CCが値上げ‥‥らしい

AdobeのCCが来年から値上げだそうで、おいくらに値上げするのか、まだヒミツのようですが、まあ、大体見当はつきます。税金と似たようなもんなので、「殺さず逃さず」のような値段になるでしょう。

 

昔から感じていましたが、Adobeは金に困ってますよね。

 

「1年に必ず1度はバージョンアップする。」(=バージョンアップの必要性が乏しくても)

「バージョンアップしないまま放置するとバージョンアップ権を失う」(=なので、定期的にお金を払え)

 

‥‥のようなことを、CC以前からやってましたもん。そんなさまを見れば、「いろいろ、お金がかかるんで、苦しいんだろうな」とシンプルに感じてました。

 

でもさ。Adobeに倒れられたら困るじゃん。他人事とはキッパリ割り切れないじゃん。

 

CCに限らず、CS6だって、ライセンスサーバ(アクティベーション)が止まれば使えなくなるでしょ。

 

コンピュータに手を出した以上は、ソフトウェア・ハードウェアの企業と一蓮托生です。

 

 

考え方を変えれば、CS6のまま新たな出費を拒んでいる人々のしわ寄せが、CCの値上げに繋がっているとも思えます。

 

できるだけコンピュータ関連の出費をケチってもなお、コンピュータは使い続けるし、デジタルデータを基盤とした映像産業で商売したい‥‥という心根を評して、私は以前「民度が低い」と書いたことがあります。

 

散々コンピュータのお世話になって商売しているのに、コンピュータそのものにはできるだけお金をかけたくないし、コンピュータ関連の会社がどうなろうと知ったこっちゃない‥‥というのは、アニメ業界がしっぺ返しを喰らって「人を呪わば穴二つ」の未来を暗示しているように思います。実は、CS6止まりで「お金を節約している」ことで自分たちの墓穴まで掘っているのです。

 

アニメ業界もさ‥‥。映像産業全体のライフサイクルやエコシステムをもっと真剣に考えた方が良いですよ。

 

アニメ業界の内部だけでうまく生きていけるわけなど、ないのですから。

 

 


残念だが金はかかる

数年前、「デジタル作画を盛り上げよう」と業界の一部の人が動き出した時、私は強い違和感を覚えました。過去のブログでもその違和感を何度も書き綴ってきました。

 

違和感とはズバリ、「金に困っている業界が、なぜ、金のかかる事に手を出すのか」‥‥です。

 

コンピュータは金がかかるんですよ。マジで。全くシャレにならないレベルで。

 

金がかかることに手をだすのなら、かかった部分のお金を取り戻して相殺する増収が必要ですよネ? 本当は相殺ではなく、上回りたいところですけど。

 

でも、作画のスタイルや技術はそのままで、どこでどうやって増収のメカニズムが発生するのか、数年前も今もわかりません。とあるアソシエーションの資料には「増収の仕組み」については全く書かれておらず、「デジタルを導入しないと時代遅れだから」のような論調に終始していました。

 

「時代遅れ」とは、甚だ曖昧。‥‥時代遅れだから何なのよ?

 

あのさあ‥‥。コンピュータを導入しても、時代遅れなことなんていくらでもできるわけですヨ。実際、どんなにコンピュータでペーパーレスにしようが、2K SDRしか作れないのでは、すぐ先の未来には時代遅れになりますしネ。

 

逆に、紙の性質と性能を根本的に理解し直して、技術基盤と運用をゼロから組み直すのであれば、紙だって、4K HDRに対応できます。

 

私は1996年から本格的にコンピュータをアニメ制作に使い始めて、機材やソフトウェアをゼロから組むようなレベルからスタートしたので、環境にどれだけコストがかかるのか、ものすごく実感があります。アニメ会社にシステムスタッフが存在しないような状況から始まって、システムスタッフがアニメ会社のスタッフとして雇用されるようになって久しい現在は、4K HDRの制作環境をまさに共同で試行錯誤を繰り返しながら模索しています。

 

コンピュータは金食い虫の悪魔なんですヨ。悪魔と契約した以上は、悪魔が戸惑うくらいの新たな利益・利潤を獲得しなければなりません。‥‥でなければ、悪魔に食われて自滅します。

 

昔、「コンピュータで絵を描けば、鉛筆も紙も消費しないから、出費が抑えられる」みたいな論調が流行りました。今はまさか、そんなことを思う人はごく少数だと思いたいですが、実は心の奥底では「ペーパーレスは金がかからない」と思い込んでいるようにも見えます。

 

では、まず紙時代の「作画」の環境の出費から。

 

●初期投資さえ済めば、後は鉛筆や用紙などの低価格な消耗品だけで運用できた「紙環境」

 

 

赤い部分が、お金がかかる部分です。電気代などの光熱費は入っていません。細かい物品も割愛しています。

 

フリーランスのアニメーターの場合、紙は制作会社が用意してくれますが、「紙で作画する」コストの図ゆえに用紙類も含めています。

 

で、作画にコンピュータを導入した場合、どのように変化するか。‥‥有り体に言えば、どれだけコストカットできるか、コンピュータをものすごく甘く見ると、以下のような図になります。

 

●初期投資さえ済めば、鉛筆や用紙すら節約できると考えていた「架空のコンピュータ環境」

 

 

 

「最初に出費はするけど、あとはどんなに絵を描いても、お金がほとんどかからないんだ〜!」とヌカ喜びをするわけです。

 

つまり、「紙時代の一生物の機材」と、「コンピュータのペーパーレスな性質」の、「都合の良いトコ取り」で考えると上図のような有り得ない試算がはじき出されます。

 

しかし、実際は以下のようになります。コンピュータを導入したら最後、環境を維持する出費に延々とつきまとわれる事になります。

 

●初期投資の後も、延々と環境コストを支払い続ける「現実のコンピュータ環境」

 

 

 

