iPad Proは来たものの

13インチのiPad Proが来た、スゲー!‥‥とかなれば良いんですが、実は、特に目新しい感動もなく、「まあ、今までより、大きいiPadだよね」という感慨しかありません。やっぱり、iPad ProはApple Pencilも一緒に使って、「書き」(カリグラフィ)「描き」(ドローイング)をしてこそだと思います。

私が既に使用中の、iPhone6、iMac 5K、iPad mini 2、Kindle Fire HDX、そして15インチのMac Book Proは全て高密度液晶パネルです。ですので、iPad Proの13インチ2.7Kの解像度は、もはや「見慣れた情景」であり、iPad Pro単体だけでは昔のように高詳細に驚嘆することはありません。ただ、Apple Pencilで描画した際に、ピクセルの粒のデカい液タブに比べて、緻密な描き心地を体感できる予感はあります。





製品の質感の高さは、Apple製品の真骨頂であり、iPad Proもそれは同じです。製品を手に取った時の精密感や高級感は、近年のAppleのスタンダードですネ。‥‥ちなみに、「中国製は云々」とか今でもこれ見よがしに卑下する論調がありますが、iPadもMac Bookも、皆、中国の深センから配送されてるんですヨ。技術力を労働力で実践する際のノウハウは、Appleから学ぶところはたくさんあるように思います。

ちなみに、後ろに写っているのは、超薄型A4ライトボックスで、最近のお気に入りです。よりダイレクトな光が欲しい時に使っています。アマチュアや学生さん、簡易作業場でのライトボックスとして、安価で高品質なので、オススメです。給電にUSBミニ端子を用いており、5mmの薄さ(iPad Proより薄い)を実現していますが、本体強度や明るさは必要十分で、A4「ノビ」とも言える大きめA4サイズなので、使い勝手が良いです。

iPad Proに話を戻して。

私が一番気にしていた「画面との距離」、つまり、ディスプレイ面にガラスを挟んだタッチ面との「厚み」の違和感ですが、それはほどほどな感じです。「分厚いガラス越し」の印象はありませんが、やはり厚みは感じます。絵描き(アニメーターに限らず。様々な絵描き全般)は0.1〜0.2ミリでも芯先の違和感を察知しますから、このiPad Proのガラス面の厚みとApple Pencilの使い勝手が、従来の液タブに対し、どれだけの使い心地の良さを実現しているかが見ものでしょう。
*その辺のWebの記事は現時点で有用なのは出てこないなあ‥‥。Apple Pencilを分解する記事はいくつか見かけましたが、まずは、液タブに比べてどれほどのものか‥‥という記事が読みたいですけどネ。

もし、Apple Pencilを用いた際の、ガラス面の厚みの総合的な違和感が、液タブより大幅に軽減されていれば、拡大表示作画との組み合わせで、今までは不可能だった清書精度(=清書の効率向上)を実現できると考えております。‥‥ただ、それでも「ロングストロークの精密清書」は拡大表示作画だと不可能なので、「何もかも、紙と鉛筆を凌駕する」テクノロジは、時代の流れとともに気長に待つ所存です。

ソフトウェア的には、愛用のSketchBook Proは既にApple Pencil対応済みで、AdobeのPhotoshop SketchもApple Pencilに対応しているようです。Apple Pencilが手元にないのでまだ試せませんが‥‥。

‥‥とまあ、Mac Book Pro 13インチ Retinaモデルのディスプレイ部分だけをもぎ取ったような印象のiPad Pro。Retinaに初めて触れる人なら感動できるかも知れませんが、おそらく映像関係の同僚たちに実物を見せたら「何だか普通ですネ」という感想が返ってくるのが、今から目に浮かびます。みんなもう、Retinaに慣れてるからなあ‥‥。Apple Pencilとペアで使わないと、誰もピンとこないと思うんですよネ。

Apple Pencilは、実売する店舗で盗難まで起こっているとか。いまのところはiPad Proにしか使えないApple Pencilがなぜこんなに品薄なのか、バカ売れするはずもないApple Pencilが発売当日から4〜5週待ちなのはなぜか。‥‥まあ、どう考えても、発売予告日までに生産が追いつかなかったんでしょうけど、バックオーダーでユーザにイライラを募らせるのは、言わば「創業時からのAppleのお家芸」ではあるので、サンタさんの気まぐれなプレゼントくらいのキモチで商品到着を待つのがヨロシイですネ。

蛍光管もLED

私の周囲の環境は、照明のほとんどをLEDにリプレースしています。理由は簡単で、電力消費を抑えたいからです。器具の都合で蛍光灯しか使えない場合を除き、交換できる箇所は全部LED照明、余剰の白熱球(以前使っていた動作品)は緊急時用にストックしてあります。

