タブメイトは?

どうもWacom Oneには、タッチ機能が省かれているようです。でもまあ、WinもMacもジェスチャーを前提としたOSの設計にはなっていないことを考えれば、Wacom One以前にデスクトップOSの限界も感じます。

 

WinやMacなどデスクトップOS、かつ、Wacom Oneを使うのなら、拡大縮小回転の操作は、別の方法で快適さを探すのが前向きで建設的です。

 

ふと、タブメイトを思い出したんですけど、上手く使えないすかね?

 

Macにそもそも液タブが繋がっていないことが多い私の環境では、タブメイトは長らく宝の持ち腐れ状態なのですが(クリスタの優待価格で以前買いました)、Wacom Oneと組み合わせて、何か良い操作方法はないものかな。拡大回転操作をいちいちキーボードやマウスに頼ることなく、タブメイトで逆の手(ペンを持っていない手)で操作できれば、廉価だけどテンポの良い環境ができそうな気もします。

 

iPad Pro 12.9インチの整備済み新品が7万円で買えると言っても、Apple Pencilと組み合わせれば8万円超えです。Wacom Oneの倍になりますね。

 

毎月お金を稼いでいる社会人ならともかく、学生でしかも中高生ともなれば、1万円の価格差だって厳しいでしょう。ローンが容易に組めるわけではないですし。

 

もし既に家にパソコンがあって、なにかしらのドローソフトがインストールしてあるのなら、やはりWacom oneの価格設定は相当魅力です。iOSで仕切り直さなくても、既存の環境に追加で環境性能をアップできます。

 

もし親御さんが援助するにしても、タブメイト込みで4万5千円と、Apple Pencil込みで8万2千円(整備済み新品12.9)では、価格ハードルの高さはかなり違って感じられるでしょう。

 

タッチ機能が無いことにウジウジするよりも、Wacom Oneを廉価にプロ並みに使いこなすノウハウを確立した方が、液タブ人口の増加=ペンタブの使い手を増やすには、有効です。

 

 

* * *

 

 

製品のレビュー、特に速報的にいち早くレビューする記事は、そのほとんどが「直線や円や波線を描いてみた」「ラフで簡単な落書きをした」内容で、「使いやすい」「十分」と書かれていますが、‥‥いやいや、そんな程度の描画テストではポテンシャルなんて測れないでしょうに。

 

小面積でも良いから、精度を必要とする細かい絵柄の線画とか、風景のスケッチとか、「実際に画具として使えることを実感」できるレビューが必要なんですよネ。‥‥買う側にとっては。

 

老舗Wacomが2020年にリリースする製品であることを考えれば、ライトユーザ向け製品であっても、波線や直線が快適に描けて当たり前‥‥と思います。たとえアマチュアユースであっても、細かい部分がちゃんと意のままに描けるか否かは、画具・筆記具の生命線に関わるところです。

 

実際に購入した人が、自分のいつもの絵を真剣に描いてみて、Wacom Oneがどう応えるか‥‥の、草の根レビューを待ちたいです。拡大縮小回転をどのように快適に操作するかも、多くのアイデアが出てくるんじゃないでしょうか。

 

「お前は買わんのかい」

 

‥‥と言われそうですが、私は新型iPad Proのためにお金の枠を残しておきたいのと、追加で整備済み新品iPad Proを買うか悩んでいる最中なので、お金が回らんのです。同時に、デスクトップ用のドローソフトから離れて久しく、必要性が薄いということもあります。Harmonyのことを考えれば、デスクトップOSでの液タブ環境の定番化は必須なんですけど、優先順位がね‥‥。

 

複数のiPad Pro。

 

iPad Proを使うということは、Apple IDの縛りが生まれる‥‥ということです。私は、2015年の1型発売から使い続けているので、そりゃあもう、テレビシリーズの原画から4KHDRのカットアウト線画まで、落書きからブログ用から仕事用まで、絵が入り乱れて混乱しているのです。

 

同じApple IDで何もかも運用すると、絵だけでなく、様々なことが錯綜します。経費を分けるのも煩雑で面倒ですよネ。

 

Apple IDを分けて運用したい。‥‥ゆえに、iPad Proを作業別に切り替える整理を去年末からしています。

 

なので、Wacom Oneは、実際に購入してガチ用途で使ってみた人のレビューを待ちたいと思います。タブメイトとか補助操作の使い勝手とかも含めて。

 

 

 


Wacom One

‥‥て、ジェスチャー機能はあるのかな?

 

いわゆる、タッチ機能です。画面を拡大したり回転したりるすのに、欠かせない重要な機能です。

 

1日中、線画を描きまくるような職種の場合、効率を上げるには、ジェスチャーを使いこなすことが何よりも即効性があります。

 

最近、どうもフリース生地の服を着ているとジェスチャーの誤動作が多いんじゃないか‥‥という仮説にたどり着いて、服を着替えたりするほどです。それほど、ジェスチャーの存在は作業テンポに直結します。

*実際に、フリースジャケットを着ていないと、なぜか誤動作は減ります。フリースを着ていると、信じられないくらいタッチの誤動作が多いです。Procreateだけでなく、ホーム画面の操作においても、です。‥‥因果関係を証明できないので、あくまで仮説ですが。

*ちなみに、iPadでの反応が悪い場合、少し長めにタッチしてやると反応することが多いです。環境設定のアクセシビリティを下手にいじると、全てのバランスが崩壊しがちなので、アクセシビリティのタッチ操作のカスタムはせずに、あくまで指のテンポを遅くして対応するのが良いです。‥‥というか、フリースを脱ぎゃぁいいんだ、フリースを。

 

三本指スワイプのコピペとか、二本指タップアンドゥ、三本指タップリドゥ、ペンはペン入力、指先は消しゴム入力など、自分の指を自在に使ったペンタブ操作は、もはや効率化の常識中の常識と考えてます。

 

年賀状でイラストを描く程度なら、ペンタブ固定でジェスチャーなしでもいいけど、仕事で使うにはキツい。‥‥だから入門者向けなのかな?

