちます。

 

iPhoneでも良いので、自分の撮った写真を痛烈に批判しながらチェックしてみましょう。アニメーターも含めて多くの人は、自分がiPhoneで撮った写真に対しては無批判で、振り返ることもなくiPhoneの記憶装置に蓄積されていくだけですが、1枚ずつ丹念に自己分析して自己評価してみると、新たな自分に対する「気づき」が得られます。

 

そしてその気づきは、自分の描く絵にもフィードバックできます。アニメーターがレイアウトを描く時に、なんとなく線を引いて、「収まりの良さ」だけで消化試合的にレイアウトを描いて、レイアウトを描きながらレイアウトに無自覚だった自分を改めて認識できるでしょう。

 

さらには、線だけで知覚していたレイアウトフレーム内のあらゆる要素に対して、明暗や色彩のプロパティを強く感じられるようになります。

 

レイアウトは線だけでどうにかなるものでありません。色彩のレイアウト、明暗のレイアウトは、極めて重要です。

 

しかし、アニメ制作現場の標準的なフローでは、アニメーターが関与できるのは線のレイアウトだけです。ゆえに、画面設計、イメージボード、コンセプトデザイン、カラースクリプトなど様々なアプローチによって、レイアウトの線画だけでは見通せない要素に対して、明確に設計して能動的にコントロールするのです。

 

ですから、たとえiPhoneでも、絵や映像を本職とするプロならば、フレーミングを常に気にかけて撮影するのは有用です。

 

写真には色々な目的がありますから、なんでもかんでもかっこいい写真を撮るだけではないでしょう。資料写真にアーティスティックな要素など必要なく、克明に撮影できたほうが良いです。しかし、その「克明に」というオーダーにも、実はレイアウト能力・フレーミングテクニックは活きてきます。

 

資料写真として優れた写真を撮るにも、技術は必要なのです。ロケハンに行って単にシャッターボタンを押すだけでは、何をしにロケハンに言ったのか、写真からまるで伝わらない意味不明な写真のオンパレードになります。フレーミングを駆使すれば、資料写真として何十年も参考になる写真を撮ることができます。

 

 

 

アニメーション作品制作にあたり、監督・演出さんと一緒にロケハンに出かけるのもありです。「観光ではなく」てネ。

 

(ライカ判換算で)19mm、24〜35mm、50mm、85mm、100〜300mm、600mmくらいのレンズをレンズバックに入れて(重いけどね)、三脚も携えて、監督のイメージを聞きながら、

 

この広い景観を広いまま開放的に

 

昼間でありながら暗く閉ざされた雰囲気を

 

白日夢のように希薄な感覚で

 

都会にいながら、疎外感や孤独感を感じるような

 

‥‥みたいな様々なオーダーを、レンズの画角とフレーミング、絞り&シャッター速度といった限られた要素を駆使して、カメラに収録していきます。

 

アニメスタッフが雁首そろえてロケハンに行っても、誰一人として資料写真もイメージコンセプト写真も撮影できないようでは、単なる「ロケハンと言う名の慰安旅行」でしかないです。‥‥であるなら、アニメーターなり美術監督なり色彩設計なりの役職が、写真の技術、フレーミングの技術で、有用有益な写真を撮って実りあるロケハンにすれば良いのです。

 

 

 

アニメーターの中には、

 

写真は楽だ。シャッターボタンを押せば済むだけだから。

 

‥‥とか言う人も中にはいますが、その人が撮った写真は果たして「なぜこの写真を撮ったのか、ちゃんと見る人間に伝わる」写真に撮れているかと言えば、全然ダメダメだったりします。

 

絵より写真のほうが楽だ‥‥なんて、写真もろくに撮影できない人間がよく言ったものだ‥‥と思いますよネ。自分のやっていることだけは凄くて、他人はさぞ楽しているだろう‥‥なんて、不遜にもほどがありましょう。

 

まずはiPhoneでまともなフレーミングの写真をどんどん撮ってみましょう。

 

そうすれば、自分のアニメ作りにも旺盛にフィードバックできるようになりますヨ。

 

 


カメラと肉眼

透視図法の話題でツイッターで盛り上がっているようですが、

 

レンズ(人の眼もいわばレンズの一種)を通して記録する理屈の話か

肉眼(2眼)で見た雰囲気をどうやって絵として表現するのか

記憶上の立体をどう絵として描き表すか

 

‥‥の論点が錯綜しているように思いました。

 

「自然、不自然」でいうのなら、カメラで撮影して画像として閲覧する機会は、日頃山ほどあるわけですが、そのカメラ撮影画像を「のきなみ不自然だ」と感じている人って、かなり少ないと思います。

 

一眼レフで収録した画像には、2眼の画像合成も、時間と視点を超越した記憶としての立体も、反映できないのに、普通に自然に写っていると感じますよネ?