以上は作画オンリーの話。ここに仕上げ・美術・撮影など色々なセクションが絡んでいくと、高コスト構造はさらなる高コスト構造を作り出していきます。

 

 

 

こういう話をすると、ものすごい反動的な感情が巻き起こって、「じゃあ、デジタルなんて使わずに昔のようにアナログの作り方に戻って、昔みたいに作ろう!」と言い出す人も出てきます。「デジタル」「アナログ」という言葉で対比させるあたり、技術に盲目で、感情的だと言わざる得ませんが、コンピュータ関連のコストを目の前にすれば、そう言いたくなるキモチもわからないではありません。

 

では、セル用紙とセル絵具と仕上げ机とトレスマシンと乾燥時間、フィルムと撮影台と現像費用などを、再び蘇らせて、アニメを作りますか? 10年くらい前、昔の作り方を支えてきた機材がどんどん廃棄されていた時、作画の現場はほぼ無視・他人事でしたよネ。今さら、廃棄した機材を寄せ集めようとしても、あとの祭りです。

 

加えて、今の作画は、「デジタルT.U」だの「コピペ」だの「テクスチャ貼りこみ」など、自分たち作画のテリトリー以外の部分でコンピュータの性能をたっぷり享受しています。作画の手間を軽減して肩代わりする方便として、「デジタル」を、キャラ表やレイアウト指示やシート指示という手段で間接的に使っています。自分で直に手を下してないだけで、ふんだんに「デジタル」を利用しています。フィルム時代のテレビアニメ制作に技術が逆戻りしたら、あまりにも面倒でできない事だらけで呆然とするでしょう。

 

もはや、フィルム時代のアニメ制作に戻るのは無理です。思い出話は、思い出だけにとどめておくのが良いです。

 

 

 

ンピュータは金がかかる

 

そう覚悟して直視すれば良いだけです。それ以外にない。です。そこをごまかそうとするから、ウソが出るし、煮え切らずにどっちつかずのスタンスに終始します。「俺はアナログだ」と言いながら滅茶苦茶「デジタル」のお世話になるようなみっともない姿になるのです。

 

普及させようとする側もさあ‥‥、金のことを隠すなよ!‥‥と言いたいです。ふたを開けてみたら「出費につぐ出費」では詐欺に等しいよ。怪しい商法じゃないんだからさ‥‥、金に関しては正直になりましょう。

 

そして、コンピュータを導入したのなら、移りゆく時代の技術と足並みをそろえて「新たな領土を獲得」するくらいの意気が良いです。延々とアップデートをしないでやり過ごす路線はもうそろそろ破綻しますヨ。

 

 

 

個人のアニメーターレベルで言えば、作画環境をコンピュータベースにしたのなら、はっきり言って、線画だけではオーバースペックです。

 

つまり、線画〜原画・動画以外の仕事、アニメ以外の仕事に、自分の行動範囲を広げる必要が出てきます。でなければ、コンピュータ環境の維持コストに負けます。

 

絵が描けるんでしょ? だったら、線画ではなく、絵のジャンル全体で稼ぎましょうよ。

 

 

 

コンピュータは誰が何を誤魔化そうとしても無駄。

 

残念ですが、お金はかかります。

 

金食い虫で悪魔のコンピュータと「契約」したのなら、「悪魔の力」を手に入れて、どんどん暴れまくりましょうよ。

 

デビルマンやヴェノムみたいにネ。

 


プロレズ

WindowsでもProResが使えるようになったとのこと。

 

アドビは、本日Adobe Premiere Pro 13.0.2のアップデートを提供開始しました。今回のアップデートではなんとWindowsでの ProRes書き出しに対応。この対応を待ち望んでいた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

https://blogs.adobe.com/japan/video-december-2018-premierepro-cc-releases/

 

正確には、Adobe製品の特定ソフトウェアでProResが書き出せるようになっただけみたい‥‥ですが、意義は大きいです。ProRes4444は4KHDR時代の標準画質とも言える安定した品質を持ちます。

 

ただ、4444XQは現バージョンでも非対応。12bitの深度をもつXQは、特にPQカーブを扱う際には、必須となりましょう。After EffectsからXQが出せるようになると手間が省けて良いんですがネ。

 

*ProRes4444XQはまだリストにはないみたいです。

 

 

 

2018年12月現在の最新版After Effectsのアップデート、つまりバージョン16の「ProRes4444のアルファが反映されないバグ」が治っているかも含め、検証してみました。

 

*文字を赤くしておいたほうが見やすかったですネ‥‥。

 

 

ハイ。フィックスしたようです。ちゃんとアルファが反映されてます。CC2019の使用停止措置が解けます。

 

 

ちなみに、最近のAfter Effectsは、OS管轄のQuickTimeライブライリに依存せずに、独自のライブラリに格納しているようです。ゆえに、WindowsでもProResを供給できるようになったのかな?

 

まあ、AppleはWindowsにもPreResを供給したほうが良いと、前々からこのブログでも何回か書いて来ましたし、FinalCut離れが進む現在においては、ProResをAppleの「専有」にする必要も薄れてきたと思います。

 

DNxHRも良いけど、あのディザ処理は余計かな‥‥と思います。WindowsでProRes4444が使えるようになったのなら、アニメ業界もいつまでもアニメーション圧縮のロスレスとか旧時代のコーデックではなく、ProRes4444の運用も考えたほうが良いですヨ。アニメーション圧縮はDVD時代の定番コーデックで、今ではギリギリBD(2K)に使えるくらいですから、4KHDRのUHD BDとか配信を見据えるのなら、ProRes4444の選択肢が「現実的」です。

 

PremiereでもDaVinciでも使えるし、DPXやTIFFの10〜16bit連番に比べて見分けがつかないほど綺麗ですし、無理に2Kでアニメーション圧縮を使うより容量は格段に小さいですし、どこにも拒絶する必要はないですよネ。ビデオレンジ(Full=Limitレンジではなく)に気を使えば、PQカーブもこなせますヨ。

 

 

あと‥‥。

 

ProResはどう読むべきか、カタカナで教えてください。Appleさん、Adobeさん。

 

プロレス? プロレゾ? プロレズ?

