そろそろ終了

現在作業している作品が完成した暁には、遅いお盆休みがとれれば良いなと思ってましたが、9月のゲームショー合わせの作品を急遽作業する事になったので、のんきな事を言ってられない状況になりました。その他、作業量は少ないですが2本ほど作業が待機しており、11月にはまた新たなグレーディングの作業が予定されているので、お盆休みは10月までおあずけ‥‥になりそうです。

どんな作品でもそうですが、作品制作が終了する間際には、様々な改善点や改良点が見えてくるものです。今作で言えば、ログの運用の利点は大きな収穫のうちの1つでしたが、その運用にふさわしい大画面のチェックモニタを設置する必要性もひしひしと感じました。ログによって高画質を維持した運用ができた反面で、27インチ程度のモニタではどうにも細部まで見渡せず、ラボの大画面投影にて気付く箇所があったのは、何とも心苦しい限りでした。よく見かける大画面テレビを補助モニタとして代用する方法だと、致命的に入力解像度が不足しているので、映画の2K(1920px以上)が収まりきりません。40インチクラスで最低でも2.5Kを表示できて、かつ特性もフラットなディスプレイが欲しいわけですが、‥‥この問題はすぐには解決しそうもありませんネ。 メーカーの今後の4K対応に期待‥‥です。

ProRes4444による運用は高画質ながらも低容量でフットワークも軽く、作業の高速化にかなり貢献しました。いくら低容量とはいえ、Avidの圧縮コーデック(DNxHD)を使用していたら、おそらく至る所で問題が発生していたと思いますが、ProRes4444は惚れ惚れするほどオリジナルDPXと一致しており、運用におけるコーデック上の不安を払拭してくれるものでした。ただし、編集さん側の大きな理解と対応が不可欠なので、まだ一般的ではない運用‥‥とは言えます。
*9月にやるゲーム絡みの映像のフォーマットがちょっと不安ではあります。まさか、今でもAVI納品(昔はゲームムービーはAVIで納品する事が多かった)なんだろうか。AVIはもういかにも時代遅れ(最後の最後でわざわざ低い画質に落とす必要ないじゃん?)だから、勘弁してほしいんですが‥‥。

あとは、やっぱりファイル等の「命名規則は大事」という事をしみじみ実感しました。もう十何年も言い続けている事ですが、やっぱり名前の混乱は、作業の混乱に繋がり、スケジュールの混乱にも繋がります。名前をピシッと標準化できれば、コストの削減に確実に繋がりますネ。無駄な段取りや作業が減るからネ。大袈裟な話では全く無く、ファイル命名規則って、「当人の理性」ひいては「集団の理性」みたいなもんだよネ。

その他、映像表現面でも色々な収穫がありましたが、どんなに機材が発達しても映像表現に関わる人間こそが作品を左右するのだと言う事を再確認しました。実写の撮影、小道具、大道具、3Dのモデルやアニメーション、3Dのカメラ、エフェクト・グレーディング、編集‥‥など各場面で人の手が加わり、作品へと影響していきます。‥‥なので、機材も大事ですが、若い人材の能力をどれだけ高められるかで、今後のプロダクションの盛衰が大きく変わってくるのでしょうネ。

これから先、アニメに限らず映像作品の未来には、様々な展開があるとは思いますが、やはり「1作品ごと必ず収穫を得て、確実に未来の足場にして、前に進む事」が重要です。作品を「消化試合」のようにして発展せずに時を送るのは、「いつのまにか歳をとっていた」浦島太郎にもなりかねません。たとえ、社会システムの消費のベクトル上であっても、「何かしら」を未来につなげるべき‥‥です。

街のスナップ

日本と13時間も時差がある地で作業をしていると、日付の感覚が危うくなってきます。さらには、こちらの人々は朝8時から仕事が始まり夕方には切り上げるサイクルで、気候的にも夜8時でも空が明るかったりするので、体内時計もいつしかこちらのペースにハマっていきます。こうしてブログを書くと、日本の日時での投稿になるので、多少は感覚が戻るのですが…。

私ら作品スタッフが宿泊している周辺は、金融街のようなところで、近代的なビルが立ち並びますが、所々に昔のヨーロッパスタイルの建物が残っており、歴史の積み重なりを感じます。







少し離れた旧市街には、まさにディズニーの古いアニメに出てくるような昔の建物が並び、金融街周辺とはガラリと表情を変えます。








*移動中に撮影したものなので、見上げる構図ばかりですが‥‥。

食べ物は安かったり高かったりです。生鮮市場に出ていくと、トマトが特に安く、日本では考えられない安価(大きなバケツ山盛りで1000円とか)で売ってたりしますし、トマトの種類も豊富です。スーパーマーケットで目を引くのは、チーズの種類の豊富さとその安さで、日本で買う1/3〜1/5くらいの価格でウォッシュ系をはじめとした様々なチーズが買えます。一方、日本では安い肉の代名詞である鳥のムネ肉が2枚で600円だったり、卵が10個パックで300円以上したりと、何でも安いわけではないようです。ムネ肉よりモモ肉のほうが安いのは、日本的感覚からすると不思議です。

