システムの隙、あそび、たるみ

業界の受発注のある種の「大雑把さ」に、少なからず翻弄されてきたのは、以前書いた通りですが、業界システムの「大雑把さ」からくる、スキというかタルミのおかげで、「成り上がれる」チャンスもあった事は事実です。私なんぞ、成り上がりの最たるものでしょうしネ。

履歴書など無かろうが、実物の上がり(作業結果)を見て、「この人、良いんじゃない?」と判断されれば、次回からより重要なパートを任せてもらえる。男だろうが、女だろうが。‥‥これは、「金には限りがあるが、とにかく、ちょっとでも質の良いものを」と考えている現場でよくある光景です。いわば、システムがある意味粗雑で乱暴だから、面倒な手続きを経なくても、「腕さえ鍛えれば」成り上がれるわけです。

私が新しいシステムを考える時、あまりに規格化・標準化を徹底するあまりに、こうした「成り上がり」の隙間を潰しかねない危険性にも、思考を巡らせます。

ステップアップの余地が組み込まれていないシステムなんて、絶望しかないですからネ。

Sランク技術保持者は、Sランクの仕事しかしちゃいけない‥‥とか、Cランク技術しか作業した事のない人は、Cランクの仕事しかできないまま‥‥なんて、どちらも不幸です。Sランク技術保持者でも、Cランクの作業をCランクなりに仕上げて作業できたり、過去Cランクの仕事を引き受けてた人でも、技量向上次第で高難易度の仕事が引き受けられるように、システム自身が許容するよう設計されている必要があります。

頭の中で構想し、理想的なものを思い浮かべると、時には理想がエスカレートして、「あそび量」「たるみ」を忘れる事があります。システムは、バイクのチェーンと同じく、適正な「あそび」「クリアランス」が必要です。「緩み過ぎ、張り過ぎ」は後々の重大なトラブルの原因になると考えています。

ただ難しいのは、技術ランク‥‥といっても、映像表現は機械計測でジャッジできるような明確な指針が形成できない事です。まず「作風」という大きな区分がありますし、アクションや芝居、メカ、エフェクトなど、表現内容は多岐に渡ります。

思うに、「普遍的な、アニメーション映像表現力の上下」なんていう事を規定しだすと、即座に頓挫するでしょう。あくまで、当該の作品の作風と照らし合わせて、辛うじて判断できるものであって、国家試験のような体裁で技術の上下なんて判断すべきではないですネ。

私の考えでは、作品主体で基準を決めていくのが、まず基本です。基礎的なシステムひな形があって、そのインスタンスを用いて、適宜作品に合わせて拡張して構築していきます。作品数が増えるほどに、各システムが参照しあう項目も増えていく‥‥という仕掛けです。その際の、「システム融合」のメカニズムは、もう私の自力開発の範疇を飛び越えるとは思いますが‥‥。

基礎的なシステムひな形を設計する際に、故意に「ゆるさ」を有する設計が必要だと思っています。

作業の価格

私はそろそろ30年近く、アニメの仕事に携わっている事になりますが、それこそ、高校時代に動画・原画を初めてやった頃から、作業の価格に釈然としない感情を抱いていました。私は「メカやエフェクトが好き」と言ったばかりに、ガンダム2体がメガライダーにタンデムするカットの動画(目眩いがするほど線が多いのヨ)を回されたりして、一方で他の人がキャラのミドルサイズの動画をやっているのも見て、「おれもああいうカットやりたいなあ‥‥」と恨めしく思ったものです。まあ、「メカが好き」なんて軽口を叩いた罰かも知れませんが‥‥。

重い内容も軽い内容も、単価は同じ‥‥という事に、いつも泣かされ続けてきたわけですが、おそらく、同じ想い・感情を抱いている人は、業界内に山ほどいる事でしょう。

動画に限らず、全てのセクションで起こりうる事ではありますが、一方で、その不均衡を改善する方法は見つかっていません。カット単価を秒単価にしたところで同じです。

原画を秒単価で引き受けると、とんでもなく「損」をする事があります。私が実際に経験したのは、もともと低めの秒単価の作品で、「0秒12コマ」の原画を担当した時です。うまい棒が2〜3本買える程度の原画料をまえに、そんな仕事を引き受けた自分が情けなくなりました。シートとレイアウト、原画3枚を描いて、あの値段‥‥。他のカットも、躍動的な内容のシーン内容だったので、請求書を切った際に請求総額を見て、その低さに唖然としてしまいました。まあ、軽々しく引き受けた自分にもかなりの問題があった訳ですが‥‥。22歳頃の事です。

