マシンの動画再生能力テスト

どんなに奇麗な映像を作っても、再生側で奇麗に上映できなければ、全く意味なしです。

画面サイズだけでなく、フレームレートもちゃんと全フレーム再生できてこその、次世代映像フォーマットです。しかし、単に映像を見るだけでは「本当にキッチリ再生できているか」は確認し辛いですし、タイムコードを表記しても数字をちゃんと読むのは48fps以上になってくると至難の技です。

そこで、フレーム番号を2フレもしくは3フレ毎に左右・左中右に割り振り、数字の残像で見分ける方法を考えてみました。うたた寝している時に、ふと思いつきました。



正常に再生されていれば、残像は奇麗に同じ濃さで画面に表れますが、フレーム落ちしていると不均等な残像、もしくは全く残像が出ない(=文字自体が全く映し出されていない)事になります。

iPadやiPhoneなどのiTunes越しのQT再生で、どれだけフレーム落ちせずに再生できるかを確認するのが主目的ですが、Web経由での再生もテスト可能です。なので、ちょっとここでテスト。

このブログではQTを埋め込む事が出来なかったので、別のページにQT上映ページを作ってみました。480pxまで縮小した2MB未満のミニサイズです。

http://www.ezura.asia/mov/test.html

上記URLに貼付けたQTを、私のMac miniで表示すると、残像の濃度が奇麗に整って再生されました。つまり、フレーム落ちはしていないという事です。

HDサイズのテストムービーは以下です。H.264で12Mbps程度に抑えています。

http://www.ezura.asia/mov/1920-48fps_h264.mov
http://www.ezura.asia/mov/1920-59.94fps_h264.mov

上記URLのムービー再生において、フレーム落ちしたり、そもそも再生自体がギクシャクする場合は、残念ながらお使いのマシンが性能不足‥‥と言う事です。上記テストムービーはいつものHDサイズですが、4Kの3840pxもしくは4096pxの世界はもっとキツくなります。

ちなみに、YouTubeに送信したアップロード映像を再生すると、これまた奇麗にフレームが欠落しています。‥‥というか、30fpsでYouTubeは打ち止めなんでしょうネ。

48fpsのムービーは、右の数字しか上映されません。YouTubeのサーバサイドでの変換時に間引かれたのだと思います。



59.94(60)fpsのムービーは一見、数字が表示されているように見えますが、実はとびとびで再生されていて、数字の残像濃度がバラバラです。


まあ、YouTubeは世情からして、このくらいでちょうど良いかも‥‥ですネ。以前にHDに対応したように、時代とともに、ハイフレームレートにも順次対応していく事でしょう。

WebでのQT配信は、各個人のマシン性能に大きく依存するでしょうから、60fpsの映像を作っても奇麗に映像再生できるかは全く保証できない状況です。家電としての映像再生機がさらなるハイディフィニッション&ハイフレームレートに対応するまでは、まだまだ水モノ‥‥でしょうネ。

ただ、水モノの時こそ、状況を掌握しやすいのも事実なのです。出来上がって型が固まった後では、その固さゆえに「手出しができなくなる」事も多いのです。自分自身を振り返るに、「物事が柔らかい内」にあれこれ手を出していたがゆえに、映像作りの根幹に関与できる立ち位置を確保できたのだと思います。カタチが固まってからだと、もう内部には立ち入れなかったりしますからネ。戦いの基本は、固い正面ではなく、柔らかい側面を突くもの‥‥なのですヨ。

まあ、とりあえずは、Kindle HDXやRetinaのiPadなどハイスペック表示性能のタブレット端末でどのように上映されるか、各種テストしてみようと思います。

ちなみに、どんなにコンピュータの処理能力が高くても、低いリフレッシュレートのモニタに接続して上映している場合は、フレーム落ちします。コンピュータから秒間60フレームを送り出しても、秒間30で処理するモニタで受け取ってたら、絵が欠落するのは当たり前‥‥ですネ。

山下毅雄さんのルパン

私は子供の頃、ルパンのファーストシリーズ前半期のもつ「曖昧でけだるいニュアンス」が好きだったのですが、山下毅雄さんの音楽がそのニュアンス表現に絶大な力を発揮していた事を、高校くらいに音楽のアナライズをするようになって強く実感しました。