 

‥‥私は「プロレズ」を今のところ使ってますが、ポスプロや実写の現場では、色々な呼び方を聞きます。

 

4444も、「よんよんよんよん」「よんよん」「フォーフォー」「フォーフォーフォーフォー」「フォーバイフォー」と色々と聞きますけど、どれが良いかわからないので、アニメ世代の私は「999=スリーナイン」によろしく「フォーフォー」と呼んでます。

 

 

 

 


サブスク

サブスクリプションは、最新版を常に使用できる利点があります。「買い切り購入スタイル」では、最新バージョンに更新するにはその都度出費が必要ですが、サブスクリプションでは常に新しいバージョンを維持し続けられます。私はAdobeをはじめとした絵&映像のソフトウェアの維持に、公私共々、相当苦しんできたので、サブスクリプションは願ってもいないソリューションでした。

 

例えば、私はAdobe社のソフトウェアで言えば、

 

After Effects

Photoshop

Dreamweaver

Illustrator

Premiere

 

‥‥あたりを常備したいのですが、買い切り&都度バージョンアップの方法では、まず買うのに、

 

After Effects=10万

Photoshop=10万

Dreamweaver=5万

Illustrator=8万

Premiere=6万

*おぼろげな記憶なので、正確な価格ではないですが、ほぼこんな感じでした

*定価が安くなった頃の価格でこのくらいで、20年以上前はAfter Effectsだけで20万円くらいしました

 

‥‥くらいのコストがかかり、バージョンアップに、

 

After Effects=12000〜25000円

Photoshop=12000〜25000円

Dreamweaver=12000〜25000円

Illustrator=12000〜25000円

Premiere=12000〜25000円

 

‥‥をほぼ毎年のように繰り返していました。ゆえに、「バージョンアップできない」ソフトウェアが出始め、どうしても最新版を維持したい「After Effects」「Photoshop」だけは何とかマイナー・メジャーバージョンアップに毎年出費していました。メジャーバージョンアップが重なると出費はキツくて、自宅の場合は5万円をドカンと自腹で出費していましたし、会社の場合は「バージョンアップの必要性」を説き伏せて何とか維持していました。

 

ゆえに、DreamweaverやIllustratorなどは、旧バージョンのままで我慢せねばならず、最新のOSや規格に適合できないソフトウェアもちらほら増えていきました。

 

Adobe製品だけで、この大変さ。‥‥他の製品を含めると、かなりの額を出費していました。

 

ハッキリ言って、買い切りは辛かったです。ソフトウェアを含めた総合的な環境を、まともに更新してメンテしようと思えば特に、です。

 

ですから、アニメ業界のAdobe製品がCS6止まりで、最新版に更新できない会社が存在していても、不思議では無いです。容易に状況は想像できます。

 

 

そして、サブスクリプションが登場しました。私には願ってもないソリューションでした。たとえ、年額6万かかろうと、常に全Adobe製品の最新版を維持できて、OSのバージョンアップにも新しいコーデックにも対応できるからです。

 

Adobeはサブスクリプションを開始する前の頃、「毎年何らかのバージョンアップをする」と宣言しており、傍目から見ても「維持にお金が必要なんだろうなあ‥‥」と感じていました。「開発にはお金がかかり、世間の技術進化に歩調を合わせるためには、継続的な収益が必要」なんだろうなと、ごく自然に感じ取りました。

 

つまり、ソフトウェアを使う方も、提供する方も、一蓮托生、運命共同体のようなところがあるわけです。

 

例えば、自動車。‥‥購入するのに、150〜300万円も支払いますが、それで出費は終わりではないですよネ。必ず、古くなって痛んでくるので、メンテにお金を少なからずユーザーは投入しますし、自動車産業も「自動車のライフサイクル」があるからこそ商売として成り立ちます。

 

もし、「俺はこの車を買うのに、300万円も出費したんだ。以後、どんな故障があっても、無償で修理して、常に新品の状態をメーカー側でケアしろ」なんて言い始めたら、産業・商業は破綻して成り立ちませんよネ。

 

自動車だったら、そんな無茶なことはユーザーサイドでも言い出しませんが、なぜか、ソフトウェアは「買ったら、以後はタダで維持できる」と思う人も少なからず存在します。ソフトウェアの劣化は、目に見えにくいので、実感がない‥‥‥のでしょうかね?

 

 

‥‥で、「お金がかかるから」という理由で、環境を更新しないままで営業し続けているのが、「数兆円規模の市場」を支えるアニメ業界だったりします。

 

メンテもできないほど古くなった自動車で走行して、色々な現代的な機能・サービスも導入できず、公道で渋滞を巻き起こすような状態でも、お金の問題でどうにもならない‥‥のでしょう。

 

ぶっちゃけ、なぜ、Adobe CCの最新版をアニメ制作団体や個人は、使わない人が多いのか?

