1/4インチ8トラックMTR

倉庫所有者の廃業により、20年の長きに渡り借りていた倉庫から引越しすることになり、それはもう、色々な物品が出て来ました。懐かしく眺めている暇もないのでどんどん移動していますが、モスボール保管する前にいくつかiPhoneで写真を撮っておきました。

 

その中の1つが、私が20代の頃に使っていたマルチトラックレコーダーです。

 

これ。

 

 

FOSTEXの「MODEL 80」。

 

たしか、当時で198,000円だったと思います。その他も含めて、50万円のローンを組みましたが、生まれて初めての巨額のローンでした。当時の原画マンの原画単価はテレビで2400円前後でしたから、相当なお買い物でした。

 

8トラックのレコーディングミキサー、TX81ZやMT-32などのMIDI音源、各種エフェクト類(ラックマウントの)、ケーブルなどを合わせて買って、録音機材一式を揃えました。

 

今だったら、iPadやMacを買えばついてくるGarageBandで全く同じこと&それ以上のことができるので、「時代」としか言いようがないです。時代の古さゆえに、50万円のローンに苦しんだ‥‥という事です。

 

この「MODEL80」のスペックは、1/4インチのオープンリールテープを毎秒38cmで走らせる豪快なもので、テープの収録時間は10分くらいだったような記憶があります。90分テープ(ステレオ往復)として売られているテープが片方向の8トラック使用でまず半分の45分になり、通常は9.5cmの記録速度が38cmなのでさらに1/4になって11分。‥‥とまあ、かなりのランニングコストをかけて録音していました。

 

テープは大体2500円くらいでした。Ampexの456, 457が楽器屋さんに売っていたのでせっせと購入し、楽曲の制作をアニメーターの作業と同時進行でおこなっていました。20代のバイタリティって我ながら凄いです。今だったらそんなに手が回らんです。

 

 

おそらく、背面にトラック8だけノイズリダクション(Dolby-C NR)をOFFにするスイッチが付いていた‥‥と記憶します。

 

8番目のトラックは、各種シンクロの信号を記録するトラックとして使えるよう、シンクロ信号の記録に悪影響となるNRをOFFにできたのです。私はMIDIタイムコード(MTC)を記録し、レコーダーをマスターにして、MIDIシーケンサーをスレーブで操作していました。

 

8トラックあっても全然足らなかったので、生演奏ではないMIDI音源はミックスダウンと同時に再生して、トラックを稼いでいました‥‥が、それが後々、「再現が困難」な状況を生み出す原因とはなったのです。まあ、当時から問題は認識しており、できるだけテープオンリーで完結するように、トラックをまとめる習慣にしていました。‥‥ただ、トラック8から漏れる「ピーギギギー」というシンクロ信号のクロストーク(隣接するトラックの音が漏れて聞こえてくる)には手を焼いた記憶があります。

 

このあたりの知識を、独学とはいえ音楽制作で経験済みだったので、「デジタルアニメーション」と呼ばれた1996〜2003年くらいのアニメ制作の転換期に関わった際に、「信号レベル」に関するすることや「タイムコード」が何のためにあるのかなど、考え方を応用できました。

 

ちなみに、私は「テープをつなぐ」ことは全くしなかったので、一応スプライシングテープは所有していたものの、使わずじまいでした。フットペダルによる「パンチイン録音」(曲の一部分・一区間だけレコーディングする)は頻繁にやってたんですけどネ。

 

もう1度、音を出してみたい衝動にもかられますが、何しろ、環境を整えるのが大仕事(=重い、デカイ、場所を取る)ですから、いつかまた会う日までモスボールの中でおやすみ‥‥です。

 

 

 


最近の10万円以下の4Kテレビ

最近の4Kテレビで、以前に制作した4K60pのアニメ映像をMacProから出力して見たんですけど、ちゃんとご家庭のテレビでも4K60pの威力は十分伝わることが確認できました。

 

アップコンではない、正真正銘の4K60pの映像はやっぱり密度もキレも違います。そしてその高品質の映像を、各家庭の10万円以下の4Kテレビで普通に再生できることを、素直に嬉しく思いました。

 

自分で描いたiPad Proの筆致が全部克明に見えます。ちょうど、女優さんの肌の毛穴すら見えてしまうように。

 

私が考えている「描線」は、様々な表情があって然るべき‥‥なので、線のニュアンスの細部まで見える40インチ以上の4Kテレビは、理想がそのままカタチになったようなものです。

 

以前だったら、溶けてしまった極小のディテールも、その気になれば数を数えられるほどに、精緻に映し出します。

 

色彩のニュアンスも良いです。妙に暗部がもさっと潰れることがありません。どんな角度から見ても、色が崩れることもないです。

 

これが実売9万円のテレビなのか‥‥。

 

 

時代はどんどん近づいてきます。望んでいた姿となって。

 

 

思うに、今、4K60pHDR映像制作に一番有利なのは、「2Dアニメーション」と「実写(3DCGの絡まない)」ですね。

 

2Dアニメーションと言っても、現在のアニメ業界のアニメではないです。あくまで、新しい技術で作るアニメです。現在のマシンパワーを持ってすれば、4K60pの作業は重いは重いですが、不可能なことではなく、十分「射程圏内」です。

 

一方、3DCGは、4K60pなんてとても無理‥‥という話を関係者からよく聞きます。恐らく、表現上の技術的な問題よりも、4K対応の精度の問題、そしてマシンパワーの問題が深刻なのだと思います。

 