日頃は英語とフランス語が混ざった雑踏の中を移動する事が多く、相手も気を使って英語で喋ってくれるのですが、生鮮市場ではほとんどフランス語なので、数字すら聞き取りが出来ません。こちらは税がなんやかんやと20%くらい加算されるので、表示価格ではなくレジの電光表示で支払額を確認するのですが、市場の手渡しによるフランス語のやり取りだと全く額がわかりません。‥‥なので、10ドル超えの場合、20ドル札で渡しておつりを貰うのが面倒がないのですが、反面、どんどん小銭が増えていきます。ハウスキーピングのチップでは到底消費できない小銭の量です。

仕事のほうは順調で滞りなく進行しております。予定通りに数日後には帰国し、9月に入ってからはまた別の「急ぎ働き」の仕事が待っております。まあ、時差の方は、日本にいても「貫徹作業で周囲との時差が発生する」のはよくある事で、都合、「時差を直し慣れている」ので、特にボケる事なく通常に戻せるでしょう。
 

グレーディングについて(2)

グレーディング導入の主旨については、前回書いた通りですが、今回はもう少し具体的に解説してみます。

グレーディングの大きな役割として、「バラつきを抑える」作業があります。実写の野外での撮影は、太陽の日差しの量が映像に大きな変化をもたらしますから、5分前に撮影した時とは微妙にカラーが異なる事も日常茶飯事です。特に朝焼け・夕焼けのロケーションは時間との戦いになります。そうした色や明るさのバラつきをグレーディングで滑らかにするわけです。

「じゃあ、アニメには無縁だ」と思う人もいるかも知れませんが、‥‥果たしてそうでしょうか。キャラはともかく、背景の青空や建物のグレー、木々の緑などは、実はそこそこバラつくものです。微かなバラつきが、カットの表現目的とズレる場合がありますが、それは各完成カットを並べてみて初めて気づく類いの「事前に回避しずらいエラー」なのです。各作業者に「完璧に予知せよ」なんて到底無理な相談です。

しかし、監督のイメージとは離れてしまっているのも事実なので、「じゃあ、どうしようか」という話になります。大体は「今回はあきらめる」という事になるか、「背景の色味を美術さんに微調整してもらおう」という事でリテークになるかも知れません。‥‥ここで勘のいい人はピピッと危険予測が働くのではないでしょうか。「そんな事をしだしたら、他のカットも気になりだして、二次災害、三次災害に及ぶ」のではないか‥‥と。

ですから、グレーディングをもたない現場は、「潔くあきらめる」か「泥沼覚悟でリテーク地獄に突入する」かの2択になります。グレーディングのセクションがあれば、そんな究極の2択〜あきらめる必要も泥沼リテークも必要ありません。「空の青だけ、前後のカットにあわせて」みたいな「カラーグレーディング」が可能なのですから。

またアニメの場合、「色や明るさのバラつきが少ないので、まとまりやすい反面、臨場感の起伏がおとなしい映像になりやすい」事もあります。銃弾が飛び交い爆風が人物を翻弄するような場面、昼光のまばゆい日差しの中でカメラを切り返す場面など、故意に露出やカラーを変化させるようなカット単位のチュエーションには、シーンごとに色彩を区切るアニメの制作システムはあまり向いていません。

しかしグレーディングは、シーンを再生しながら各カットごとに調整が可能なので、「木陰側から見た、日差しを背負った人物のショットは、逆光を強調」するような事も、シーンの流れを目で確認しながら、映像を最終的に表現できます。

以上は、インハウス及びラボサイドで可能なグレーディングの内容です。

インハウスでのグレーディング、つまり、制作プロダクション側のグレーディングは、もっと突っ込んだ映像表現が可能です。私が作業しているのは、まさにインハウスのグレーディングで、従来の撮影やビジュアルエフェクトでおこなっていた内容もカバーする事が多いです。

カラーグレーディングのほかに、マズルフラッシュを作り替える、照り返しを足す、爆発を足す、アクションの臨場感を足す、砂塵・ガスを足す、空気感を足す・引く、特殊な照明効果を加える、(アニメではほぼないですが)時刻を変える・場所を変える、etc... を作業します。

2D、3Dに限らず、特にアクションや戦闘シーンは、作業者のスキルがもろに出る難易度の高いカット内容ですが、作業者の技術キャパとの兼ね合いで、何度リテークをだしても「かっこよくならない」事がよくあります。「その作業者が担当した時点でアウト」という場面‥‥ですネ。一般的な監督・演出さんは、「作業を振り直すのもままならない」状況において、もはや「泣く」しかない状況に追い込まれるわけですが、インハウスのグレーディングチームを「最後の砦」として構えている作品ならば、「泣かずに済む」確率が高くなります。