 

Wacom Oneの諸元を見ても、どこにもタッチ入力の記述はないんだよね‥‥。

 

4万円台の価格、フルHDで13インチ。とても魅力的な製品ですが、タッチ入力は今や必須なんだけどなあ‥‥。

 

本当に無いのかな? 単に記していないだけとか、私の読みこぼしとか。

 

 

 

13インチ(iPad Proだと正確には12.9)のディスプレイは、細部を確認しつつ同時に全体を見渡すことができないがゆえに、ピンチインアウトの拡大縮小は必須です。じゃないと、簡単に絵のバランスが崩れます。iPad Proを使い始めた最初の頃は慣れるまで大変でした。

 

また、手の角度に合わせて紙を回転させていた動作は、全くそのまま、二本指による回転ジェスチャーに引き継がれています。もし、作画用紙を机の上に粘着テープで完全固定したなら‥‥と考えれば、ゾ〜っとするでしょ? 描きにくくてたまんないス。

 

ジェスチャーは省いちゃいかん。

 

ジェスチャー操作は今後のペンタブ作画の常識です。ゆえにパームリジェクション機能(手の側面が触れても無視する機能)も必須です。

 

 

 

もし、本当にWacom Oneにタッチ機能が搭載されていないようなら、iPad Proの第2世代の整備済み新品(Apple認定・バッテリーなど新品)を税込7万で買ったほうが、プロ用途にも使えて良いと思いますけどネ。

 

本当にタッチ機能が省かれているのか、今でも半信半疑です。どこかのレビューでは「ない」と書かれてたけど‥‥。

 

 

 

実はToon Boom Harmony(以後、TBH)で一番困っているのは、TBHそのものではなく、インプットメソッドです。いわゆる「ペンタブで線を入力する」方法。

 

TBHが快適でも、液タブのレイテンシーが前時代過ぎて、描く気が失せるのです。

 

ゆえに、TBHの「紙から入力するフロー」を応用して、Procreateで線画を描いて、TBHに入力する方法を考えました。

 

結果は、良好。最高。

 

4Kならではの繊細なニュアンスをそのままTBHで取り扱えて、ちゃんとカラーアートに塗りの領域も転写できて、4K時代のアニメ品質を具現化できます。もちろん、そこからカットアウト技法も可能。

 

本当なら、TBHで直に描くのが絶対に良いのです。しかし、液タブの様々な問題(導入コストも24インチともなれば‥‥)で、今はProcreate&TBHという奇妙な組み合わせで乗り切っています。

 

 

 

映像制作って、ある種、運命共同体です。

 

2000年前後に「デジタルアニメーション」のムーブメントがおきたのは、アニメ業界だけのチカラではないです。コンピュータの一般向け市場、ソフトウェア製品が、うねりがうねりを呼ぶように相互パワーで推進して、クリエイティブも呼応して、大きな盛り上がりを見せたのです。

 

同じことが2020年代に起こるように感じます。要素は揃い始めています。

 

PC/Macにおいて、絵を描く際に、ぶっちゃけWacomしか選択肢はないですよネ。iPadのようなタブレットPCはともかく、デスクトップPCにおいてはペンタブ作画の運命はWacom製品群が握っていると言っても過言ではないです。

 

プロになる前の予備軍の人たちが、安価に入手できて、絵を描くために必要最低限分のスペックを考える時、ジェスチャー・タッチ機能は外してはならない‥‥と私は思うんですよネ。苦行を強いて、どんな条件でも絵を描ける忍耐力を育成したいのならともかく。

 

 

 

まあ、まだ発売前の速報ですから、実際にタッチ機能・ジェスチャー機能があるのかないのかは、購入者さんのレビューを待っても良いでしょう。

 

果たしてどうかな?

 

 


描線のグローバル化と均質化

直近10年間、2010年代のアニメが、各社皆、同じトレス線に統一されているのは、「アニメ業界が望んだ総意」なんでしょうかね?

 

どの会社もレタスの二値化に対応するために、動画の清書の描き方がどんどん変わって、現在に至ります。レタスの二値化に対応しないと、いざという時の作業力の融通が効かず孤立するので、「レタス線こそ主流」という雰囲気が出来上がって久しいです。2000年代前半にはまだ存在した階調トレスは今や全滅したと言っても過言ではないです。

 

で、それは総意? 望んで得た結果?

 

アニメの描線にニュアンスの差なんて不要‥‥だと、皆、思っているのかな。

 

 

 

フィルム時代。トレスマシン時代。

 

矢吹丈くんと、のび太くんの、主線・トレス線・描線は、明らかに違いましたよネ。素人さんだって見分けがつくほどの個性を発揮していました。

 

会社によっても個性があり、同じ会社でも作品(制作班)によって個性があり、実は監督によっても個性があったり。

 

「ベルサイユのばら」(かなり昔の作品ですが)では、作品制作中の長浜忠夫監督の死去により、途中から出崎統監督にバトンタッチして、ガラリと作品の雰囲気が変わりました。雰囲気の大変化は、描線・トレス線の変化も大きな理由の1つですが、出崎統監督のオーダーに荒木伸吾作画監督が応えた結果‥‥と、その当時のインサイダーの方から聞いたことがあります。内情を知らない人は「杉野さんの絵」と勘違いするのですが、アニメーターがトレス線レベルから変えていたわけです。

*昔から荒木伸吾さんのファンだった私は、ますます尊敬してファンになるのでした。

 

トレス線で作品を語る

描線で作品を体現する

 

かつてのこうした意識は、今はもうありません。

 

2010年代を経て2020年の今、もうアニメ制作現場の皆さんは、トレス線には興味がなくなってしまったんでしょうか。

 

描線なんてどうでもいいよ。業界の作業力をフラット化して大量生産できることが何よりも先決だ。

 

‥‥ということで落ち着いたのでしょうか。その路線を今後も踏襲し続けるのでしょうか。

 

皆がそう思っているのなら、まあ、仕方ないんですが、‥‥本当に興味なくなったの?

 

 

 

二値化を悪者にする人がいますが、そうじゃないです。

 

二値化対応が、いつしか描線の無個性化に繋がっていった経緯に問題があるのです。

 

とは言え、二値化がトレス線の表情を出しにくいのは事実ではあります。同じ線の太さでも、その線が「ベタ1色100%」か「濃淡を含むか」の差で、線のニュアンスは大きく変わります。

 

階調トレス=線に濃淡があると、同じ線の太さでも線が細く見えて繊細になります。

 

2007年のスカイクロラでは、アニモの階調トレスとレタスの二値化トレスを混在させて作りましたが(生産力確保ゆえに)、制作事情を知っていると、「このカットはアニモ。このカットはレタス。」と見分けがつき過ぎてドキドキします。ちなみに、撮影処理・VFX効果は全く同じでも、レタスの線は太く膨張して濃い感じになります。

 

だったら、撮影処理でトレス線のニュアンスを足してだな。

 

‥‥という流れが生まれたのは、かつてのトレス線の存在意義を知る人たちが、現状を打開しようとアプローチしたがゆえです。

 