山下毅雄さんの音楽の特徴は、何よりもその和声進行です。テンションノートはほとんど使わず、コード進行だけであの「けだるさ」を表現しているのです。ルパンのエンディング曲は、その特徴をよく表しています。

主調はBmですが、ふわっとCmajへ移動しGmajへ(弱進行)、その後Emaj、Fmaj、B7からE7へのドミナント進行、E7に行けた‥‥という事はAmにもドミナント進行できるのでAmに移動し、いつのまにかキーがAmへとすり替わったカタチとなりますが、またうまいようにはぐらかされて、Bmに戻ります。この戻しかたもイイんですよネぇ。

Bm(しばらくの延々と)〜足もとに絡みつく‥‥‥

C    Cm  G 〜マシンが叫ぶ

E7         F(F7にするかはお好みで)〜狂った朝の

B7         E7 〜光にもにた

Am        Dm 〜ワルサーP38

Bb Bbm  F   F#7(Bmに戻るためのドミナントですネ)〜この手の中に

Bm(しばらくの間)〜抱かれたものは‥‥‥

D     E     F#(F#7ではなくストレートなF#のほうが感じが出ます)〜ルパン3世

コード自体はとても簡単なものばかりですが、う〜んスゴい。進行がスゴい。少しでも作曲をかじった人ならば、この曲のユニーク(独特)さがお解りでしょう。ドミナントモーションをさりげなく使って、曖昧で気怠い世界に聴き手をどんどん誘いこむ手法は見事としか言いようがないです。まさに「大隅ルパン」のかっこいいルパン、さらには、謎めいていてズルくてカワイイ不二子のようなファムファタル的な印象の楽曲です。

今振り返ると、歌詞も相当カッコいいですし、ルパンが当初「どんな感じを目指していたか」が楽曲にもよく表れていますネ。

ちなみにガンバの音楽も山下毅雄さんで、ガンバのエンディング曲のコード進行も中々にエグくてイイですヨ。

こんな感じの曲、かっこよくて良いなあ‥‥と思っても、それは「その時代の宝」として、そっとしておくのが良いですネ。ルパンの山下毅雄さんの音楽は、まさに「その時代の雰囲気」ですから、2014年現在に音の響きを再現しても「ウソになってしまう」でしょうネ。

iPad mini Retinaを買う

必要に迫られて、iPad miniのRetinaディスプレイモデルを買いました。呼称が長いので以後は「iPad mR」と略します。

誰でも同じだとは思いますが、「せめてローンの期間中は使い続けたい」のが人情ですから、「1ヶ月に支払ってもいいコストx使用期間=購入価格」が成り立つ製品をチョイスするのがポイントかと思います。まあ、1ヶ月に支払うコストの基準は、人によって大きく異なるとは思いますが、私の場合は今回「データ閲覧を主し、持ち運びが楽なもの」が欲しかったので、Mac Book Air or Pro、もしくはiPadという選択肢になりました。

Mac Book Airはディスプレイが1344pxと、今となっては旧世代のレベルですし、Mac Book Proは3年間くらいの使用期間に耐えうるBTOにすると10万円台後半となり、しかも「重さに折れて、どうせ持ち歩きしなくなる」のは明白だったので(あくまでも私の場合、です)、価格の折り合いがつきやすく400グラム未満で持ち運びも楽、2048pxの高詳細ディスプレイを持つiPad mRに決定したのです。

購入はAppleのオンラインストアを利用しました。今月(2014年6月)いっぱいは「Apple 0%ローン」が実施されているので、20回の分割で買う事にしたのです。実は「0%」は12回までで、18回以上の分割だと3%以上の手数料が加算されますが、「財布の隙間」で買える金額にしておきたい事もあり、20回の分割払いにしました。私のチョイスした64GBのiPad mRですと20回払いで3%の手数料=1300円程度なので、月々100円以下の手数料で分割が組める事になりますネ。

ただまあ‥‥Appleストア上の表記、「Appleローンを実質年率0%でご利用いただけます。」とか、「出荷24時間以内」とか表示するのは、何だかなぁ‥‥。Appleストアがもう少し「正直」だったら、「0%から」とか「お届けまで1週間前後」と表示するでしょうネ。

