YouTubeがな

今の私の自己研究は、キラーカット(グッとくるカット)の研究、ひと通りの演技を網羅しメソッド化する課題、関連性のある作品群のPV的な映像、極少数人数による分担作業システムの開発、etc...といったところです。

私の甘い考えでは、そうこうしているうちにYouTubeの仕様がさらに高品質になる事を予想しています。

今のYouTubeでは、例えば前回のような絵作りの映像をアップしても、解像度とフレームレートの制限により、見た人に「何だ、イラストっぽいディテールのが動いてるだけか」と思われて終了!‥‥だと予測しています。スフマート技法による絵作りの映像がちょっと進化しただけだ‥‥と思われるのは、絶対に避けたい‥‥のですが、今のYouTubeのクオリティじゃどうにもならないですし、もっと言えば、Retina的な高密度液晶がある程度浸透した後でないと、こちらの意図するクオリティを伝えられないと考えています。

前回、前々回のサンプル静止画も、縮小サイズと言えど、できれば1000pxくらいでドン!と出したかったのですが、このブログのテンプレートが500pxちょいくらいの幅なので、仕方なくあのサイズになったのです。

実寸は以下のサイズで、500px前後だと指先しか入りません。



YouTubeでも、HD(2K)が出せるんだからいいじゃん‥‥とか思う事もあるのですが、フレームレートが30fpsどまりなのが、どうにも。

加えて、HD解像度で送信しても、YouTubeのサーバサイドで低解像度も同時に生成して、多くの場合は360とか480px幅がデフォルトとして提供されてしまいます。全ての人が映像スペックマニアなわけではないですから、いちいち解像度を切り替えて見るなんて事はしないでしょう。生粋の4K48fps作品においては、それはもう絶対にNG‥‥なのです。品質の格差が売りなわけですから。

ただ、YouTubeを悪く思う気はありません。現在の落としどころとして、YouTubeの仕様は妥当だと思います。4K48fpsは現インフラを考慮すれば、オーバースペック以外のなにものでもありません。

でもまあ、折角、テレビ放送網ではなく、インターネットという仕様の広がりのあるメディアなので、国営放送や民放に先駆けて、4Kで48〜60pのストリームを開始して欲しい‥‥とは思っています。今やYouTubeの影響力は絶大なものがありますからね。



相互フィードバック

私は、特別なオーダーが無い限りは、現アニメ業界の作品においては、言うなれば「猫をかぶるスタンス」に徹しています。張り切っちゃったら、和を乱す原因だしネ。‥‥なので普段はいわゆるアニメ撮影の標準的な仕事ではなく、私の本領を発揮しやすいオープニングやプロモーションビデオ、ミュージックビデオ、CMなどのアニメ撮影とは異なる映像内容のものを引き受けていますし、実写の仕事もそこそこ多いです。アニメの撮影と呼ばれる仕事では、もう私の出番は無いも同然なのです。

とはいえ、絵で話を紡ぐアニメが嫌いになったわけではありません。今でも大好きです。しかし、前回も書いた通り、もう致命的なくらいに現制作方式との溝が深まっており、昔のように撮影班を組むようなパッションは消失しているのです。

もしワークグループを組む事があれば、今の業界とは全く別の、新しいドクトリンを持ったものになると思います。新しいワークグループ〜工房に必要な人材は、多少あらくれ・偏屈でも、様々な才能を持った様々な人間が欲しい‥‥ですネ。何と言っても、最低4K48fpsの壁を持つ「強固な要塞」を攻略せねばならんのですから、羊よりも狼が必要なのです。ウルフパックを形成したいのです。

私の考える未来の方式では「聖域」はありません。現業界フローでは、原画など「紙作画」の部分は手を触れてはならないタブーですが、私の方式では線画の描き方も著しく変わります。撮影と呼ばれた行程も無くなります。ゆえに、今の業界の方式とは、共用できる部分が10%くらいしかありません。