撮影処理ではなくても、例えばToonBoom Harmonyでは線にテクスチャを貼ることが可能です。テクスチャ付きベクタートレスという選択肢もあります。

 

 

 

しかし、描き手が生み出したニュアンスとは異質なんですよネ。

 

描き手が濃淡や太さの強弱を駆使して描く時、その強弱には意味があるんですよ。一種の「アニミズム」のような感覚があります。

 

そして、その難しい「アニミズムのごとき、描線の強弱をコントロール」するのが、技量の優劣でもあります。描線を自由にコントロールできるようになると、絵を描く喜び・快感が一気に高まり、それが絵の魅力となって受け取る側にもダイレクトに繋がるのです。

 

矢吹丈くんを現在標準のレタス線で描いて塗っても、当時の「絵の熱さ」は画面に表現できないですよネ。今はトレス線の均質化ゆえに難しいのです。

 

 

 

AIによる自動化・無人化の流れを嫌悪するわりに、人間が無機質な作業をおこなっているのなら、考えていることとやっていることが正反対なのです。

 

ご高説は耳にタコができた。理想より現実。量産できなければ意味がない。

 

‥‥という人もおりましょう。たしかに生産力が低すぎるのは問題があります。

 

しかし一方で、作業品質の均質化が買い叩かれを誘発していることも考えねばなりません。皆で同じレベルの作業品質に甘んじておきながら、買い叩かれるのはイヤだ‥‥なんて、「競争原理」という言葉を少しは思い出してみるべきです。

 

理想より現実‥‥と言うのなら、では、今の現実に満足してるんですか?

 

 

 

原因の根本は、アニメーターです。アニメーターがなすがままに流されて、自分たちの描く線が変わっていくことに、無頓着過ぎたのです。

 

描線を直に扱う人間が、無批判になりゆきの状況を受け入れて、むしろ無機質化の後押しまでして、結果、まるでアニメ業界が国営化された1つの会社みたいにフラット化しても、当然の結果でしょう。それを受け入れたんだから、なるようになった‥‥わけです。

 

2020年代も、今までと同じく、なりゆきにまかせ続けますか?

 

どこかで、「なりゆきに流される流れ」に歯止めをかけませんか?

 

描線の多彩な表現力を取り戻しましょう。アニメーターが主導して。

 

アニメーターも開発に関わるべきなのです。新時代・新世代の、技術開発に対して、積極的に。

 

4K時代になれば、描線のニュアンスはより克明に映し出されます。

 

二値化によるインクのように均一なトレス線は、それはそれで良いのです。「それしかない」ことが行き止まりなのです。

 

行き止まっている状況を乗り越えたり迂回するには、新たな方法・道筋が必要です。

 

自分たちではソフトのことはわからない。誰か面倒見て。

 

‥‥なんて言い続けているから、流れに流され続けるのです。

 

まさに描線と毎日向き合って、嫌というほど知り尽くしている人間が、絵の道具たるソフトウェアの使い方を「絵のプロではないアドバイザー」に頼ってどうすんの?

 

ペンタブによる新しい作画の時代は、作画する当人=アニメーターが開発にも取り組み、自分たちで切り開くのです。初期はソフトウェアのアドバイザーに頼ることもあるでしょうが、やがて自分たちで独り立ちすることが必要です。

 

でなければ、トレス線の「肝心な部分」はいつまでも「他人の手の中」です。いや‥‥、トレス線だけでなく、アニメの作画技術まで、他人が窓口で他人経由です。

 

 

 

 

まずはアニメーター=線画を直に描く人間が、まさに直にペンタブで線画のニュアンスに触れないと、話が始まりません。紙で描き続けても、一向に事態は進展しません。

 

CintiqやiPad Pro 12.9と、自分の好きなドローAppで絵を描くところから始めましょう。

 

以下は、このブログで徒然に描いてきた絵です。Procreateの描線が、面白いように自在にコントロールできるので、自分の好きな画題で描いてます。

 

 

 

誰かがiPadとAppleのアカウントとAppを用意してくれるまで待って、しかも「使い方教えて」と言うのなら、もう見込みはないです。

 

自分で動き出さない限り、トレス線はおろか、アニメ制作の未来も危ういです。

 

 

 

2010年以降にアニメ業界入りした人は、「アニメの線はレタス線」と思い込んで疑問も持たないかも知れませんが、かつては作品ごとにトレス線の表現が多彩で、コンピュータが導入されても階調トレスの表情豊かな描線が存在しました。レタス線も、レタス線ならではの特徴を活かした作風を考えたものです。

 

しかしいつしか乱造濫作の津波に巻き込まれて、トレス線の表現力は失われました。2010年代とはそういう時代です。

 

失ったものは簡単ではないにせよ取り戻せます。「再興」という言葉があるように。

 

無関心、無頓着、他人事で済ますことをやめれば、道筋は見えてくるものです。

 

 

 

ちなみに、アニメーターがトレス線の表現力を広げて、アニメ制作に導入しようとする時は、いつもペアで色彩設計さんと行動を共にしてください。

 

描いても塗れないんじゃ意味がないです。

 

ギターだけあっても蝉の鳴くような音しかでません。アンプだけあってもギターが繋がっていなければ音はでません。ギターとアンプはペアなのです。同じように、線と塗りはペアです。

 

ギターパートの音はギターとアンプで決まるように、キャラ部分の絵は線と色で決まりますよネ。

 

 

 

でもまずは、線画を描く張本人がアイデアを貯めることです。それが出発点。

 

4Kの映像キャンバスには、トレス線を表現できる豊かなスペックがあります。1.5Kとはわけが違います。アイデアを受け止める許容があります。

 

先回りして「じゃあ、その細かいトレス線をいくらで描かせるつもりなんだよ」と農奴根性を発揮させる人もいましょう。すでに雇われ根性満載の人。‥‥違うんですよ。こちら側から商売を仕掛けるんです。戦う‥‥とは、200円の単価を210円にすることじゃないでしょ。

 

 

 

アニメーターが今後、自ら行動するか。否か。

 

2020年代で道が分かれるように思います。

 

 

 

 


iPad ProとAppleと。

iPad Proの新型で、多眼カメラの情報が流れてますが、iPad Proでほとんど写真を撮らない私にとっては、むしろ「水平に置きにくくなる」弊害のほうが気にかかります。‥‥iPad Pro3型の顔認証すら実用性が乏しく感じてますからね。

 