電力消費を抑えたい理由は、一般的な理由の「節電ではなく」て、同時使用電力の低下を図って、「不意のブレーカー落ちを防ぐため」です。無停電装置で守っているとはいえ、コンピュータを仕事の道具に加えるということは、そういうこと〜常に電力消費の上限をイメージすること〜なのです。

LEDの商品は、今や色んなタイプが発売されており、見た目は蛍光管のLEDまであります。



上図は15W形の、いわゆる「作画机の蛍光灯」に使われているタイプです。作画机の蛍光灯は、昔ながらのグロー式なので、実はLEDへの換装がとても簡単です。グロー管を外して、LED蛍光管を取り付けて終了です。ただ、明るさは800ルーメン前後で、必要十分ですが今まで以上の劇的な明るさにはなりません。自宅で同じタイプを購入して洗面台と補助照明で使用していますが、最近の1500ルーメン/13WのLED電球のような眩しさはありませんが、暗く感じるわけでもないので、ごく普通に使えています。
*注)既存の蛍光灯がラピッド式やインバータ式の場合は、内部配線の改造が必要なので、オススメしません。

グロー式蛍光灯のチラツキが嫌な人は、交換してみる価値はあるかも知れませんネ。

蛍光灯はもともと消費電力が小さいので、15〜20Wクラスだと劇的な消費電力の抑制にはなりませんが、一応半分くらいの電力(15Wだと7〜8W)には抑えられるようです。

ちなみに、私の自宅のオリジナル作画机は、インバータ式の蛍光灯が2連で、天板(テーブルトップ)が全て乳白アクリル製の透過面という独特の仕様ですが、年末あたりに大改装を行って、LED化と強化ガラス化を実施する計画です。LEDテープを等間隔に全面に敷き詰めて、2段階の強弱切り替えをスイッチで操作し、一般の電源コンセントはもちろん、USB充電端子も机に据えつけようと考えています。要は、「紙とiPad Pro」「鉛筆とApplePencil」が共存できる机に改造するわけです。オーダーメイドの強化ガラスは結構高くつくとは思いますが(〜2万円)、一生ものですからネ。

 

USBメモリは無条件に速いわけぢゃない

机の奥から出てきたUSBメモリを再利用しようと、ひとまず速度を測ってみたら、なんとも凄い数字が出ました。下図。



単位はMB/s=メガ「バイト」/秒です。メガ「ビット」/秒ではないので、ご注意。bpsに読み変えるには、数値を8倍してください。

驚愕の遅さムニョムニョですね。メモリと言えど、こんなに遅い製品も存在するのです。まるでSCSIの頃の速度スね。

「時は金なり」。このUSBメモリは、現在の時間感覚では使いようがありません。こういう類の製品を使い続けると、ひいては制作者(制作さんや各工程の作業者さん)の睡眠時間を奪う「小さな元凶」になるんです。

ちなみに現在は、ちゃんと製品を選べば‥‥



‥‥のように、読み取り速度では2Gbpsを叩き出すUSBメモリもあります。接続はUSB3.0です。


*Sanの高速USBメモリ。この速度なら、4K/4444の再生もバッチリです。上記の速度計測の結果は、まさにメーカーの公言する値です。Sanは信頼のメーカーすね。

ちなみに、WDのRED2発で組んだUSB3.0のappleRAIDは以下のような速度です。



USB3.0ではなく、Thunderbolt2にすると、同じRED2発でも、2.0〜2.4Gbpsくらいまで速度を上げることができます。

しかしまあ、SCSIが5MB/s、SCSI2が10MB/s、ウルトラワイドSCSIが40MB/s‥‥と、昔は随分遅い速度でやりくりしていたもんです。ネットワークが10Mbps、モデムが56K、ISDNは64Kでしたっけ?‥‥の時代ですから、今にしてみれば、のんびりとした時代でした。でもそののんびりとした時代に、1.5KのBloodの劇場版とか作ってたんだよなあ‥‥。

そういえば、ADSLが終焉するらしいですネ。今では100Mの光ですら遅いとか言われる時代ですし、ネットで2K/4Kビデオを見る時代には全くそぐわないですから、これはもう時代の流れとしか言いようがないです。

数年前、久々に実家に帰ってテレビの後ろのケーブル類を整頓していたら、なんと10Mbpsのハブ(同軸のブリッジにもなるヤツ)が出てきたことがありました。あんたたちはコレでよく今まで‥‥とあっけにとられたことがありました。ちなみに回線は光です。でもまあ、テレビでネットを閲覧するでもなく、天気予報くらいしかネットに接続しなければ、10Mのハブが中間で遅くしてても気づかないものかも‥‥。