下図は6月27日に届いた「ご注文ありがとうございます」メールのスクリーンキャプチャです。



私は何度もAppleストアで機器を購入しているので1週間のお届け期間でもさして驚きませんが(昔は在庫あり商品でも10日くらいは待った)、「出荷24時間以内」とだけオンラインストアに表示しておいて、注文成立してみたら実は1週間かかる事が告知された‥‥なんて、初めてAppleストアを使う人はまさに「ぎゃふん」‥‥と驚くでしょうネ‥‥。

まあ、Appleストアはともかく、iPad。

iPadって、出始めの頃はみんな「ペーパーレス」に夢を抱いて持ち歩いていたものですが、なんだかんだと融通が利くのはやっぱり「紙の手帳」や「ノートパソコン」だと改めて実感したりして、「iPadで会議をこなす」のは「iPad使い」の人に限定され始めている印象があります。

でも、それは「iPadを日常使いできるインフラが全然整っていない」からで、「便利ならば、人はそれを使う」事を考えれば、制作システムの出来次第‥‥だと思います。

これから先は、24コマA4サイズの業界量産システムでアニメを作る他に、様々な新しいアニメーション制作技法が試されるでしょうから、iPad&クラウドの活用術も合わせて発達するでしょう。これは単に現場の人手の問題が大きく、「皆で紙にメモをとって、口頭で伝達し合うような、ある種の人海戦術」は、小規模の新アニメ制作技法には適さず、ゆえに「持ち歩き端末&クラウド」を導入せざる得ないのです。クラウドが先進的な贅沢仕様‥‥なんて事では全くなくて、むしろ「少ない人件費で仕事をこなす」ための「ビンボー仕様」とも言えます。お金が沢山あって、人を湯水のように使えるのなら、クラウドなんて無くても作業は進行できますからネ。

アニメーション制作における細々とした追っかけは、小規模だろうと減る事はありません。あっという間に各個人が「キャパオーバー」になります。後から後から溢れ出る情報を、どんどんクラウドに蓄積して参照できる仕組みを、「少人数だからこそ」構築する必要があるのです。

たとえ規模が大きく成長しようと、小国日本のアニメ制作においては、どのように人海戦術のレッドオーシャンから抜け出るかが、今後のポイントになるのでしょう。iPadはその「試金石」の役割も同時に果たすのだと思います。

とまあ、大それた事はバックグラウンドで動かすとして、まずはiPadを様々な情報の端末に仕立てて、2014年後半にのぞみたいと思ってます。

素材で絵を描く

本業が切羽詰まってくると、このブログのような類いは、更新が止まってしまいます。いやはや、何とも。

現在は実写作品(=詳細は公式の情報公開に譲ります)のカラーグレーディングが正念場で、残された期間でどれだけ絵を作り込めるか、自分との戦い‥‥といった状況です。自分が弱音を吐いたら、映像もシンクロして弱音を吐く事になるので、気が抜けません。

実写のグレーディング‥‥と言っても、私らのグループで担当するのは「最終的な絵の作り込み」をおこなう重要な作業局面です。一般的な「カラーグレーディング」とは内容が大きく異なるかも知れません。言わば「CGを絵としてフィニッシュする」ような、一見曖昧な作業内容にも受け取られがちな、しかしそれがないと「映画作りが成立しない」強烈な作用を持つ作業です。今そこにある素材だけで絵を作る‥‥というのは、苦しい局面も多いですが、裏返して考えれば、個人のスキル次第で映像に大きな変化が表れるので、楽しい作業でもあります。

この「ビジュアルエフェクト・グレーディング・ファイナライズ」全部入りの作業は、2014年現在でも「得体の知れない作業工程」と思われているようです。説明するより「工程前」「工程後」を見てもらえば解るのですが、現在作業中のはまだ作品公開前なので、図説ができないのですよネ‥‥。

素材を合成すれば、映像は完成‥‥のように素人さんは思いがちですが、そんなシンプルな段取りだけで作品独特の質感は生まれません。素材を合成すれば、その通りの「素材合成画」になるだけです。

映像作品が完成した暁には、言うまでもなく、「素材を合成した映像」ではなく、「映像作品」「映画」であるべきです。では「合成画像」と「絵」にはどんな差があるか?‥‥というと、要は作り手が「絵を描いているか否か」という取り組みや意識の差です。一生懸命に素材を合成しようとすれば、合成画像になるのは当たり前ですし、一方、絵筆を持たずとも絵を描こうと関われば、どんどん素材は絵へと変貌していきます。人間の意志の強さとは、真に不思議なものです。

