休日は50mmで写真を撮ろう

どんなにiPhoneのカメラ機能が進化しても、型落ちしたデジタル一眼レフの写真にはどうしても追いつけていない実感があります。一方で、デジタルカメラ〜デジカメは、単体ではiPhoneの便利さには追いつけず、最近ではiPhoneとの連携で利便性を高める製品も出てきています。

 

私が昔から使っている一眼レフはEOS。特に理由はなく、たまたま最初に買ったのがEOSだったので、EFレンズの都合上、ずっとEOSを使い続けている‥‥という結構成り行きまかせなきっかけです。1980年代の終わり頃か90年代の最初の頃、吉祥寺のマルイ(当時は普通のデパートで家電を扱っていた)でEOS100QDを買いました。

 

ただそのEOS100は、首にぶら下げてバイクで林道でコケて、水たまりに浸かってダイアルから汚水が滴り落ちても、新宿キャノンのサービスセンターに出したところ「少々の異音はありましたが、おおむね良好で、定期点検と清掃をしておきました」で済むくらいのタフなカメラで、以来、EOSの描写性以上に信頼性で使い続けています。ニコンでもペンタックスでも良いのですが(色の濃い、かっこいい写真が撮れますよネ)、そんなわけでEOSに愛着があるのです。

 

最近はEOS Kissでもかなり性能が充実していて、どうせAPS-Cなら、むしろ手軽なEOS Kissでいいんじゃないか?‥‥と思えるほどの充実ぶりです。

 

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*シルバーにグリップのブラウンが可愛いですね。Kissはゴツい一眼レフのブラックオンリーだけでなく、こうしたカラーバリエーションも楽しいです。うーん、欲しいなあ‥‥。

 

 

そこに単焦点の50mmレンズを装着するだけで、写真はググググッと楽しくなるでしょう。EOS Kissは買ったことがないので「でしょう」としか言えませんが、諸元を読むだに普通に一眼レフの楽しさを味わえそうなカメラです。

 

問題はレンズ。

 

ボディにセットされているレンズは、どれも暗い。‥‥上図の製品写真も刻印の通り、F値が4(ワイド側)〜5.6(テレ側)です。まあ、ズームレンズとしては標準のF値ですが、せっかく一眼レフならば、F値が2以下のレンズも所有したいところです。

 

明るいLレンズは高いですが、1万円台前半でもF値1.8の純正レンズは買えます。コレです。

 

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Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM」。Lレンズの1/10の価格だからと言って、1/10の画質なわけではないです。たまに撮影する程度でLレンズに名前負けしたような写真を撮るくらいなら、コイツでガシガシ撮影して腕を磨くのがヨロしいです。

 

キャノンが昔から売り続けてきた廉価50mmレンズの「三代目」です。私は「二代目」を長らく愛用していましたが、最近このEF50ミリSTMを買いました。

 

キャノンのEFマウントのカメラであれば、どれでもつくと思います。最近のミラーレス一眼〜EF-Mにもアダプタをかませば使えるとのことです。

 

私のカメラはEOS60Dで随分前のカメラです。フルサイズではなく、APS-C(APS-Cでも色々あるらしく、どのくらいの面積かは記憶が曖昧ですが)です。なので、50mmレンズの視野をフルに使えず、ちょっと寄ったサイズで80mm相当の中望遠レンズになります。

 

ではさっそく、撮影サンプル。部屋の中をうろうろ、ベランダをうろうろしながら、撮りました。

 

まずは、ミロのヴィーナスさん。2000円で買った置物&作画参考資料です。作画机の上で撮りました。

 

 

 

 

iPhoneでは到底望めない、カッチリとした描写性能は、一眼レフならではです。また、レンズが明るいので、暗いシチュエーションでも手ブレを少なく抑えられます。

 

ディテールを細かく撮れるのも、一眼レフカメラならではです。ヴィーナスさんの頭の埃を払ってから撮ればよかった‥‥と思えるのも、埃すら明快に撮れる一眼レフの性能ゆえですネ。

 

また、深度の浅さ=背景や前景が大きくボケるのは、F1.8の成せるワザです。

 

 

 

 

深度が浅いと雰囲気がでるので、何でもかんでも深度の浅い写真を撮りがちですが、まずはいっぱい撮ってみないと達観もできませんよネ。以前と違って、大容量のSDカードに膨大な枚数の写真を撮れる時代ですから、妙に最初から通ぶるより、どんどん深度の浅い写真を撮って楽しみましょう。

 

深度の浅いのをさらに何点か。

 

 

*一番手前のコードが、途中からピントが外れて半透明になる様子は、絵を描いている人間からすると、「そんなにボケるものかね」と意外な発見もあります。緑のケーブルタグが溶けて光ってますよネ。何の変哲もない紙のラベルなのに、リアルな世界だとどれだけ反射光のダイナミックレンジが広いのか、HDRが出現したのもなるほど頷けます。

 

 

 

素で、こうした深度の浅い写真が、難なく撮れます。一眼レフには「深度確認ボタン」がついているので、絞りに合わせて深度が深くなったり浅くなったりする様子を、撮影前に確認できます。

 

次に、光と影、明暗のコントラストの表現を50mmSTMで撮ってみます。こんな感じに。

 

 

 

撮影用のテストパターンのように見えますが、実はコレです。

 

 

 

窓のブラインドのスリットでした。明暗を自在にコントロールできる一眼レフの操作性をもってすれば、こうした写真も即座に撮影可能です。

 

一眼レフ、特にEOSは、人差し指のダイアルと、親指のダイアルの2つの操作で、露出を1秒以下で操作できます。私は絞り優先で撮ることがほとんどなので、人差し指はF値、親指は露出補正(シャッター速度を変更)で、コントロールします。

 