外付けの増設HDDぶっ壊れる。そしてサクッと復旧する。

毎度の事でございます。ハードディスクはいつかは必ず壊れるものと心得るべし。

遠隔で操作しているマシンに接続しているHDDのうち、いくつか姿が見えなくなっていたので、いつものUSB絡みのアレかと思い(USB接続のHDDはたまにマウントが外れる事がある)、HDDケースの再起動をしたのですが、マウントせず。

ライトな対応だとどうもダメっぽいので、本腰を入れて検証してみたら、HDDが逝った時の「カツン‥‥‥カツン‥‥‥カツン‥‥‥カツン‥‥」という音が複数台の内の1台から聞こえます。ソイツが壊れたので、同じケースに入っている他のHDDまで巻き添えを喰ってマウントできなかったのです。

「カツン‥‥カツン」の音はアカンです。きっぱり諦めて、復旧作業に入ることにしました。

TimeMachineでバックアップをとっているので、復旧はとても楽です。

ただ、ネットの情報では、「システムを復旧」することや、「フォルダやファイルを復旧」することは、検索で沢山ヒットしても、増設HDDが丸ごと逝った時の復旧方法は、意外にも見つかりません。

「復旧したい項目を選択して、タイムマシンでさかのぼる」と言っても、復旧したい項目を含むHDD自体が存在しなければ、選択自体が不可能です。

ぶっ壊れて存在しなくなった増設HDDを、丸ごとタイムマシンから復旧する方法は、どうすれば良いのか。

ネットでは見つけにくい復旧例みたいなので、私めが。

まず、壊れた時点での状況が、下図だとします。



壊れてマウントできないのですから、タイムマシンでの操作では復旧したいHDDを選択できません。‥‥なので、壊れたHDDと同名のディスクを用意して、マウントします。HDDを新規購入しても良いですし、すぐに新規調達できないようなら、大きな空き容量のあるHDDに、バックアップを保存できる容量のイメージディスクを作っても良いですネ。イメージディスクは、ディスクユーティリティの「新規」メニューから作成できます。



新規記憶ディスクを同じ名前にするだけで、タイムマシンはあっさりと「前と同じディスク」として認識してくれます。

なので、同名の新規ディスクのウィンドウを開いておき、その状態でタイムマシンに入って、壊れる直前の時間に戻って、ディスク内の項目を全選択し「復旧」をクリックすれば、新規ディスク内に壊れたHDDの内容を再現してくれます。

スクリーンショットは撮ってないので、文字だけでスミマセン。まとめると、

1・壊れたHDDを外す
2・同名の新規ディスクを繋げる
3・空の新規ディスクにタイムマシンから復旧する

‥‥です。

というわけで、タイムマシンには何度もお世話になる私でありました。

ちなみに、使っているMacの内、El Capitanへのバージョンアップに失敗して起動ディスク自体がイカれた事がありましたが、その際はUSBメモリで起動し、システムのHDDを初期化、タイムマシンから旧システムを復旧して難を逃れました。

Macはタイムマシンという便利なバックアップソリューションがあります。この記事を書いているうちに、復旧が終わってしまいました。壊れたHDDは4Kプロモの作業データを含んだ大切な内容でしたが、簡単な手間で復旧できちゃいました。

コンピュータをバックアップをせずに毎日使い続けることは、言わば、自賠責も任意も無保険の状態で自動車を運転するようなものです。事故ったら、最悪の結果が待っている‥‥という。

「HDDなんていつ壊れてもOK」くらいの余裕の環境を日頃から整えておくのが良いですネ。

 

電動工具といえば

男子たるもの、いや、自立するなら女子でも、電動工具の1つや2つは身近に置いて、「出来合いの製品を買うだけでなく、欲しいものを自分で作る」ことも「選択肢の1つとして」用意しておきたいものです。ネットで商品を検索して自分のニーズに合ったものがないと安易に「ネットって使えねえ」と言いがちですが、使えないのはむしろ、買うだけしか能が無いその本人です。棚の組み立て方すら知らず、足が浮いてガタガタヨレヨレの棚を自分で組み立てておきながら、「不良品」とか呼ぶのは、失笑・苦笑です。

飲み代を2回くらい節約すれば、ひとまずの電動工具は揃えられます。電動工具といえば3〜5万円したのは、もう随分昔の話で、パーソナル用途なら1万円でそれなりの電動工具は揃えられます。

ただ、電動工具はプロっぽいものになると、デカくゴツいので、日頃手元に置いておくのは、カワイイやつのほうが置きやすいです。しかし、カワイイのは性能もプアな事が多いので、実は機種選定にはコツがいります。