 

金‥‥ですよネ。

 

CCのサブスクリプションを毎月支払うのも金。最新版のソフトウェアが動作するようにマシンや周辺機器を買い換えるのも金。金、金、金の問題です。

 

でもさ。これから先の未来、いや‥‥今までだって、産業・商業として必要なお金だったんですよ。ソフトウェアの環境維持のコストは。

 

それをずっと後回しにして省いて、今まで来てしまって、サブスクリプションを受け入れられない体質を自ら作ってしまっていたのです。

 

今後、サブスクリプションは、絵や映像でプロとして食っていくための、いわば「ライフライン」なのです。ライフラインが止まったら、生きていけないですよネ。電気代にお金がかかるからと言って、電気を止めるわけにはいかんでしょ。

 

つまり、生きるのに必要なコストとして、サブスクリプションのソフトウェア形態を捉える必要があります。プロのライフラインならば、ね。

 

 

 

「なぜ、そんなに大変なんだ。昔のままでアニメを作れば、それでいいじゃないか」

 

‥‥と言いたくなる気持ちもわからなくもないです。だったら、紙に描いて、トレスマシンでセルに転写して、絵具で塗って、フィルムで撮影して、テレシネすれば良いです。

 

「デジタル」でも、ライセンスサーバが導入される前のAdobe製品群で、Windows98やMacOS9を使い続けて、「外界と遮断したスタンドアロンの環境」で制作すれば良いです。

 

そのかわり、フィルム撮影台ならば、クロス引きに制限はあるし、特定のセルだけ拡大縮小の撮影なんてできないし、ペイント色のブレンド(セレクトブラー)なんて無理だし、旧時代の「デジタル」なら720x486=D1程度の「ミニサイズ」で作るのが妥当です。

 

都合の良いところだけ「デジタル」に頼って、都合の良いところだけ「現代の映像技術」にのっかって、都合の悪い部分だけ「昔のままで良い」なんて、成立しないのです。

 

昔のままの環境で作って、2KSDRまでしか対応できなくても、誰も文句は言わないですが、確実に時代のギャップは広がっていき、やがて忘失の彼方に消えていくでしょう。「おじいちゃん、おばあちゃんの頃は、アニメを手で描いてたんだよ。今とは比べ物にならないほど古い品質だったけどねぇ。最近のテレビアニメは手描きではなくなってしまったねぇ‥‥」と思い出話にしたい人がいても、それはそれで仕方ないです。

 

しかし私は、アニメをそうした「過去の産物」にはしたくないです。「数兆円規模の市場」なんて言われても、何の未来の保証にもならないのは、古今東西のアレコレを見ればわかりますよネ。どんな規模だろうが、廃れる時には廃れます。でも、私は廃れさせたく無いし、消滅させたくもないです。

 

時代とともにアニメが進化して生き続けるためには、「今まで作りかたで十分だ」なんて言ってたら不可能です。「今までの作りかたから変えていく」からこそ、時代の新しい技術を、アニメの血肉として吸収できるのです。

 

手で絵を描くのを止めたくないのなら、人間が絵を描く「未来の技術」を、新しい映像技術とともに生み出していくことは必須です。

 

 

 

CS6で停滞するのは、「昔のまま変われない現場」「どんどん古くなる現場」の象徴です。古い体質を変えられない人々を、CS6がまさに代弁しています。

 

CCをはじめとした各種サブスクリプションに対応できるのは、新しい制作体制・体質の象徴です。ソフトウェアの維持更新を「制作のライフライン」の「負荷」ではなく「推進力」として取り入れて、新しい技術で新しい現場を形成し、未来を掴もうとする意欲の表れと言えます。

 

アマチュアの人なら、「買い切り」で古いバージョンのまま、好きなように自分の趣味の範疇で作れば良いです。

 

でもプロフェッショナルで、現代の映像技術の体現者であろうとするのなら、それ相応の覚悟と度胸、技術と経験と知識、そして作業環境は必要になるでしょう。

 

 

 


0枚目、1フレーム目

コンピュータの流儀に合わせて、原画動画の1枚目を、「0枚目」と言うわけにはいくまい。同じく、現場のタイムシートが1コマ目から始まるからと言って、タイムコードを「0:00:00:01」から始めるのは違和感たっぷりで気持ち悪いです。

 

描いた絵、塗った絵は、1枚2枚‥‥と数えたいし、タイムコードは0スタートにしたいです。配列のインデックスも「Array[0]」で0からカウントしたいです。

 

なんか、フィルム・紙時代からの現場とコンピュータとの根本的な齟齬を象徴しているように思えます。

 

毎日コンピュータをいじって仕事をする私でも、まさかAセル1枚目のTargaファイルを「a-0000.tga」とか命名しないです。一方で、タイムコードは絶対に0スタートにしたい=24fpsで「0:00:00:24」とか表示されると頭が一瞬固まりますし、コンピュータプログラムでの数え始めを1にしたいからといって[null, 1, 2, 3, 4, 5]なんていう配列は作りません。

 

0スタート、1スタートの齟齬を解消するために、どちらかどちらかに合わせるのは、基本的に無理があります。

 

双方の事情、今に至る経緯を理解して、両方の流儀を受け入れる必要がありましょう。

 

アニメの現場って、撮影セクションに至るまで、結構「1スタート」の習慣が根強いです。たまにAEPを受け継ぐと、タイムコードが1フレームオフセットされていて、混乱することがあります。まあそれ以前に、フレーム数表示にしてあることがほとんどで、「アニメの現場はタイムコードを使わない(編集以降を除く)」と言っても過言ではないです。

 

でも、絵を連続で描いたり塗っていた段階を抜けて、ムービーとして扱い始めたら、「郷に入っては郷に従え」であって、タイムコードに慣れるべきだと私は思っています。ビデオファイルになったら、タイムコードに頭を切り替えないと、「他の映像ジャンル」の人々とズレが生じます。

 

1コマ目は0フレーム目。

 

コマはタイムシートの用語、フレームはビデオフォーマットの用語…として、完全に切り分けたほうが良いです。コマとフレームの用語をルーズに混在させると、

 

アニメ現場しか知らない人:「1秒12フレーム目から云々」=コマをフレームの同義として混在させて喋る

アニメ現場の慣習に疎い人:「0:00:01:12」=1秒11コマ目だと受け取って勘違いする

 

…のようなこともありましょう。

 

なので、まずは「タイムシート」で喋っているのか、「タイムコード」で喋っているのか、基本的な確認をしつつ、「コマ」「フレーム」の使い分けを徹底して、念押しで、指示・指定のやりとりに用いるムービーファイルには以下のような表記を映像画面に刻印しておくのが良いでしょう。