加えて、AEロックボタンとAFロック(シャッター半押し)の組み合わせで、構図と露光を瞬時に決めて撮影することも可能です。iPhoneのダラダラとした撮影段取りとは雲泥の差です。

 

明暗を強調した写真もいくつか。

 

 

*ただのシュレッダーです。コントラストをつけて撮ると、何か意味深ですけどネ。角のハイライト部分に微妙なフレアが発生しているのが、何だかアニメっぽい。

 

ピアノ(というか鍵盤楽器)の外観はもともと黒いですし、黒鍵も黒いので、カメラ任せの露出だと明るすぎに撮ってしまう傾向があります。しかし、露出補正でマイナス1〜3の幅で撮影すれば、黒い楽器を黒いまま、撮影することが簡単にできます。EOSなら親指のダイアル1発ですからネ。

 

コントラストを活かした場面では、露出の見極めがキモですから、撮影時の操作性が「高画質かつ意図通り」の写真を撮るのに必須となります。

 

ちなみに、光沢を撮影する際に、光沢や反射をコントロールできて、別次元の撮影が可能になるのが、PLフィルタ・偏光フィルタです。

 

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マルミの一番安い円偏光フィルタ・サーキュラーPLフィルタですが、十分に反射(光沢)をコントロールできます。50mmSTMはフィルター径49mmなので、安価にフィルタを揃えられるのも嬉しいですネ。

 

PLフィルタは2枚で構成されており、リングを回すと、偏光(偏光については調べてください)の入る量を増減できるので、偏光の発生するシチュエーションで威力を発揮します。水面やガラスの反射は目に見えて効果が表れます。

 

見ての通り、コート面が暗いので、当然ながらレンズに入射する光の量も減衰します。しかし、EF50mmSTMは明るさがF1.8なので、PLフィルターをつけたままででも、暗めの室内で手持ちで何とか撮影することが可能です。F4くらいの暗めのレンズなら、室内で手持ちでPLフィルターはちょっとキビしいですネ。

 

最後にお約束の草木をば。

 

 

 

 

花の名前は‥‥‥わかりません。自分で買ったのに、花には疎くてね‥‥‥。

 

下の写真はローズマリーです。ベーコンを多めのオイルでじっくりローストした後、ローズマリーを加えて香りをオイルに移し、後はパスタの茹で汁と塩と粗挽きコショーで味を整えて、パスタと混ぜ合わせて皿に盛り付ければ、美味しくてシンプルなパスタ1品が出来上がりです。‥‥あ、カメラから料理に脱線した。

 

ローズマリーの葉の毛羽立ちまで繊細に捉えるディテールの細かさも、一眼レフならではです。背景をここまでボカせるからこそ、葉の繊毛まで際立つのです。

 

 

 

とまあ、キャノンEF50mmSTMでの撮影例を挙げてみました。どれも、ふと思い立って撮影したものばかりですから、日常の些細な場面でも、iPhoneで撮影するのとは一味も二味も違う写真が、安くて高性能な50mmレンズで撮影できます。

 

もちろん、こうしたカメラの撮影経験は、作画やコンポジットにも直接的に活用できます。アニメは作画を起点とするでしょうが、決して実写の知識や経験も無駄ではなく、むしろ作画時のレイアウトの研究や、コンポジット時の光と影の表現にモロに使える有用なものです。

 

一緒に暮らす犬や猫、金魚、ベランダの草木、友達、彼氏彼女、伴侶、兄弟や親、子供など、50mm〜APS-Cで80mmの中望遠に適した被写体は身の回りにいくらでもあるでしょう。

 

外に出れば、少し狭目な中望遠でも、カメラのアングル、レイアウト次第で、風景写真は撮れます。

 

 

 

iPhoneのカメラ機能で、日々撮影することの敷居が低くなって、なんでも高解像度の写真で記憶をカタチとして残せるのは、現代ならでは恩恵です。私もiPhoneでよく写真を撮ります。

 

一方で、iPhoneだと似たような写真になりがちで、iPhonesであるがゆえに一枚一枚の「写真の重み」も軽くなって、「思い出の一枚」をかえって撮り難くなっているようにも思います。

 

一眼レフで写真を撮れば、iPhoneとは異次元の写真を撮ることも可能になります。

 

休日は50mmレンズだけで、世界を写真の中に切り撮って、自分の思い出とするのも、これまた一興ですヨ。

 

 


勘違い

ドイツの戦車で、パンター(俗にいうパンサー中戦車)はエンジンで発電機を回してモーターで車軸を動かす‥‥と何となく思っていましたが、ふと何かの拍子にパンターの諸元を見ると「モーター」のモの字もなく、‥‥‥‥‥‥‥あれ、ソレって、エレファントか。‥‥と今さら再認識することもあります。どこで覚え間違いをしたのか、ナゾです。

 

 

というような勘違いは、半世紀生きても、私の中にまだ相当残っていると思われます。

 

パンターの初陣の「ツィタデレ(クルスク)」戦では、故障車が続出した‥‥というエピソードが、いつのまにか「エレファント重駆逐戦車」のモーター駆動での故障車の話にすり替わったのかな‥‥と推測するばかりですが、理由はなんにせよ、単なる思い違いです。しかも、エレファントは自重の過大に使えてモーターの故障で役立たず‥‥という従来のイメージも、近年の研究では、特殊な動力部のイメージが一人歩きしただけで、当時の前線からの報告書を分析すると、従来のイメージとは随分と相違があって、実はドイツとソビエトの双方に評価されていた‥‥との報告もあります。

 

 

 

 

 

思い違い。勘違い。

 

アニメ制作現場で、3コマなどのタイミングを言う時に、

 

3コマうち〜コマ打ち

3コマ落ち〜コマ落とし

 

‥‥という呼び方が混在しており、私は両方耳にしたことがありますが、どちらが正しい‥‥というか好ましい使い方なんでしょうネ。明らかに、同じ意味の内容を、上記2つの言い回しで聞いたことがあり、現場それぞれの慣習に基づく思い違いや勘違いが含まれていると感じます。