前回とは違う例を挙げます。より一層、線画の描き方が変化し「線画と色彩の協和」が意識できるサンプルかと思います。

線画は、こんな状態です。



このサンプルは、「金髪のアニメーション表現に関するテスト」なので、髪の毛の描写に線を重ねています。顔はなんて言うか‥‥「大丈夫か」と思うくらいの「半完成」の状態ですネ。服は白いモコモコしたデザインなので、もはや線画では何一つ描かれていません。

これをスキャンしAfter Effectsに持ち込みメイクし、リギングを経て、コンポジット・ビジュアルエフェクト・グレーディングを施すと、以下のような完成画面になります。顔の印象など、線画の時と比べてまるで違う印象なのが確認できると思います。


TypeA ちょっと暗めの物憂い雰囲気


TypeB 金髪をフワッと軽やかに


TypeC 金髪のディテールを持ち上げたグレーディング

顔の中身を線画で描き過ぎないようにしたのは、実は「眼力(めぢから)」を実線にて集中させたかったからです。このやり方においては、「線画段階で絵の要素を描ききるのはNG」で、ビジュアルエフェクトに至るまでの「見越し作画」をおこなう事が重要なのです。
*見越し作画‥‥とは、マルセイユの偏差射撃のようなもので、映像の向かう方位を先読みして、適切な作画をおこなう技術です。

また、これは止め絵イラストを描くためではなく、キャラの演技〜髪の毛のニュアンスを活かしたアニメーションのための習作です。ゆえに髪の毛の実線は、After Effectsでのメイクで適切に処理される事を事前に予期し、「金髪になった時に、効果を発揮する描き方」を実践しました。髪を動かす研究は、もうかなり前からやっていましたが、日本人の黒髪ばかりだったので、金髪にチャレンジしてみたのです。

こんな髪の毛を動かすなんて、今の現場では「非常識」極まりない事です。二言目には「3Dで」とか言い出すでしょうネ(苦)。3Dと言えば、何でも大変なものが実現できると思っている人は、まだまだ沢山います‥‥よネ。「原画 to After Effects」ですら非常識なのに、こんないかにも複雑げなディテールを動かすなんて‥‥まあ、とても今の現場では無理なのです。

ちなみに、作品・商品レビューとか見てると、「作画じゃないっぽいものは、3D」と安直に判断する一般の人が多いです。そんな単純なものじゃないんですけど、DVD付録のメイキング映像の功罪の「罪」部分の影響と言えるかも知れませんネ。

このサンプルは、もちろん2Dです。髪の毛の1本ずつ、私が紙の上に描いたものを、After Effectsでメイクしているのです。髪の毛のアニメーションは、大変ではあるのですが、上手く管理できるようAfter Effectsで構成すれば、原理はそんなに難解ではないのです。
*もちろん、実際の運用では、こうした髪の毛などの共通パーツは、どんどんバンク化して効率化します。事実、私の手元には、既に数多くのバンク(黒髪用)が存在します。


*顔のデザインは、まだいくらでも作れると思います。今回はちょっとリアル風(でもやっぱりマンガバランスではありますけど)ですが、もう少しコミック寄りでも良かったかな‥‥と思っています。


*線画とAfter Effectsさえあれば、このような緻密な髪の毛も、表現可能です。

これは単に映像表現の絵面(えづら)上に留まる話題ではありません。この髪の毛が動かせるのであれば〜このキャラが演技できるのであれば、こんなシーンが作れる〜こんなストーリーがイメージできる‥‥と、実はシナリオや企画にまで遡る事柄なのです。

絵と話は、相互にフィードバックしていくものなのです。

今のアニメの企画やストーリーは、現アニメ表現に適した内容です。カットの割り方も、カメラワークも、尺も、みんな「現在のアニメ絵」の利点を最大に活かした様式なのです。もちろん、同時に欠点をカバーする様式でもあります。