 

*24fps、6秒シートの場合

*「7+12は7.5秒だろ」というのは「デュレーション」の場合の読みかたです。‥‥これもプチ混乱の元ですネ。

*「7秒12コマ目」と「尺が7秒12コマ」と言うのでは、実は認識が1コマずれるんですよネ。After Effectsエクスプレッションで言うところの「isDuration」の真偽値です。

 

アニメ業界の現場は、「コンピュータを基盤としたビデオファイルを扱っているんだ」という意識を、これから先の未来は原画マンであっても持つべきです。なぜって、少なからずムービーフォーマットのファイルを、自分の原画の動き確認で扱うようになるわけですから。‥‥その時にいつまでたっても「1スタートオンリーの数え方」ではタイムコードとの齟齬を抱えたままになります。

 

要は、タイムコードにアニメの作画現場も慣れましょうヨ‥‥ということです。

 

そのかわり、「枚数」の1枚目は「0枚目」ではなく、あくまで「1枚目」でカウントを始めれば良いです。何から何まで0からスタートする必要はないです。

 

どちらかが「オレに合わせろ」と踏ん反り返るのではなく、双方が柔軟に歩み寄れば良いだけです。歩み寄って理解を示せば、齟齬は軽減されるでしょう。

 

まあ、状況を鑑みるに、アニメ業界の現場に今後、数多く必要になるのは、コンピュータやムービーフォーマットへの歩み寄りでしょうネ。

 

 


5.1.2、7.1。

私の作業場・職場には、それなりに良い音を鳴らせる環境を揃えています。まあ、作業部屋であって、音響専門ではないので、あくまで「それなり」ですが、2.1ch=Stereo2チャンネルとサブウーファーを、3種類のスピーカーで鳴らし分けるルーティングをおこなっています。

 

しかし、今や映像は5.1chがスタンダード。日本はそうでもないと聞きますが、欧米では5.1は標準だそうです。

 

で、色々ありまして、作業の音場を、2.1から5.1へと拡張する計画を1〜2ヶ月前から考えています。

 

最初は廉価な価格帯の5.1でいいかと思ってたんですが、ATMOSにも対応しとこうかと思って、ワンランク上のAVアンプ(と言っても、5万円以下)を考えています。「5.1.2」または「7.1」のスピーカー構成・配置が可能になります。

 

YAMAHAのRX-V585

 

DENONのAVR-X1500H-K

 

 

5.1.2とか、私個人レベルでは未知の設置です。立体音響=右左前後上下の音響は以前にDTSのデモで聴いたことはあるのですが、自分で設置するとなると中々に怖気付きます。

 

フロントハイトスピーカー‥‥とか、ドルビーアトモスイネーブルドスピーカーとか‥‥。

 

でもね。これからはこうした音出し環境も必要になります。市場は日本のアニメマニアオンリーではなくなってくる‥‥のですから。

 

 

モノラルスピーカーは0次元、ステレオLRは1次元、フロントLRとリアLRでようやく2次元、上のLRを足してようやく3次元の立体音響になるのは、2010年前後にデモで体験して「目から」‥‥いや「耳から鱗が落ちる」思いでした。

 

大学や専門学校の教育機関でも、未来はちゃんとした映像リファレンスモニタと立体音響を用意して、中途半端で雑な技術指導から脱すべきとも思います。ましてやアニメ制作会社においては、プレビュールームにリファレンスモニタと立体音響を設置するのは必須だと思います。

 

金をできるだけかけない、必要なものさえ省く‥‥という悪習から、まずはアニメ制作の総本山たる制作会社=映像のプロ集団が実践していくべきでしょう。‥‥現状ではなかなか難しいのはわかってますが、「数兆円規模の市場を生み出している現場」なんでしょ? 安作り、投げ売り、消化試合なんて、いつまでもやり続けていては未来は見えてこないですヨ。

 

今、私が関与している新しい映像品質の仕事は、新しい皮膚が空気に触れるだけでヒリヒリ痛むかのごとく、生まれ変わりの苦しさがいっぱいです。しかし、だからといって、いつまでも過去の殻・羊水の中に閉じこもっていても、新しい風が吹く未来を生きてはいけまい。

 

業界の窮状を訴えて、周囲の人たちの認識を変えてほしいのなら、新しい時代に合わせて自分たちも生まれ変わらないとネ。1980年代〜2000年代を引き合いに出して、作り方は昔のままで、お金だけ現代的・未来的に‥‥なんて言ったところで、どうにもならんス。

 

 

 

ステレオ2chはそれはそれで良いです。

 

新しく5.1.2の世界も手弁当ながら導入しようと思っています。

 

 


サイマン

サイバーマンデーって、何?

 

以下、Wikiより。

 

アメリカ合衆国では、伝統的に感謝祭翌日の金曜日(ブラックフライデー)から年末セールが始まり、感謝祭の休暇中、実店舗は買い物客で混雑する。

 

休暇明けの月曜日にインターネットを使ってECサイトにアクセスして買い物をする人々が多いためであるとも、感謝祭の休暇中には実店舗での買い物に外出したり帰省していた人々が、家庭に戻ってオンラインでショッピングするからであるとも言われる。また、オンラインショップ各社がサイバーマンデーと銘打って大売り出しを行うことも、当然、売上が大きく増える要因である。

 

 

感謝祭? 生粋の日本人で実質無宗教(=親戚筋で仏教の流派が混在している上に、寺だけでなく神社にもお参りする)の私には、何のことかさっぱり。

 

まあいいです。要は「安売りする」んでしょ?