 

そもそも、

 

シートを書く

シートを打つ

シートをつける(「つける」の漢字は不明)

 

‥‥という3種類の言い回しがあります。‥‥なので、私の勘違いかもと思いつつも、このブログでは、

 

シートを打つ 〜 3コマ打ち

 

‥‥という書き方をしています。

 

 

 

勘違いだと思うのなら、確認すれば良いじゃないか。

 

‥‥と思う現場部外者の人はいましょう。普通はそう思いますよネ。でも、業界で複数の現場で経験を積んだ人なら、

 

どこに? ‥‥どこの誰に確認しても、「正しい用語」の出どころなんて曖昧なままだろ。

 

‥‥と感じることでしょう。ぶっちゃけ、その現場のリーダー、チーフ的存在の言い回しが、その現場だけの標準に「なんとなく」なっているだけで、明示的な「アニメ制作用語規定 勧告2000.1」みたいなドキュメントは存在しません。

 

そんな曖昧な状態でも、何十年も作業力を融通しあってアニメを制作してきた日本のアニメ業界に代表される日本人の性質には、驚くばかりです。それゆえに、そうした「無規定」「標準無し」の状態が、報酬などのお金の面にも色濃く影響しているんでしょうネ。

 

 

 

「付けPAN」の「付け」とは何を意味するのか、色んな説を聞いたことがありますし、作画の内容に関する「普通の価値観」も実は現場ごとでバラバラです。

 

付けPANの「付け」とは、これこれこういう意味で正しい。

 

出典はどこですか?

 

昔、先輩から聞いた。

 

その先輩は、何かしらの規定書・規約に基づいて、発言したのですか?

 

当時先輩が撮影監督から聞いたと言っていた。なので、撮影用語として定着しているのは確かだ。

 

では、その撮影監督さんは、何を基準・規約として、撮影用語を扱っているのですか?

 

それは知らん。

 

ぎゃふん。

 

 

何か、古代の神話を紐解く思いですネ。

 

なので、誰がどう考えても計算しても合致する内容、‥‥たとえば、「(100+50)x2=300」とか「RGB画像をアルファチャンネル画像で透明部分を切り取る(マスクする)」とかいうことでもない限り、アニメ業界の用語や技術は、勘違いや思い込みや出どころの怪しい伝聞で成り立っていることを大前提として許容し、その許容を意識しつつ話すことが肝要でしょう。

 

実際、今の若い(20代〜30代前半)のアニメーターは「第1&第2原画があって当たり前」と思い込んでいる人もそこそこ存在するようで、「レイアウトの時は動きの大まかなアタリをピンポイントで1〜2枚描いてくれれば良いです。レイアウト作業時にシートを書く必要もありません。」と言っても、どうしても「背景の原図、ラフ原画(第1原画)、シート」を描いてきてしまう人もいるようで、そうなってくると、もはや「作業様式」すら「世代ごとの方言」が存在すると言っても過言ではないでしょう。

 

私は新しい技術をどんどん実用化する取り組みを、「用語辞書」を書きながら進めています。自分で決めたことでも、記述してデータベースにしておかないと、簡単に記憶違いをするからです。自分で決めたことなら完璧に記憶している‥‥なんてことは、どんなに記憶力に自信がある人でも、10年の歳月が経過すれば細部は怪しくなるものです。

 

旧来の現場はどうでしょうか。基本的な用語を策定しようなどという動きは全く聞こえてこないですネ。道交法が施行されてなければ、交通事故が多発するのは当然のことですが、なぜか道交法を決めずに「皆の自助努力と機転で事故を回避しよう!」と言い続けるだけです。

 

「この用語はこういう意味だ」とツイッターで書いて呟けば、どんどん規定が進めば良いですが、そんなことはないですしネ。単に自分の雑感を述べているに過ぎません。しかも、ツイッターの言葉の寿命は極めて短く、個人がバラバラで呟くがゆえに、読み返そうにも散逸して読めません。

 

どんなにケーブルのコネクタがHDMIやUSBの形状をしていても、信号線の規定を守らなければ、それはHDMIでもUSBでもなく、単に「接続コネクタ」でしかありません。

 

工業では誤差まで規定しますが、アニメ業界は誤差どころか基礎的な規定すら怪しいです。「そんなの、毎回テスターで測ればいいじゃん」といいつつ、テスターで測る習慣は根付いておらず、各所で事故や行き違いが頻発します。

 

でもまあ、旧来の現場の規定はもう無理かな‥‥とも思うのです。皆それぞれ主張がありますし、今から規定しても規定を終了する頃には次の技術や勢力に転換している可能性も高いです。令和に元号が変わり2020年代を迎える今さらになって、フィルム撮影台の用語を標準化してどうすんの?‥‥という話です。

 

次世代の技術では、こうした業界の経緯を踏まえ、用語などの規定は同時進行で構築して、ある程度のタイミングで勧告をおこなえばよいと思います。

 

「勘違い」かどうかを確認する「よりどころ」さえあれば、混乱せずに済みます。

 

何でも取り決めれば全て良いとは思いませんが、基本的なことだけでも取り決めておけば、右側通行と左側通行が錯綜して正面衝突する大事故は事前かつ明示的に防げますよネ。

 

 

 


個人規模のCSS

複数のサイトを運営する場合、CSSもサイト個々の専用になると思います。しかし、そうなると、CSSの一覧表でも作っておかないと、すぐに忘れて定期的にCSSのコード文を再確認することになって、面倒ですネ。

 

フォントの名前を見て、すぐに頭の中に書体を思い出せるほどの経験はないですから、CSSがある程度まとまってきたら一覧を作ってクラス名とかもすぐに思い出せるようにしたほうが良いですネ。

 