カワイイ電動工具とはいえ、どうしても押さえておきたい機能は、クラッチ機構です。初心者ほどクラッチ機構は必須なのですが、コストの関係からか、初心者が手にしやすい低価格のものはクラッチ機構がまず付いていません。クラッチ機構とは、駆動に一定の負荷がかかると「故意に空回りするメカニズム」で、例えば、ネジ締めなどで「締めすぎによる破損」を防止する際などに用いられます。

棚を組み立てる際に、まず最初に弱めのトルク(締め具合)でクラッチ機構を設定して組み立てて、仕上げに強いトルクで対角線上に増し締めをおこなえば、がっちり頑丈な棚が組み上がります。

若い衆が数人で、「手際良く組み立てよう!」とばかりに、各人がネジそれぞれを片口レンチで最初から固く締めていき、完成した棚がガタガタと足が浮いているのを皆で見て「何か安定しないすネ」とか言っているのを見ると、コントのギャグかと思います。実家のお父さんは、マウスのドラッグとクリック操作しか教えなかったのでしょうか。

そんな愚かな状態から脱出するためにも、「作れない男から作れる男に」「作れない女から作れる女に」なるためにも、クラッチ機構付きの電動工具を買って、工具を手に馴染ませておくのは良い事だと思います。

とりあえず、買っておきたいカワイイのは、コレです。「IXO 4 PLUS」。

 

名門「ボッシュ」のカワイイ電動ドライバです。ただ、これだけだとクラッチ機構が付いていないので、クラッチ機構のアダプタを同時購入します。


これに、8,10,12,13,14あたりのボックスレンチのビット(注)、木工ドリルの細〜太を買い足せば、家の些細な事には対応できてしまいます。木製の椅子や机の修理とか、100円の端材を使った自作のプチラック、もちろんカラーボックスの組み立てなどはお茶の子さいさい、組み立て式のお持ち帰り家具も力を使わずネジ締めできます。
*注)レンチの径の「13」は、オフィス家具などで良く使われる径で、用意しておくと重宝します。バイクや車だと8,10,12,14,17,19,21で済む事が多いんですけどネ。‥‥ちなみに、このチビドリルに21(バイクのアクスルシャフトなどに使用するゴツい大口径)とかを付けるのは気がひけるので列記しておりません。

ちなみにこのIXO4シリーズ。いろんなアダプタが発売されており、回転式のカッターや送風機などもあります。以下は、「定番のダメ男」がちょっと気恥ずかしいですが、IXOシリーズのPVです。



いまどきは、ネットを検索して情報収集して「できたつもり」に錯覚する事って多いですけど、実際には何も作っていないのです。ぶっちゃけ、ネットを検索する能力は、10年前ならともかく、今は大した能力ではないです。もはやネットの検索能力は「社会常識」とすら言えるくらい、普通の事です。

でも、何かを作れる事は、スペシャルであり続けます。それは料理でも裁縫でも、木工でも、プログラムでも、絵でも立体造形でも音楽でも、文字による物語でも。

ネットで検索して作り方を知ったからといって、その本人が実際に作れるようになるわけではない‥‥のですから。

まあ、だからこそ、「何かを作る」という事は、古今東西、スペシャルであり続けているのでしょうネ。



 

エアコン、一周年

自宅の部屋で、エアコンが臨終して自前で設置してから1周年。資料の山が天井まで積載された状況ゆえ、設置を「業者さんには頼めない」事を覚悟し、工具を購入して設置したわけですが、「自分で設置した際にミスがあると、配管接合部から冷媒が漏れて、1年で冷えなくなる」なんていうネットの煽り文句に、内心恐怖していました。しかし実際に1年が経過した現在、効きすぎるくらいに冷えており、設定温度28度で丁度良いくらいです。サーキュレータで室内の空気を循環させれば、30テラバイト分のハードディスクが動いていようと、静かで涼しい環境を手に入れる事ができます。

業者さんに頼むとおそらく1〜2万円かかるでしょうが、工具を揃える「イニシャルコスト」込みで自分で設置するととても2万円などでは収まりません。最終的に35,000円くらい、工具と配管材でかかりました。特別な事情がない場合は、やはりプロに任せた方が良いのです。

ただ、私の判断として、自分の部屋を「業者さんが作業できるように、一旦解体する」事を「仮想コスト」で考えた場合、35,000円など遥かに超過する労力であることは、ひしひしと実感していたので、バキュームポンプ(真空ポンプ〜配管のエア抜き=真空抜きに使う)とか真空ゲージなど「どう考えても今後使う機会はなさそうな工具」も納得ずくで購入して設置にチャレンジしたのです。エアコンの配管を締める専用のトルクレンチも高かったなあ‥‥。