アニメ業界現状のアニメは、制作技術と制作費の都合上、2K24pが事実上の限界なので、同じアニメと言えど、実は一番、4K60pなどの未来の映像技術に遠い存在です。どんなに「デジタル制作」に切り替えても、映像技術が致命的な遅れを喫しては、未来で相当な苦戦を強いられるでしょう。まさか、2Kアップコンの4Kを「4Kアニメ」として売るわけにはいくまい。まあ、その辺は、「デジタル制作」をやりたい人たちが解決していくしかない問題ですから、私はノータッチ。

 

 

4Kテレビで4K60pのアニメがブロードキャストされるようになれば、それはまさしく「ガラテア」を、お茶の間(ていう言い方も古いですけど)や個人のモニター上に具現化できることになります。

 

60pフルモーションのあまりにも生々しい動き‥‥なのに、それはあくまで作り手の美意識の産物である‥‥という、「描き絵が60pで動く魅力」が、10万円のテレビを通して伝達することができるようになるなんて、「絵に命をふき込みたい人間」からすれば、奇跡の技術進化です。

 

素直に、映像技術&機器メーカーの開発者の人たちに感謝せねば。

 

‥‥まあ、作り手たる私らとしては、浮き足立たずに、地道に線1本、1レイヤー、1フレームにて、具現化していくだけです。

 

 

‥‥で、これだけ書いといて、ナニですが、今回話題に取り上げた9万円のテレビは、東芝の43インチ(だったと思う)の4Kレグザだ‥‥ということ以外は、型番を聞いてなかったです。なんだか、中途半端な紹介ですんまそん。

 

 


フィッシャー

石膏壁。中空壁。‥‥この言葉を聞いただけで、DIYを諦めた記憶が蘇る人は、過去に壁に何かを固定しようとして、失敗した人‥‥かも知れません。

 

私も、実家の壁が石膏壁・中空壁な事もあり、若い頃は何をどうしたら良いかもわからず、突っ張りラックとかで頼りない収納棚を設置していました。壁にギターハンガーを取り付けて、ギターを壁からぶら下げる‥‥なんて、夢のまた夢でした。

 

石膏壁・中空壁とは、その字の通りです。石膏質の板の向こうが中空になっている壁で、日本の一般的な家屋に多いです。

 

しかし、その「石膏質」がくせ者で、ネジで固定しようとすると、ネジの周辺が石膏の粉になって脆く崩れ、しかも壁の奥は中空になっているので、一般的な木ネジ・タッピングネジは全く使えないのです。固定した瞬間からもげてしまう場合もありますし、固定した後から徐々に脆くなっていく場合もあります。

 

ファミレスなどでトイレの便座に座って、なんとなく壁を眺めていると、石膏壁・中空壁に設置してあるもの(ペーパーホルダーとか)が外れかかっているのを、結構目にします。それらはいわゆる「施工不良」で、石膏壁なのにタッピングビスでいきなり固定しようとして、時間が経過した後で徐々に固定力が弱くなって外れかかっている‥‥のだと思われます。

 

しかし、考えてみれば、石膏壁・中空壁なんて、日本の家屋に溢れかえっているわけですから、「石膏壁にはネジが固定できない」なんて普通に考えて有り得ません。何らかの方法があるはずです。

 

もちろん、あります。

 

ボードアンカーやプラグなど、状況に応じて複数の選択肢があります。私は以前、「ボードアンカー」というパーツをあらかじめネジを固定する部分に埋め込んで、そのアンカーにネジを固定していました。

 

 

しかし、どうも失敗することがあり、中々難しいと思っていました。失敗の中で多いのは、「供廻り」です。ネジをねじ込む際に、ボードアンカーごと回ってしまい(=特に最後の締め付けの時)、ボードアンカー周辺の石膏が崩れて、大きな穴が空いてしまい、大失敗になることすらあります。

 

そんな中、ふと、「フィッシャーSX」というプラグ型のアンカーを使ってみたところ、これがかなりの掘り出し物で(というか、私がその手のパーツに疎すぎたのだと思いますが)、失敗することがほとんどない、というか、わたし的には全く失敗しません。

 

 

まあ、大きめのホームセンターなどに行けば、普通に売っているものではあるのですが、私は最初、このフィッシャータイプのプラグには目がいきませんでした。おそらく、「専門的な匂い=取り扱いが難しそう」で敬遠したのではないか‥‥と思い起こします。

 

たしかに、フィッシャープラグは、

 

  • 適切な径の下穴が必要(=パッケージの説明に記述あり)
  • 使えるネジの径の許容がタイト(4ミリネジ用ならば、3.8から4.1くらいの幅)

 

‥‥という、「ドライバーでねじ込むだけ!」と宣伝しているボードアンカーに比べて、下準備が必要な上に、電動ドリルなどの専門工具も必要です。

 

しかし、ちゃんとパッケージに書かれている条件を満たすように、石膏ボードに下穴を開け、フィッシャーを穴に埋め込み、適切な径と長さのネジを使えば、全く失敗知らずです。

 

フィッシャーSXを使うようになって、ものすごく、気が楽になりました。失敗しないから。

 

ボードアンカーは手軽かも知れないですけど、失敗した時のリスクがデカいです。

 

フィッシャー SXは、下穴を開ける手間さえ惜しまなければ、失敗することがありません。穴にプラグを差し込むだけなので。

 

フィッシャーSXのために電動工具を買うのは大袈裟かも知れませんが、男子たるもの、電動工具の1つや2つ、使いこなせてなんぼです。‥‥いや、女子でも今は電動工具を使いこなす人は増えてますよね。

 

リョービやブラック&デッカーの安めの電動ドリル(トルク機構は必須)セットと、3ミリから10ミリの木工ドリルセットがあれば、フィッシャーSXの下準備が可能です。

 