 

つまり、写真、映画の画像を、不自然で気持ち悪いと思わないのなら、一眼レフの35mmや50mmレンズで撮影したのと同じ絵を描いても、取り立てて不自然には見えないです。

 

一点透視図法のスタイルだけかじって、奥行きを長く描き過ぎたり、円が透視図法から外れていたり、中途半端に一点透視図法を扱うがゆえに、不自然に見えるのです。一点透視図法の基本をマスターせずに中途半端な技量で使うから、一点透視が過度に不自然に見える‥‥というよりは、そもそも一点透視図法を用いながら扱いきれなくて破綻しているに過ぎません。

 

奥行きはあっというまに詰まりますし、円は言うほど真円には見えないことも多いですヨ。

 

望遠の絵が一点透視できない!‥‥って、地球が丸いことはご存知?

 

電信柱は、綺麗に直線上には並んでいませんし、斜めに立っているのも多いです。道だって随分と曲がっていますし勾配していますし、路肩の周辺は緩くカーブして落ち込んでいることも多いです。それらをちゃんと観察して、今一度、然るべき一点透視図法で描けば、少なくとも映画やドラマや報道の実写くらいの自然な情景は描けます。

 

 

 

アニメーターはさ‥‥。鉛筆しか興味がなさ過ぎる人が多過ぎるんですよネ。

 

一眼レフカメラくらい自腹で所有して、自分の眼とは違う、写真や映画のレンズ越しの世界がどのように見えるかも、ちゃんと自分の知識とキャリアに加えたほうが良いですよ。

 

そうすれば、改めて、2つの眼で見ている肉眼の世界を明確に知覚できて、あえて一点透視ではない表現も絵として描いてみようと実感できるようになります。

 

他人の書いたマニュアル本、誰かのノウハウ視点で解説本を読んで知った気になるんじゃなくて、自身の様々なアプローチによるアクションと研究で、自分の血肉となる経験と知識を蓄えましょう。

 

ショートカットしないで、自分のカラダで覚えましょう。

 

 


クリスタ、どんどん進む

何においても、実践的な活用状況は、実作業での日々の事例が積み重なっていけば、飛躍的に推進していきます。リサーチや伝聞で推測したり予測するのとは雲泥の差と言って差し支えないほど、実質的なノウハウが日々蓄積され、その蓄積からさらに先が見通せるようになります。

 

クリスタを従来式ペンタブ作画に導入し、4Kでの作業に使い始めて、たったの2週間で随分と手応えと見通しができるようになってきました。従来式の作画がクリスタでも運用可能なことが実感として解ってくると、現場の構成案も具体的に見えてきます。

 

クリスタで広くペンタブ作画を普及させつつ(あまりにも導入しやすい価格ですし)、ハイエンドのベクター&カットアウトの環境はToon Boomでプロダクション規模で取り組む方法が、徐々に実現可能なニュアンスとして感じられるようになってきました。1ヶ月にも満たない期間であっても、物事は動く時は動くものです。

 

特に、iPad Pro 12.9インチとクリスタ、そしてProcreateの組み合わせは、自信を持って、知人友人に勧められるようになりました。

 

単に、「描きやすいよ」というだけでなく、現場のワークフローの実例として、何を初期に準備して、とっかかり何と何を覚えて、どんな感じで仕事で使うかを、同業の方々にも具体的に説明できるようにもなってきました。

 

Windows版やmacOS版で覚えたクリスタの「アニメーション機能」の知識は、そのままiOS版でも通用します。アニメーションフォルダー、アニメーションセルの概念、再生停止(プレビュー)時の各種設定、ペンプリセットごとに筆圧やベロシティを変えられる設定、ベクターレイヤーによるベクタートレスなど、すべて3種のOSで通用する‥‥と思います。Windows版を常用していませんので、強く言い切るのは控えますが。

 

クリスタのタイムラインからはオフラインにはなりますが、Procreateとの連携も可能ですし、登場すると予告されたiOS版のPhotoshopとの連携もファイル経由・クリップボード経由で可能となることでしょう。