例えば、起爆の瞬間の撮影エフェクトで、あまり得意じゃない人が以下のような効果をつけてきた‥‥とします。



「何のひねりもない円のブラシ(グラデーション)は勘弁してくれ」「そもそもバンディングが出てるじゃないか」‥‥などとラッシュチェックの時に恨み節を吐いても、スタッフの質も含めて作品のキャパなのですから、致し方ありません。文句を言って思った通りになるのだったら、世界はとうの昔に理想郷を実現しております。

特にこうした「アクション・エフェクト表現」の類いは、撮影フィルタ的なディフュージョンの強弱と違って、表現者の美意識や表現力がモロに出てしまうので、何度リテークを出しても根本的には直りません。(そういう場合は、撮影監督が作業指導して改善するのですが、中々うまくいかない事も多いのです)

そんな時に、「特殊部隊」たるグレーディングチームを配しておけば、監督が「この爆発のエフェクトなんだけどさ‥‥、何とかなんない?」とオーダーするだけで、以下のように「爆発の光っぽく」絵を「表現し直し」ます。



やる人間がやれば、元が単純な円状グラデでも、このように作り替える事ができます。当然、バンディングも除去できます。

もちろん‥‥ですが、(撮影作業ならともかく、この期に及んで)素材をバラで貰うような野暮ったい段取りは一切なしです。あくまで、ファイナルコンポジット後の1枚絵・1つのムービーファイルから作業して、映像表現を監督の欲する内容へと近づけます。ガンアクションが苦手な原画マンの描いたマズルフラッシュも、インハウスのグレーディングを通れば、迫力のあるものになります。

さすがにこのような作業内容は、ラボサイドのグレーディングには要求できません。「カラーグレーディング」とはかけ離れすぎてます。ゆえにインサイド、プロダクション側のチームに頼むわけです。

何か抑揚に欠ける戦闘シーンやアクションシーン、タイムシート通りには撮影しているんだけど何か雰囲気が足りない‥‥ような時に、インハウスのグレーディングチームが監督と距離を密にして、積極的に表現を足していきます。これは運用面でいえば、まさに「スキルの適材適所」とも言えます。スタッフの長所を活かす現場にすれば良いのです。

以上、この他にもグレーディングの守備範囲は多岐に渡るのですが、解りやすい部分をピックアップして説明してみました。現アニメ業界の制作フローでは、「今作品のキャパだからしょうがない」とあきらめていた事も多いと思います。そんな状況の中、なぜ特定の監督だけがグレーディングを使うのか、多少はお解り頂けたのではないでしょうか。「無駄なところ」には、お金は使わないものです。「必要だからこそ、その部分にお金を使う」のです。
 

グレーディングについて

前回にの引き続きになりますが、私は現在制作中の作品の「ラボサイドのグレーディング」を、欧米のスタジオで作業(立ち会い・指示)しています。

欧米のスタジオで作業すると、「広さの感覚」の差を痛感します。ちょっとした場所の広さの使い方が、いちいち羨ましかったりします。ただそれは、根本的な土地面積の差からくる問題なので、「東京の狭さ」を嘆いても致し方ありません。我々日本人は、「狭さ・広さ」に対して、国土の広い国とは違うベクトルで思考しなければならんのですネ。

まあ、仮に「同じ広さ」を与えられたとしても、日本人は違う使い方をするとも思います。‥‥なので、省スペースの日本人的感覚を活かしながらも、欧米流のゆとりのある空間利用も意識しながら、今後の作業環境作りに活かせたらと思います。

私らが作業しているグレーディングルームは、中程度の映画館ほどのスクリーンを有し、まさに映画館さながらのルックで映写されます。業界の方なら想像できるかと思いますが、イマジカの第1試写室と同じくらいのスクリーンの大きさです。



写真ではスクリーンの大きさは解り辛いですが、右端の赤い文字が「SORTIE=出口」の大きな電光表示なので、スクリーンの大きさを何となく想像して頂けるかと思います。15席x3列=45席くらいのシートがコンソール前に配置されているので、小規模なうちうちの試写くらいなら出来そうな広さです。コンソールはサウンド関連とグレーディング関連が2段で並び、その後ろにさらにソファ(監督席のような)などが置いてあります。私らはサウンドコンソールの席に座り、現地のグレーダー(グレーディングの作業者)さんとやり取りをしています。

作品を担当してくれているラボのグレーダーさんは、エンジニアとクリエーターの両面を併せ持ったタイプの人なので、意思伝達が円滑に進み、経験値も高く手際が良いので、ロール(1本の映画は5〜6の「ロール(Roll)」で分割されています)をどんどん消化して予定通りの進行となっています。

‥‥と、今までグレーディングネタを書いてきて何ですが、グレーディングの話題にどれだけの人がピンときているかは、実は「結構少ないんじゃないかな」と思いながら書いています。