現在2つのWebを構想しておりまして、1つはアニメ制作技術関連、つまりこのブログで書いているようなことを、ドキュメントとして読みやすくまとめるWebです。ツイッターなどのSNSやブログのような細切れのテキストは、まとめやジャンル分けしても、いちいち途切れる性質は変わらないので、書籍のように読みやすくしたWebは技術解説には最適だと再認識しています。

 

もう1つは、アニメ以外の趣味寄りなWeb。いわゆる昔ながらの「ホームページ」ですネ。自分のガーデンのように楽しみながら作りたいと思っています。本文に貂明朝を使うことだけはもう決めています。

 

趣味ドメインのCSSテスト

https://beabea.tokyo/texttest.html

 

素人の個人Webだろうが、今やCSSでの外観コントロールは必須です。しかし、素人ゆえ、管理がおぼつかないのは容易に予測できます。ならば、工夫して対処すべし。

 

 

 

ツイッターはもちろん、図説と長文が可能なブログでさえも、最近のコンテンツの寿命は短いです。なんか、「テキストまで使い捨ての時代か。金がない、金がない、と言ってるわりに。」と思うのです。

 

私がツイッターに関して読むだけにとどまっているのは、テキストを書いてはどんどん捨てるスタイルにどうも馴染めないからです。読み返したい時にどうすれば良いのか、ツイッターのアカウントを訪れても要領を得ないのは、まさに刹那的なテキストコンテンツそのものです。拡散力は高いものの、ドキュメントとしてはまるで広告の古紙回収のように数日で忘れ去られていきます。「バズった」と言ったところで、読む側にしてみればほんの数時間・数日の記憶に留まるだけで、1ヶ月も経てば完全に忘れています。

 

私は映画が好きですし、本も画集も好きですし、レコードもCDも好きです。‥‥つまり、後に残って、いつでも見返せる・読み返せる・聴き返せるメディアが好きだ‥‥ということなんでしょうね。我ながら。

 

なので、ネットのドキュメントも、今一度、Webとして長く保持したいと思うようになりました。

 

まあ、「これこそ全て!」みたいに一神教になる必要はなく、必要に応じて、SNSもWebサイトも使いこなせるのが、一番なんでしょうネ。

 

 


二値の頃

あまりにもヒラギノ書体に慣れすぎた私ではありますが、昔のMacのOsakaやChicagoも好きでした。二値データのフォントやアイコンは、それ自体は、決して悪いものではないです。

 

今は、解像度が上がって、処理速度も上がったがゆえに、二値化にする必要がなくなっただけで、書体やデザインとしては優れていると思います。

 

 

サッドマック。潔い二値画像が、逆に今は新鮮。

 

 

ハッピーマックも可愛かったネ。

 

 

スーザン・ケアさんのシカゴフォントもかつてのAppleの「顔」でしたネ。最近まで「Charcoal」という書体で見かけていましたが、今はもうない?

 

Adobe Fontsで似たような書体を探そうと思いましたが、一覧のページ数が144と、あまりにも多すぎて早々に諦めました。何か良い検索方法はないか、もうちょっと考えてみますが、もしChicagoと似たようなフォントが見つかれば自分のWebの欧文見出しに是非使いたいです。Chicagoはトラディショナルになり過ぎず、ふざけ過ぎず、適度な軽さの中に整然とした佇まいがあるので、昔から好きなんですよね。

 

収穫がないのも悔しかったので、脱線して、全然違う書体をアクティベートしたった。(PC版のJUGEMのみ表示可能)

 

Hisashi Ezura

 

 

おそらく、Eの文字がパックマンみたいなのが、自分的に好きなんでしょうネ。見出しに使えるかは微妙ですが、とりあえずゲット。

 

 

 

倉庫に眠るPlusやSE、Performaは、果たして可動か。またいつか、ディスプレイに映し出された、生の二値画像を見たいものです。

 

 


フォントはふぉんとに難しい

広川太一郎さんみたいなこと言ってないで。

 

現在、フォントを小塚明朝にしていますが、いかんせん、私はヒラギノゴシックに慣れすぎました。ヒラギノゴシックが自分の論調を代弁してくれているような愛着すらあります。

 

注意;PC版のブラウザのみフォントが反映されています。スマホ版では今まで通りです。

 

小塚明朝に変えたら、なんか粘度というか、湿度が増しましたネ。

 

だからといって、このフォント(丸ゴシック)でPタグを定義すると、サラっと乾いているのは良いけど、軽すぎるようにも思います。

 

 

フォントってすごいよね。フォントだけで、性格まで変わっちゃうんだもんネ。

 

まあ、ヒラギノゴシックはmacOSの標準なので、デフォルトで表示されますが、他のプラットフォームだとメイリオだったりして、実は閲覧する環境で印象はバラバラなんですよネ。

 

ここでは、他人にとってはどうでも良い私的な内容も書く一方で、マジメなことも書くので、まあ、小塚明朝でも良いのかな‥‥と思い始めています。

 

ほんとは、ゴシック〜サンセリフが良いんですけど、ピシッとハマるフォントが見つけられていないので、しばらくは小塚明朝Pr6Nでいきたいと思います。

 

 


After Effectsでもアニメーション

私が、いわゆるカットアウト系のアニメーションソフトウェアをあまり使わないできたのは、After Effectsをもう20年以上使い続けて手足のように馴染んでいること、そして、After Effectsのような一般的なコンポジットソフトウェアで絵を動かせるようになれば、それなりに他のソフトでも融通が効くだろうと思ったからです。

 

だってさ。After Effectsって、全然アニメ向きのソフトじゃないもんな。

 

それを使って、アニメが作画レベルから作れるようになれば、‥‥すなわち、基礎的なトランスフォームやエフェクトツールで絵が動かせるようになれば、他でも応用が効くと判断しました。

 