コンポジットも同じです。「派手なエフェクトカットが得意」とか言ってると、1フレームごとの作り込みに時間のかかるカットが回ってくるようになります。秒単価やカット単価で評価しちゃうと、大変なシーンを担当する凄腕の人ほど、割に合わない評価を下されてしまいます。‥‥なので、私が撮影監督で仕切る時は、エフェクトやアクションを担当する人にはカット数を少なく、芝居の淡々としたシーンを担当する人にはカット数を多く配分し、全体のバランスを考えて作業を進めます。もちろん、秒単価ではなく、「作業一式」で作業を依頼して、金額面で妥当となるように工夫します。‥‥しかし、そういう配慮がなされない現場も多いじゃないかな、と察します。

経験を積んで技量を上げれば上げるほど、腐った気持ち・荒んだ気持ちになるのって、今のシステムでは、どうにも解決できないんですよネ。

かと言って、「自分は技術を磨いたんだ。高いお金じゃないとやらん。」とか言ってると、仕事が来なくなったりします。ぎゃふん。

なので、上手い事、高い単価の劇場作品を渡り歩いて、自分の立ち振る舞いで、単価を上げるしかないのです。

私は、新しいアニメーション制作を興す時は、本人の立ち振る舞いはもとより、システム自体も技術や内容を考慮し、コストに計上できるものを作りたいと、日頃からアイデアを練っています。

例えば、線画の清書。私も日頃、線画をクリーンアップしているので、内容の大変さは身にしみて解っています。自分の体調で、線質が揺らぐほどの、精緻な作業。現業界フローだと「動画」の作業の一部ですが、私の考える方式では、「清書」は独立した作業です。その作業の価格設定は、「基礎技術料」+「画素単価」で算出するプランを考えています。

新方式では、物理的な清書枚数は、500〜1,500枚くらい(20数分の尺で)で、いわゆる「動画」「中割り」で枚数を割く事はありません。「作画枚数」視野のコスト構造自体がありません。‥‥なので、新しい作業内容に基づく、新しい高い単価が設定できるのです。

「基礎技術料」は、その人の有する技術が考慮されます。惚れ惚れするほどの美麗な線を引ける達人の技術と、危うい線質の新人の技術が、同じ技術料であってはなりません。

「画素単価」は、物理的な作業内容の大小が反映されます。元となる原画は、フロー内で既にスキャン&データ化されており、描線の占める画素数をカウントできる仕組みです。線が数本の清書と、夥しく線の溢れる清書が、同じ作業費であるわけがない‥‥ですよネ。

「そんなの非現実的だ」と思われるかも知れません。たしかに、今のフローでこれをやるのは、行程として非現実的で、余計コストがかさみます。無理です。

新しいデジタルベースのフローで真価を発揮するアイデアであり、今の制作方式にアタッチして機能するものでは無いのです。つまり、システム自体の総入れ替え‥‥いや、それは無理だと言う事は解っているから、新しく別建てで新システムを確立する際に用いるべきアイデアなのです。

技術を高めて、大変な作業内容を請け負う人が、相応に報われる。‥‥当たり前の事だと思うのです。一方で、難易度の低い仕事をそこそこにザッとこなして短期に小金を稼ぎたい‥‥という事も、選択次第で可能になっても良いと思います。また、作業者本人がグレードを使い分けるという事が、システム上で可能になっても良いと思います。

‥‥まあ、こういう事を書くと、「常軌を逸した理想論」だとか、「偉そうに上から目線」だとか、「被害者ズラして問題提起ばかりしてる」とか言われるかも知れませんネ。この文章を読んで、そのように受け取る人を否定はしません。同じ感情、想いを募らせている人に響けば良いのです。

現状は良くないと言いつつ、一方で改善しよう・変えようとする理想を掲げて行動しない‥‥のでは、二枚舌としか言いようがないよね。その場を繕うために、論調を180度ターンさせる‥‥なんて、少なくとも今、そして未来の私は、したくないのです。