 

 

 

初期導入において非常にハードルに低いクリスタは、ノウハウさえ普及して標準化すれば、未来の作画作業の共通アプリケーションになるであろうことは、想像に難くありません。

 

実際、この1ヶ月未満の期間で、クリスタ、TVP、Toon Boomへとアプローチして、手応えを感じたのは、ローコストなクリスタと、ハイエンドのToon Boomでした。

 

Toon Boomのカットアウト機能は、今まで私が試行錯誤し実作品でもちょいちょい使用してきたAfter Effectsによるカットアウト技術を、ほぼ全て移植可能なほど高機能、さらにはAfter Effectsでは難しいニーズを実現する機能も豊富に有し、かつ段違いにUIが優れています。‥‥まあ、After Effectsを魔改造してカットアウトに使う事自体がアレなんですが、After Effectsで蓄積したカットアウトの経験と知識は、ほぼもれなくToon Boomに翻訳して移植できるでしょう。

 

ただ、Toon Boomは導入の価格が50万と、プロダクション規模のプロジェクトで可能になりましょう。いやらしい言い方ですが、「カットアウトを確実に金に変える」条件が揃う制作現場で、まずは使い始めることになると思います。

 

 

 

ということは、まずはタブレットで作画してすぐにお金を稼ぐには、クリスタが現実的です。

 

私は今までクリスタを静止画イラスト用途だけで使っきましたが、最近、原画作業もクリスタ、作監作業もクリスタというフローを経験して相応の手応えを感じました。動画から彩色まで、皆で協力して探りながら検証し実践し、フロー全体規模の実質的な手応えも感じ始めています。しかもそれは、1.5Kの作品ではなく、4KドットバイドットのHDRの仕様で‥‥です。

 

クリスタにはまだ足りない機能も感じます。スクリプト制御はその際たるものですが、当面はなしでもズンズン作業と経験蓄積を進められます。機能改善は根気よくフィードバックしていけば良いです。

 

今すぐ、多くの人が使い始められる価格設定のクリスタは、強力なアピール力を放っています。例えば、TVPのプロ版は16万ですが、あなたは明日すぐに買えますか? 注文してすぐに使い始められる? 一方、クリスタは毎月500〜1000円、ライセンスの発行は即日‥‥と、導入ハードルが「超」がつくほど低いです。そして、その導入ハードルの低すぎるクリスタで、少なくとも私らは4Kの作画仕事を開始しています。事例が伴えば、状況にも変化が生じましょう。

 

機材を誰が買うか‥‥なんて議論をあと何年やるのでしょうか。アニメを作るだけでなく、色々な自分の仕事に使うことも想定し、受けではなく攻めで考えれば、どうすべきかが見えてきましょう。待ってるだけで時間を過ごしたら、気がついた時には‥‥ですヨ。

 

 

 

クリスタとToon Boom。

 

アニメ制作現場がこの2つを手にすれば、パンターとティーガーIIの組みあわせ、T-34とJS-3の組み合わせ、もしくはF-16とF-15の組み合わせを手にいれるようなもの‥‥ですネ。

 

T-34/85とJS-3。凶暴なコンビである。

 

F-15制空戦闘機のパイロットは男だけとは限らない。‥‥カットアウトの「操縦者」においても、男女の隔てなど必要なし。


慣れとく

自宅に日頃から4Kのパソコンモニタがあれば、少なくとも4Kの密度感には慣れることができます。

 

私がiMac 5Kを買ったのは、2014年冬。48回払いのAppleローンも終わりました。

 

もう4年以上、5K解像度を見続けているので、4Kの絵の密度にはとっくに慣れました。

 

 

 

慣れとけば、ショックも少ないです。ココロの準備ができます。

 

2K〜2.5Kのモニタではわからない色々なことがわかります。自分の家に置いてあって、日頃から使っていれば、それが普通になります。

 

バイクなんて、生身で鉄のカタマリに跨って、時速100km(一応、高速の最高法定速度ネ)にも達する「人間の足ではあり得ない」超速度で走行しますが、慣れるから怖くないのです。慣れずに怖がると、恐怖でふらついて、事故を引き起こします。

 

人間はテクノロジーに慣れていきます。

 

慣れさえすれば、大丈夫です。冷静な判断もできるようになってきます。

 

 



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