カメラも顔認証も「手に持って使うガジェット」であればこそ。

 

iPad Pro 12.9で、いちいち顔をカメラの前に突き出して認証するマヌケ過ぎる自分に、ぶっちゃけ嫌気がさしてしまって、今では暗証番号を入力する方が多いです。パスコードなら、カメラの前に顔がなかろうが、照明が暗かろうが、カメラの前に障害物があろうが、画面ロックを解除できますからネ。

 

タッチIDが一番楽です。少なくとも、iPadを毎日使って仕事している私はそう思います。

 

小さなiPhoneは手に持って使うもの、大きなiPadはどこかに置いて使うもの。

 

この差がわからないほど、Appleの開発陣はお馬鹿ではなかろうに。iPad Pro 第3世代も、薄さを喧伝しているわりに、カメラが出っ張り過ぎて、机に置いた際に薄さが台無しだったしネ‥‥。iPhoneの新技術をiPad Proに反映させる傾向は、トップの意向なのかな‥‥。

 

‥‥何か、またAppleが、スカリーやアメリオ時代と同じ道を歩み始めてなければ良いけどネ。

 

 

 

私は恥ずかしながら、その昔、PowerMac4400を買ったことがあります。冴えない安自作PCみたいなMac。

 

https://www.apple.com/jp/support/datasheet/desktop/pm4400.html

 

バンドルされているソフト一覧をみただけでも、迷走&失速しているのがわかりますネ。Appleもこんな時代があったのよねえ‥‥。1980年代、コンピュータのコンシューマ市場で寵児と言われたAppleの、90年代における見事な没落ぶりがPowerMac4400という製品で体現されています。

 

私はコンピュータについて知識を広げていた時期で、まだ「見る目」〜価値を判断する経験が乏しかったのです。安いPowerMacだったとは言え、4400に手を出すんだもん。

 

MacOS9のままだったら、Appleから離れるしかないな‥‥と観念していた時期もありました。なので、MacOSがUNIXベースに移行してMacOSXになった時は飛びつきました。2003年の劇場アニメ「イノセンス」の途中から、After EffectsがMacOSXに対応したのを逃さず、作業に使うOSをMacOSXへと転換したのが懐かしいです。思えば、イノセンスの頃に16bitモードが導入されたんだよネ。8bitは地獄だったもんな‥‥。

 

 

 

永遠に上り調子の企業なんて存在しないのでしょうが、Appleにはもうちょっと頑張って頂きたいです。

 

互換機時代、ジョブズ復帰前の、あの頃のAppleは再演しないでほしい‥‥というのが、いちユーザの願い、および、仕事でmacOSとiOSを使っている仕事人の想いです。

 

私が思うに、今のところのiPad Proの名機は、iPad Pro 第2世代(2017)ですかね。高性能化したのと同時に、第1世代(2015)の良い点を引き継いでいます。‥‥ちょうど、iMac ボンダイブルーRev.Bが名機だったように。

 

ちなみに、iMac ボンダイブルーのRev.B(リビジョンB)は、その後で買ったiMacがどんどんコンデンサの膨張で死んでいく中、CPUも改造(ソネットのカード)して高速化して365日x数年間の宅サーバ業務にも生き延び、故障を一切することなく電源を落とし、今でもモスボール状態で倉庫に眠っています。

 

iMac ボンダイブルーのRev.Bは捨てられないス。墓場にもってく。

 

‥‥iMac ボンダイブルーはジョブズとアイブの、かつての新生Appleの記念品みたいなもんですネ。

 

 

 

ものつくりは、ツール/道具で、夢を見れるんよ。

 

なので、今でもアマゾンで文房具や画材を見ていると、買いそうになって自制します。

 

あ‥‥でも、最近、小さな三角定規(15cm)を買いました。模型制作に使うので、新たに購入。

 

分度器が内蔵(?)されているところに惹かれました。模型の写真を撮る際のメジャーとして使います。

 

 

 

道具でものつくりのワクワクが広がり、そこから作品の構想が生まれることも多々あります。

 

Appleの新製品にもまだまだ期待してます。実際、iPad Proのおかげで、私の人生の計画は大きく前進方向にシフトしましたしネ。

 

そういえば、Appleの整備済み製品で、iPad Pro第2世代 12.9インチが、64GB、256GB、512GBそれぞれ、売ってましたネ。

 

 

12.9インチ‥‥というのがミソなのヨ。仕事をするのに、ちょうど良い大きさです。(iOSのAppのUI設計も相まって)

 

私は、この第2世代のiPad Pro 12.9インチで、今まで様々な作品の作業をしましたし、4Kにも使いましたので(ドットバイドットではないけど、問題ないです)、太鼓判を押せます。

 

64GBの64,800円〜税込¥71,280円、24回払い¥2,970(税込)/月‥‥というのは、購入しやすいですネ。64GBだと少なく感じますが、何らかのMac(Mac miniでもMac Bookでも)があれば、すぐにAirDropでデータを移動できるので、運用も現実的になるでしょう。iPhoneを使っていれば、さらに連携の輪は広がります。WinでもLightningケーブルでデータの移動はできるはず(私はWinでは操作したことがないので、あくまで「はず」)です。

 

絵で64GBを満タンにするには、相当な量になりますので、「絵を描く用」に限定すれば、64GBで容量に困るとしても数年先の話です。Safariでネットの画像を見ていて、資料用に保存したい時は長押して写真.appに保存できますが、それをやってもネットの画像は1ファイル0.5〜5MB程度ですから、容量に困ることはないです。

 

256GBは価格と容量のバランスが良い(24回払い¥3,612(税込)/月)です。絵だけでなく、自作したムービー(カットアウトとか)をm4vの軽い2Kムービーファイルにして、いくつも写真.appに貯めておいて、見せたい時にササッと再生してプレゼンすることも可能です。

 

第2世代は、鮮やかなP3の発色、ProMotion(120Hzのリフレッシュレート)など、4Kカメラはないものの、絵を描くには必要十分の性能を有します。最新のProcreateでも相変わらずのパフォーマンスを発揮しています。

 

 

 

ということで、第2世代のiPad Proで、榊原良子さん演じた国民的ロボアニメのシリーズのキャラで、「ミンキーモモ」みたいな髪のキャラを、思い出しながら描いてみました。‥‥アニメには似せずに、独自の画風にて。

 

Procreateの新しいバージョンは、キモチよく描けるペンのプリセットがドカンと増えましたネ。

 

 

 

このお方が、20歳そこそこの設定だとは思いませなんだ。ネットで調べて、始めて知りました。20歳で政治の中心人物かつ摂政なんてできるのかね‥‥って、そういうことを言い出したらアニメはきりがないか。

 