*日頃愛用しているEVO183。電動ドリルはもちろん、サンダーも丸ノコも、棚など木材加工品を自作する際に大活躍です。

 

リョービの手頃な電動ドリル。性能はDIY用途では全く十分です。私が使っているのは、この前の型番のモデルで、8年使ってバッテリーが死にましたが、互換品のバッテリーでパワフルな性能が蘇りました。このリョービの12Vシリーズでインパクトドライバーも出ており、そちらはボルト留めのスチールラックを組む・解体する時に、非常に重宝します。

 

 

実家の壁を数多く処理してきたので、さすがに色々とコツもわかってきて、今は石膏壁の方が加工が手軽で良いとすら感じる逆転ぶり。‥‥下がコンクリートだと、結構しんどいですからね、DIY用の電動ドリルだと。

 

ちなみに、壁の向こうの見分け方(聴き分け方)は、壁をノックして、

 

  • コンコンと響く場合(叩いた場所だけでなく壁全体が鳴る場合)は中空
  • トントンと音が響かない場合(もしくは響きが弱い場合)は木材支柱
  • 全く響かない場合はコンクリート

 

‥‥です。

 

壁の中の電線への配慮など、慎重におこないたい場合は、下地センサーで金属反応を調べておくと良いです。

 

*これも私の愛用品です。安くて、それなりに頼りになります。

 


透ける処理

髪の毛が透ける処理において、多重組み・複合組みを引き起こしやすいのは、特に仕上げ・撮影スタッフなら、痛いほど認識しています。私も多重組みの「独特のセル番号」のファイルを見ると、憂鬱になります。

 

しかし、原画を実際に作業してみれば解ることでもあるのですが、いくら多重組みを意識できていても、原画作業アップ後に演出チェックやラッシュチェックでシートのタイミングが修正されれば、原画マンの記述した多重組み対応のシートはあっという間に崩壊です。

 

現場運用の前提として、多重組みに対して、原画作業時に何をどう対応すべきか、明確になっているでしょうか?

 

要するに、一番問題なのは、「多重組み処理に対するガイドライン」が「存在しない」ことです。

 

ツイッターでは、「画の勉強をしろ」だの「シートをちゃんと書け」だの、色々とヒステリックな言葉を見かけますが、絵を勉強しようがシートをちゃんと書こうが、多重組みへの対応が各現場でバラバラですし、そもそも誰がどの段階でタイミングとセルワークをフィックスして多重組み対応のシートを記述できるのかもケースバイケース(原画?演出?作監?動画?動検?)ですから、様々な状況を想定して冷静に分析すべきでしょう。

*ちなみに、現状で私の知るところでは、多重組みをシートに反映させるのは撮影セクションで、仕上げさんの申し送りのメモ用紙を見ながら、間違わないように慎重に取り扱います。(対応の仕方は、色々あるようです)

 

「作画スタッフは撮影のことをもっと勉強してくれ」と言うのであれば、それを言った人はその逆、「作画にまつわる色々なことを勉強すべき」です。キャラ表を見て、絵コンテを見て、原画を描く作業を実際に経験してみれば、なぜ「多重組みが発生するのか」「多重組みであることを見落としやすいのか」が実感できると思います。

 

多重組みは髪の毛が透ける時だけでなく、髪の毛の影が肌に落ちる時にも発生します。ですから、「髪の毛は透けない」キャラデザインにしようと、多重組みの落とし穴は大きく口を開けて待ち構えています。

 

私は原画も作画監督も経験しましたし、撮影も撮影監督も経験しましたから、一方からの視点だけで多重組みをジャッジすることはないです。と言うか、したくないです。一方からだけの視点で判断するのはフェアじゃないからね。

 

ただ、一部の作画スタッフや演出さんが「多重組み」に対して全く野放図で他人事なのは、確かにムカつきますよね。もうちょっと気を使ってくれても良いでしょうよ‥‥と。

 

まあ、あと、キャラ表に「髪が透けるので、多重組みが頻発します。シートワークにご注意ください」とか一筆書いておけばよいのにな‥‥とも思います。

 

例えば、髪の毛が透けるキャラで、Aセルが顔本体、Bセルが目と眉と口、Cセルが髪の毛のなびきリピートだとして、以下のシートは配慮がなさすぎます。

 

 

あー、頭が痛い。異様に面倒な事になっとる。CセルがBセルを跨いでいるタイミングが頻発しているし。

 

髪の毛は透けないし、目や眉にかぶる影もなければ、上記シートでも通用します。しかし、髪の毛が透けるキャラで、影付け設定ではしっかりと髪の影が目と眉に被っている場合は、そりゃあもう、面倒なことになります。

 

腕試しに、上記のシートをもとに、多重組み対応後のシートをつけてみてはいかがでしょう。もの凄く複雑なシートになることが判ります。

 

表情変化のBセルの動きに合わせて、髪の毛のリピートの中で組みを切ることを事前に考えれば、こんなシートは打てないです。

 

だからと言って、まさかキャラ表を無視し、影付け設定も無視し、原画マンや雇われ作監の一存で、「髪透けない」「肌の影無し」にできるわけもなし‥‥です。

 

なので、せめて、こうしたいです。

 

 

こうすれば、少なくとも、「タイミングまたぎ」の複雑な多重組みは発生しません。

 

髪の毛はリピートだから、少しでも滑らかに動かしてリッチにしたい‥‥というキモチは判りますが、一方で、多重組みで「タイミングまたぎ」があると異様に面倒になりますから、セル構成を鑑みて、ここは3コマ打ちでグリッドに沿わせるシートにすべきです。

 