なので、規模はともかくとして、アニメにおける「グレーディングの是非」については、今回に限らず、いつも考えるテーマです。

日本のアニメ作品でグレーディングを導入しているのは、ぶっちゃけ、ほとんど聞いた事がありません。なぜ、アニメ業界ではグレーディングを使わないのか、1つ目は「グレーディングがなくても、完成させてきたから」という理由、2つ目は「撮影作業ですらギリギリなのに、グレーディングの作業期間など捻出できない」、3つ目は「充当できる予算がない」、最後の決め手は「グレーディングが何なのか知らない」事に因ると思います。

私らは2007年のスカイクロラなど色々な作品で、グレーディングをインハウスで作業し、ラボサイドのグレーディングにも関与してきました。当該作品の押井監督や西久保監督はその「有効性」もハッキリ認識しているので、それなりの作業予算規模を持つ作品では、グレーディングを「インハウス(=私ら)」と「ポスプロ(=ラボサイド)」の2段で構え、作品を想定した完成度へと導いています。アニメの近作でいうと、西久保監督の「ジョバンニの島」がそれにあたりますが、監督さんだけでなく、コンポジット以降に関係したスタッフや作品完成の最後まで付き合ったスタッフなら、「グレーディングの有無による品質の差」を認識していると思います。

とはいえ、「グレーディングがなくても今まで完成させてきた」のは、まさにその通りです。「グレーディング」なんていうと実感が湧きませんが、例えば「作画監督」「色彩設計」などのなじみの多いアニメ制作の役職に置き換えて想像してみれば、何となくイメージできると思います。「作画監督のキャラ修正がなくても、アニメの映像は作れる」のですが、キャラの顔立ちなどがバラバラになり、作品のクオリティは低下しますよネ。アニメの撮影にも撮影監督の役職がありますが、作画監督が黄色い修正用紙をかぶせて絵を手直しするような「直接的に作用する修正手段」は持っていません。つまり、「映像最終修正の手段をもたないまま、今まで『成り』『結果オーライ』で完成としてきた」だけなのです。

タイムシート通りに撮影しても、完成映像には大幅なバラつきが出ますが、その要因のほとんどが、撮影スタッフの技術レベルや経験値の上下によるものです。「全カットの本撮が揃って繋いでみたら、イメージとかけ離れていた」みたいな苦い経験をした演出・監督さんも多いはずです。

私は過去、撮影監督の役職を劇場作品で経験してきましたが、バラバラであがってくる各カットを編集のタイムラインに並べた時に「ドンピシャリで寸分の狂いのないように予測して作業する」のはハッキリ言って無理です。必ずバラつきます。作業済みのカットを参照しながら作業しても、合わせ・つなぎには、限界があります。指示を出し現場をハンドリングしても、作業者や撮影会社が違う事により、合わせがうまくいかない場合もあります。作画に例えれば、作監がコメントだけ書いて実際に作画修正しない‥‥ような状況です。

グレーディングはまさにそこの部分、「イメージとかけ離れてバラついた映像を、自分の考える本来のイメージに出来るだけ一致させる」事ができます。迫力に欠けるアクションシーンやメカシーンも、叙情の足りないシーンも、サイクルに時間のかかる撮影リテークではなく(リテークしても良くなる可能性が低い場合もありますし)、直接的に映像を修正する事により、演出意図に近づける事ができます。グレーディングの「本当の威力」を知っている監督さんが、グレーディングを必ず自分の作品に組み込むのは、ちゃんとした理由があるのです。

私だったら、仮に自分の監督する重要な作品において、グレーディング行程がないなんて、あり得ません。作監修正なき作画を容認するようなものです。撮影監督では全カットの映像に直接修正を入れる(指示ではなく直に画像を修正する)など不可能な取り組み・段取りですが、グレーディングではそれができるのです。

まあ、現在の運用意識や実際の予算・スケジュールでは、ほとんどの作品がグレーディングを導入できないとは思います。しかし、既に何年も前から活用している監督さんがいて、作業予算もちゃんと設定されているのも事実です。

つまり、監督やプロデューサーの意思〜作品に対してどのような完成像を抱いているか〜によって、グレーディングの是非も甚だしく変わってくるのでしょう。

できれば近いうちにオリジナルの映像を使って、グレーディングの具体例を解説できれば‥‥と思っております。

海外のラボ

私は今、日本と13時間の時差がある海外の地で、映像作りの最終段階の作業に入っております。私は別に海外に限らず、日本でも時間が不規則なので、時差ぼけは全く感じません。日頃から、追い込み作業の合間を見て「継ぎ足し睡眠」するのに慣れているので、調整がきくのです。

私ら作品スタッフが作業する場所は、ポスプロ総合プロダクション(Productが2回続いて変な言い方ですが‥‥)のような会社で、グレーディングはもちろん、編集やテロップや2D/3Dのグラフィックス作成、さらにはフィルムの取り扱い(現像液を使う昔ながらの)などもおこなっており、フィルム時代からの歴史を感じさせる会社です。建物は鉄道列車工場の施設を改造したユニークなデザインで、まさにラボラトリー、モノ作りの雰囲気をたっぷり醸し出しています。列車工場だったがゆえに、雑居ビルのような風体はなく、鉄の骨組みが所々に見える無骨で広い空間に、各作業部屋がまるで迷宮のように配置されています。‥‥土地の狭い日本では中々難しいとは思いますが、たとえ小規模でも、何かの施設を取り壊さずに改造して使うというやりかたも、充分アリだな‥‥と感じました。