プロに頼むと、当然のことながら、半日くらいで設置してもらえるのですが、私は素人ゆえに慎重に慎重を重ねて、工程を確認しながら1週間近くの時間をかけて設置しました。もちろん、エアコン設置に丸1週間かかっていたわけではなく、本業をしながら帰宅後の時間を使ってその工期だったわけですが、やはりプロの手際には遠く及ばないものがありました。ただ、YouTubeでプロの工程を確認できたのは、「時代ゆえのラッキー」でした。

銅管の扱いとか、ドレンホースのトラップ回避とか、色々やってみて、ただボーっと眺めているだけではわからない色々な「ディテールの意味」を実感できました。私は今、本業でカラースクリプト(2000年のBloodでいうところの「画面設計」)をやっていますが、画面の色彩や明暗には色々な意味や都合があって(例えば明るい画面には透過光はのりにくいので、設計段階から透過光が映えるように画面を作る‥‥など)、最終的な画面に落ち着くわけですが、エアコンもまさに、急激なカーブが不可能な銅管の性質や、排水のドレンホースで逆流しないようにと、色んな意味や都合で「部屋の中での、あの見た目」に落ち着いているのです。部屋の中でエアコンをレイアウトするとき、自由自在にどこでも‥‥にはならず、大体の「定番」に落ち着くのは、「上からだと風の循環が良い」という理由だけでなく、設置上の様々な要因が作用して‥‥だったのですネ。銅管が90度に鋭角に折り曲げられたら、色々な設置が可能なのですが、そうはいかないわけです。

1年経って、好調に動作するエアコン‥‥ではありますが、たまたま上手くいっただけかもしれません。これでいい気になって、自分でエアコンを設置する気分になると、必ずどこかで落とし穴があるようにも思います。

何か特別な理由がないのなら、100%プロにお任せしたいものです。

高速USBメモリ

昨日、必要に応じて購入したUSB3.0のUSBメモリが届き、早速、計測してみました。

USBメモリは、USB3.0に対応していても無条件に高速なわけではありません。もっと言えば、メモリ(=非ディスク)ならば無条件に速いというわけでもありません。USBメモリの中には、驚くくらい低速な製品すらあります。

しかし、ちゃんと調べて買えば、2Gbpsの読み出し速度を誇る製品も手にできますし、価格と性能のこなれた製品をチョイスする事もできます。2Gbpsの速度があれば、ProRes4444の4K映像も、とりあえず1ストリームなら大丈夫です。今では標準的な容量となった32GBを買えば、短尺のPVくらいなら収まるでしょう。

ただ、やはり生粋のSSDや、SATAのFusion Driveに比べれば、低速です。以下、色々と計測してみました。アニメ制作においては書き込み性能よりも読み込み性能のほうが重要ですので、「READ」の値を基準に注釈をつけてみました。


USB3.0の廉価USBメモリ / 0.8Gbps
usb memory
*昔の感覚ですと、それなりに速く感じますが、4K/60pのProResでは転送落ちが発生する「性能の低い類い」のREAD性能です。色々なデータ容量が大きくなる未来の映像制作ではイライラすることでしょう。私は、データの小さいプログラム開発や写真データなどに使っています。


USB3.0の速度重視USBメモリ / 2Gbps
usb memory hi
*READ性能が2Gbps出ていれば、マシンのデコード能力さえあれば、とりあえず(=1ストリーム/ProRes/4K60p)は転送落ちを防げます。H.265が一般に普及すれば、十分な使い心地を感じる速度ですネ。


USB3.0接続のSSD / 3Gbps
ssd 
*このくらいで速度が出ていれば、とりあえずは安心して作業は進められます。4K60pを「本気」で(つまりアップコンでなく)作るのなら、作業場は3Gbps以上の速度は確保しておきたいですネ。
*SSDをRAID0で組んで‥‥みたいなことはまだしていません。興味深いですが、今はまだ必要無いので‥‥。


USB3.0接続のHDD / 1.3Gbps
hdd-red
*単発接続のHDDは、前時代の速度に成り下がりはじめてます。‥‥ただ、速度性能の要求がユルい、データ置き場的な用途だったら、何の問題もないです。私もデータ置き場としてUSB3.0接続のHDDは重宝しております。