でも、そんな工夫をしても、ラッシュチェック後にタイミング修正があれば、多重組み対応の作業全てはやり直しです。

 

 

多重組みに苦心したスタッフからすれば、「ぐはっ‥‥」ですけど、これはもう、演出上で明確な理由がある場合はどうしようもないです。

 

まあ、多重組みであるにも関わらず、ちょっとした軽い気持ちや浮ついた雰囲気でタイミング変更をしようとするのなら、撮影監督の状況判断&監督権限をもって阻止しますけどね(切羽詰まったスケジュールの場合)。何のための「撮影工程」の責任職たる「撮影監督」か‥‥です。撮影監督は、監督や演出の「子分」でも「イエスマン」でもないですからね。監督・演出と撮影監督が信頼関係を築くと言うことは、「厳しいものは厳しい」こともちゃんと伝えられる関係性だと思います。

 

でもだからと言って、まさか、演出さんに「多重組みのカットは一切タイミングをいじってくれるな」なんて要求できるわけがないですよね。ラッシュチェックを見てからでないと判断できない‥‥なんていう素人みたいなことを言う人は「何のためのプロフェッショナルか」ですけど、やむにやまれずラッシュチェック後にタイミングを変更しなければならないこともありますから、これはもう、「髪の毛を透けさせることにした時点で、背負うことが決定した十字架」みたいなものです。

 

多重組み対応は大変だから‥‥ということを演出さんが認識していれば、機転をちょっと効かして、以下のようなシートにするはずです。

 

 

こうすれば、多重組みの作業で作った番外のセルは無駄にならないですし、After Effects上でも対応が簡単です。まあ、演出さんが気づかなくても、気の利く仕上げさんや撮影さんが、「Cセルの髪の毛も一緒にタイミングをズラせば、組み切りの再作業を節約できます」と進言すれば良いです。ぶっちゃけ、リピートのループ点が3コマ後ろにずれても、決定的な欠陥にはならないですし、「C1」ではなく「C6」からスタートしていることに気づく人はほぼ皆無‥‥でしょう。

 

多重組みは、タイミングを変えるとそのバランスが崩れる‥‥ということを知っていれば、やむをえずタイミングを変更する際に、演出さんは色々と知恵を絞ってくれるはずです。

 

 

 

でもなあ‥‥‥、多重組みに代表される現場の混乱って、結局、旧来現場の技術的限界そのものなんですよね。

 

もし、多重組み問題を本当に改善したい・払拭したいと思うのなら、新しい技術開発にも目を向けるべきです。旧来の技術に依存し続けているからこそ、旧来の限界を引きずり続けるし、新しい時代のニーズにも対応できないし、お金に関する様々な問題も解決の糸口すら見えてこないのです。

 

誰が犯人か‥‥なんて言ったら、多重組みに関して言えば、原作のキャラがそもそも透けさせて描いているから‥‥なんていう話に行き着きますよ。

 

内部抗争・内ゲバに費やす時間とエネルギーを、もっと他のこと〜未来の可能性と資質に注ぎたいと私は思います。

 

延々と内輪もめしてたって、何も未来には繋がっていかんからな。

 

 

 

 


FireOSとiOS

新型のFire HD 10が発売されて、iPadに迫る性能を見せつけております。画面の1920pxか2048pxなんていう差は、はっきり言いまして、使っていて気になるものではないです。

 

もし、FireとiPadの間で、残された差‥‥というか、iPadがFireに対して有するアドバンテージは、iOS以外に他ならない‥‥と感じます。

 

FireOSは、iOSほど洗練もされていませんし、おそらく‥‥ですが、お金もかけていないでしょう。iOSに関わる開発費の方が、遥かに上だと思います。

 

iPadの本体価格には、純粋に本体の部品代と組み立て工賃だけが計上されているわけではないのは、産業に関わる人ならお分かりかと思います。iPadをiPad足らしめる色々な費用の多くが、薄く薄くちょっとずつ、製品の価格に組み込まれていることは、少しでもお金の計算をした人なら容易に想像できるでしょう。

 

Fireの弱点は、やっぱりFireOSだと感じます。私は、FireをHD8.9やHDX、7や8など、色々と買ってきましたが、今回も感じる共通点は、FireOSの貧相さです。iOSには遠く及びません。

 

特に、今回はハードウェアが格段に向上したので、FireOSの乏しさが余計に目につきます。

 

でもそれは、Fire端末を安価に提供するために、FireOS開発コストを抑えた結果とも読み取れます。

 

 

私も様々な映像の開発に取り組んでいるのでわかるのですが、開発での「お金の有無」が実は表面にありありと表れてしまうものです。そりゃあ‥‥Appleの資金力と「コンピュータメーカーとしての誇り」をもって、iOSの開発に勤しめば、FireOSと比して歴然とした優位格差が表れても、致し方ないこととも思えます。

 

で、Appleもよくわかっていて、決して自社のOSを他社には供給しません。自分たちの何が、他者に対して、アドバンテージを形成するのか、よくわかっているのでしょうネ。

*Appleの過去を知っている人は、例えばUMAXにMacOSを供給して「UMAX製のMac」が存在したことをご存知でしょう。同じく、その後に経営路線の大シフトでMacOSの供給を取り止めて、外部には一切、OSそのものを提供しないことになったいきさつもご存知でしょう。結果を見るに、その路線変更は大正解だったゆえに、今のAppleがある‥‥とも言えます。

 

Fireが今の値段で提供できるのも、色々なコストカットゆえと思います。なので、iOS並みの性能をFireOSに求めることは、Fire本体の高騰に繋がるとは思います。

 

 

 