ZZは私のキャリアのかなり最初の方だったんですが、搭乗する白いロボは描いても、このピンクの髪のキャラは描いた覚えがないです。

 

榊原良子さんは、コブラのレディの声が大好きです。サラサラした風のような心地よい声。優しい性格のキャラにも榊原さんの声はハマると思うんですけど、大人の女性=強い女性キャラを演じることが多いですよネ。

 

iPadがあれば、このくらいのラフなイラストならコタツで描けます。場所を選ばないのがイイですネ。

 

 

 

iPadの4型はどんなかな。迷走しそうな予感もしますけど、やっぱり楽しみです。

 


仕事始め

2000年から2019年までの20年、私はコンピュータに金を使い過ぎました。何を今さら‥‥と私を直に知る人には言われそうですが、実際、20年間を振り返るとしみじみ思います。

 

なので、少なくとも2020年から先の数年間は、コンピュータ関連を自費でどうこうするのは最低限に抑えようと思っています。

 

2年間、4KHDRのアニメ制作プロジェクトに関わった実感も大きいです。新しいMac Proを買ったところで、4KHDRネイティブのカットアウトのレンダリング速度が劇的に高速化されるとは思えないので、自費を投入するのなら、もっと違う部分にこそ、です。12時間のレンダリングが、9時間になったところで、1日をまるごと消費するタイムスケジュール‥‥ではネ。

 

アニメ業界の未来も‥‥だけど、自分の未来も考えないとネ。

 

2020〜2024年の前半5年間に今まで通りのアニメ業界の生き方を40〜50代の人間が続けたら、2025年以降は目に見えて自分の身の回りが削りとられて痩せていくでしょう。つまり、貧困に陥ることが必至です。

 

40〜50代の自分を、20〜30代の自分と勘違いしてはなりません。等しく、2020年代を、2010年代や2000年代、ましてや1990年代と同じ10年間だと考えるのはあまりにも愚かです。

 

自分自身、そして社会、両方が大きく変化する「未経験の10年間」と考えるのが妥当です。

 

 

 

現状の装備で、自他共にどのような新しい足場を築くか‥‥が、私にとっての2〜3年の目下の目標となりましょう。蓄積した経験と技術を箪笥の肥やしにしてもしょうがないス。

 

幸い、iPad Proはどの世代も快調で不満を感じないし、iPhoneも8 Plusで十分だし、Apple Watch 2'ndもiMac2014も壊れるまで使えるほどの性能の余裕はあるし、Apple製品にお金を使うとしても、iPad Proの新型だけが気になる程度です。macOSもAir Dropも、必要十分です。macOSとiOSの連携で様々なマイプロジェクトは捗ります。

 

 

 

人間には成長のスケジュールがあると思っています。

 

例えば、40代までに絵で仕事をしてこなかった人間が、どうやって40代に作画を学習して上達して稼ぐところまでいくのか、「上達のスケジュール」を40代の期間で考えれば、無謀なことだとわかるでしょう。上達してプロのスタート地点に立つのが50歳?‥‥なんて、普通に考えて「勝ち目なし」です。

 

つまり逆を言えば、40代まで絵を描いて仕事をしてきた人間は、それを如何に応用するかを考えれば良いのです。絵を直接描かなかった人間も同じで、自分の能力をどう再定義して新しい何かに繋げていくか‥‥です。

 

 

 

アニメ業界はどうなるんかなあ‥‥。

 

多くの人は、2020年からようやく「考え始める」‥‥のですかネ。

 

今頃カットアウトに興味を持つようでは、さて、何年後に身につけて常用するつもりなのだろう。

 

2020年も1.5Kで作り続けて、どうやって4K時代に移行する技術やノウハウを獲得するつもりなんだろう。

 

まあ、いいか。こういうことは全て、余計なお世話ですネ。本人たちしか、本人たちの状況は変えられないです。他人がガーガー言っても、どうにも動かんス。

 

 

 

今年の仕事始めは、2020年代10年間の仕事始め。

 

アラウンド50になった私の、2020年代の10年間は、「自分も大事に扱う」‥‥です。いささか遅すぎたように思いますが、一方で、自分を大事にするための材料も揃ってきたので、ぼちぼちその材料を使っていこうと思います。

 

 

 


IFS()がない

NumbersにはIFS()もないのか。う〜ん、面倒。

 

4分岐の場合、

 

=IF(条件式,TRUEの結果1,IF(条件式,TRUEの結果2,IF(条件式,TRUEの結果3,FALSEの結果4)))

 

となって、何とも読み辛いなあ‥‥。

 

しかも、0から9はA、10〜19はB、20〜29はC、30以上はD‥‥みたいな場合は、$A2を参照する場合、

 

IF($A2>30,"D",IF(AND($A2<30,$A2≥20),"C",IF(AND($A2<20,$A2≥10),"B","A")))

 

‥‥って、めちゃくちゃ読みにくいです。

*正確には、「どれにも当てはまらない場合は"A"」ですネ。-10で空白でもAになります。Numbersの場合、エラーが返ると、"D"になるようです。

 

どれがどのかっこ閉じか、書いてて解らなくなります。

 

Numbersは関数の追加更新が弱いですネ。こんな時は、Googleスプレッドシートに移行したくなりますが、ユーザの保守ではどうにも手出しできないのが、ネットのサービスです。最近、ジオシティーズもYahooブログも終了して、データが閲覧不能となったのは記憶に新しいところです。確実なのは自分のローカルに保存しておくこと‥‥です。

 

時代についていけなくなっても、最悪、マシン環境一式をアップデートせずに隔離して保全すれば、データの吸い出しができますもんネ。

 

Googleが「や〜めた。終了!」と言っても、ローカルのソフトウェアなら、即崩壊にならずに済みます。ネットサービスは本体ではなく、エイリアスくらいの気持ちで使うのが適当だと感じます。

 

あてにならないネットに頼るよりも、ローカルのNumbersでも入れ子でIFS的な処理は可能なので、今は我慢して使います。

 

 


弱さゆえ

ネットの「子供部屋おじさん」とか「彼女いない歴=自分の年齢」とか「中年童貞」とかの記事は、「孤独死」「ゴミ屋敷」「セルフネグレクト」「8050」などと一緒に、定期的に取り上げられるわけですが、中年童貞などの取材を受けている人に共通しているのは、特に女性に対してやけに強気で、一方で自分ではボロが出ないようにとバリアを張り巡らしているところですかね。

 

若手声優との結婚を夢見る45歳「子供部屋おじさん」の末路

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200101-00000016-pseven-life

 

 

上記の記事のような人は一定数存在するんでしょうけど、1月2日の正月早々から読むには気が暗いスね。

 

 

 

例えば仕事の場面においては、自分に対する自信は日頃から持っておいた方が良いのは、確かです。

 

でも、多くの記事で紹介される童貞オジさんにありがちなのは、「自信」を「威張る」ことと勘違いしているパターンなのよネ。

 

威張る‥‥というカタチではなくても、知っているふりをする、予測できていたふりをする、ボロを出さないように取り繕う‥‥のも同義でしょう。

 

 

 

でさ‥‥。

 

恋愛って、仕事とまるで正反対でさ。

 

恋愛って、好きになった相手に、「自分の弱さをさらけ出す」ことだと思うんよ。

 

どれだけ完璧かを装うんじゃなくて。

 

自信があるところを見せつけるんじゃなくて。

 

一番、隠して起きたい本音=「あなたが好きになりました」ということを、相手に告白するわけじゃん?