アニメでもCGでも実写でも、「素材」が「絵」へと「成る」ためには、プロセスにおいて「画を作る執念」「絵描き度胸」が必要‥‥というわけです。

‥‥で、「絵描き度胸」のコンピュータ作業は、未来のアニメーション制作においても大きな柱の1つと考えています。人材育成はゼロからスタート‥‥になるでしょうが、仕方ないス。作画・3D・実写がクロスオーバーする未来の現場においては、何か1つの工程に特化するのは相応しくないので、「絵描き度胸」を軸足とした新しい意識の人材が必要なのだと強く感じます。

しかしまあ、新しいアニメーション制作を志すにあたって、実写作品の経験は「通らなければならない」重要なポイントなように思います。アニメの撮影を毎日やってた数年前の私を振り返ると、あまりにも特殊過ぎる「2値化&スムージング」に慣れ切って思考が固着し気味だった‥‥と感じます。

近い未来に「微細なニュアンス盛りだくさんのキャラ」が出現した際に、現アニメ業界の撮影技法よりも、実写や3DCGに対するグレーディング技法のほうが、使いどころが多いと予測します。レイヤーが統合されマスクも無いような状態で、どんな絵作りができるのか。‥‥案外、方法はいくらでもあるもの‥‥です。
 

温度管理の季節

恐らく‥‥ではありますが、一般に普及したコンピュータ関連機器は、人間が活動するのに快適な温度を目安として、設計・制作されていると思われます。人が室内で使う事を前提とする製品において、炎天下の猛暑や吐く息さえ凍りつく極寒の環境で「一番性能が出る」ようには設計されていないはず‥‥です。

つまりは、人がストレスなく過ごせる住環境は、コンピュータが性能を維持できる環境でもあるわけです。これは基準として解りやすいですネ。

私の自宅環境や仕事部屋では、温湿度計が各所に設置されており、温度と湿度を日頃から把握できるようにしています。‥‥温度計や湿度計を設置するなんて、大した事ない取り組みのように思いますが、私はアニメ制作現場で温度計や湿度計をあまり見た事がありません。「エアコンのリモコンが温度計代わり」なところがほとんど‥‥ではないでしょうか。皆さんの身の回りはどうでしょうか。

100円ショップの温度計すら買えないほど、アニメ制作現場が窮しているわけではないです。要は「温度・湿度の管理に無頓着」なだけです。

部屋の中の密集度によりますが、6畳ごとのブロックに温度計を1つ設置したいところです。コストをケチっても18畳で300円+税(100円ショップの温度計を3つ)ですから、決してできない事はないですよネ。

「温度計・湿度計なんて、部屋に1つあれば充分だ」と言う人は、おそらく、実際の仕事の実感のない人です。背の高い机の並ぶ作画ブースや廃熱の権化たるコンピュータがひしめくCG作業部屋では、熱が区画ごとにこもって、ほんの5mの距離で2度以上の温度差が生じる事もあります。26度で快く過ごせる場所のパーティションを隔てた隣りでは、28度の暑さを紛らわすために卓上扇風機が「強」で回り続ける事も、珍しくはないのです。

卓上扇風機を買い足しても、温度計は買おうとはしない‥‥のは、何か人間の「性(さが)」を見る思いです。

作業者だけでなく管理者にとっても、漠然と「暑い!」と感じ続ける状況を放置すると、ともすれば「エアコンを交換しよう」なんて話だって出てくるのですヨ。‥‥で、高出力のエアコンに交換してみたら、余計に区画ごとの温度差が生じたりして、環境設備のコストがまるで「銭失い」となる結果だって容易に想像できます。

まずは現状を把握するのが一番先です。大雑把な現状把握の元、大雑把な設備投資をするなんて、お金をドブに捨てたい人やることです。

なので、温度計。できれば湿度計も。

‥‥で、できるだけ温度計の購入費を下げたいのなら、100円ショップへGo!