システムってさ‥‥、悲しく切ないものがあって、「快適で当然」「うまく動いて当たり前」であって、システムが整然とトラブルなく動くことに、ほとんどの人は日々感謝もしなければ、労ってもくれません。トラブルが起きた時だけ、烈火のように怒鳴りちらすわりに、トラブルがないときはありがとうの一言もないです。

 

だから、システムは一見、空気のような存在に思われがちです。ゆえに、システムのクオリティやコストを考える人も、相応に極小です。

 

でも、私らのような映像制作の人間、「ものつくり」に関わる人間は、作業環境の快適性でいくらでも効率や品質が上下します。ゆえに、システムが作業環境を支えて快適性を実現する主役であることを、いつも心の底に認識しておくべきでしょうネ。

 

私は、そういった意味で、macOSとiOSを仕事のパートナーに選択している‥‥のもあるのです。また、macOSを許容する職場であることも、日頃から感謝しています。

 

トラブルがなくごく普通に動作するシステムは、最良の仕事をしているのです。私も、atDBというコンポジット作業のソリューション=作業システムを開発して現場に敷いた際に、「平然とシステムが動作することが、いかに大変なことであるか」を痛いほど思い知った過去があります。

 

iOSはそういった観点で言えば、ものすごく「練りに練られて」います。インターフェイスのデザイン、リストの階層、文字の配置一つとっても‥‥です。

 

 

 

FireOSとiOSの差は、まさに、Fire HD 10とiPadの2万円の差そのものと言っても過言ではないです。

 

快適なシステムには金がかかって当然です。

 

‥‥なので私は、ファーストタブレットはiPadを選択して、iPhoneやiPod、iMacやMac miniなどで、快適なソリューションの基盤を実現したいと思います。

 

そしてFireは、そのソリューションにうまく加わるかたちで、その本体価格の安さを武器にして、環境性能を拡充していければ‥‥と考えています。

 

 

ちなみに、FireとiPad間のファイル共有。

 

iOS 11になって、ドカンとやりやすくなりました。ストレスが一気に減少しました。

 

Procreate(も含めたApp)からAmazon Driveが見えますので、いちいちケーブルやSDカードで共有しなくても、さくっとiMac-iPhone-iPad-Fireの連携が可能です。

 

そのためにも、作業環境のWiFiやBluetoothは、日頃から備えあって憂いなし‥‥です。

 

 

 


Fire HD 10。

新型のFire HD 10、届きました。すぐに保護フィルムを貼りました。埃がつかないにうちに、開梱した直後、触る前に貼るのがよろしいです。

 

 

 

早速使ってみましたが‥‥‥‥‥、動作が見違えるように機敏になっています。今までのFireのもっさり感を覆す操作感です。

 

今までのFireは、安いがゆえに「まあ、しょうがないか」とハナから動作のもたつきは諦めていましたが、新型のFire HD 10はそれがまるでないです。現行iPadと同じ感触で、操作にイライラがありません。以前のFireに比べて格段に軽快で、特にスワイプが格段に滑らかになっています。

 

そして、効果が絶大なのが、1920x1200のHD密度の10.1インチディスプレイです。

 

Wikipediaの高解像度写真も、この通り、くっきり表示。

 

 

 

Fire 7や8は、お世辞にも解像度が高いとは言えませんでした。解像度の低さが画面の小ささで相殺されていただけです。新しいFire HD 10は、フォントはくっきり、画像もシャープで、まさに高密度で緻密な画像を表示してくれます。

 

無印iPadが9.7インチで2048x1536の264ppiですから、半分以下(プライム会員のクーポン使用)の価格で性能が肉薄しています。実際に、ビュワーとして作画作業に使うには、全く遜色がありません。

 

かなりいいです。

 

 

 

実は私、いじくるまでは、「まあFireだしな」と見くびっていたのですが、今度のFireは一味も二味も違う、キレの良い操作感と動作、シャープな画質の優れたタブレットです。

 

iPhoneを使っていて、Macも自宅にあるような場合は、iOSとmacOSの連携が活きてきますが、Amazon Cloudを賢く使ってファイルのやりとりをすれば、Fire HD 10は日々の作業で十分役に立ちます。

 

ぶっちゃけ、ここまで性能が高くなっているとは思っていませんでした。日々の作画作業に普通に馴染むこと間違いなし‥‥と言える高性能っぷりです。

 

まあ、セカンド、サードのタブレットが欲しい時に、予算的に厳しい場合はFire HD 10は充分に候補になるということです。

 

私が購入したのは、32GBモデルなので、容量を足すために、64GBのClass10のmicroSDXCカードをスロットに挿入しました。

 

 


零戦は

私は基本的に零戦、すなわち「零式艦上戦闘機」があまり好きではありません。それはもう、子供の頃から。

 

子供の頃にファイナルカウントダウンを見たから‥‥ではなくて、小学校低学年の頃から「零戦と隼」「日本の飛行機」とかの本を読んで、「悲しい戦闘機だな」と純粋に思ったのです。零戦のあらましを描いた漫画の最後は必ず、米機動部隊に突進してくる零戦の姿で、「ゼ、ゼロファイターだ!!」(ドモるのもお約束)と米兵が慄いて「幕」でした。

 

「太陽の帝国」でも、重要なシーンで零戦は必ず夕日を背負って、象徴的に描かれていました。少年時代の終わり、もっと言えば、子供が大人に「Surrender」=降伏して、子供時代の大切なものがいっぱい詰まったトランクを川に投げ捨て、無条件降伏のように大人へと変わっていく様を、スピルバーグは夕日を背負った零戦に託していました。

 

感慨深い飛行機ではあるのですが、感傷的・悲劇的なのです。

 