 

めっちゃ、弱さを見せますよネ。

 

 

 

その「弱さを相手にさらけ出す」ことができない人が、恋愛できない人だと感じます。

 

まあ、放っておいてもモテる人はいるんでしょうが、そういう人のキモチはわからないので、平均的な凡人ルックで考えれば、自分以外の他者に、日頃は心の奥に隠している心情を、まさに心情の対象=好きな人に伝えて、相思相愛になったり、ゴメンナサイされて失恋したり‥‥があるわけです。

 

相当、勇気のいる事‥‥ですよネ。

 

だからこそ、中年になるまで、踏み出せない人も存在するんでしょうネ。むしろ、中年までサスペンドした影響で、不要なネジ曲げ・バイアスすら作用していることもあるのでしょう。自分では純粋だと思い込んでいるだけで、経年変化で随分と濁って腐ってしまって、未開封でも中身は発酵して、シュールストレミングみたいになっていることもあり得ます。

 

上述の記事を読むと、取材を受けている人は、その弱さを隠そうとするあまり、女性をある種「憎悪の対象」までネジ曲げていますわな。風俗嬢を汚いと言ったり、20歳以上の女性をババア呼ばわりしたりと、典型的な空元気・空威張りです。

 

故意に暴力的になって、自分の弱さを打ち消そうとしてるように、私には思えます。

 

自虐に走るタイプの人も、実は心の底に相当な高いプライドをもった「かっこつけ」野郎だと思いますしネ。‥‥裏返しなんだよね。

 

 

 

でもまあ、見ず知らずの中年男が老後どうなろうが、余計なお節介ですネ。

 

ただ、上述の記事の類いを読むと、時々、人間の自我について考え込んでしまいます。

 

私は、自分がいつか必ず死ぬことを考えると、どうしようもない絶望感に苛まれます。理解できなくて混乱します。

 

なぜ万物の創造主は、自我などというものを、生き物に与え賜うのか。自分を意識する自我など最初からなければ、自分の死も意識せずに済むだろうに。

 

しかし、自我があるからこそ、音楽に心が共鳴し、美しさを知覚し、人を好きになるんだもんネ。

 

困ったアンビヴァレンツだの‥‥。

 

 


脱シンナー制作その後

脱シンナー‥‥と言っても、シンナー中毒からの脱出ではなくて、シンナー系塗料〜つまり溶剤系アクリル塗料を一切使わずに、しかも筆塗りメインで模型を仕上げる方法のことです。

 

実は延々と技法のアプローチを続けているのですが、作業途中で写真を撮るのが面倒でなあ‥‥。

 

それに、脱シンナーと筆塗りはカテゴリーが違うので(材料の選択の話と、塗り方の話は、別)、どのように「技法一式」として扱うかを塗りながら作りながら考えていました。

 

おそらく、

 

絵画的アクリル筆塗り技法

 

‥‥という呼び名になると思います。

 

プラモを立体的なキャンバスとして扱う‥‥という意識が、いわゆる、従来のプラモ塗装の方法とは違います。

 

プラモ塗装の近年の一般論は、

 

  1. 組み立てる
  2. サーフェイサーを吹く
  3. 不具合部分を修正する
  4. サーフェイサーを吹く
  5. エアブラシでベタ塗りする
  6. 細かい部分をエアブラシと筆で塗る
  7. デカールを貼る
  8. クリアを吹く
  9. 汚しを入れる

 

‥‥みたいな手順です。クリアが先か、汚しが先か‥‥は、その時々で。

 

一番最初にペタッとした無機質なベタ塗りで塗装して、後からウェザリングやエイジング、明暗の誇張などの「表情付け」を処理して風合いを出す「一般的」な方法です。なんだか、アニメのセル塗りに特効を入れるような感じ‥‥ですネ。

 

新品が、経年変化で汚れていく様子

 

‥‥を模しています。つまり、現実のミニチュア的アプローチです。絵ではなく、箱庭的現実世界です。

 

絵画技法においては、最初にベタ塗りして経年変化を足す‥‥なんてことは相当珍しい描きかたです。風景画や人物画を描く際に、一旦ベタ塗りして後でニュアンスを加える‥‥なんてしません。

 

私が長年、プラモ制作でひっかかっていたわだかまりは、まさにソレ=最初にベタ塗りしちゃうこと‥‥でした。ベタ塗りって、水彩なり油彩なりで考えると、相当「奇妙」な塗り方ですもん。建築物の壁を塗装しているわけじゃないんだし。

 

私は、プラモを通して「シーン」を作りたかったことに、ようやく数年前に気付きました。

 

‥‥考えてみれば、映像制作を仕事にしてるんですから、当然の趣向ですよネ。リアルよりもかっこよさを追求する仕事をしてるのに、その感覚を長年の間、プラモには応用できなかった自分が不甲斐ないです。

 

プラモの箱絵は、まさにかっこよさの象徴的存在です。

 

プラモの箱の絵がもったいなくて捨てられず、小学生の頃から今までコレクションしていることからも、「自分がプラモで何がしたかったのか」をもっと冷静に分析してれば、長年悶々とせずに済みましたネ‥‥。

 

ちなみに、箱絵。ボックスアート。

 

以下は、私の小学時代からのコレクションの一部です。まず、F-105Dサンダーチーフ。キンカ堂の値札も今となっては貴重です。

 

 

 

 

定価が500円で2割引で400円です。私がキンカ堂でプラモを頻繁に買っていたのは、2割引きの安さゆえ‥‥というのを、何十年ぶりかに思い出しました。

 

おそらく、このサンダーチーフのプラモを買うのは2回目だったと思います。小学3年生の頃に買った時は、350円が定価だったので、この箱の価格表示は一斉大幅値上げ後ですネ。