と言う事は、絵が大々的に変わって絵画様式に大変化がおこれば、ストーリーの発想も変わる、尺も変わる、カメラワークも、カット割も、全て変わってくるわけです。

‥‥なので、こうした新しいやり方は、今の現場において、作業の枠組みとか作業者の意識などよりもさらに深い部分で、「根本的な企画として」大きな齟齬をきたしてしまうのです。現アニメの企画に、上図のような絵をブッこんでもサムいだけです。研究を進めるうちに、絵の様式の刷新は、実は「地盤のシフト」をも誘発する事が解ったのです。新しい方法の要素には、絵だけでなく、企画やシナリオも含まれる‥‥という事は、つまりは、新しい絵や映像を理解できなければ、的を外した企画しか作れない‥‥という事です。

前回と今回の記事で、線画とAfter Effectsでどのような絵が作れるのか、ちょっとだけ紹介しました。アニメとは現業界のワークフローで作るものだ‥‥と思考が固着している人も多いでしょうし、私もスタートはそうでしたが、「枠からはみ出す決心」さえできれば、実は数多くの広がりが開けているのです。

先人の模倣や踏襲を続けてマイナーチェンジで凌ぐ事が業界の「全体意識」になってしまった今、そこから何か「新しい未来」を見出す事は、少なくとも私にはできません。ただ、新しい技術と企画の「上昇スパイラル」を実感する時、例えそれが細い1本道でも、渋滞した幹線道路よりは遠くを見通せる気持ちになるのです。

どんどん開くギャップ

After Effectsを「アフターエフェクト」のツールとして使うのではなく、アニメーションのツールとして使うようになって久しく、ふと現アニメ業界の原画や撮影の作業をやると、もうどうにもならないほどの隔絶・ギャップを痛感します。

原画の描き方は、最終的に撮影の仕上がりにも、大きく影響します。あまりにも完成度が上下するのは好ましくないので、鉛筆の使い方から撮影の方法に至るまで、「クオリティのバラつきを抑制」しつつ生産性と分担作業性も兼ね備えた方式が定められています。そうして作られた映像作品を、一般的には「商業アニメ」と呼びます。

しかし、この方式の欠点は、24コマフィルム時代に形作られたものである‥‥という点です。48p, 60p, 96p, 120pなどの近い未来のフォーマットに、絶望的なほど、対応できません。ただでさえ、現場の予算が少ないと言っているのに、作画枚数が2倍4倍になったら、それはもう大破綻です。だからといって、96fpsのためにアニメ作品の予算が4倍になるなんて、今までの経緯からしてあり得ません。自分が「金を出す側だったら」と考えれば、容易に予算など上がらない事は想像できるでしょう。

今のままで良い。アップコンすれば良いんだから。‥‥と言う人もいます。しかし、ネイティブ60fps、120fpsの中に、1.5kで24コマアップコンの映像が同居した時の、クオリティギャップは相当キツいものがあるでしょう。著しく古めかしいものに見えると思います。昭和30〜40年代のアニメを見た時の「旧さ感」と同じ印象を受けるでしょう。

旧いものをリバイバル上映・再放送するのなら、映像の質が古くても解ります。しかし、作り立てのホヤホヤなのに、映像品質が旧いのは、単純に「何で今でもこんなに旧いの?」と疑問を感じさせる事でしょう。言うならば、最新のドラマをベーカムで撮るようなものです。

After Effectsの現アニメ業界での使いかたも、かなり限定されたものです。ゆえに、一生懸命、映像表現の才能を磨いても、ひとり相撲になりかねません。均質化した映像表現を踏襲して生産する事を求められ、自分の才能もAfter Effectsの機能も、未使用のまま封印し眠る事になります。アニメ業界未経験のこころざしのある人は、プロになったら、自分の手とコンピュータで新しい表現をどんどんやってみたいと思うでしょうが、それは枠組みの「和」を乱す事になるのです。業界の求める人材は、枠組みの中で「和と忍耐力」をもって地道に働き続ける人であって、才能を持った人はある種「ありがた迷惑」ですらあるのです。悲しい事ですが、それが現実です。