USB3.0接続のRAID0 HDD / 2Gbps
raid-red
*ストライピング(耐障害性を犠牲にして速度を重視)だったら、まだHDDでもストリーム再生用(データを読み出しながら再生する)に使えます。ただし、HDDの銘柄には気を使う必要があります。RAIDに適したHDDをチョイスしたいスね。
*ストライピングのRAIDを採用するということは、データを一気に全て消失する大きなリスクを背負う事でもあるので、何らかのバックアップ体制は必要です。RAID1+0や0+1、Hourlyバックアップなど。


iMac5K 内部SATA接続のFusion Drive / 5Gbps
fd
*ほぼ5Gbpsを叩き出す、高いREAD性能。問題は、この性能がどのくらい持続するか‥‥ですネ。
*プロファイラで中身を調べてみると、120GBのSSD&1TBの7,200rpm HDDの「複合ドライブ」なので、どこまで過酷な運用に耐えるかはナゾです。キャッシュ的扱いのSSDを使い果たした後は、鈍重なHDDの速度に落ちると思われます‥‥が、使用感としては快適そのものです。

記憶装置でも、性能は大きな差がありますネ。2Kなら、とりたてて速度が必要にはなりませんが、4Kは機材への性能要求がキツいので、運用と性能の折り合いをどこでつけるかが重要です。



こんな話の延長線上として、現場ではよく「4Kはアニメには必要無い」という言葉を耳にします。たしかに、今のアニメの絵には4Kはオーバースオペックで不要です。あくまで「今までのアニメには」‥‥です。

つまり、逆に見れば、「次のアニメ」「未来のアニメ」を頭に思い浮かべている人には、まさに「4Kは渡りに船」なのです。

「4K」という新たなカンバスを前にして、そこに描くべき絵が思い浮かば無いのだとしたら、それは自身の想像力・創造力の限界だと思って、潔く諦めた方が良いでしょう。その代わり、今までのアニメを大切にすれば良いのです。今までのアニメの作り方の「美点」をそのままに、4Kへと「綺麗に」アップコンバートすることを考えれば良いのです。‥‥しかし、どれだけ、今までのアニメの作り方を大切にしていますか‥‥ネ? 大切にしなければ、どんどん傷だらけになりますし、経年変化で型崩れもしますよね。

アニメ業界は「滅ぶ」だなんて、私も大げさだとは思いますが、「大きく、確実に、衰退はする」と感じています。それは前にも書いた通りの理由で‥‥です。50過ぎのモーレツに生きてきたサラリーマンが、お医者さんに「随分、内臓が弱ってるね。このままいくと、早死にするよ。20年後には70歳なんだから。」と言われているようなもんだと思います。‥‥で、まさか、お医者さんに「俺の胃腸にケチをつけるのか! おれは精神的に30代なんだ! おれは永遠の若さで生き続けるんだ!」と言うオヤジはおらんでしょう。そんなオヤジは痛々しいです。

では、いっその事、構造的に「老いた業界」を、「自分たちから認めてしまえば良い」のです。

負けん気をはって、50を過ぎた人間が、30代のフリをしたって、何が解決できるわけでもないです。前にも書きましたが、若い細胞が生まれ続けていても、体全体は確実に老化してる‥‥のですから。

ヤマト世代は自分自身の老い、そして旧来の業界システムにのっかる若い人も含めて「業界の老い」を認めてしまえば、「今、そしてこれから、何をすべきか」が見えると思います。

旧来アニメ業界とは別枠の、私の4Kへの取り組みや、新しいアニメーション技法への取り組みにおいても、実はそういう思念も含まれているのです。私が4K8Kを有望視するのは、「遺伝子のゆりかご」としての資質ゆえです。単体が老いて死しても、受け継がれる「ものつくりの遺伝子」における‥‥です。

「傷は舐め合うためにある」なんて言う人もいますが、舐め合っているばかりにいつまでたっても傷は乾かず、逆に腐敗しているような状況かも知れません。舐め合い続けるがゆえに、業界の状況(=結局、数十年経っても、改善するに至らなかった)に流され続けている‥‥とも言えます。

傷を舐めるの止めて、老いを自覚すれば、実は「4K」は今までと違うものに見えてくるかも知れませんヨ。



私は、4Kベースの作品企画や制作システム体系化の他に、「Advanced Project 16」(通称AP16)という技術主軸のフェイズも進めています。ハコからものを考える‥‥だとか、小さな技術から発展させて‥‥みたいな悠長な方法論ではなく、「無勢」でも実現可能な方法論として、一義・一理的な考えにとらわれずに技術を連結するプロジェクトです。新しいアニメーション制作システム&技術体系の確立は、様々な軸線・フェイズで同時進行させる必要があると感じています。それは、一般の常識や慣習を無視し逸脱していても‥‥です。

記憶装置の話にも関連しますが、「常識」「通例」なんていうものに取り憑かれていると、モノのポテンシャルも見抜けなければ、有効活用もできず、さらには的外れの支出をしてしまいがちです。ハードディスクやメモリ、CPUやGPU、データ送受の常識、さらには「映像業界の常識」に関しても、定期的に見直しや刷新をおこない、妙な「定番意識」に落ち着かないことが、今後の心構えとして必要かなと思っています。

iMac 5K用の市販メモリ

iMac 5K用のメモリは、Appleの公式情報によると、Late 2012以降のiMac27インチやMac miniと同じ仕様なので、Amazonなどで手軽に購入する事ができます。