昔の私は、人から嫌われたくなくて、八方美人のように行動してた事が多々ありました。でも、今は、「嫌われてもいいや」と思えるようになりました。「和気あいあいと」「嫌われずに」なんて行動してたら、寿命が来て、何も成し遂げられずにのたれ死ぬだけです。新しいアニメーションを作る事、わたなべ(ぢ)さんのお母さんと話した事を本当に実現するためには、大多数の烏合の衆から何となく好かれるよりは、少人数でもコア部分で共鳴する人たちに呼びかけるべき‥‥だと感じるのです。‥‥極端な行動でしょうかネ?

iMacのメモリ問題

8GBメモリを4本装着したiMac Late 2012。一昨日から突如、フリーズする症状に陥り、原因を究明しようとチャレンジしてみましたが、結局、原因は掴めず、回避策だけをなんとか探り当てた状況です。

Remberによるメモリ単体のチェックは、4本とも問題無し。メモリが原因かも‥‥と思っていましたが、ハズレ。まあ、メモリのハード不良なら、それが一番明快ですから、希望的観測ではありました。

その次にAfter Effectsのメモリ管理の問題か(フリーズが始まったのは、After Effectsのレンダリング時のフリーズが最初だった)と思いましたが、どうもそうでは無いと思われます。After Effectsその他のアプリを全て終了し、Remberだけのメモリ診断プロセスでもフリーズするので、After Effectsがらみではなさそうです。4000px四方のAnimation圧縮のQTが変な挙動をするのは、また別の障害であり、今回の主題とは関連性が低いと思います。

ウィルスチェックやバックアップなどの、バックグラウンドプロセスが原因でも無いようです。

ではどうやって障害を抑えるか‥‥という事ですが、16GBメモリを4本差さなければ、フリーズしません。「じゃあ、その4本の中に、トラブル原因のメモリが含まれているのでは?」と普通思うのですが、単体テストではみな合格し、スロットを1つ空けた状態(8GBx3=24GB)ならば、どの組み合わせでもフリーズはしないのです。

うきー。

ちなみに、変則的な「8+8+8+4=28GB」の構成でも問題無く動作します。フリーズしません。Remberだけでなく、Apple Hardware Testも「問題無し」の結果が出ます。After Effectsのレンダリングも好調で高速です。(Mac Pro 2008で同内容のレンダリングが18時間かかったのが悪夢のようです)
*Apple Hardware TestはDキーを押しながら起動すると使えます。

しかしながら、全く同じ環境の別のiMacでは、8GBx4=32GBでフリーズは発生していません。今のところ、「個体差」という一番納得しがたい結果となっています。

16GBメモリを1本引っこ抜くと正常に動作する、私のiMac。‥‥まあ、28GBあれば、全然良いか‥‥と釈然としないまま、使い続ける事になりそうです。

トラブルがトラブルを呼び

iMacでのAfter Effectsレンダリング中のフリーズの原因を究明していく過程で、どんどんあちこちから、障害の片鱗らしきものが表れてきました。

4000x4000のQT素材の扱いにおいて、コーデックがAnimationですと、イレギュラーなフレーム欠落が発生します。絵がとびとびで真っ黒になる妙なエラーです。

過去に経験したQTでの画素数24bit(=1670万画素)の上限をふと思い出しましたが、4000x4000なので、24bitは辛うじて超過していまん。それにQuickTime Playerだと正常に再生されるので、After Effects固有の問題かも知れません。
*画素数24bit超過は、QuickTime Playerでも「これはQuickTime書類ではない」とはじかれるのです。

同じ4000x4000のQTをQuickTime Player 7(Pro)で、ProRes422で書き出したものを、After Effectsに読み込むと、フレーム欠落は発生しません。

コーデックの差異で、After Effectsで障害が出たり出なかったり。

う〜ん。。。

トラブルの原因を掘り起こしていくうちに、色々絡み付いてきたようです。下手すると、解決に時間がかかるのかな‥‥。

iMacの速さ・2

前回書いた通り、最新のiMacが予想以上に高速に処理する事が、トラブル転じて実感できたわけですが、Mac Pro 2008の5倍の処理速度かと思いきや、そんなもんじゃ無かったです。

実は今もMac Proでレンダリングしていますが、レンダリング時間は11時間目に突入、予測残り時間5時間で、合計16時間。一方、iMacは1時間ちょい。‥‥なんだ、この差は。