100円ショップで温度計を買う「罠」は、表示誤差が3度くらいならノープロブレム‥‥という事です。仮に、3度低く表示される温度計と、3度高く表示される温度計を買ってしまったら、その表示誤差は何と6度! ‥‥これでは、混乱を増す結果になりますので、100円ショップで温度計を買う際は「誤差の少ない温度計」を選び出して買うのがポイントとなります。

「誤差の少ない温度計」を買うのは、実は簡単です。売り場に並んでいる全ての温度計の表示を見比べて、「表示が真ん中」のものを買えばよいのです。商品とはいえ温度計は売り場の温度を表示しているはずですから、例えば、
 
  • 25°の温度計
  • 24°の温度計
  • 25°の温度計
  • 27°の温度計
  • 23°の温度計
  • 26°の温度計
  • 25°の温度計
  • 27°の温度計

‥‥というようなバラつきがあったら、買うべきは「25°の温度計」ですネ。‥‥まあ、この方法の欠点は「売り場に最低3つ以上の温度計が在庫している必要がある」事ですけども。

もちろんですが、「23°の温度計」「25°の温度計」「27°の温度計」を3つ、むんずと無造作に掴んで購入しちゃダメですヨ。そんな事したら、もう、訳が解らなくなります。せめて「同じ温度を表示している製品個体」を複数買ってください。そうすれば、エアコンのリモコンの室温表示とのオフセットで把握もできますからネ。

もしお金を数千円支出できるのなら、Dretecなどの熱中症表示機能付き・最低最高メモリー付きのデジタル温湿度計がお勧めです。私が自宅や仕事場で使っているのは、以下のコイツです。1つ1200円くらいですから、3つ買えば3600円ですネ。



商品はよりどりみどりですが、Dretecのコレは、大きな文字と余計な表示のないシンプルさが気にいってます。デジタル温湿度計と、針で表示する温湿度計との大きな違いは、ニコニコマーク‥‥ではなくて、最低と最高の温湿度がメモリーできる点です。この機能により、誰もいない時の室温の上昇下降が把握できるのです。自宅でサーバを常時運用している人は、サーバ周辺に1つ設置して「サーバの環境温度の変化」を把握するのが良いですネ。

私は以前、100円ショップの温度計で温度を把握していましたが、今はデジタル計で「快適度」も含めて確認しています。

ちなみに、今の時期(6月の梅雨時)、怖いのは、以下のような「温度が低く、湿度が高い」状況です。





しっかりニコニコマークが出ていますが、マシン的には80%の湿度は結露のキケンと隣り合わせです。全体的には「低温多湿」でも、マシンの背後は「熱溜まり」なので、マシン周辺部だけ「高温多湿」になる可能性があります。私はマシン周辺のサーキュレータをいつもより強風に設定し、廃熱と乾燥で凌いでいます。

温度計や湿度計があれば、季節折々の色々な「状況判断」に役立ちます。

温湿度計を設置する場所は、「自分の目線」くらいの高さの位置が良いです。映像制作は座って作業する人がほとんでしょうから、着座から起立までの120〜180cmくらいの高さが適切です。「皆が見えるように高い位置」に設置すると、温度が高く表示されることが多いです。ロフトベッドに寝た経験のある人はお解りかと思いますが、暖かい空気は上のほうに集まるので、温度計の表示も高くなります。まあ、上の空気と下の空気の温度差を見るのに、高い位置に温度計が1つあっても良いとは思います。

‥‥とまあ、温度計の設置だけで、こんなに長く書ける‥‥ということは、温度計の設置だけでも色々なノウハウがあって、ズボラではマズいということです。私も20代の頃は、随分テキトーに温度と付き合ってましたから、温度や湿度に目がいかないのも解るんですけどネ。

もはや「作画机を並べれば作画スタジオ」という感覚は、時代とマッチしないのだと強く感じます。今は1980年代ではなく、2010年代なのです。ツイッターとかで「もっとギャラを高く」みたいな話を目にしますが、私としては、今の作業感覚のままギャラや予算を倍にしても、すぐに「状況は頭打ち」になると考えています。色んな小さい部分を大量にないがしろにしてきたツケが回ってきているのに、相も変わらず大雑把な処方を続けるばかりでは、単なる「延命措置」にしかならないと思います。

予算を倍にしたところで、今まで通りの室温や湿度ほったらかしの「よどんだ作業環境」で作業し続けて、何か新しい未来のビジョンなんて見えるのでしょうか。アラウンド50の世代は「逃げ切り」でも良いでしょうが、若い世代は?