 

というわけで、私の誕生月ということもあり、最近は文字ベースの読書(=マンガやムックではない)もするので、Kindle Paperwhiteを4000円引きで買いました。

 

 

 

第10世代の、32GB、広告なし、WiFiモデルです。

 

漫画などグラフィックを含む書籍は迷うこともなくFire端末で読みますが、軽さが欲しいのと、しっとりと落ち着いた文字で読みたいのとで、 FireではなくKindleにしました。

 

漫画やムックを読むのなら、Fireの7、8、10はおすすめです。ムービーもmp4やm4vでFireで再生できます。Fire 10は特にオススメで、実際私は何台も持っています。‥‥すごく綺麗なグラフィックなのに圧倒的に安いですからネ。Fire 10は今回のセールで、ついに1万円切りの9980円まで値下げセールしてますヨ。今や128GBのSDXCのマイクロカードも3000円ですから、Fire本体は16GBや32GBでも、保存容量に困ることはなさそうです。

 

 

 

なんかさ‥‥。ブログとかツイッターって、無力さを感じることが多くなってきてましてネ。

 

ツイッターは言うに及ばず、ブログも、結局は言葉・文章の断片でさ‥‥。「ちょっと見聞きした程度で、知った気分になる」、考えて見ればものすごい弊害がありますよネ。このブログだって、体系立てて書いてはいませんから、「公開日記」にしかならないです。日々の断片や雑感しか書き綴れません。

 

ツイッターでいくら連続投稿したところで、何か問題は解決できたのでしょうか。読む側も、何か大きな物事の流れや仕組みを理解できたのでしょうか。

 

ちょっと耳にした程度の「断片的な情報」に翻弄されて、むやみに危機感を募らせる一方で、「みんなも大変そうだし、自分だけでなくて良かった」なんて、何の改善の足しにもならない「当座の安堵」でごまかし続ける構造に昔以上に飲み込まれているように思います。

 

一人で外食する時とか、何の気なしにツイッターを眺めがちですが、「困った」「大変だ」「苦しい」「許せない」「間違っている」「怒っている」というツイートのループを目にするよりも、Kindleで購入した戦史や古典を読んだほうが、実は日々の生活や取り組みに対し情報として有効ではないか‥‥ということに、最近(今さらながら)気づきました。

 

同じ文字を読むのなら、専門家の史実分析に基づく戦記・戦史のほうが、どれだけ仕事の役にたつことか。

 

最近、ポーランド1939年前後の戦史を読みましたが、戦いが始まる前の外交や歴史的経緯のほうが興味深くヘヴィな内容でした。「うわあ‥‥学ぶべきことの宝庫だぞ、コレ」と思いましたヨ。1939年9月1日に第二次世界大戦勃発‥‥なんて暗記だけしてても、何の役にもたたんわ‥‥と痛感しました。ベック外相、リッベントロップ、チェンバレン、ダンツィヒ、ソビエト、ポーランドが地図上から消滅した歴史的経緯、枢軸国の日本、そして世界仰天の独ソ不可侵条約とそれに至る経緯など、ツイッターやブログじゃ絶対に書き切れないし読み解けない内容を、Kindleの書籍は提供してくれます。

 

古今東西の優れた書籍を「飯を食いがてらの少ない時間でも」読むのが、大きな自分の推進力となるように感じています。

 

 

 

KindleやFireによって、自分にとって有益な文書に触れることは、「自分自身のreboot」にもなります。たまには再起動しないとネ。

 

で、どうせ買うなら安い時に。

 

サイバーマンデーは、Amazon端末の買い時です。Fire 7なんて、税込みで3480円だもんネ。なんなのでしょうかネ、その値段は‥‥。安すぎるでしょ。20代だった過去の自分に「セール価格とはいえ、2010年代後半には7インチのタブレットが3480円で買える時代が来るよ」と教えたら、地団駄を踏んで1980年代を悔しがることでしょう。

 

 

 


モノ

私が初めて動画を仕事として描いたのは高校生の時です。別に早熟でもなんでもなく、そういう人は同世代にかなり多くいます。学生時代からプロの現場に入ることは特に珍しいことではありませんでしたし、学生の「親に養われる時代」に「自分のおおよその適正」を量るのは有効なことでした。絵を描いてて辛いんだったらそもそも絵描き・アニメーターには向いてわけで、自分に「合う合わない」をジャッジするのは、ある程度は早い方がいいです。「自分にはどうにも合わない」だなんて、歳食ってからだとキツイもんネ。

 

現在の私にとって、鉛筆とはApple Pencilのことを指しますが、色々な作品に関わる都合上、なんやかんや言っても、紙のタイムシートは今でも扱うことを余儀なくされますから、MONO消しゴムは今でも現役です。紙時代に馴染んだ鉛筆と消しゴムの「MONO〜モノ」の「白、青、黒のトリコロール(三色)」は馴染み深いデザインです。

 

最近、アマゾンで知ったのが、「MONO」デザインのシャープペン多用途ペンです。

 

これ。

 

 

 

いわゆる、散財。衝動買いです。

 

マルチペンも、日頃はステッドラーのを持ち歩いているので取り立てて必要ではなかったのですが、「製品はいつまでラインアップが続くか読めない」ので、サクッと買っておきました。モノの3色デザインなんて、いかにも可愛いでしょ。

 

*日頃愛用しているのは、ステッドラーのコレ。「アバンギャルド」〜2000円くらいです。必要十分な性能と洗練されたデザインが所有欲をも満たします。

 

 

アバンギャルドはペンごとの表示を上にしてクリックすれば、そのペンが繰り出す「自動処理」的な機構をもちますが、モノグラフはさすがに500円ではそこまでの機能はなく、手動切り替え式です。

 

アバンギャルドは携行用なので、モノグラフのマルチはコンピュータ用デスクに常駐させようと思っています。

 

 


ご無沙汰です

忙しくて首が回らないス。ゆえに、ブログを書くこともままなりません。まあ実際は、時間の余裕よりはメンタルの余裕のほうが、文章を書くことに影響するようです。

 