実装するメモリ容量が大きく違ったりと個々の環境が違うので、この差を短絡的にマシンの性能差として認識するのはNGですが、今までHD解像度作品において全く遜色を感じなかったMac Proが、このような雲泥の差をつけられるとは、予想していませんでした。

iMac
 i7 3.4GHz
 4コア(仮想8コア)
 32GBメモリ

Mac Pro 2008
 XEON 2.8GHz
 4コアx2=8コア
 10GBメモリ

今回のレンダリング内容は、4Kの素材1つを、何重にも重ねて配置する内容で、メモリの容量がモロに反映される状況なのでしょうかネ。数年前は大容量だった10GBメモリのMac Proも、4K素材をキャッシュに溜め込む構造のレンダリングでは役不足なのかも知れません。

iMacは32GBのメモリが効いているのか、Mac Pro 2008の10倍以上なのは、あきれて笑けてしまいます。時は金なりと言いますが、まさに大きくコストに響く、処理速度の差です。

現在検証中のトラブルは、iMacで同じレンダリングをすると、20分くらいのところでシステムもろともフリーズする事です。何度やっても、20分くらいでフリーズするので、「コップがいっぱいになった時点」でフリーズする感じです。これをどう解釈するか。「メモリのハードウェア不良」なのか、「After Effectsのメモリの使い方が悪くて、システムもろとも巻き込んでクラッシュする」のか、まだまだ検証の余地はあります。しかし、少なくとも、正常に動いている間は、非常に高速な事は解りました。

「メモリのハードウェア不良」だったら対処が楽で良いなあ。不良交換すれば良いので、対応措置が明快です。

‥‥もし、「After Effectsのメモリの使い方が悪くて、システムもろとも巻き込んでクラッシュする」のだったら、‥‥面倒だな。環境設定のメモリ消費の設定くらいしか、いじるところがないですからネ。ディスクキャッシュの設定変更等で好転すれば良いですが、どうかな‥‥期待薄ではあります。‥‥32GBもメモリを実装しているのに、「シークレット環境設定」でレイヤーキャッシュを1フレームごとにクリアする設定へと変更するのは、イヤですしネ‥‥。

‥‥とまあ、トラブルにはひっかかっていますが、「iMacでも」充分な処理環境になる事だけはわかりました。モニタが換えられない面で、運用の是非は問われるとは思いますので、iMacと同等かそれ以上の性能の、別体型マシンの登場が待たれるところではあります。また、2008 Mac Proではなく、16コアのMac Pro Early 2009だとどうなるのか、興味深いところですが、iMacより格段に優勢になることは考えにくしですし、むしろちょっと劣るくらいかも知れません。(=想像)

そんなこんなを考えると、今、自主制作をやってみよう‥‥なんていうアマチュアの人が、機材を揃えるなら、

・i7のiMac(アマの場合、一番高いモデルじゃなくても充分かと)
・増設メモリ(16〜32GBへ)
・Adobe Creative Cloud
・1万円くらいのフラットベッドスキャナ
・5千円くらいのプリンタ
・WACOMタブレット
・外付けのHDD(2発以上のもの・作業スペースとバックアップの2つのHDD)

‥‥でプロ並みの環境が作れちゃうんですネ。初期導入費用を試算すると、20〜25万円くらい。別途、Creative Cloudは月ごとにはなりますが、ちょっと前はコミコミで70万とか必要だったのに比べれば、格段に敷居が低くなりました。

さらに高性能にしたい場合は、外付HDDをThunderBoltにするとか(う〜ん‥‥)、外付HDDを安いモデル(例えばWDのグリーン)から、ランダムアクセスの速い高いモデル(WDのブラックなど)に交換するとか(コレはアリですネ)、動画編集用のチューニングはまだ余地があります。

iMacの強いところは、GarageBandと言う音楽制作環境がついてきますし、ミキサー、マイクとマイクスタンド、ポップガードを追加購入(まずは合計1万円くらいので充分)すれば、アフレコもできるところです。MacOSXは、知らない人も多いかも知れませんが、DSP(音声処理)のライブラリが素で実装されているので、ノイズゲートやイコライザ、コンプレッサー、エンハンサなどで音をまとめられるんですよ。もちろんディレイやリバーブもありますよ。腕さえ上げれば、かなり高品質な音声トラックを作る事が可能です。