 

私は六車さんの箱絵が好きで、今でも強い印象のまま心に残っているのは、F-4Eのシャークティースの箱絵です。もちろん、ちゃんとコレクションしていますヨ。

 

 

 

さらに、言うまでもなく、小池さんの箱絵も大好きです。知っている人はご存知でしょうが、小池さんの箱絵は、初期はポップな色使いだったのが、徐々にリアル路線へと変わっていきました。F-16の初期型(試験飛行時代)の箱絵は、まだポップ寄りの頃です。

 

 

このF-16のプラモはイトーヨーカドーで買ったらしい。

 

 

 

次は、YF-16との戦闘機選定に敗れたYF-17がF-18として蘇った頃のプラモデルで、今は相当レアな箱絵ですが、小池さんのスタイルがリアル方向に転向した頃でもありますネ。

 

 

 

ハセガワばかりなので、レベルのF-15も。

 

 

 

箱絵に描かれた1シーンの数々。

 

私がプラモに求めていたのは、立体的に描かれたシーン(情景)だったわけです。

 

ああ。ジオラマがやりたいのね。

 

‥‥というわけじゃないんですよ。ジオラマも箱庭的アプローチで、現実のシミュレーションのような側面が強いですよネ。

 

現実を箱庭に納めたいわけではないのです。結果は似てても、動機やアプローチが異なるんですよね‥‥。

 

音で言い換えるならば、例えば小鳥のさえずりを声で形態模写したいんじゃなくて、1オクターブ12音の旋律として再構成したいんですヨ。写真ではなく、野外録音ではなく、絵を描く、音楽を演奏する、その決定的な違い。‥‥それを何とかプラモの色塗りで表現できないか、最近はずっと模索してました。(まあ、仕事の合間なので、スローペースですが)

 

私はプラモに空想を求めていたことが判ってから、史実に基づくアプローチは「空想に現実味を加えるスパイス」と思えるようになりました。

 

 

 

エアブラシでムラなく塗って、後から汚す‥‥のではなく、最初から絵のように描いていく。

 

その方法が最近はようやく見えてきました。プラモの技法書を買い集めて読むのではなく、私が高校時代に読んだ絵画技法の本の数々が、今、全く違うジャンルで役立っています。

 

*さすがに、40年前の本なので絶版…ですネ。現在入手可能なのは古本のみです。

 

 

下地に「感じさせたい色」を塗っておき、表現したい雰囲気を意識しながら、徐々に全体像を浮かび上がらせていく‥‥という絵画スタンスの塗り方を、プラモで実践するわけです。

 

カラヴァッジョやレンブラントの技法が、まさかプラモで役立つとは、思いませんでした。これもある種のセレンディピティですかね?

 

右は特製の銀色で筆塗りした下地塗りの状態、左はダークイエロー(XF-60ね)で筆塗りした、ヤークトティーガー(タミヤ 1/48)です。ペタッとしたイエローではなく、適度にムラが残って、まだ完成途中なのに、まるでウェザリングを施したかのようです。

 

 

 

1/48のティーガーII。何工程も控えているうちの第2段階ですが、まるで油彩のようにルックが徐々に浮かび上がっていきます。エアブラシでムラなく塗る方法とは、全く異なる絵画的アプローチです。この後、筆の大きさをどんどん小さくして、複雑なマティエールへと導いていきます。

 

ペタッとした無機質な表面ではなく、絵画が完成していく過程のような表面であることが、最大の特徴です。「塗装」という言葉から離れて、「絵を描く」意識で進行していくわけです。立体のキャンバスを絵を描いて、組み立ても同時におこなうような、「描く」と「作る」が並行するイメージです。

 

 

 

お次は1/48のファイアフライ。砲身と防盾はまだ下地塗りのままです。この後、雑具に色をつけて(木製の取手とか、ハンマーの金属とか)、ウェザリングや墨入れなどもおこないます。

 

今までの一般的な手法と大きく違うのは、最初からプラモの色彩に表情があることです。

 

絵では当たり前なアプローチですが、なぜかプラモでは「塗装」に徹する習慣があって、絵を描く意識は希薄でした。‥‥我ながら、マインドセットだったんでしょうね。

 

 

 

このアプローチに切り替えてから、少なくとも私は「自分の土俵で相撲がとれる」安心感でプラモを作れるようになってきました。難しい部分はまだまだありますが、かなり気が楽になった‥‥というか、バイトで慣れない塗装工をしている気分からは解放されました。

 

プラモの塗装に対して、生産工場での単色塗装がしたかったわけではなく、自分は情景画を求めていたことがわかって、今では色んなアイデアをカタチにできるようになってます。ずっと「塗装」に対して、心の奥で齟齬を感じてたのが、すっきりと晴れた‥‥とでも言いましょうか。

 

ここらへんの制作奮闘記は、いつか電子書籍にまとめられたらな‥‥と思ってます。私はモデラーなんて名乗れる技量にはないので、あくまで下から目線でプラモ好きの観点で。

 

また、2020年の元旦に届いた1/48のティーガー後期型を、戦車コーティングシートも併用して(吸着地雷除けのアレ)、制作記を記録していこうとも思っています。モデラーの方々がブログでやっているみたいに。

 

 

 

でもまあ、これはあくまでも趣味の領域で、本業とは直接的には関係ないです。

 

本業は本業で、また、新しい切り口で進んでいく所存です。

 

 

 

 

 


2020年代の幕開け

2020年代の幕開けです。

 

2010年代の10年間と比べて、大きく様変わりする10年間の開始です。

 

最初はゆっくりと、徐々に大きくうねることでしょう。皆で見ないように隠していた爆薬の導火線にも火がついた‥‥とも言えます。

 

*毎度のこと、Procreateで描きましたが、新バージョン「5」の新しいプリセットペンで描いたら、書き味の妙味が出ました。私は普段、こういう筆致ではないのですが、ペンの設定次第で化けますネ。iPadとプロクリはいいなあ。

 

 

2020年代が終わる頃は、現在40代の人は50代、50代の人は60代です。つまり、団塊ジュニア世代が、いよいよ老年へと移行する10年間です。人口のピークを形成した世代が、老いるということは、日本社会にとって何を意味するのか。そしてアニメブーム世代で大きく支えられてきたアニメ業界にどのような決定的な変化が起こるのか。

 

ネガティブな要素が多いのは共通しているでしょうから、そこから、如何にしてポジティブな道筋を見出せるか‥‥ですネ。

 

 

 

であるならば、何をすべきか。

 