自分の作業部屋や作業環境の温度や湿度を即答できる人はどのくらいいるでしょうか。温度・湿度なんて、作業環境作りの基本中の基本ですが、そうした部分をほったらかしにしてお金だけを積んでも、自分らの制作環境の向上とは全く無縁の別のどこかに揮発するだけ‥‥ですヨ。

温度の管理などは大雑把な人から見れば「議論するまでもない些細な事」なのでしょう。そしてそういう類いの人は、小さい事の改善には目を配らず、「秘密兵器」や「特効薬」ばかり期待して、かつ、長い会議が好きんですよネェ‥‥。

でも実は、小さい何かを地道に成し遂げて積み上げた「ちりつも」こそが、秘密の新兵器や新薬を生み出すんですけどネ。

CC同時使用、撃破

Adobe CC(Creative Cloud)のウリは、1ライセンスで2台インストール&2台同時使用だったわけですが、その「同時使用」の文言が、Adobe CC 2014が新しくリリースされたタイミングで、見当たらなくなっていますネ。私も人から聞いて、ちょっとビックリ。

つまりは結果的に、「2台同時使用」は、ユーザ獲得の為の、ある種のフィッシング〜釣りの1つ‥‥だったとも、言えなくもないスね。2台同時使用化で、財布のヒモが緩んだ人も多いんじゃないでしょうか。

詳細はそのうち明らかになるとは思いますが…

以前〜
 
Creative Cloud で提供されているデスクトップアプリケーションは 台のコンピューターに同時にインストールして使用できます。
 
2014年6月20日現在〜
 
Creative Cloud デスクトップアプリケーションは、オペレーティングシステムを問わず、複数のコンピューターにダウンロードしてインストールできます。ただし、ライセンス認証はメンバーシップに関連付けられている個人につき 2 台のコンピューターに限られます。
 

……と、とりあえずササッと手早く修正した感じの文面ですネ。​今は削除されているようなので引用できませんが、以前は「同時使用可能」とハッキリと告示されていたのにネ。いつのまにか、「同時使用」の文言がしれっとオミットされとる。

「同時使用可能」とは書いてないけど、昔のように「同時に使えるのは1台までです」とも言い切っていません。いきなり使用条件を覆すと反感を買うと思ったのでしょうか。「うやむやのうち」に、昔の条件に戻そう‥‥とでもしてるのかな?



‥‥と、今、Adobeサイドのブログで「2014/06/19」に修正された箇所が検索できました。

コレ。


引用〜「同時使用可能」の文字が「打ち消し線」になっております。昨日6月19日の修正らしいです。〜
「また、Creative Cloudは最大2台のパソコンまで同時使用可能インストールして利用可能(2014年6月19日修正)”となりましたので、例えば異なるバージョンのIllustratorを任意に選択して同時に使用する、という事も可能となります。」


同時使用を見込んで予算を立てていた人や会社は、かなり深刻なライセンスの内容・条件変更です。

2台同時使用の大盤振る舞いは結局、1〜2年くらいしか保たなかったのきゃ。

私は、同時使用が明記される以前に2ライセンス分(=2アカウント)で運用していたので、「また、もとに戻るだけか」という感じですが、‥‥まあ、こんな重要な変更を表にしたがらない時点で、「Adobe的に、後ろめたさMAX」なのが解りますネ。

Adobeのアカウント流出事件(クレジットカード情報も)の時と言い、謝る事のできない「大企業のイヤらしさ」満載だのう。アカウント流出の際のアドビの言い分は、「わたしたちも被害者です。ネットって怖いですね」的なまるで他人事のようなニュアンスで、「クレジットカード情報を含めた重要な個人情報を預かって運用している」自覚の乏しい内容でした。‥‥正直、あれにはガッカリでした。

アカウント流出からまもなく、月に2〜3通しかメールの来なかったライセンス専用メールアドレス宛に、わんさか、変なメールが大量に届くようになったので、アドビからメールアドレス情報が流れたのは「状況証拠」的に確実なように思われます。

まあ、今回も、アドビがどう動くのか、様子を見ましょ。

林檎

ここ数年のAppleって、何か、惹かれる要素が大きく減っているように思います。基準が「iPad・iPhone合わせ」になっている‥‥というか。

「便利」と「簡単」が短絡しちゃっている‥‥と言うか。

「難しいから面白い」と思うわけで、「簡単だったらつまらない」のです。

ティムおじさんは、高学歴で働き者かも知れないけど、「よく、そんな事、考えつくもんだね」という鬼才・奇才ぶりは、あまり「期待できない雰囲気の人」だよネ。それがそのまま、今のApple製品に反映されているように感じます。