iMacの高性能ぶりから、ふと、違う視点で思考を巡らすと、機材のリプレースが難しかったり旧い運用思想のままだと、例え会社の体を成していても、簡単に時代遅れになる‥‥という事も見えてきます。昔ながらのタワー型ワークステーションにPhotoshopとAfter Effectsを単体購入してインストールする‥‥なんていうやり方、今の私から見れば、「コストがかかる割に、限られた事しかできないじゃん」と思うわけですが、アニメ会社って「コスト削減を標榜する」一方で「コスト削減のアイデアに乏しい」ですよネ。間引く事でしかコスト削減できず、運用スタイルを変えてコストを下げる発想にはいたらない‥‥という凡人的発想が多いスね。

コンシューマ向けのiMacが、環境のチョイス次第で、ここまで速くなるとは‥‥。単純に、純粋に、驚いております。



iMacの速さ

仕事で使っている最新のiMac。何気に、凄い高速だと言う事がわかりました。

iMac。After Effectsのレンダリングでフリーズが連発し、「MacOS9か」と思うようなありさまでしたが、どうも、私の仕掛けたレンダリング内容がすこぶる重い事が、色々探っているうちにわかりました。‥‥最近3〜4Kでやるので、ちょっと、バランス感覚がマヒしていました。

別の環境で同じレンダリングをしてみたら、オドロキ。

・最新のiMac/i7 3.2GHz/32GB(オリジナル環境)
 1時間くらいのレンダリング時間

・テキトーに色々なアプリを立ち上げっぱなしのMac mini/i7 2.6GHz/16GB
 予測時間67時間。ギャフン。‥‥テキトー過ぎる環境でレンダリングしたのが災いしたか。

・Mac Pro 2008
 5時間。

‥‥‥凄い差です。

Mac miniの低速加減は、バックグラウンドで仮想2コアをWindows7で消費してた事もあり、フェアなジャッジはできませんが、67時間は痛い。

Mac Proは2008年モデルと古く、メモリも6GBなんで、今や可愛いレベルではありますが、5時間なんて、iMacの5倍です。つまり、単純計算ではありますが、10日でレンダリングできるものが、旧型Mac Proだと50日かかるという事です。

しかし、どんなに高速でも、フリーズするのは困るな。まずはRemberでメモリハードウェアをチェックです。

今は大体どんなマシンでも、HD程度のムービーは、そこそこの速度でレンダリングできます。ゆえに、マシンの差なんて、目に見えるほどにはわからないのですが、解像度が上がると、いきなり「昔の感覚」に引き戻されます。つまり、マシンの性能がレンダリング時間に「如実に表れてた」あの時代です。

PowerPC604は320pxのプレステムービー、G3,G4は720pxのDV/DVD、G5は1300〜1600pxの初期のフィルムレコーディング、IntelMacはHDテレビ。フォーマットの高画質化とマシンの高性能化は、イタチごっこそのものですネ。

色々あるけど

ぶう垂れてても、状況が好転するわけもなし。未開の地を開墾するには、鍬を振り下ろして、耕さないとネ。

現状がどうにもならないから、未来もどうにも出来ないのか。‥‥まあ、そんな事を言ってたら、何も成し得んわな。

デフラグ

私は資料目的でプラモデルを制作するのですが、前に書いた「コスモタイガー2」などは資料ではなく、いわば趣味の部類です。‥‥ただ、趣味といっても、作ったプラモデルを飾る事を予め想像しているわけではありません。ただ、なんとなく、作ってみたくなり、漠然と作るのです。製作時には改造したりと頭の中で考える要素も多いですが、目的は希薄です。

資料目的のプラモデルは、目的がはっきりとして、かつ製作手順も必要最小限です。塗装も独特で、「立体資料になる塗装」を施します。完成後は飾らずに、定型のコンテナ(実を言うと、ヨドバシのミニダンボール箱)に収納して保管します。

しかし、ヤマトとか、資料とは言えないプラモデルなどは、「何で作るんだろう」と自分に問うてみると、おそらく、無心になって製作する事が、脳内のデフラグ効果を生み出しているんだと思います。デフラグとは、記憶媒体において四方に散らばったデータを整頓する処理の事ですが、人間の脳も、あまりに複数の事を同時に処理していると、デフラグ的な事が必要になります。