実際にトランセンドの8GB2枚セットを購入してみましたが、ちゃんと認識され、正常に動作しております。



メモリは来月以降に4GBを8GBに交換し、MAXの32GBにして完了です。その他、SSDやらRAID箱やら、最低限のブツを調達し終えるのは、今年一杯かかりそうです。そんなにお金をホイホイ使えないので。

ちなみに、ウィンドウにある「メモリのアップグレード手順」をクリックすると、手順など一切記載していない怪しい英語サイトにジャンプするので注意です。

 

ディスクの構成

iMac 5Kの作業用スペースとして、512GBのSSDを買うのは決定しているのですが、物理的な構成をどのようにすべきか、思案しております。2.5インチの外付HDDケースにポンと入れれば、ごく普通の高速なSSDになるでしょうが、そんなんではアカンのです。同じSSD・HDDやコンシューマ向けのコンピュータを用いても、一般家庭のパソコンと映像制作用の作業マシンでは構成や運用法が大きく異なるのです。

速度性能と安全性の2つを「そこそこ」両立させるのは中々に難しいことで、さらにコスト〜購入予算や維持費の制限が大きく作用する個人レベルの環境は、余計に難易度が高くなります。…が、その難しい条件をクリアしてこそ、映像制作者でもあります。

まず、Thunderbolt接続はハコが高いので、USB3.0のハコで作業環境を組むことを考えます。Macの場合、ハコ側のコントローラチップでうまく動作しない事も多いので、私は「Macでの経験上、トラブルの少ない」ロジテックのRAID箱をよく使います。USB3.0とMacの問題は結構深刻で、自室のクローゼットの中には、Mac背面のUSBに直に接続してもトラブルの頻発したハコが4つくらいは眠っております。USBハブをかます場合は、ハブのコントローラチップも気にしたほうがいいです。

SSDは2.5インチを調達するので、廉価な3.5インチマウンタに装着しただけではガチャポンとRAID箱にドッキングできません。コネクタの位置を3.5インチディスクと合わせるマウンタを買うのがてっとり早いですネ。

とまあ、SSDを何らかのRAID箱に組むのは良いとして、SSDやらHDDやら、その全体構成が考えどころです。iMac本体にSSDをUSBで接続しただけでは、単なるご家庭のパソコンです。映像のためにiMacを使うのならば、映像制作に適した構成で組む事が必要です。

作業エリアのSSDの他に、「ProRes4444/4K/60fpsが再生できる、データストック用の高速大容量HDD」、そして「その全てを履歴バックアップする、速度は問わない大容量HDD」が必要となります。‥‥まあ、要求度はそこそこ高いですよネ。

「ProRes4444/4K/60fpsが再生できる、データストック用の高速大容量HDD」、つまり2Gbps以上の速度を安定して叩き出すHDDが必要なのですが、おもむろにSATAのHDDをUSB3.0に繋げただけじゃ、そんな速度が出るわけがありません。以下の通り。



HDDの銘柄がWDのGreen(=低速大容量)なのも相まって、何ともワビしい計測結果に‥‥。
*表示されている数値の単位は「MB/s」で、「Mbpsではない」ので、ご注意ください。

‥‥なので、リスクは大前提で、速度重視のRAID0でHDDを構成して運用することが、実質上必須となります。以下はロジテックのRAID箱(2発)での数値です。本体のRAID機能は使わずシングルモードでHDDを用い、OSX側でソフトウェアRAIDの「スパニング」を設定しています。



ググンと高速化しましたネ。銘柄はRAID向きのRedで、メーカー的にも「RAIDを組むならREDで」(Webより引用〜「WD Redは、自宅や小規模なオフィスでのNASシステムや、RAID搭載のPC向けに特別に設計されたドライブです。」)との事です。「Greenでは組まないで」との記載も。

Read性能が270〜300MB/sくらい出てれば、まあ、何とかなります。ProRes4444は適度な圧縮により、低容量なデータサイズでも品質の高い美麗画質を誇りますから、デコードするマシンの処理能力が高速ならば、HDDのデータ転送速度にかかる負担は少なくて済みます。ちなみに、データストックの目的ですので、Write性能は特に高くなくてもOKです。

以上ご覧の通り、遅いと言われるHDDもRAID0で組めば、安価なUSB3.0接続でもそこそこの速度性能は出せます。しかし、RAID0は何かトラブルがあった際に、全てを失うリスクと隣り合わせなので、バックアップ体制は必須です。メカ&システムトラブルのほか、人災を防ぐ目的でも、OSXのタイムマシンのような1時間ごとのバックアップが最適です。