なので、いつも眺めていたいとは思いません…が、都合、天井から釣り下がってはいますけど。(=大きスケールのが、零戦しかないのです)

 

ちなみに、私が好きな日本機は、

 

 

‥‥あたりです。土井設計技師「率」が高いのは、流線と角のバランスが、私の好みなんだと思います。流星改と烈風が好きなのは、大柄で力強いデザインに惹かれているんでしょうね、我ながら。

 

 

 

ちなみに、私の少年時代の愛読書は、以下。

 

 

どうも、学級の「持ち寄り図書館」(=正式名称不明。つまり、子供が1冊持参して学級に提供する、セルフ図書館。)に提供していたらしく、なんとも雑な自署が記入されとります。もっと、落ち着いて、丁寧に文字を書けば良いのに‥‥って、今でもそうか。

 

久々に中身を見たら、中々えぐい内容でした。今の小学生は、こういう本を読むんだろうか。

 

 

子供向けの本で、陣形の変化の経緯を解説する本って、中々イイですよね。今となっては。

 

別の本では、時代を感じさせるフォントも良いです。戦闘機の「戦」の右上が「星マーク」になっていて、F-104の英名「Star Fighter」に掛けているのが、粋です。

 

 

この本が発売された頃は‥‥

 

 

‥‥なんていう時期で、今や退役して久しいトムキャットが、まだ試作段階で実戦配備されていないのが、なんとも隔世の感があります。

 

「思ったとおりの飛行機にならなかったので」という言い回しが、子供向け書籍っぽくて、気遣いが優しいです。一方で、こういう本を読む子供は「空対空ミサイル」とか「可変後退翼」は知っててあたりまえ‥‥でしたから、その辺は専門用語でスルーです。

 

 

で、零戦。

 

零戦は、「日本のイメージ」を背負ってしまっている向きもあるので、なんとも気が重いです。いきなり実地の話になりますが、枠の多いキャノピーも、中々しんどいですしネ。それだけで憂鬱です。枠の少ないほうがいいです。Bf109ならG型後期やK型とか。

 

日本人なら大和と零戦でしょ‥‥というのも、なんだか窮屈でねえ‥‥。


髪の毛が透ける処理

アニメ制作関係者のちまたの話題で「多重組みに困っている」という話題をよく耳に(目に)します。原画マン(アニメーター)や演出チェックが気づかないのが悪い‥‥という論調になりがちですが、髪の毛のなびきと表情変化の組み合わせでありがちな多重組みの問題は、そもそもキャラクターデザインが多重組みの問題を頻発させる起点である‥‥のは、現場の人ならお判りですよね。

 

アニメのキャラデザインってさ‥‥。そもそも「作画枚数が多いことを最大限考慮」していたはずですし、「セル重ねの限界を考慮」していたはずです。

 

‥‥なのに、今は、原作がそうだからなんていう理由で、安易に髪の毛を透けさせるよね。原作の絵がどうであろうと、アニメ制作技術を考慮した上で、キャラデザインはおこなわれるべき‥‥ですが、そうもいかないのも「大人の事情」なんでしょう。アニメ現場のキャラデザイナーの主張が100%通るとは限りませんしネ。

 

私は作画もやりますしコンポジットもやりますから、今、自分の描いている「髪の毛が透ける処理」の原画が、セルワーク的に非常にめんどくさいことになるのを、描きながら自覚しています。‥‥が、髪の毛が透けるデザインであるがゆえに、そのめんどくささをどうしても回避することができません。できることといえば、髪の毛と表情変化のコマ打ちを揃えること‥‥くらいです。(髪の毛と表情変化の動きがズレていると、アホみたいに多重組みが複雑化します)

 

髪の毛が透けている風に描く処理=目と眉の線が髪の毛に描き込みの場合、考えるだに虫唾が走るめんどくささになります。顔本体をAセル、目と眉をBセルにして表情変化、髪の毛のなびきはCセルでリピート‥‥って、ハイ、多重組みのいっちょ上がりです。

*実際の処理は、二値化の利点を生かして、「合成」ではなく「組み」(=目と眉の部分がヌキになっていて、下のセルが透ける)で処理されることが多いようです。二値化ですと、階調トレスと違ってアンチエイリアスがないので、完全に合致するセル組みが可能です。

 

 

*体と顔の肌がAセル、目と眉と口がBセル、髪の毛がCセルです。

 

Cセルは、目と眉が描き込み(もしくはBセルと組み)なので、下図のような状態です。

 

 

表情変化をBセルで動かすと‥‥

 

 

Cセルも一緒に描き込みの目と眉を更新しないと、下図のように、髪の毛の中だけ、目と眉がズレてしまいます。

 

 

なので、下図のような意図した通りの絵に仕上げるには、

 

 

Cセルの髪の毛の中身も絵を更新しなければなりません。

 

 

‥‥一見、大したことがないように思えるかも知れませんが、髪の毛がなびいて動いていて、かつ表情にも動きがある場合、双方の動きの交差に合わせて合成(組み)をしなければならないので、とても面倒な処理になります。

 

原画マンが多重組みに無自覚な場合、タイムシートも当然、多重組みを反映していないシートになります。動画も髪の毛の中に透ける目と眉は仕上げ時に合成(組み切り)‥‥なんてスルーすると、仕上げさんのところでセル番号を修正する必要が出てきます。

 

で、その修正したセル番号が撮影で通用するのなら良いのですが、私が見た仕上げさんのファイル名=セル番号は例えば、「C_0001-B3.tga」「C_0001-B6.tga」みたいなAfter Effectsで扱えない番号表記(連番になっていない)になりがちです。B3の時のC1は「C1-B3」、B6の時のC1は「C1-B6」みたいな表記になって、イメージシーケンスとして全く破綻した連番になります。しかも、そのセル番号は、タイムシートには記述がないので、撮影時に解析しながら、番号を振り直して、シートを書き換える手間を背負うことになります。