ジョバンニの島の時もそうでしたが、今回の作品も、ラボのグレーディング環境のモニタ(投影式)と我々のメインモニタの差がとても少なく、円滑に最終段階のグレーディングの作業ができそうです。最終のグレーディングはロールごとに作業をおこないますが、おそらく、特にひっかかりもなく、進行できるのでは‥‥と思います。もし前段階での修正点が発見されても、すぐに直せる準備を用意しているので、どんとこい!‥‥です。

ちなみに、我々が日頃使うディスプレイは映像専用モデルではないEIZO製のモデルで、個人でも買えるクラスのものです。プロだからプロモデルを‥‥と考えがちですが、20〜30万前後のディスプレイを買うということは「シビアな色校正と性能管理が必要」ということですから、実はメンテに非常にコストがかかるのです。単に高価なプロモデルを買っても、調整が行き届いていなければ、「高いお金を払って気分に浸っているだけ」に過ぎません。そして何よりも、作業部屋の「部屋のクオリティ」がラボのレベル(特に照明や映り込み防護の面で)に近くなければ、高価なディスプレイなど愚の骨頂です。私はシステムメンテナンスのスタッフと相談して、「局所的に高価な機材を購入して、妙に中途半端な導入と運用するよりは、一定のライン引きで割り切った導入と運用をしよう」という事となり、「廉価版」ともいえそうな27インチのモデルに決定したのです。

その判断が、国内のイマジカでも海外ラボでも「うまくいってる」のは、中々痛快で気分が良いです。海外ラボのグレーディングルームでプレビューして「概ね良好」だったのは、ひと昔までは散々「色合わせ」に苦労してきた経緯をもつがゆえに、嬉しいとともに奇妙ですらあります。

ちなみに、イマジカや海外ラボとほぼ一致しているディスプレイ(=メインモニタ)は、私のMacBook Pro(白色点を色彩計で調整済み)ともほぼ一致しているので、モバイルコンピュータクラスでも安心して臨時作業が出来る事になります。‥‥実は私が先月MacBookを調達した際は、「色は全くダメだろう。暗部も黒が締まりすぎてヤバいのだろう。」と予想していたのですが(昔のモバイルPCはそんなのばかりでしたから)、メインモニタと実際に並べても「かなり似て」いて正直ビックリで、良い意味で予想を裏切ってくれました。カタログスペックやWebの情報だけでは、「このへん」ってわからないんですよネェ‥‥。

海外のラボに話を戻して‥‥。街中を歩くと、英語とフランス語に取り囲まれて不安も感じますが、ラボのスタッフは技術者・クリエーターなので、ほっと落ち着きます。国籍は違えど、作品を作り上げるという点において、話の焦点が定まりますからネ。特に今回のラボは、フィルム時代から続くラボなので、技術屋さんらしき雰囲気の人も多く、ひときわ、安心できます。

ただ、日本と大きく違うのは、早朝8時から作業して、夕方には終わる‥‥というサイクルです。「そんなタイムスケジュールでも回る」のは、少なくとも日本のアニメ会社ではないですもんネ。

ラボからの帰り道にマーケットに立ち寄って、ホテルで調理して食べるため(そこそこちゃんと調理できるキッチンがついているのです)の食材を買いました。外食ばかりだと野菜が不足がちになりますもんね。早速、ほうれん草のおひたし、かき菜のわさび醤油和え等々を作りました。

腕時計がない

渡航前に、ふと「現在使える腕時計がない」事に気付き、アマゾンのお急ぎ便で購入しました。「iPhoneで見りゃいいじゃん」とか言われそうですが、腕にくっついててサッと見れる「専用品」に比べて取り回しが鈍いので、腕時計のほうが私は好きなのです。以前使っていた登山用(私は登山をしませんが…)の時計は電池切れで動かないままなので、とりあえず、安い「間に合わせ」のものを買いました。

これです。

 

届いて現品を見たら、さすがに1480円のクオリティ。至る所に「安いにはワケがある」仕上がりになっております。特に爬虫類風の合成皮があまりにもチープ。黄色と赤しか安いのがなかったので黄色にしましたが、フェイク皮のレリーフが明るい黄色にそれはもうミスマッチで‥‥。いっそのこと、ハードルを下げて単色ベタのデザインにしてくれれば良かったのに。

海外作業期間だけ保てばいい‥‥と思って安物を購入したこともあり、時計の機能的には何も不満はないので、チープさをググンとアップさせているフェイク皮の部分にヴィンテージ加工を施しました。