それに、何度も繰り返し書きますが、いざとなれば、描いて動かせば良いんだもんネ。アニメの作画経験を経て、カットアウトやキーフレームのアニメーションへと進めば、2つの技術を融合させることも応用することも庇い合うこともできるわけです。

 

何が何にとってかわる‥‥なんて短絡的な物の見方ではなく、「長所を活かして使えば良い」のです。‥‥これも何度も書いてきていることですが、ぶっちゃけ、そうとしか言えません。

 

何がトップをとって席巻するかなんて、どうでもいいことです。表現者、作業者としては、「いろいろな表現のニーズに応えられること」が重要です。

 

そこに加えて、バージョンアップの熟成を重ねてきた、カットアウト系のソフトウェアを導入すれば、さらに選択肢は広がりましょう。

 

 

 

例えば、以前、FollowとPANのガタつきを説明するためにアドリブで作った、簡単な絵柄の下図のアニメーションは、何もないゼロのところからAfter Effectsだけを使用して1〜2時間で完成しました。

 

 

 

まあ、この絵柄だもん。時間のかけようがないよネ。

 

でも、こういう簡素な絵柄でも、プロダクション規模で作れば、どのくらい時間がかかって、どれだけお金がかかるのか、私個人の1〜2時間の対価では到底収まらないでしょう。‥‥まあ、個人がアドリブで作った絵と、プロダクションで企画立案して制作運用する絵を、同じ天秤で計るのは「反則」なので、厳密に比べようとは思いませんが、事実として、After Effects1つあれば、技術次第でこのくらいの絵なら1〜2時間で動かせるわけです。

 

空と遠くの山はこんなで、パスで一発描きそのものだし。

 

 

女の子も、やっぱりパスだけでアドリブで描いて、「絵本テイスト」っぽく見せてはいるものの、実はとても短時間で仕上げてます。膝小僧のグラデや、向こうの足の影部分も、ちゃちゃっとグラデで作れます。

 

動画枚数全てに処理を入れるのとは対照的に、根本的に作業量が少なくて済みます。実写の技術も応用して(After Effectsでは女優さんの肌影を調節したりもするので)、効果を足しています。

 

 

1秒で2歩のサイクルにしていますが、必要とあらば、もっとゆっくり歩いても良いですし、前に出した足が着地する際に子供っぽく上から踏みしめるようなポーズに変えることもできます。そうした「動きの変更」「タイミングの変更」を描き直しせずにすぐにAfter Effectsで実現できるのは、今までのアニメの常識とは大きく違うところでしょう。

 

 

 

After Effectsで元絵から作らないで、外部で絵を描いてAfter Effectsに持ち込んで動かすことも、当然可能です。私は現在iPad ProとProcreateで4000〜8000ピクセルの絵を描いて、After Effectsに持ち込んで動かすような作業を毎日おこなっています。トレス線にはわざとかすれや途切れを作って、表情を出しています。塗りつぶしのキッパリした二値線とはニュアンスを使い分けています。

 

今から5年前の2014年にはまだiPad Proはなかったので、紙と鉛筆をインプットメソッドにして、4Kで動かそうとしていました。以前に何回も載せたコレです。

 

2014年当時に、A2〜3サイズ相当の紙に鉛筆に描き、Mac mini上のAfter Effectsでペイントしました。After Effectsでもペイント的なことはできるんですヨ。まあ、前述の背景と女の子がゼロから作れるんですから、ペイント相当の作業も「とりあえず」はできます。もちろん、本番ではプロの人と機材に任せますけど、開発段階では自分で塗ったりします。

 

 

こうした、コミックやアニメだけでなく日本画からも影響を受けた絵柄でも、2019年の今では十分動かせる自信もついてきました。いろんな意味で、「ジャポニズム」を2020年代に再燃させたいとも思っていますしネ。‥‥まあ、髪の毛は大変でしょうけど、できなくはないです。この5年間の作業経験によって、どこをどうすれば動くかのノウハウも溜まってきました。

 

私は、萌えキャラというよりも、日本の絵画や象徴主義などの画家たちの絵が好きなので、このような絵柄を自分では描きますが、絵の作風なんて、どんな絵柄だって構わないのです。After Effectsで絵を動かしてみようかと思った人が、描きたい絵を動かせば良いだけです。今までのアニメの作風でも良いし、イラストの作風でも良いし、まったく違う畑から持ち込んでも良いです。

 

つまり、どんなソフトを使おうか、悩んで5年10年過ごすのは、いかにも時間の無駄使いということです。After Effectsでも、Live2Dでも、Mohoでも、CACANiでも、Toon Boomでも、使えるものは迷わずどんどん使うスタンスで良いと思いますヨ。「使えば都」ですヨ。

 

私はソフトウェアに絵柄を決めつけられるのは「大嫌い」なので、ゆえに、どちらかというと実写系のAfter Effectsを好んで使っていることもありましょう。

 

After Effectsじゃさ、「こんなアニメを作りましょう」なんてデモは一切ないもんネ。After Effectsからは「流行りのキャラを描け」と強要されないのが気楽で良いです。

 

After Effectsの開発者の方々からすれば、もしかしたら想定外の使い方かも知れませんが、まあ‥‥、使えるんだからいいじゃないの。

 

 

 


フォントテスト

アドビのCCを使用していると、色々なフォントをネットにも活用できます。JUGEMでは、ユーザがCSSをカスタムできるので、見出しタグや段落タグの変更、任意のクラスの定義が可能です。

 

こうして書いている本文のテキストは、PC環境では現在「小塚ゴシック Pr6N」「凸版文久ゴシック Pr6N R」「Kozuka Mincho Pr6N」で、段落行頭に1文字インデント(余白)を追加するようにカスタムしました。

 

見出しや注釈でもフォントを変更できるように、楷書体、丸ゴシック体、明朝体を使用可能としました。

 