HD=2KからUHD=4Kへ、SDRからHDRへ、24コマからそれ以上のコマ・フレーム数へ‥‥と、技術が進んでいく中、日本のアニメ現場の状況は深刻な要素だらけで、途方にくれます。技術も人も機材もお金も時間も、何もかも足りて無いことを、この数ヶ月で他人事でなくリアルに実感しつつ、一方でアニメ業界・現場の「どうにも抜け出せない停滞」も肌身で感じています。


運命は自分で切り開くものでしょう。ただ、自分の行動だけで世界を変えられるほど、世界は軽くもなければ柔軟でもなく、諸事情が絡みに絡んで現実が紡ぎ出されていきます。

 

「前に進める」「生き残れる」かは、まさに「総体的な運命」次第だと、より強く思うようになりました。

 

 

日々のリアル=現在未来の現実を作り出していく経緯において、現場全体の旧来の技術や作業習慣や意識が、あまりにも未来の動向とかけ離れているのを間近にひしひしと痛感すると、ニュースでいくら「数兆円の市場規模」と言われても、一層の違和感が目立つだけです。太平洋戦争の際の軍需産業の活況は、日本の明るい未来を保証していたのか?‥‥誰もが歴史で知る通りです。

 

私が「旧来から未来へ」の取り組みの中で、最近、悲観的な要素として特に再認識したのは、以下の通りです。

 

●紙に依存し続ける意識

 

紙と鉛筆は今でも優れた道具・手段だと思いますが、デジタルデータで映像を作りだす作業工程にはあまりにも厄介な存在です。

例えば、大判作画・拡大作画で大きな紙に絵を描くのは、多大な作業コストの浪費です。iPad Pro 12.9やCintiq Pro 13なら、どんなに大判作画をしても13インチより道具・作業段取りが大きくなることはありません。16や24インチの液タブでもそれ以上のサイズにはなりませんが、紙の大判作画は大きいサイズに歯止めが効きにくいです。

紙から離れられないのであれば、未来の4K8K映像世界には根本的に対応できません。A3用紙をスタンダードにするのは無理ですよネ。

 

●旧式フォーマット&ソフトウェアに縛られ続ける現場の実情

 

DCI-P3、BT.2100、300〜1000nits、PQカーブと言った新しい映像の基準を前に、アニメ制作現場の技術基盤はあまりにも旧式です。

TGA(=TGAは1984年のフォーマットです)は8bit止まり、PNGとTGAはプロファイルを持てないフォーマット、クリスタはプロファイルの運用が可能な一方で16bit非対応、スタイロスとペイントマンは今でも広く使い続けられていますが、旧式なTGAやPNGがベースになっています。

クリスタの開発で頑張っているセルシスさんを悪くは言いたく無いですが、セルシスソフトウェアの足りていない部分が、今までの現場の技術停滞に直に影響してきましたし、未来の現場にももろに影響するでしょう。セルシスさんには4KHDRは当然のこと、大袈裟な話ではなく8K120pまで見据えたロードマップを描いて頂きたいです。現場の現状の打算にまみれないでほしいです。

絵や映像を作り出すソフトウェアが、Dolby Visionなど12bit時代の映像産業をリアルに意識しなければ、ソフトウェアを使う作業者はいつまでたっても新時代の映像フォーマットを用いて作業することができません。

 

●そして金。

 

AdobeのCS5〜CS6を使い続けているのは、まさに「金がない現場の象徴」です。数兆円規模の市場を支える現場が、なぜ、Adobe CCを導入できない? なぜ、サブスクリプションを受け入れる体力が制作会社にないのでしょう?

ソフトウェアメーカーと、ソフトウェアを使う作業者・作業団体は、いわば、運命共同体です。iPadで使うクリスタEXは月額1000円ですが、決して「プロの道具」としては高い月額ではなく、むしろ安いとすら感じますが、その1000円の月額をアニメの現場では「高過ぎる」と言う人もいます。‥‥金がないからです。

ソフトウェアの使用コストを「できるだけタダにしたい」というアニメ制作現場の「民度の低さ」は、現実的に金がないからでしょう。しかしどんな理由がアニメ制作現場にあれど、ソフトウェア会社とその中にいる人々は「霞を食って生きているわけではない」ですから、ソフトウェアを時代の進化に合わせて機能向上させていくには、継続的なお金が必要です。

「数兆円規模の市場」っていうフレーズは、CS6止まりの現場の現状を見れば、あまりにも虚しく響きます。

 

 

 

‥‥と、できるだけ手短かにまとめましたが、こうしたことを未来に向けて現場を変えていくには、物凄く大変です。例えるなら、敗戦確定の太平洋戦争を勝利(=講和でも良い)に導くくらいに、絶望的に無理と言って、過言ではないです。

 

例えば、

 

  • 紙を廃止し、タブレット作画に完全移行
  • Adobe 旧CSを使用停止し、CCのサブスクリプションに移行
  • 各色16bitでカラープロファイルを持てるPSDかTIFFにファイル運用を完全移行
  • 各作業者は作品固有の色域に合わせてプロファイル運用を徹底する
  • 300〜1000nitsのHDR/PQカーブを扱える機材に、全スタッフ全機材をリプレース

 

‥‥なんていう現場の環境移行を、すんなり実行できるアニメ制作会社は、日本のどこにも存在しないでしょう。アニメ制作のスキームは、フリーランスの環境も含むがゆえに、いち部署の環境だけ移行しても立ち行きません。

 

アニメ業界は、「新学期」を迎えるにあたり、「夏休みの宿題」を、8/31の夕方まで、ほとんど何も手をつけずに過ごしてしまったわけです。原爆を投下されてもなお、竹槍とバケツリレーで勝てると思い込んでいるのです。‥‥しかし、どんなに後悔して懺悔して悔改めようと、8/31と新型爆弾の現実は冷酷に迫っています。そればかりか、B-29に竹槍、M69焼夷弾にバケツリレーのありさまを、美談にすらしようとする雰囲気すらあります。