今(2014年)は、3万円でWDのREDの6TBが買える時代になりましたから、HDD1台で全バックアップが可能になるケースも多くなりました。6TBであっても、アーカイバー&ライブラリアンのサーバのバックアップには足りないかも知れませんが、少なくとも作業端末の環境バックアップはできそうです。しかし、もしHDD単体の容量をバックデータ総計が越えている場合は、RAID0かJBODで複数のHDDを連結して、いわゆる「RAID0+1」「RAID1+0」のような全体像を構成します。タイムマシンを使うので厳密な0+1ではないですが、かなり高い耐障害性を発揮しますヨ。

私の場合、iMac本体の1TB、SSDの0.5TB、RAID0の4TB(2TBx2)=5.5TBとなりますから、バックアップは6TBで十分足りることになります。0.5TBしか余裕がないのに履歴バックアップをするのは一見不都合が多いようにみえますが、実際は全容量を絶えずギリギリ満タンで使う事は皆無なので(ギリギリになった時点でバックアップ云々以前に環境全体を見直す必要アリ)、全然大丈夫なのです。

なので、計画しているのは、4発のRAID箱に、SSD1台とHDD3台を組み込む構成です。そこそこお金がかかるで、2〜3ヶ月に分割して構成していく予定です。また、4個の記憶装置をシングルで使ったりRAIDを組んだりするので、ハコ側のRAIDではなく、OSX側でのRAID設定を使います。

ちなみに下図は、iMac 5KのFusion Driveを計測した結果です。ゴミ箱型のMac Proの内部SSDよりは劣りますが、十分速いですネ。



う〜ん。Fusion Driveって、具体的にはどういうカラクリなんだろう。後で調べてみよう。
 

Adobe Ink & Slide

Adobeの「デジタル」ペン&定規の「Ink & Slide」の使用ムービーがアップされ始めてますネ。私はiMac 5Kを買ったばかりで、さすがに手(金?)が回りませんが、使ってみたいツールの1つです。



三角のペン軸って、実は手に上手くフィットするので、意外に使いやすいんですよ。ステッドラーの色鉛筆やシャープペンで体感済みです。なので、このペンも持ちやすいのは想像できます。ネジレの効いた三角軸は興味津々です。

iPad用のペンは、あの「ぶっとい、フカフカしたペン先」が苦手な人も多いと思いますが、Adobeが送り出したこのペンは、どこまで「筆記具」ぽく仕上がってるのでしょうね。その辺も楽しみです。私はコヒノールの5.6mm芯ホルダーを以前から使っているので、ペン先がクレヨンのように太いのはあまり気になりません。ちなみに、コヒノールの5.6mm芯ホルダーは、鉛筆削りのような小休止が全く無い状態で描き続けられるので、スケッチにはもってこいです。



まあ、iPadの大きさは今のところ、絵を本気で描くには小さいサイズですが、噂される大型iPadが本当に発売されたら、また1つ、絵を描く(描線を入力する)手段の選択肢が増えるかも知れませんネ。

絵にとって「線を描く」は重要な要素ですが、例えばPhotoshop&タブレットで描いた、あらぬ方向に線がズレたり、ブレて揺れた悲惨な描線の絵も、


*絵で金を稼ぐ人のレベルじゃないよね。コレ‥‥。ただ、単純な図形で長いストロークの線ほど、スタビライズなしの「直タブレット描き」では不得意なのは事実です。

その後のツールの使い方やフロー次第で以下のように奇麗にフィニッシュできますから、



仮にAdobeのInkで多少の揺らぎがあったとしても、如何様にでも解決できると思います。
*上図はPhotoshop&Intuosである種「見せしめ」的に描いたもので、Adobe Inkで描いたものではないので、くれぐれもご注意ください。

PCのペンタブレット(Intuosとか)は線がブレたり軌道が外れたりして、「自分が下手になった」錯覚や屈辱感を味わう事も多いのですが、紙に描くダイレクト感がiPadのような身近なガジェットで手に入れば、ペンタブレットに馴れていない人でも、少なくとも「形」に関しては自分の思った通りに描けるようになると思います。

自分の描こうとする軌道に線が走っていかない状態は、柔らかい毛布の上に紙を置いて描いているようで、書き辛さ満点ですもんネ。その「絵描きにとって理不尽な状態」が解消されれば、ペンタブレットの印象も徐々に改善されていくように思います。

使いにくいツールで絵を描く状態が続くよりも、描きやすい環境が形成されていくほうが良いのは明らかです。Adobe Inkがどれだけのものか、レビューを見るだに楽しみです。


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