ただ、JUGEMの入力エディタでは、見出しタグなどを指定できず、任意のCSSクラス定義も一覧には表れないので、いちいちHTMLコード文をイジる必要があって、やや面倒です。

 

私は出版の素人なので、どんなフォントが良いかは、手探りです。

 

本当は本文は明朝体にしたいのですが、それだと技術解説っぽい印象が薄れて、物語や文庫のようになるので我慢しました。自分のWebを復活させた際には、技術ページをサンセリフ、思い出話や創作(プラモとか)をセリフ書体にする予定です。

 

CCを使っていて、何かしらネットに自分の文を公開しているなら、アドビフォントは使ってみる価値アリです。ツイッターは多分無理ではないかと思いますが、自分でCSSを編集できるサイトなら使用可能と思います。

 

以下、フォントサンプル。自分メモ。

 


 

新しい時代のこころを映すタイプフェイスデザイン(Kozuka Mincho Pr6N)

 

新しい時代のこころを映すタイプフェイスデザイン(A-OTF UD新丸ゴ Pr6N)

 

新しい時代のこころを映すタイプフェイスデザイン(アドビ 平成丸ゴシック)(中止)

 

新しい時代のこころを映すタイプフェイスデザイン(アドビ 貂明朝)

 

新しい時代のこころを映すタイプフェイスデザイン(Ro日活正楷書体Std)(中止)

 


新しい時代のこころを映すタイプフェイスデザイン(A-OTF UD新丸ゴ Pr6N)

 

 


Live2D

Live2Dを数年前にネットの記事で見た時は、手描きのキャラをコンピュータで動かす統合的なソリューションとして、とうとう日本から出現したか‥‥と思ったものでした。日本のカットアウト技術は、欧米に立ち遅れること10年近く、単に個人芸の範疇から抜け出ない状態に甘んじていましたが、Live2Dの出現によって一気に挽回したと言っても良い状態となりました。

 

そして現在。サブスクリプションも月1200円くらいで、決して導入の難しいものではありません。私はまだ導入していませんが、以前から気になっているソフトウェアで、カット作成の効率化は相当期待できます。

 

最近、After Effectsとの連携プラグインが公開されたようで、そうなると、今まで私個人で貯めてきたカットアウト&キーフレームアニメーション(以後「CO/KF」)とのハイブリッドも可能になりそうで、今の4KHDRの仕事がひと段落したら、いよいよ導入して使おうかと考えはじめています。

 

Live2D Cubism 3 AE Plugin beta 5 リリース!モーションファイルの読み書きが可能に

https://www.live2d.com/ja/news/aeplugin_b5

 

 

アニメのキャラ、イラストのキャラ、油彩や水彩のキャラなど、様々な作風のキャラをLive2Dにて基本のモーションを作成し、さらにAfter EffectsのCO/KF技術でニュアンスやディテールを盛りに盛れば、十分、劇場レベルの高品質アニメを制作できるように思います。

 

また、Live2Dで使う2D素材を、4KHDR PQ1000の色域で作れば、1000nits時代の次世代の色彩でもLive2Dを使えるはずです。

 

全てをLive2Dに頼らなくても、顔のクローズアップなどの書き味の微妙なニュアンスがキモとなるカットは、CO/KFでオールカスタムメイドで作れば良いです。Live2Dを使うと決めたら、Live2D以外使ってはいけないなんて思い込む必要はないのですから、最良の手段を選択すればよいです。

 

いつくもの新しい技術を複合することで、今までとは違った品質で、趣の異なる絵柄のニュアンスで、新たな方向性のキャラで、新しいタイプの作品を作ることも決して「机上の空論」ではなく、むしろ、十分想定できる未来のビジョンと思います。

 

 

 

ただ、動きの知識はどこかで「ピシッ」と学ぶ必要がありましょう。そこがまさに最新の技術と旧来のアニメ技術の「Missing-link」なんですよネ。

 

カットアウト系の動きで、何が一番難しいって、「キーフレーム操作でそれらしく動かす」ことです。そのためには、After Effectsだろうが何だろうが、コンピュータ云々以前に、動きの知識を自分の経験に叩き込んでおく必要があります。なんとなくキーフレームを打ってイジくりまわしたって、「動いたようには見えない」です。ちゃんと知識と経験を足場にしてこそ、です。

 

ここがまさに、未来の課題です。人材の育成においてもネ。

 

 

 

ともあれ、選択肢が幅広いことは善きことです。

 

Live2Dは、Windows版もmacOS版もありますし、Mojaveにも対応しているし、macユーザ、iOSユーザでも、垣根なく使い始められるのも良いですネ。

 

Live2Dだけではなく、Mohoなどの各種カットアウト系ソフトウェア、物理シミュレーション系エフェクトプラグインなども使い、さらにはAfter Effectsで可能なCO/KFも使って、「総合技術」として確立すれば、未来の展望は現実路線として具体的に開けてくるでしょう。

 

それにさ。‥‥アニメーターは絵を描いて動かせるんだから、いざとなりゃ、チカラワザで描きゃイイんだしネ。足りない要素は、iPad ProとProcreateで描いて足せば良いでしょ。

 

After Effectsだって、かなりエグいアニメーションをつけられますしネ。

 

要は、組み合わせです。一神教になる必要はないですよネ。各種ツールと各手段の長所を組み合わせれば良いのです。

 

旧来の「武士道」ならぬ「アニメーター道」に凝り固まっていては視野が狭いままで、広がりは得られません。絵を描く能力を最大の武器として活かすには、「己の能力を拡張する」様々な手段に対し常にフラットな観点を心がけ、色眼鏡をつけずに、積極活用する柔軟さを心がけるべし!‥‥と思います。

 

 

 


画角と距離

全ての人がスマホを持っているわけではないにしろ、今はほとんどの人がスマホを所有していますよネ。

 