例えば、Appleが、MacOS9をバッサリ捨てて、新しいシステムであるOSXに切り替えたのは、Appleがどん底から這い上がるために必要なアクションだったのです。Macintoshだけの視点ではなく、アップルコンピュータが蘇るために、です。

 

どんなに阿鼻叫喚がこだましても、ジョブズ率いる新生AppleはMacOS9を墓場に埋めて、OSXへの完全移行を決断しましたよネ。その後、iOSも誕生して、Appleは見事過ぎるほどに蘇りました。Appleは消える‥‥と2000年の頃に言ってた人は、たくさんいましたが、やはり見事過ぎるほど予測が外れましたよネ。

 

まあ、アニメ業界は1企業とは違います。しかし、一方で、自分をアニメ業界の社員のように無意識に考えているアニメーターや各工程スタッフも多いんじゃないでしょうか。

 

1兆円産業なんてフレーズは虚しいばかりで、どの会社も作画崩壊と常に隣り合わせじゃないですか。作画崩壊って、アニメファンの素人さんは作り手の技量ゆえと思ってますが、作画崩壊を招く制作状況が最大の要因なのはインサイダーなら解ってますよネ。

 

みんなで苦労して、誰もが未来にビジョンがもてなくても、みんなと一緒だから安心‥‥なんて、2020年代は通用しないです。2020年代には、今までのアニメの作り方と結果物の品質が、決定的に古くなって時代に見放されるようになるのですから。

 

アップコンでしか新時代に対応できず、介護されて死期を待つ余命わずかな高齢産業のままで2020年代を無為に過ごして良のか、まさに業界の当人たちが考えなくちゃネ。

 

 

 

2020年代は、個人やアニメ企業の旧態化した意識が、どんどん顕在化して、「え?あの人、辞めちゃったの?」「あの会社潰れちゃったの?」という話が増えることでしょう。

 

そうした中で、チャンスをものにする個人や企業も現れましょう。

 

 

 

経験を積んだ者同士が、一緒に仕事をすることは新たな気づきや視点を得られるでしょうが、そのことだけで満足するのではなく、もっとその先の、大きく広く深い視野が必要です。

 

40代以降の人間なら、「作品に関われて幸せ」「誰々と一緒に仕事ができて光栄」なんてことで喜んでいるのはやめましょう。40代、50代の人間が、「アニメ制作に関われるだけ幸せ」みたいなファン心理のまま仕事を続けるから、後続の年齢層もそのあおりを食らうことになるんじゃないスかね?

 

リアルに時間と金の計算をしましょう。そうすれば、技術の育て方も見えてきます。アニメ業界志向から脱出する機運も生じましょう。

 

いつまでも自分が20〜30代の気分でいると、残りの半生、とんでもない事態に陥る‥‥のは、アニメ業界に限らず日本全体の話ですネ。8050、老後破産、老後貧困を前にして、2020年代にすべきことを個人でも考えないとネ。

 

 

 

私は、年末の休みに、2020年代の型を作るべく、アカウントの整理や新規作成、iPadの初期化など、もろもろ準備しました。今までのアカウント周辺のしがらみを、なんとない便利さと融通で引き摺り続けるだけでなく、新たな意識に基づく、新しいフレームワークが必要だと強く感じるからです。

 

止めるものは止める。続けるものは厳選する。新しいものは、欲張らずに実現可能な事から準備して始める。ENDとCONTINUEとSTARTの3つを仕分ける、ちょうどよい区切りです。

 

良いも悪いも一緒の鍋で、ぬるい湯で茹でられ続けることから、脱出するには、2020年の今年は良い節目です。思考の大転換に好材料とも思えます。

 

2020年代は混沌を極めるでしょうが、混沌があるがゆえに、次の新しいカタチが創造されるのでしょう。

 

志を持つ者同士、混沌の濁流に呑み込まれず、むしろ混沌のうねりを活力に変えて、進んでいきましょうね。

 

 

 


2010年代の終わり

アニメ業界、アニメ制作現場は、2020年代に大きな節目・大転換期を迎えるでしょう。‥‥と、簡単に言い切ってしまうのは、まさに大きな転換の要素がアニメ業界内外にひしめいているからです。業界内にもいっぱいあるのに、拍車をかけて、業界外から押し寄せてきます。

 

私は‥‥というと、2010年代が大転換期でした。自分ながら、物凄い変動期だったと振り返ります。アニメから完全に離れた時期すらありましたし、自分のそれまでのよりどころだった「アニメの作画と撮影」無しで生きた年月がありました。私の中で、アニメは一度死んだ‥‥と思い起こします。

 

すがっていたものが亡骸になってしまえば、案外、冷静になれるものです。古いカタチではなく、新しいカタチを創り出そうと言う意識にも目覚めます。

 

 

 

2020年代は、「去年まで存在していた職種が、今年は消失するかも知れない」という可能性を感じながら、新しい職種の可能性も同時に考えたほうが良いです。

 

実際、死ぬまで原画で食っていけると思う? 死ぬまで撮影で食っていけると本当に信じてる? できないと思うのなら、何か別の方法を探さなきゃアカンしょ。

 

「自分が生きるための方法論」が、2020年代に通用せずに「方法論の死」を体験する人は多いと思います。

 

 

 

新しい春を迎えるために、死の冬はどうしても必要だと、しみじみと感じ入ります。‥‥まあ、冬の時期は不安だし寒いしで厳しいことが続きますが、冬を越さねば春は来ません。

 

2010年代をあと1時間少々残すばかりとなり、私の頭の中はかなり整頓できてます。久々に年末年始にまとまった休みがとれたのが効いてますネ。人間、時にはそこそこの連休は必要ですネ。2019年は、正月もシルバー&ゴールデンウィークも盆休みも、休みらしい休みは何もなかったですから、自分では強がっていても疲れ果てていて、未来のビジョンも濁っていたかも知れません。

 

2010年代の転換期を経て、自分は2020年代に何をすべきか。‥‥年末の休みで色々とクッキリ思考できました。

 

 

 

2000年代後半にアニメ制作現場がレッドオーシャン化して、2010年代には誰もが予想した通りにアニメ制作現場の乱作が激化しましたが、私自身はアニメ制作現場とは違う方法論で転換期を過ごしたのですから、わざわざ2020年代にレッドオーシャンに舞い戻る愚は犯しません。


自分の苦労は、自分自身に還元してこそ、大きな全体・共同体も回っていくんじゃないですかね。

 

そのためには、自分の時間とお金を大切にしなくちゃネ。

 

 

 

 



calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< January 2020 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM