第1志望‥‥
就職の話題が聞こえてくるシーズンになってよく思うのは、新人・新卒の人は、第1志望の場所に行かないほうが、結果的に良いんじゃないか‥‥と言う事です。遅かれ早かれ、若年の頃の理想や夢なんていうのは、ブチ壊れるんだから、第1志望のところにストレートに進んで、そこで決定的な挫折をするよりも、キャリアをある程度蓄積してから第1志望だった「本質」にカブりついた方が良い結果になる‥‥と、色々な出来事を見ていて思うのです。
だってさ、第1志望のところに行ったって、幻滅や失望は必ずあるもん。
しかも、自分の目標を「第1志望に合格する」なんて設定しちゃうと、受かった時点で「終了」じゃないすか。‥‥なんて、寂しい事だろうか。
希望する会社に入れないと自分の夢は実現できない‥‥なんて、「会社を買いかぶり過ぎ」です。むしろ、枠にハメられて身動きができなくなって、辞めていく人間が多いんじゃなかろうか。もしくは自分の夢とは裏腹に、「それ専用」の人間としてしか生きていけなくなったり。
私はそれこそ、「吹けば飛ぶような新人のフリーアニメーター」として第一歩を踏み出しましたが、まずは「自分に作業依頼が絶え間なく来るように、上手くなる」のが目標でした。会社とか作品とか、全然関係無く‥‥です。強力なコネがあったわけでもなく、親類のツテを頼ったわけでもありません。「次もお願いします」と言われるように努めて作業しただけです。裏技も隠しアイテムもありません。
自分の作業結果が周囲の興味をそそるものであれば、いやでも「周囲から評価される」ので大丈夫です。‥‥逆に、第1志望の会社に入っても、評価されずに埋もれる人も沢山いるのです。第1志望のところに進んで枠組みに組み込まれて頭角も現せずに失望して辞めるのと、着実にキャリアを積んで名をあげて「かつて第1志望だったところの人たち」と一緒に仕事をするようになるとの、どっちが良いんでしょうか。
新人の頃は作業そのものがままならないわけですが、新人が基礎的な技量を取得するには、第1志望の会社である必然性も無いです。基礎を覚えたら、後は自分の技術の発展に尽力すれば、放っておいても「周りは目を向けて」くれるものです。「無視できない技量」を勝ち得れば、自ずと、です。
第1志望か否か‥‥なんて、キャリアスタート時点の「お飾り」みたいなもんです。第1志望の会社に入れば、無条件に技量が上がるわけじゃないですし、要は当人次第なんです。
よく勘違いされる事ですが、「会社に入って、仲良しになれば仕事が来る」というのは大きな間違いです。どんなに仲良しでも技量が低ければ、仕事の依頼はありません。コネは「実技」によって形成されるのであって、「仲良しか否か」でコネができるのは「学生の頃」までです。だって、作品プロジェクトにおける責任職の人間が、単に仲が良いからと言って、重要な作業を依頼できるわけないじゃん? 技術を持ったもの同士が、お互いの技量を認め合う事によって、はじめて「コネ」が生まれるのです。
現場に入った事のない学生が、よりどころの1つとして「第1志望」を掲げるのは、状況としては理解できます。でも「決定的な要素では、まるでない」事も認識しておくべきです。‥‥何度も言いますが、第1志望に進んだからって、上手くいくとは「全く言えない」のですから。
私は「新卒で入社したまま、1つの部署で純粋培養される」事のほうが、「ものつくり」として危機感を感じます。その会社の流儀しか知らずに歳を重ねて、40〜50歳の頃にビッグウェーブが来たら、あまりにもツブしが効かずにパニック状態に陥るんじゃないか‥‥と。
そんなこんなを考えるに、アニメ作品制作のような「自分の芸を売る」のが根底にある職種は、最初から第1志望で思い詰めずに、むしろ遍歴を重ねたほうが、実は良いのではないか‥‥と、少なくとも私は思うのです。
だってさ、第1志望のところに行ったって、幻滅や失望は必ずあるもん。
しかも、自分の目標を「第1志望に合格する」なんて設定しちゃうと、受かった時点で「終了」じゃないすか。‥‥なんて、寂しい事だろうか。
希望する会社に入れないと自分の夢は実現できない‥‥なんて、「会社を買いかぶり過ぎ」です。むしろ、枠にハメられて身動きができなくなって、辞めていく人間が多いんじゃなかろうか。もしくは自分の夢とは裏腹に、「それ専用」の人間としてしか生きていけなくなったり。
私はそれこそ、「吹けば飛ぶような新人のフリーアニメーター」として第一歩を踏み出しましたが、まずは「自分に作業依頼が絶え間なく来るように、上手くなる」のが目標でした。会社とか作品とか、全然関係無く‥‥です。強力なコネがあったわけでもなく、親類のツテを頼ったわけでもありません。「次もお願いします」と言われるように努めて作業しただけです。裏技も隠しアイテムもありません。
自分の作業結果が周囲の興味をそそるものであれば、いやでも「周囲から評価される」ので大丈夫です。‥‥逆に、第1志望の会社に入っても、評価されずに埋もれる人も沢山いるのです。第1志望のところに進んで枠組みに組み込まれて頭角も現せずに失望して辞めるのと、着実にキャリアを積んで名をあげて「かつて第1志望だったところの人たち」と一緒に仕事をするようになるとの、どっちが良いんでしょうか。
新人の頃は作業そのものがままならないわけですが、新人が基礎的な技量を取得するには、第1志望の会社である必然性も無いです。基礎を覚えたら、後は自分の技術の発展に尽力すれば、放っておいても「周りは目を向けて」くれるものです。「無視できない技量」を勝ち得れば、自ずと、です。
第1志望か否か‥‥なんて、キャリアスタート時点の「お飾り」みたいなもんです。第1志望の会社に入れば、無条件に技量が上がるわけじゃないですし、要は当人次第なんです。
よく勘違いされる事ですが、「会社に入って、仲良しになれば仕事が来る」というのは大きな間違いです。どんなに仲良しでも技量が低ければ、仕事の依頼はありません。コネは「実技」によって形成されるのであって、「仲良しか否か」でコネができるのは「学生の頃」までです。だって、作品プロジェクトにおける責任職の人間が、単に仲が良いからと言って、重要な作業を依頼できるわけないじゃん? 技術を持ったもの同士が、お互いの技量を認め合う事によって、はじめて「コネ」が生まれるのです。
現場に入った事のない学生が、よりどころの1つとして「第1志望」を掲げるのは、状況としては理解できます。でも「決定的な要素では、まるでない」事も認識しておくべきです。‥‥何度も言いますが、第1志望に進んだからって、上手くいくとは「全く言えない」のですから。
私は「新卒で入社したまま、1つの部署で純粋培養される」事のほうが、「ものつくり」として危機感を感じます。その会社の流儀しか知らずに歳を重ねて、40〜50歳の頃にビッグウェーブが来たら、あまりにもツブしが効かずにパニック状態に陥るんじゃないか‥‥と。
そんなこんなを考えるに、アニメ作品制作のような「自分の芸を売る」のが根底にある職種は、最初から第1志望で思い詰めずに、むしろ遍歴を重ねたほうが、実は良いのではないか‥‥と、少なくとも私は思うのです。