おそらく、そのスマホにはカメラ機能がついており、レンズ越しの情景をすぐに確認することができると思います。

 

つまり、前回取り上げた「Follow」のシミュレーションを、そのスマホで簡単にできるわけです。なんなら、録画して何度でも再確認すらできます。

 

良い時代ですネ。

 

 

 

で、カメラを扱う時の基本中の基本ですが、

 

ズームだけでなく、自分も動いて、フレーミングする

 

‥‥というのが、撮影する時の鉄則です。

 

アニメーターのような日頃絵にこだわっているような人間でも、スマホの画面に実写がモニタされると、「ああ、こんな感じか」と妙に無批判に納得したりします。

 

カメラに写った実物相手に、ナンですが、

 

こんな感じじゃない

 

です。早々に納得してはイケませんよ。

 

自分の記憶やイメージと、スマホのカメラモニタの内容がズレている時は、まあ、十中八九、画角の問題=ズーミングの問題と、被写体との距離の問題です。

 

大概のスマホの画角は、日頃の距離感の被写体を捉えるために、広角寄りのレンズになっていることが多いようです。少なくとも、iPhoneはそうです。

 

ゆえに、何でもかんでも「パースがついて」鬱陶しく湾曲します。こんな感じに。

 

 

椅子に座ったまま、さきほど飲んだサイダーのペットボトルをiPhone8で撮りました。もっと良い被写体は無かったんかい‥‥とか言わんでください。

 

Vの字に、パース線が開いて、上に広がって、下にしぼんでいますよネ。画角と被写体との距離によって、このようなパースの絵になります。

 

では、もっとフラットに撮りたい場合は、どうすれば良いでしょうか。

 

簡単です。椅子に座ったまま、体をちょっと反らして引いて、サイダーのペットボトルとの距離を開けて(以前より30〜40cmくらい離れて)、距離が開いた分だけ小さく見えますからズームで寄って、フレームの納まりを同等に収めます。

 

こんな感じに。

 

 

まだ、若干、下側に狭まっていますが、かなりフラットになりましたよネ。

 

画角と距離を、自分の思いのままにコントロールするとは、すなわち、

 

ズームで寄って引いて、レンズで近づいて離れて

 

‥‥という、とても基本的で簡単な内容です。

 

一眼レフを買わなくても、iPhoneでいくらでも学習できます。

 

たったこれだけのことをしないばかりに、似たような広角の誇張された画面の写真ばかりを撮ることになります。ズームで寄ってレンズは離して、ズームで引いてレンズは近づいて‥‥という単純な操作だけで、撮影される写真の内容は大きく変わります

 

たとえそれが、手の届く距離の範疇〜身辺1m未満のエリアであっても、です。

 

 

 

なぜ、広角レンズで近づいて撮影すると像が歪み、望遠レンズで離れて撮影すると像がフラットになるのかは、上図の模式図でなんとなくわかりますよネ。

 

広角側の距離AとBの長さの差は大きく、距離Aのほうがレンズに近いので、Vの字に湾曲します。

 

一方、一番離れた望遠側の距離AとBの長さの差は少ないため、Vの字に湾曲する度合いも少なくなります。

 

理屈を知れば、なるほど簡単。

 

 

 

なぜか、カメラを使う人の多くは、「撮りたい!」と思った瞬間から足が地面に張り付いたかのごとく、自分では動こうとしません。カメラで撮影する時は、カメラを持った手を動かして角度を探すだけでなく、足も使って距離も探しましょう。そして、しゃがんだり中腰になったり背伸びしたりして、アイレベル(作画でお馴染みの)を操作しましょう。‥‥それだけで、写真はググッと自分のイメージ通りに面白くなります。

 

3DCGでも同じことが言えるのですが、実写はカメラの画角と距離と高さによって、人の顔の印象は激変します。可愛い女の子を可愛く撮りたいのに、広角で顔面を狙って馬面に撮ってどうする。お人形さんみたいに撮りたいのなら望遠、身近でさりげない雰囲気で撮りたいのなら50mmの標準や85〜105mmの中望遠‥‥と、レンズ口径の選び方と被写体との距離に気を配れば、いつも描いているアニメのキャラのように、普通に可愛く綺麗に撮れます。

 

普及価格帯の一眼レフカメラを持っているのなら、フルサイズ用(35ミリライカ判)の50mm単焦点レンズを装着して、愛する人や猫や犬を絞り開放気味(=深度を浅く)で撮るだけで、美しい瞬間をカメラに写し撮ることができます。ちなみに、APS-Cですと50mmは中望遠近くの画角になりますので、ポートレイト(猫でも犬でも)に最適です。明るくて軽量で、しかも安い50mmレンズは楽しいですヨ。

 

まあ、アニメーターの多くは、自分の描いているキャラの顔立ちがレンズ口径何ミリか‥‥なんて意識せずに、「自分が良いと思った絵」を描くだけなので、カメラを使う時は画力が活きずに素人みたいになっちゃいますが、レンズの口径(ズーム)と距離で「絵を探す」意識を持って撮影すれば、自分の「絵を描く時の美意識」を反映できるようになります。‥‥だから、カメラは面白いのです。

 

何となく突っ立ったまま、iPhoneを構えてボケ〜っとシャッターボタンを押すのではなく、スワイプ操作によるズームの変更と、自分の体を動かしてiPhoneの位置をあれこれ変えてみれば、自分の撮りたかったと思う絵が見つけやすくなります。

 

ちなみに、以前自分の目で大雑把に測ったことがあるのですが、

 

片目の場合:ライカ判のレンズ(=いわゆるフルサイズの一眼レフ)で、70mm相当

両目の場合:ライカ判のレンズ(=いわゆるフルサイズの一眼レフ)で、40mm相当

 

の画角でした。あくまで、私の目での話なので、個人差はそこそこあると思います。

 