 

 

ゆえに、旧来現場とは別立ての、新しい現場の構築を進めてきたのですが、機材はなんとか揃ってきたものの、人間がどうしても足りないです。新しい技術を使って生み出す人間が、シンプルに不足しています。

 

では、できるだけ工程を分割して「できるところ」から作業分配しようとすると、どんどん時間とお金が増えていきます。工数を増やすとコストも増えるのです。コンパクト、少数精鋭‥‥といったコンセプトは、工数を増やした時点であっけなく破綻します。

 

今まで、以下のようなシンプルな工数で済んでいたのが‥‥

 

*内製「プロジェクトマネージメント」システムからのスクリーンショットですが、…すみません、進行中のプロジェクトなので、モザイクかけてます。

 

‥‥以下のような工数に膨れ上がれば‥‥

 

 

‥‥何をどうやったって、コストは猛烈に嵩みます。

 

‥‥で、この工数の多さは、旧来〜現在のアニメ制作現場の姿そのものですが、その姿に新しい技術もハマり始めているので、どうやって「型崩れ」を阻止するかが、目下の課題です。

 

実は、良い作品を作ることと、工数の多さは比例しません。しかし、盲目な現場は「工数とチェックを多くすれば良いものに仕上がる」と信じて、どんどん崩壊への道を突き進みます。「今が苦しいから」「しょうがないから」と工数をむやみに増大させることは、四方八方に戦域を増やして破綻し敗戦したドイツ・日本の姿に等しいです。

 

 

しかし。

 

悲観して悲劇のヒーロー・ヒロインに酔うばかりでは、事態は悪化するばかりです。

 

ツイッターやブログも、何か重大な転機・転換期においては、ほぼ無力です。ツイッターやブログはあくまで累積戦略の手段であって、順次戦略には向きません。

 

ツイッターで「このままではいけない」「改善しよう」と書いても、一向に改善の兆しなど現れず、むしろ「みんな苦労しているからホッとした」と真逆の効果にもなりかねないです。なんとも皮肉なことですネ。

 

悲観しているだけでは、愚痴を垂れているだけでは、どうにもなりません。

 

どんな実践スタイルであれ、一見遠回りに見えるような道筋であれ、リアルに実行し続けねばなりません。

 

 

‥‥と、日記には記しておこう。

 

 


散財エアファイター・イントルーダーとグリペン

ラインアップがコロコロ変わり、バリエーション展開(テレビアニメで言う所の「再編集話」か)が増えて、スリリングな展開になってきている「エアファイターコレクション」。2018年11月11日現在、33号までのラインアップが発表されていますが、トムキャットは既に5機と、このままラインアップが再編集もといバリエーション展開で消費されてしまうのではないかと、少々不安です。

 

F-2B、MIG-29と続いて、12〜13号は「A-6E イントルーダー」と「JAS39 グリペン」です。

 

 

 

うーん、アッサリ。細部も、いつものように、こんな感じ。

 

 

 

イントルーダーの誘導爆弾の先端などは、ぽよんと曲がってるしネ。

 

でも、そんなことに目くじらを立てていては、安価な完成品の商品を購入すること自体が無理です。このクオリティで納得できないのなら、自分で作るしかないですもんネ。

 

いつものように、墨入れで雰囲気を追加します。

 

*墨入れだけで済ませば、必要なのは上図の塗料と溶剤、そして綿棒だけです。材料費は1000円に満たず、相当長い期間使えます。

 

 

 

 

のっぺりツルリンとした元の状態より、多少は雰囲気が出た感じです。誰に見せるわけでもなし、自己満足の領域で良いのです。

 

 

エアファイターコレクションは、前述の通り、ラインアップがどんどん怪しく縮小されており、無難路線と省力路線が交錯した結果、結局はありきたりの、現在の人気機種のバリエーション展開になりそうな雰囲気もします。‥‥そうならないのを願っていますけど。

 

今現在、普通に72や48で手に入る機種を1/100で刷り直しても、全く面白くないです。F-100とかF-105とか、ハンターとかビゲンとか、今はもう手に入らなくなった往年のエアファイターをお願いしたいです。

 

 

1/100‥‥といえば、タミヤのミニジェットシリーズ。

 

一旦絶版になって、コンバットプレーンシリーズとして少数が再販されています。

 

タミヤのコンバットプレーンシリーズは、再販されたのちに、既に在庫なしの型番も多いです。MIG-21とかB-52Dとか、欠品のままです。私としては、ミニジェットシリーズ時代のラインアップを全て復活して欲しいところですが、MIG-19やIL-28が手に入るだけでも喜ぶべきでしょうネ。

 

エアファイターコレクションに乗じて、コンバットプレーンも混ぜて並べようと思ってます。下は筆塗り途中のA-6、IL-28、MIG-19です。エアファイターコレクションに混ぜて並べるので、クオリティは緩く気楽に、サーフェイサーも吹かずに、食玩風(=ランナーに繋がっているうちに色も塗ってしまう)に作ってます。

 

*タミヤアクリルで、アクリル絵画風にペイントしています。「塗装している」感じよりは、「絵を描いている」感じに近いので、私としては気楽です。

*ランナーに繋がっているうちに塗っても、組み立てた後でヤスリやカッターで接合部を処理するので、ちょいちょい塗り直す箇所は発生します。そういうこともあり、絵画風ペイントが適している(重ね塗りの技法だとタッチアップ部分が紛れる)のです。

*ビーグルとファーマー(IL-28とMIG-19)の金属風ペイントは下地です。イントルーダーは横着して、成型色にいきなり塗り始めていますが、普段はどんな色でも、金属系の赤と青をわざとムラ塗りして下地にして(ラッカーかアクリル)、塗装色を5段重ね塗り(重ねるごとに細い筆で塗る)で筆塗りしています。

 

 



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