わたし的にもっと近いニュアンスで言えば、水中で舞い上がった様々な物質が、しばらく静かにしておくと、沈殿して水中がクリアになる‥‥というか。「散らかった。掃除しなきゃ。」と言って、バタバタと動き回ると、余計ホコリが舞い上がって収拾がつかなくなる‥‥ので、あえて動かず、現状が鎮静するのを待つ‥‥ような感じですかネ。

黙々と作業する類いのものなら何でも良いか‥‥というと、どうもそうではないみたいです。プログラムのコードを書いている時は、脳のCPUメータは結構真っ赤ですし、読書も文を読むのに脳を使います。楽器演奏は「弾き馴れた曲」ならば脳を動かさずに済みますが、それでも稼働率はやや高めです。私にとっての楽器演奏は、鎮静というよりは、ブロワで吹き飛ばすような印象でしょうか。結局、「起きているのに、脳の働きが穏やか」なのは、私の場合は、プラモの時くらいしか、思い浮かばないですネ。

脳内でアプリを立ち上げたら、Quitせずにサスペンドしたまま、何本も同時進行している‥‥ような事が、私に限らず、現代の人々は多々あるんじゃないでしょうか。何らかの方法で、「メモリをクリア」する自分なりの方法は、仕事を効率的にこなすのに、実はとても重要な気がします。

ヤマトの航空機

最近、バンダイから往年の「宇宙戦艦ヤマト」のプラモデルシリーズが再販され(いわゆる、現在展開中の作品とのアレか?)、私もまんまと術中にハマって購入したわけですが、さすがに年代が旧いキットゆえ、そのまま作るのはためらう内容です。

しかし、プロポーションは決して悪くないので、各所をちょっと手を入れれば、それなりの出来にはなりそうです。新しいEXシリーズのものより、旧いキットのほうが本編(初代や「さらば」)に近いので、買うなら(私なら)旧版ですネ。

コスモタイガー2は、アマゾンではなぜか品薄で、妙なプレミア価格なのもありますが、ヨドバシなら(今なら)定価+割引で買えます。まず第1の加工箇所は、操縦席周りですネ。何だか、こたつの座椅子みたいな処理なので、臆せずブッた切って、通常のイスへと作り変えましょう。あと、主脚は収納部がどうにもディテール不足ですが、翼が薄いので彫り込んでディテールアップもままなりません。飛行状態で組むか(もちろん、加工が必要です)、主脚を胴体から出すか‥‥の判断が迫られます。このタイプの航空機は、主翼から脚は出さないように思うんですが、‥‥まあ、いいか、そんな現実っぽい事は。

コスモタイガーって、今見ると、幅広の胴体が浮力を生み出す、いわゆるリフティングボディのようなデザインなのネ。F-15の「片翼を完全に失っても飛行して帰還した」話は有名ですが、似たように空力を生み出しそうなボディです。まあ、宇宙空間の飛行時は、関係ないのかも知れないですが。

コスモタイガーのキットは、増槽が5つも付いているので、何だか違和感を感じます。「リアルに考える必要無し」と思う反面、「増槽」というリアルなパーツの扱いに困惑するのです。2つくらいはミサイルか何かに換えようか‥‥と思ったすぐ後、「そう言えば、コスモタイガーって、ミサイルを発射するカットの記憶が無い‥‥」と思い出しました。なんと機銃(劇中いわくパルスレーザー)が唯一の兵装なのネ。たしかに、ミサイルなんか乱発したら、空中戦の描写に支障が出るよネ。ドメルの艦上航空機群も、ミサイルというよりは爆弾・魚雷でしたネ。

ブラックタイガーとコスモゼロは、プロポーションは良好ながら、細部はコスモタイガー以上に手を入れる必要があります。操縦席はまさかのバスロマン状態。1日の疲れを癒すかのような、たっぷりとした湯に浸かったパイロット。ブラックタイガーに至っては、何の予告も無しに複座! ‥‥いつから、ブラックタイガーは複座になったのか。‥‥まあ、昔のプラモは、こういう表現はあったよね。なので、面白がりこそすれ、怒る場面ではありません。

という事で、ブラックタイガーとコスモゼロは、コックピットはフルスクラッチ決定です。まあ、本編中でも軽装で搭乗していますから、ゴツいインジェクションシートにする必要は無いですネ。パイロットもあえて「あの服」でエポキシパテで自作したいです。