色調を落ち着かせて馴染ませる事、フェイクというよりは「風味」に振る事で、根本的なクオリティはかわらないものの、チープさは多少落ち着きました。何だか、時計にもグレーディングしている気分。

ヴィンテージ加工は、いつものプラモ技術を応用‥‥というか、そのまま使いました。タミヤのエナメル薄墨で墨入れ&ウォッシング、同じくタミヤのウェザリングマスターで汚しを入れて、こんな感じになりました。もっと手をかければ、よりダークな世界観になるのですが、一時しのぎの品にそこまでしなくても良いということで、これで完了。

時計かァ‥‥。もういい歳なんだし、奇麗なヤツも1つは持っておきたいですね‥‥。

ジョバンニの島と生涯功労賞

「ジョバンニの島」のDVD/Blu-rayチェックをしたのは、たしか初夏の頃くらいでしたが、製品が8月あたまに発売開始されたようです。

特にBlu-rayのクオリティは安定しており、「ラッシュチェックルームからお茶の間へ」といったくらいに、画像が鮮明で、絵ににごりがありません。繊細なニュアンスもそのまま伝わる良ディスクなので、興味のある方は是非。

カナダのモントリオールの映画祭「ファンタジア国際映画祭」で、ジョバンニの島が「今敏賞」(!)と「観客賞」を獲得したらしく、何はともあれ良かったですネ。ジョバンニの島のような作品は、作品の主題からして、爆発的ヒットのような売れ方はしない類いのものですから、長期的スパンで息長く見守りたいです。短期制作・短期回収のような作品ばかりでは、良い意味でのブランド戦略は成り立ちませんもんネ。‥‥しかし何だ、製品の帯を見ると、受賞歴はハデですネ。
*実は、ひらめきを短期のうちに形にするケースもあるので、必ずしも時間をかけて丁寧に作れば良いとは限らないわけですが、現在の殺人的なスケジュール圧縮は決して「ひらめき」によるものではないので、ほぼ100%、品質を下げるベクトルに作用します。

ジョバンニの島では、私ら「グレーディングチーム」は、内容の難しい「撮影」カットと、全カットのグレーディングを主に担当しました。また、撮影作業前に事前にバンク素材を用意したり、撮影ボード(撮影処理の見本)も作成しています。西久保監督が我々の能力を把握しておられるので、色々な活用アイデアを作品制作において実行してくれたのです。

一方、押井監督は「生涯功労賞」とな。「生涯」とはこれまた中々。

logの運用

日本のアニメ制作では全く馴染みのない「ログ」の色空間の映像。アニメの通常の制作フローではいわゆる「見た目通り」の「リニア」の映像で運用されますが、今どきの実写では、撮影からラボまで「ログ」で運用するスタイルが用いられているようです。私が関わっている現在の作品も「ログ運用」です。

リニアは「見た目のまま」、すなわち10の黒はそのまま10のまま、245の白は245のそのままです(解りやすいように8bitの256段階で数値を表現しています)。一見、「それでいいじゃないか」と思うのですが、次の工程に映像を渡す時に、10の黒は0との間に10段階しか数値がありません。つまり、「見た目合わせで運用すると、輝度や彩度での数値上の余裕がない」状態で運用する事になるわけです。

ログの場合、「見た目よりもダイナミックレンジが広く扱える」ように工夫されて映像情報が扱われていますので、「黒より黒い黒」「白より白い白」「赤より赤い赤」などをもつ事ができます。ログをリニアでプレビューした際には「10の黒」に見えますが、実際にはより多くの数値上の諧調を有しており、強めの加工を施しても「バンディング(トーンジャンプ)」「オーバーフロー」を発生させずに済みます。
*注)「ログをリニアでプレビュー」にはLUT(後述)を適用するわけですが、これはラボや作品によって見た目が大きく変わります。白方向に変化が出にくいLUTもあれば、色味に大きな変化がでるLUTまで、様々です。ラボとのLUTを介した連携が必須‥‥ということですネ。

昔の人なら解るかも知れませんが、どこかカセットテープ時代の「Dolby-C NR」「DBX NR」に似ています。全体の情報記録空間は同じでも、記録のしかたによって、より広いレンジを得る‥‥という仕組みにおいて。‥‥身近ではRAWデータの取り回しにも似たところがあります。
*注)あくまで「扱いが似ている」だけで、同じではありませんのでご注意ください。

ログを扱い始めた頃は戸惑う事も多かったですが、今ではログ運用の意図や有効性がわかり、むしろ未来のアニメもログで運用しても良いんじゃないかと思うくらいです。リニアは積極的に映像データを扱おうとすると明暗部で破綻しやすいのですが、ログだとたとえ10bitでも有効にデータ空間を扱えるので、結果的に破綻しにくくなり、データの取り回しが「総合的には良好」になります。

アニメをログで扱う意義としては、目では見えない最暗部・最明部の情報を保ったままフローを流せる(次の工程でデータの余裕が出る)ので、解りやすい例で言えば、グラデーションを加味した際にトーンジャンプを抑えられますし、未来のより広大なダイナミックレンジをもつ新映像フォーマットにおいて「再マスタリング」が可能なので、「作品の息」を長いものにできます。