Appleも秀吉よろしく、ジョブズ1代限り‥‥なのかな。‥‥でもまあ、それなら、それで。

エアコン撃破

エアコンがぶっ壊れました。というか、ぶっ壊したとも言えなくもなきにしもあらず。数年前から異音を発していた自宅のエアコンを、つい先日、とうとうトドメをさしてしまいました。

数年前からエアコン内部の何らかの回転ユニットが激しく異音を発しており、「おばあちゃんのチョップ」よろしく、ある一カ所を突くと異音が鳴り止んでいたのです。ただ、天井近くにあるエアコンを突くには何かしらの「長い棒状」の道具が必要であり、手元にあった「忍刀」(もちろん模造刀ですヨ)の鞘でゲシゲシ突いていたのですが、此の度、その突いていた箇所が大破し、臨終してしまいました。20年近く働いていたエアコンでしたが、まさか忍刀でとどめを刺すことになるとは。‥‥南〜無〜。

忍刀の鞘は、地面に突き刺して足場にするくらいのものなので、まあ、そりゃあ、製造20年も経ってもろくなったプラ部品なんて突かれれば壊れるか‥‥。最後の4年間くらいは、内部の異音が酷くて、いつ壊れてもおかしくない状態でしたが、忍刀で臨終するエアコンもそう滅多に無かろう。

ミキサーのススメ

映像制作をしていると、コンピュータをはじめ、DVD/BDプレーヤー、HDDレコーダー、iPhone、iPadなど、あれやこれやと機器が増え、都合、音声の出力も比例して増えていきます。

オーディオコンポが全盛だった昔は様々な機器をプリメインアンプに繋いでセレクタで切り替えて音を聴いていました。しかし現在は安価で手頃、高性能のミキサーが各社から発売されているので、今となってはブームが下火となって選択肢の限られたプリメインアンプよりも、ミキサーを買って機器を繋いでしまったほうが、結果的に安上がりで色々と融通が利きます。



しかし、ミキサーは何か「専門的な印象」があるのか、手軽に使う人はあまりいないようです。30年近くアニメ業界の色んなスタジオを見てきて、机にミキサーを置いて使っていたのは、ほんの数人の方々だけです。

もったいない。ミキサーって便利なのに。

昔は、ちょっとしたミキサーでも2〜3万円したので、軽い気持ちで買ってみる機会も無かったと思います。しかし、今はセール品とかだと5,000円以下、普通に買っても1万円くらいです。プリメインアンプを買うより手軽です。

1万円クラスのミキサーの使い方は、至極シンプル。機器を繋いで、各機器の音声レベルをツマミかフェーダーで調整して音を1つにまとめるだけ‥‥です。3〜4万くらいするミキサーだと、レコーディングに必要な多彩な機能(音声の道筋を色々と分岐させる‥‥とか)がついているので少々難しいですが、1万円のミキサーは「音をまとめて1つにする」のがメインなので、迷う事がありません。

例えば、以下のように機器を繋いで、1つのヘッドフォンと1ペアのスピーカーで音を聴く事ができます。もちろん、ヘッドフォンだけでも構いません。




聴きたい機器の音量を上げ、ヘッドフォンやスピーカーでモニター(音を聴く)します。音声レベルのまちまちな機器も、ミキサー側のゲイン(入力感度)で適宜無段階に調整できるので、あらかじめ音量の差を無くして一定に合わせておく事もできます。

さらにいまどきのミキサーは、USBオーディオインターフェイスを内蔵しているモデルも1万円くらいから買えるので、USBケーブルでMacやWindowsマシンを直にミキサーに繋ぐ事もできます。要はミキサーがUSBオーディオインターフェイス代わりになるわけです。



USB付きのミキサーをMacなどに繋ぐと、音を聴くだけでなく、コンピュータで録音する事も可能になります…が、まあ、録音する事はあまりないですよネ。MacOSXですと、「システム環境設定」の「サウンド」の入力・出力のリストにて、ミキサーを選択する事が可能になります。ベリンガー社のミキサーですと「USB Audio Codec」という名称でリストに現れます。

映像制作の作業場でもミキサーは重宝します。作業者それぞれがミキサーで音声をまとめておいて、メインチェックモニタのメインミキサーに送れば、自在に「出音(でおと)」を制御できるようになります。



作業者個々の映像をチェックする際、即座に映像と音声を切り替えて、監督・演出チェックができますし、音量を手元で如何様にでも調整できるのでとても便利です。ほどよくセッティング済みの「2ch」ステレオ音声がすぐに出せるだけでも、チェックは何かと円滑に進むようになります。

いちいち後ろに回ってプラグを差し替えたり、音量調節のできないセレクタで切り替えるのは、ピリピリしがちな映像チェック時には出来る限り避けたいものです。余計なストレスは排除し、スマートにチェックを進めたいですよネ。

「音は出る?」「繋いでないので出ません」‥‥なんていうやり取りで場が白けるのは、なんと言うか、わびしいですよネ。作業者がミキサーのフェーダーを上げれば、即座に音がモニタースピーカーから鳴るようにしておくと、チェック時だけでなく、オフライン映像のちょっとしたプレビューにも役立ちます。

私のオススメは、安くて有名な「ベリンガー」のミキサーです。選択肢が広く、様々なニーズに安価に応えてくれます。ネットで耳年増になった人とかは、音を聴きもせずに「安かろう悪かろう」なんてベリンガーをこき下ろしますが、プロのコントロールルームで聴くような場面でも無い限り、個人使用やアニメ会社の雑音の中で聴くレベルだったらベリンガーで十分です。

なんかさぁ‥‥、アニメ会社の音声モニタ事情って、往々にして劣悪ですよネ。テキトーなPCのオマケスピーカーで鳴らしてたり‥‥とか。音を実際に扱わないアニメ会社だって、音をモニタする事(主題歌のデモとか予告の音声とか)はいっぱいあるじゃんか。ベリンガーのMS16とQX1002USBで合計2万円もしないですけど、それでも、オマケスピーカーとかテレビ付属のシャカシャカした音よりは格段に良くなります。線撮にはべらぼうにお金を使うわりに、音声モニタ環境には一銭もかけないのよネェ‥‥。

まあ、ともかく、個人の環境は個人でレベルアップできますから、安価かつ良品質で使いやすい音声モニタ環境は、2014年の今はとても容易に揃える事ができるのです。

ちなみに、買う場合は「サウンドハウス」や「オフプライス楽器」など格安楽器店の通販でケーブルも同時に買うのがオススメです。特にケーブルは、アマゾンで購入するより楽器屋さんの通販での「まとめ買い」がお得ですヨ。アマゾンで1本ずつ買ってたら、出費が1万円くらい変わっちゃうかも‥‥ネ。

今さらだけどeSATAって

部屋の模様替えで、久々にeSATAのケーブルを取り回しましたが‥‥、eSATAのコネクタって、冗談みたいな規格だよネ、今さら‥‥ではありますが。

簡単にポロポロ外れる、このコネクタ規格は誰が考えたんだ?

eSATAのコネクタを「素晴らしい!」と誉め讃える人って、世界に誰か1人でもいるんだろうか。‥‥みんな「しょうがねぇなぁ‥‥」と思いながら付き合っているような気が。

USBもFireWireもThunderboltも、差すだけの頼りないコネクタではありますが、eSATAに比べれば50倍くらいマシな使い心地です。

Appleなどの大手が、eSATAをかたくなに導入しないのも、頷けますネ。SATA規格自体は安定してるのに、eSATAコネクタが「癌」なのよネ‥‥。eSATAコネクタがUSBのコネクタくらい安定してたら、もしかしたら歴史が変わっていたかも知れませんネ。初代のSATA(1.5Gbps)ですら、USBやFireWireに比べて、遥かに高速で安定していましたから。

全くもって頼りないeSATAのコネクタを保持する為に、私の場合は、周りから固める方法(周囲の何かにタイラップなどで固定する)でコネクタが外れないようにしています。

Thunderbolt2は、転送速度が20Gbpsと超高速で、コネクタも外れにくい(あんな頼りないカタチではありますが)のですが、いかんせん、普及が今1歩、2歩、3歩‥‥くらいなんですよネェ‥‥。


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