*言葉で書くと、なぜそんなまどろこしいことをするのか、中々わかりにくいのが多重組みの「罠」です。実際に絵が動いてみれば、判るんですけどネ。

 

仕上げさんは多重組みを解決しようとパズルのような面倒な合成(組み切り)処理を作業する。撮影さんはファイル名とタイムシートを書き換えて正常に撮影できるように作業する。

 

じゃあ原画マンが手抜きをしているのか?‥‥と言えば、実際問題として、多重組みを盛り込んだタイムシートなんて原画時に書きようもないです。演出時にタイミングの変更をおこなえば、多重組みのシートなんてあっという間に崩壊しますもんね。作監チェックOK後でタイミングがフィックスした後でないと、多重組みのシートなんて書けません。

 

動画マンがシートを変更すれば良いのか‥‥とも言えそうですが、仮にラッシュチェック時に演出さんが「表情変化のタイミングの位置をズラします」なんて言ったら、「え〜〜〜!」という事になりますよね。多重組み対応のシートや合成(組み切り)はすべてオジャンです。

 

要は、髪の毛が透ける処理自体に、かなり問題がある‥‥ということです。

 

それにさ‥‥、猫も杓子も髪の毛を透けさせる傾向があるけど、‥‥ほんとにそれって綺麗な処理? もはや、惰性と化して久しいように感じます。

 

「髪の毛が透ける処理」1つとっても、私は「もう旧来の現場はダメだ」と思えてしまうのです。「透ける髪の毛の多重組み」を想像しただけで、頭が痛くなってきます。

 

どこかの誰かがズルしているのではなく、現場の構造や受発注のニーズが関わっている「現場全体の問題」の「エキス」のような存在が、「多重組みの問題」だからです。誰か一人が心を入れ替えて解決できる小規模な問題ではないのです。

 

 

じゃあ、新技術の新現場はどうか?‥‥というと、「いくらでも髪の毛は透けてOK」です。多重組みなど全く必要なしです。

 

なぜかというと、新技術では「髪の毛を実際に透けさせれば良い」からです。「透けてる風に髪の毛に目や眉を描きこむ必要がない」のです。いちいち髪の毛のセルに目や眉を合成するなんて面倒なことは無用です。

 

超簡単。しかも、絵的にも透明感のある仕上がりになります。

 

「拡大作画」もよく話題になりますが、新技術ベースはそもそもキャンバスサイズが大きいので、拡大作画などしなくても絵のクオリティは保たれます。「新型」の技術に拡大作画は無用です。

 

旧来作画現場での「拡大作画」の話を耳にするたびに、旧来品質の崖っぷち状態を痛感せずにいられません。性能不足と練度不足、システム崩壊の中で、バタバタと撃墜されるマリアナ沖海戦=「Turkey Shoot」と呼ばれた旧日本軍機の悲劇を思い起こします。

 

みんなで凄く頑張ってるのに、状況はむしろどんどん苦しい方向へと流れていき、勝つための戦争から、いつしか、負けないための戦争へと消耗の限りを尽くしていく‥‥という点が、太平洋戦争末期によく似ています。

 

 

 

旧来技術で構成された現場は、旧来の限界に束縛されがちです。多重組みや拡大作画などで「付け焼き刃的に」可能領域を広げようとしても、広げた反動でどこかにしわ寄せがいきます。

 

多重組みはその「限界と束縛」の最たる例です。

 

 

戦時中、プロペラ機に補助動力を追加しても、性能不足を解消できなかったように、旧来技術で運用する現場は、例えデジタル作画やデジタルペイントに切り替えても、技術の限界に束縛され続けます。デジタル作画に切り替えても、多重組みは存在し続けるでしょう。

 

私は「ジェット機」に乗り換えて、限界を突破しようと思います。今は色々と問題のあるジェットエンジンも、根気よく改良を進めていけば、必ず主戦力として使い物になると確信しています。

 

プロペラ機だろうが、ジェット機だろうが、パイロットは必要です。‥‥要するに、未来にどちらを選ぶか‥‥ということだけです。

 


板タブが使えない体に

‥‥なりました。すっかり。

 

昔も板タブ(Intuosです)を正確に申し分なく使えるとは言い難い状態でしたが、今日、Mac上で描き足そうと思って久々に使ったら、恐ろしいくらいにヘロヘロになっていました。

 

早々に諦めて、iPad Pro送りにしました。

 

絵コンテ用に描いた絵の、セルフ描き足し・修正なので、精度が問われる作業ではないのですが、それにしても思うように使えません。悲劇的なくらいに、線が明後日の方に流れていきます。

 

Macにも液タブは必要かな‥‥と思う一方で、iPad Proが液タブの代わりになる‥‥という噂がiOSで囁かれていますが、一向にその気配はなし‥‥です。

 

しかし、画材然としたProcreateに慣れてしまった今、Procreateと同等の使い心地を、Photoshopは無理だとしても、他のソフトウェアで得られるかどうかは、心配なところです。

 

でもまあ、ClipStudioにもっと慣れてみるのも必要だとは思いますし、冬は先行投資でCintiq 4K(私の環境では2.5K止まり)を買ってみるのも良いかもしれません。


Intuosは一応「何かあった時の保険」として繋ぎ続けてはいますが、どうせ上手く使いこなせないのなら、外しちゃっても良いかな‥‥と思い始めています。絵をゼロからIntuosで描くことは、今後は一切ないでしょうしね。

 


Swift Playgrounds

最近知ったのですが、Appleから出来るだけ簡単に(=気構えなく気軽に)Swiftプログラミングを習得できるように、「Swift Playgrounds」というAppが無料公開されていたのですネ。知らなかった。

 

https://www.apple.com/jp/swift/playgrounds/

 

ちょっとやってみたのですが‥‥‥、そうか‥‥、こうすれば、プログラム習得って敷居が低くなるのか‥‥と、関心することしきりでした。今までのプログラム入門の「入門とは言え難しい」という常識を覆す、ゲーム感覚で「プログラムの概念」を覚えられる「欧米ならではの」発想の入門書です。

 

いきなり「概念」から覚えられる教え方には、感服しました。私が過去学んできた学習書には全くなかったタイプです。

 

そもそもプログラムで何が出来るのかを知らなければ、プログラムを学ぼうなんて人間が増えなくても当たり前です。カリキュラム‥‥という観点で考えれば、「何のために学ぶのか」を一番最初に理解してもらうことが、「学ぶ行為として合理的」です。

 

‥‥凄いよなあ‥‥、欧米の合理性は。

*もちろん、今までの日本の学習書でも「概念」には軽く触れてはいましたが、逆に言えば、軽く触れる程度で、何よりも最初に概念について徹底的に反復するようなことは無かったです。‥‥私の買った学習書では、です。

*まあ、日本人の学習は、たとえ「ゆとり」なんていう言葉を使っても、考え方が「詰め込み型」になりがちなのは、「民族性」なのかも知れませんね。「ゆとり」なんていう言葉のチョイス自体が、「詰め込む量を少なくして、ゆとりを持って」という考え方そのもの(=詰め込む思想自体は変化なし)ですもんネ。決して、「イメージを最初に掴む」タイプの学習法ではないです。‥‥私も反省せねば。

 

変数に値を代入する‥‥なんてことを最初に覚えてもらおうとしても、「それが何のためか」が解らなければ、よほどプログラムに興味があって忍耐強い人でなければ、挫折しちゃうもんネ。

 

Swift Playgroundsは、「Byte」という名前のゲームキャラクターを、コード(プログラム文)で操作して、ミッションを達成する‥‥という流れで習得は進みます。これは言わば「任意の対象を、プログラムで処理して、意図した結果を得る」という流れをそのまま「ゲーム風」に体現した内容です。いきなりコンピュータの専門用語責めにされるより遥かに馴染みやすく、「まず最初に根本的なプログラムのイメージを掴め」ます。

 

そして、「ゲーム風に噛み砕き過ぎている」こともなく、最初からプログラム文の習得を意識して、プログラム文独特の、例えば「moveForward ()」のような文体を、学習者の目に馴染ませています。

 

うーむ。私が学習してきた日本人著者の書を振り返るに、なんで日本人は、Swift Playgroundsのような教え方ができない民族なんでしょうかね。

 

まあ、日本人は、目的よりも手段を重んじる気風が「なんやかんや言っても」ありますから、目的よりも手段から教え始めることが多いのかな‥‥とも思います。日本人は目的の「地」ではなく、至る「道」を重んじますからね‥‥。それは善くもあり、悪くもあり‥‥。

*目的よりも手段を重んじる気風は、まさにアニメ業界そのものです。じゃなければ、ここまで旧来の技術に固執せんわな。

 

 

で、Swift Playgrounds。

 

例え映像制作でも、これからコンピュータで飯を喰っていこうとする若い人は、Swift Playgroundsをゲームノリの軽い感覚で始めてみても良いように思います。プログラムを覚えておいて、損な事はないですから。

 

 

思うに、このSwift Playgroundsでプログラムの概念や流れを習得すれば、他のプログラム言語も馴染みやすくなると思います。プログラム言語は呪文ではなく、ましてや感情表現や暗喩を盛り込んだ詩でもないので、何らかのプログラム言語を覚えると、書式の違いこそあれ、いくらでも「考え方の応用」が効きます。

 

実際、私は最初Apple Scriptでプログラムを始めて、その次に、インターフェースも自分でデザインして「ソフトウェア」っぽいものが作れるREALbasicに熱中しましたが、その後はPerlやPHPなどのWebで用いられる言語、After EffectsやPhotoshopで使えるJavaScript、ShellScript、Xcodeなど、必要に応じて色々なプログラム環境に難なく馴染むことができました。1つの言語を熱心に勉強した後だと、他言語への「読み替え」が効くのを実感しました。

 

 

 

私も、こんなに気軽にカリキュラムが進むのなら、Swift Playgroundsをやってみようと思います。実は、忙しさにかまけて、Swiftの習得は失速気味なので、丁度良いです。

 

でも、今のiPhone・iPadのApp開発って、どうなってんのかな‥‥。昔は、結構面倒な縛りというか、段取りがあって、オリジナルアプリをローカル限定で使うようなことも気楽にはできなかったはず‥‥です。その辺は多少、今は緩くなってるんだろうか。

 

ちなみに、私がMac版のソフトウェアを思いついたその場でどんどん作って、どんどん使えたのは、外部に公開しようと思わなければ、何の面倒もなかったからです。ファイルと同じで、コピーすればすぐ使えたんですよね。

 

あ‥‥、でも、今はMacのアプリも縛りが多少キツくなっているようです。開発元不明のアプリは、管理者権限がないと実行できないようになってます。なので、30分くらいで作った急凌ぎのアプレット・ドロップレットのAppleScriptなんぞを、他のマシンに持ち込んでも簡単には実行できないようになっています。

 

‥‥まあ、それもそうか。ウィルス社会だもんね‥‥。

 

 



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