運用方法は、色彩に関与するスタッフが「ログとリニアを理解」して作業すれば特に困る事はありません。実写カメラだけでなく、3Dだって私らのグレーディングだって「リニアに対応」したのですから、出来ない事では全くありません。LUT(ルックアップテーブル〜Look Up Table)の扱いに慣れ、色調補正系のフィルタやレイヤーモードなどを繊細に扱えば良い‥‥だけのことです。

例えばディックブルーナのミッフィとかはリニアでも充分だとは思いますが、より濃密に絵作りをおこなう場合は、10bit程度のリニア運用ではアニメであっても(いや、アニメだからこそ)破綻しやすいと思います。実際、今人気の作品(中傷したくないので作品名は出しません)では画面の至る所にトーンジャンプが頻発している‥‥とも聞きますしネ。

リニアで16ビット連番ファイル(TIFFやPSDなど)で扱う‥‥という手もなくはないですが、少なくとも2020年くらいまでは10〜12ビットのログで扱うのが「現実的で賢い」手段だと思います。私の直近の欲求では、12bitの4444をログで運用できればいいな‥‥と考えています。

「終わったら忘れちゃえ」という作品を作り続けたいのならともかく、作品をより高い品質で作り上げて数十年のスパンで大事にしていきたいのなら、「アニメでログ」はアリかも‥‥です。

インハウス・グレーディング

現在作業中の作品の国内作業を、最悪の「崖っぷち0ミリ」まで追い込む事なく、無事終えました。後段の作業に少々でも「ココロの余裕」を持ってのぞむ事ができるのは、やっぱりイイです。ギリギリの限界を超えちゃう作業は、ただ単に作品を危うい状況に追い込むだけですもんネ。
*作品名に関しては、公式の情報公開があるまで言及を控えます。スミマセン。

今回の作業は、スカイクロラの頃から作業を始めた「グレーディング」と呼ばれる類いのものですが、いわゆるラボサイドのグレーディングではなく、インハウス(制作会社から見て)のグレーディングであり、作業内容もスケジュールも大きく異なります。作品映像の最終的な「落とし前をつける」作業(=上手くいってないものを上手くいかす)であり、特に今作は要求度も高く、自ずとレンダリングの時間も物凄い事になりました。新型のMacProが力不足のマシンに感じたほどです。

実は、自分たちの作業を、「グレーディング」と呼ぶのはいささか抵抗もあります。しかし、「役職名の通りが良く、一番近い作業内容がグレーディングであるのも事実」なので、甘んじているのです。「カラーグレーディング」の作業の他に、デノイズして、トラッキングやスタビライズをおこない、画面ブレを足して、ピクセルモーションブラーを足して、砂ボコリを足して、火花を足して、マズルフラッシュを足して、照明効果で全体の絵作りをして‥‥なんて、グレーディングの範疇を遥かに超えちゃってますもん。

もちろん、内容相応のちゃんとした作業コストが充当してあるからこそ、出来る作業ではあります。願わくば、この「インハウス・グレーディング」を、アニメ撮影や3Dのコンポジットの作業枠に「予算を変えずに」組み込む人々が出てきませんように‥‥。技術宣伝の期間(技術の試用期間とでも言いましょうか)は別としても、正規作業においては、ちゃんと予算を獲得してから作業枠を広げましょうネ。じゃないと、あっという間に「自分の首を絞める」ターンがやってきますヨ。

私がかつて作業していた「アニメの撮影」は、現在の映像技術のバリエーションからすれば、とても限定的な範囲に留まっています。‥‥いや、撮影だけでなく、旧来のアニメの制作システム自体が、進化していく技術から「視線を外している」ような状況‥‥に私からは見えます。標準制作システムは「唯一無比の絶対神」であり、「技術は付け足すもの」と考えているかのようです。例えば、今回の「インハウス・グレーディング」にしても、その効果を理解し活用イメージが抱ける数人(というか、今のところ、おふたりだけです‥‥)の監督さんだけが使っているだけですし、4Kにしても業界はどうも「2Kのサイズ拡大版」程度の意識で停滞している雰囲気を感じます。

私は「アニメからハコを考える」のですが、業界標準システムを基点としている人々は「ハコからアニメを考える」のでしょう。私からは「限定的で消極的」に見える業界ですが、業界一般論からすれば、私の考えは「逸脱して破壊的」に見えると思います。根本で話が食い違うのは当然の事ですネ。

私は新しいアニメーション技法を形作る一方で、従来の「紙に描く作画」を「24コマ意識」で動かす48fps(60fpsでもOK)4Kアニメ技法のアイデアもあります。その「作画描き送り式4Kアニメ」と「インハウス・グレーディング」等々の新手の技術を結合した制作フローの着想も既にあります。しかしそれは、業界標準からは、作業仕様も映像内容も大きくかけ離れています。「紙に描く作画」を「24コマ意識」で動かすからといって、今までのフィルム時代の制作意識の延長線上にアニメ作品を幽閉する必要はない‥‥ですもんネ。「紙に描く作画」を新しい技術フィールドに解き放てば良いのです。