つまり、自分の両目で見た画角で収めたいのなら、フルサイズの一眼レフなら、40mmのレンズ口径で撮影すると、私は私の見た目に合う‥‥ということです。

 

 

 

たまに、「密着引き」の方向がわからなくなることってありますよネ。被写体を中心にして周囲を回るようなカメラワークだと、余計混乱します。理屈でわかっていても、確認したい時もあります。

 

そんな時は、その辺にあるコップやペットボトルで机の上に簡易芝居場を作って、iPhoneでカメラテストをしましょう。手軽に答え合わせができますヨ。

 

もし、画角と距離の操作だけで「こんなにも自分の思う絵が撮れるなんて」と手応えを感じて、もっと写真を撮ってみたいと思ったら、いまどきのミラーレス一眼とかは第1歩に良さそうですネ。

 

 


Followの意味

アニメの制作現場、映像の制作現場で度々出てくる撮影用語の「Follow」「フォロー」とはどう言う意味か。

 

私は実は、このフォローという言葉の、制作現場における意味を、いまだにハッキリ確定できていません。

 

まさか、台引きのことをフォローだなんて言うのはズレ過ぎですし、「付けPAN」「FollowPAN」の定義もあまりにも各所で違っています。

 

つまり、アニメ業界で「Follow」「フォロー」という言葉は、撮影指定用語のフリをしているものの、実際のところはとても曖昧なまま、数十年が経過したのではないか‥‥と、最近は考えます。

 

Followを辞書で調べると、

 

ついていく

追いかける

 

‥‥という意味を検索できます。まさにカメラ・撮影の用語でも「被写体(キャラだけとは限らず、写すべき対象全般)」を追いかけてフレームに収める行為を指しているものと思います。

 

被写体を追いかける‥‥と言うことでは、Followの意味は一致しそうですが、問題〜特にアニメ制作技術の実質面においては、

 

どのように追いかけるか

 

‥‥が、キモになってきます。

 

実写でも同じことが言えると思いますが、追いかける方法には、大きく2つあって、

 

被写体と一緒に動いて追いかける

 

被写体を目(レンズ)だけで追いかける

 

‥‥の2種類があります。フォローは必ずしも、被写体と行動を共にして一緒に動くだけではなく、「目で追う」というのもフォローたり得るでしょう。

 

ですから、例えばカメラドリーで人物を追うだけがフォローと言い切ってしまうのは、かなり偏った解釈と思います。

 

r2.jpg

 

 

つまり、フォローとは、被写体に対するフレーミングの状態を、一般的に指し示すものであって、特定の段取りや撮影技術を指すものではない‥‥と、最近は考えるようにしています。

 

 

ただ、「どんな内容のフォローか?」を、絵コンテを描く人間や演出家、そしてアニメーターは、「レイアウト作業時点でハッキリと明確にイメージ」できている必要があるでしょう。

 

被写体と一緒に動いて追いかける

 

被写体を目(レンズ)だけで追いかける

 

このどちらであるかを、ちゃんとイメージできて、脳内でレンダリングしておくことで、明確な素材を発注でき、コンポジット時に計画通りに組み立てることが可能です。

 

●自走してフォローする場合

 

 

 

 

 

●定点でフォローする場合

 

 

 

キャラの収まりは一緒でも、背景の流れ方がまるで変わってくるのが、カメラドリー風のフォローと、PANによるフォローの大きな特徴です。

 

ただ、これまたややこしいのですが、アニメの制作現場では、自走によるフォローをイメージしたカットでも、しばしば、背景のスライド速度を速くしてスピード感を「盛る」ことがあります。カメラドリーとパンニングの両方をミックスすることも平然とやります。

*実写でも、カメラドリーやクレーンに乗りながら、カメラをパンすることで、同じ効果は可能です。

 

つまり、

 

見た目のイメージ優先

 

‥‥であって、理屈は後からつけるというのが、「実物にとらわれない」現場の流儀だったりもします。現実世界におけるカメラの様々な特徴を、適度に、そして自由に組み合わせることができるのも、アニメのアドバンテージです。

 

一方で、実写っぽいカメラワークを模して、「現実感」を強調するテクニックもあります。国民的柔らか路線の大御所監督さんでも、実はリアルなカメラワークをふんだんに取り入れて、「真実味」を増す技法を駆使しているのを、見逃すべからず。

 

 

問題は「フォロー」という言葉の具体性。

 

明確な何らかの指定用語を指すのではなく、「カメラが被写体を追いかける行為」として捉えておいたほうが、良さそうです。

 

Followといえば、台引き/BGスライドのことなんだー! 絶対にそうなんだー!

 

‥‥というのは、あまりにも思い込みが激しいかな‥‥と思います。業界の方言、しかも業界全体ではなく各流派の方言とすら思える「フォロー」という言葉とは、余裕をもって接したいですネ。

 

まあ、つけパン、フォローパン、台引き(代引きじゃないよ)、Follow 何mm/kなど、様々な用語も混ざって飛び交う現場においては、妙に業界用語に頼るよりは、

 

BOOK1を1秒あたり900px、矢印方向にスライド

雲レイヤーをAからBにポジション移動

BGを2秒で1フレーム分、右から左に移動

 

‥‥とか、実質的なことを書けば伝わりますネ。

 

要は、

 

技術も変わって、機材も変わったのに、フィルム撮影台のつもりで指定し続ける古めかしさ

 

‥‥を、新しい方法へとシフトしていくのが、令和、および2020年代の直近の達成目標となり、特に演出と作画の両工程に必須となるでしょう。

 

これからは、アニメ業界といえど、様々な映像制作ジャンルの方々と一緒に仕事もしていくことでしょう。アニメ業界でしか通用しない用語の使い方、しかもそれが一般用語となれば、認識を新たにして未来に臨むべしと思います。

 

 

 



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