モールドは凸と凹の混合です。凸はヤスリがけで消えますから、適宜スジ彫りし直しです。実機があるわけではないので、気が楽だし、どんなディテールにしようかと楽しめます。ちょっと高価ですが、クレオスのラインチゼルを使うと、手先がそんなに器用でなくても、奇麗にスジ彫りができますヨ。罫書き針やカッターを使うより、断面も線質も奇麗に仕上がります。

ちなみに、近年出たディテールアップ版のコスモタイガーは、私はどうも‥‥。ちまたの作例を見て、「尾翼にYAMATOなんてマーキングするの、逆にどうなの?」と思ってましたが、メーカーのデカールだったのネ‥‥。峠のバイクじゃ無いんだからさ‥‥。本体を細かくディテールアップしているんだったら、マーキングも相応に考えれば良いのにネ。最大の難点は、1/100という点でしょうか。タミヤのミニジェットしか近くに置けないスよ。1/72にしてくれればさ‥‥。

旧版の600円のコスモタイガーでも、それなりに手をいれれば、もとのプロポーションが良いので、かっこよく仕上がりますよ。

バックヤード

私が何度も「新しいアニメーション制作」「新しい作り方」などの語句をブログで書くわりに、その結果物である映像やTIPSを公開しないのは、明確な理由・方針があるがゆえ、です。

過去のメイキングコンテンツを振り返ると、「作品が出るたびにタネ明かし」した事は果たして、良い結果を招いたのか?‥‥と思います。技術の取り扱いを確立する前にネタばらしして、結果、安売り合戦の要因の1つになっていたのではないか‥‥と、最近は考えます。一般的なTIPSならともかく、「この作品はこうして作りました」なんて、あまりやるべきじゃないと思うのですよ、最近は。「パブリック」の思想なんて、結局はコストダウンの都合の良いようにしか、使われていないのです。

同様に、技術が生まれたそばから、公開・公表する事も、非常に危ういです。技術を作った人間は、ポリシーや理想も込みで、技術を確立して用いようとします。しかし、「出来上がったもの」を使うだけの人間は、出来るだけ安く速く、流用しようとします。

私の準備している「新しいやり方」は、作画の根本を変えてしまう性質を持ちます。その技術は、新しいコスト構造と切り離せないものです。しかし、「新しいやり方の都合の良い部分」だけを、今のアニメ制作に「悪用」すると、とんでもなく「悲惨な未来」となるでしょう。現在のアニメ制作のコスト構造そのままに、新しい技術を徐々に浸透させるなんて、あり得ないのです。今のアニメ制作は、そのコストゆえに、今の技術止まりで充分です。

また、「戦い」において、一番マズい戦術は、場当たり的に反応して、小競り合いを続ける事です。すなわち、まるで「モグラ叩き」かのごとく、「的が現れたら対処する」という、ビジョンの無い行動です。将棋でも戦略ゲームでも、このやり方では勝てないんですよ。単に「目の前の敵と戦えば良い」のなら、軍師も戦術もいらんわな。すべては、史実が物語っています。

戦い方がマズいと、30日で勝てる戦が、90日かかっても講和にしかならない事が、多々あるわけです。まあ、策に溺れても勝てないんですが、無策では絶対に勝てません。消耗して終わるだけです。

つまり、「攻勢のメカニズム」が整うまで、戦っちゃいけないのです。もっと言えば、攻勢の後の、長期的なプランも。

しかし、同時に「攻勢のタイミング」も重要です。メカニズムに完璧さを求めるがあまり、時間をかけ過ぎて、好機を逸する事もあります。このへんは、よくよく自分に言い聞かす部分でもあるのですが‥‥。

私は、よく歴史上の戦史を参考にします。日本って、あまりこういう事(=戦争から学ぶ)を奨励しない雰囲気ですが、‥‥‥まあ、いいや、この辺の話は。わたし的には、あまりこの部分には、(競合を増やしたくないので)触れたくないですしネ。

まあとにかく、「ビジョンなく」「準備が整う前に」動くのはやめようと思っているのです。逆に言えば、映像を公開する‥‥という事は、そのバックヤードでは「後続の戦術」「兵站の基礎」が出来上がっている‥‥とも言えますネ。


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