‥‥まあ、私のターゲットは相変わらず、様々な技法で絵を動かす「新しいアニメーション」ではありますが、貴重なベテラン人材と新世代の若い人の間に「ミッシングリンク」が発生しないためにも、ハイブリッド&強化型の「作画描き送り式4Kアニメ」は有効な「1つの手段」かも知れないと考えている次第です。もし私があえて旧来の「作画描き送り式」のアニメーション技法に関わるとすれば、「原画・動画・仕上げ」のエンジン部分を、新しいトランスミッション・シャーシ・電装、そして空力ボディに組み込んだものになるでしょう。ジェット時代に開発するレシプロ機、「アンリミテッドクラス」〜4000馬力で時速800km超えのプロペラ機‥‥とでも言いましょうか。



‥‥で、グレーディングに話を戻しますが、海外ラボではスクリーニングを行いながらのグレーディングをおこないます。「インハウスでおこなうグレーディングで完結できないの?」と思われるかも知れませんが、まあ、それでもできなくはないんですけど、「劇場上映の基準を見ながら、最終的なカラールックを追い込める」のは上映施設を有したラボならではのアドバンテージなのです。アニメ制作会社は劇場ばりの上映環境なんて所有できないですしネ。

海外のスタッフとどうやりとりするか、今から楽しみです。

ちなみに、最近調達したMacBook Pro(Retina)のディスプレイは、色彩計で量ってもらったところ、色に癖が無く、「応急作業で充分に使える」印象の良いものでした。実際に国内作業での「log to linear」のプレビューチェックに用いたメインモニタと比べて、MacBookのRetinaが「かなり似て」いるのは驚きでした。ノートパソコンのモニタは「2次災害」が起こりそうなプアな品質なものが多いのですが、MacBookのRetinaはメインモニタと並べても、「ごく普通に同じく見える」ほどフラットです。メインモニタとして常用するのは無理ですが、「特性が近いディスプレイ」としては使えそうです。

しかし何だ、空輸するデータ容量が「20TB」前後になる‥‥なんて、今は凄い時代になったもんです。ファイル総数は30万ファイルを軽く超えますしネ。

ヒコーキ

渡航を前にして、あれもこれもと必要以上に準備に気を巡らす一方で、「片道13時間の海の向こうにあるイマジカ」と思えば、何だかスッキリと気持ちが落ち着きます。

しかし搭乗する飛行機を調べていて「Booking Reference」だの、日本の日常生活では耳慣れない用語を前にすると、やはり一抹の不安は残ります。「予約番号」みたいな意味らしいんですが‥‥。英語圏とフランス語圏のある国で、私が向かうのはフランス語圏の都市なので、それもまたどうにも‥‥。

私は飛行機が子供の頃から好きなので、フライトに関しては毎回変わらずワクワクしたキモチです。今回乗る「機材」も調べてみましたが、国際線はボーイング社の787-8型機、国内線はエアバスA320とA321のようです。私は旅客機にはあまり詳しくないので、色々と調べてみましたが、ボーイング787って最近就役した新型機(初飛行2009年・運用開始2011年)だったんですネ。787は新型ゆえに事故歴はエアバスA320と比較して格段に少ないようですが(運用期間が短いので当たり前ですが)、色々と開発テスト期間にゴタゴタがあったようで、地上の乗り物とはやはり異質なモノだと改めて感じました。

顔が可愛いのは、A320系のほうですネ。


エアバス・A320の横顔〜ふっくらしたマズルが可愛い

一念岩をも徹す」というのはまさしく‥‥で、私が20代の頃から心に思って行動し続けた色々な事が、色々な経緯を辿り、何だかんだと逐次、現実になっています。ほんのひと昔前では鼻で笑われたような事ですが。‥‥今回の渡航も、昔から「イメージ」していた中の1つです。

違う考え方をすると、私は「出来る事しかイメージできない」人間なんだと思います。「たまたま買った1枚の宝くじで1億円当たった」とか「誰も考えもしなかった儲かる商売」なんて全くイメージできないですが、「あの技術とこの技術とあの機材を組み合わせれば、こんな事ができそうだ」「複数の状況が絡み合うとどのように進展するか」みたいなイメージはどんどん膨らみます。「夢」というよりは「仮想」なんですネ。

なので、現時点、「プライベートで飛行機の楽しい旅をする自分」が全く想像できないところからして、恐らくその通りになるんでしょうネ‥‥。たまに仕事で飛行機に乗る事はあっても、基本的には地を這いながら、仕事万世で生きていくんだろうな‥‥。たまには旅行でもしてみたいとは思うのですが、少なくとも今は、旅行している自分の姿がリアルに想像できないのです‥‥。


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