ただ、私はもう、そうした現業界との意識のズレ、ギャップを埋めようとは、思わなくなりました。ズバリ、無理、なのです。

現アニメ業界の「枠組み」があってこそ、業界は成り立っているのでしょう。だから、枠組みに手を加えてはいけないのです。たとえ、「未来展望ノーアイデア」の現実に危機感を抱いたとしても、枠組みへの介入は御法度なのです。「発展や改革」をする事は、すなわち「枠組みの破壊」と同義ですから。つまりは、「現業界では新しい事をしてはいけない」のです。許されるのは「枠組みから出ない範囲のマイナーチェンジ」だけです。極論に聞こえるかもしれませんが、現実が物語っています。

私はAfter Effectsをふんだんに使って、4k48fpsの実験映像やPVを自主制作していますが、そこでのAfter Effectsの使い方は現アニメ業界から見れば「非常識極まりない」ものです。

例えば、まず線画を鉛筆で描いてスキャンします。



既に、線画の描き方が現アニメ業界フローと違います(シャツは非常に淡白ですが‥‥)。普通は下図のような描き方ですよネ。



現アニメ業界の絵の描き方の多くは、「線画で完成画を想像しやすい」描き方です。線画の枠に沿ってペイントしていけばカラーになる‥‥という感じですネ。

しかし私は、新しいやりかたにおいては、「線画と色彩の協和」を考えた線画の描き方をしています。つまり‥‥



‥‥のような線画が、After Effectsで「Make(メイク)」されると、




‥‥のようなルックへと変化する事を見越して、「線画で全てを語らない」描き方をするわけです。

業界のフローを知っている人は、「線画スキャンのあと、いきなりAfter Effectsなの?」と疑問に思うかも知れません。その通り、線画スキャン以降はAfter Effectsで全作業をおこないます。動きも含めて、です。「原画 to After Effects」です。

紙の上で、鉛筆ニュアンスで作画した後‥‥つまり、



‥‥のような絵がスキャンされた後は、After Effectsで、



‥‥のようにメイクされ、さらにあらかじめ用意しておいた背景(この例では実写)を読み込み、After Effectsでリギング・アニメーション・コンポジット・ビジュアルエフェクト・グレーディングをおこないます。以下、3つのタイプを作ってみました。







自由で縦横無尽な映像作りを、After Effectsベースでおこないます。空気感や光、影の付け方も、After Effectsで自在にコントロールできます。演技内容に応じて、上図のキャラを1秒間96枚の動きで、こちらを振り向かせたり、微笑ませたりする事もできます。芝居場は立体的に組まれており、カメラを動かすと、キャラや背景の位置関係が立体的に推移します。
*現アニメ撮影では、フィルム撮影台を踏襲しているがゆえ、「カメラを動かす」(After Effectsで言うところのカメラレイヤーの活用)という意識が希薄です。動かすのは「台」のほうですネ。

線画以降はAfter Effectsのインソース‥‥なんて、現アニメ業界では、許容もできなければ、対応もできないでしょう。私もこのやりかたを現業界に持ち込むつもりは「全く」ありません。このやり方を許容し活用するのは、「アニメを作る新しい場所」だと思います。

上図の処理例は、ごくごく、ほんの一例です。現アニメ業界フローを全く無視した新しいやり方においては、私の残された寿命では到底やりきれないほどの表現の広がりがあります。上図はまだ現アニメの影響が色濃いですが、もっと違う事が「2D」でもいっぱいできるのですよ。

48〜120fpsフルモーションの動きは、現アニメと全く異質なもので、違和感も相当なものです。しかしそれは結局は、「表現様式の洗練」を待っているだけだと感じます。今のアニメだって、エコノミーな理由で2コマ3コマのポスタリゼーション(コマ落ち・コマ打ち)の動きがベースとなり、それに適した定番の様式を先人たちが生み出していったのですから。後から追随する人間は、「様式」について「所与のものと錯覚」し無意識・無頓着すぎるのです。新しい技術・新しいフロー、そして新しい表現様式は、言わば三位一体なのです。

作画法、ソフトウェアの活用方法、ワークフロー、運用予算、作業の意識、完成物の品質・仕様、著作に関する意識‥‥のどれをとっても、どんどん現業界とのギャップが広がっていきます。

今のアニメが作りたいのなら、雇用の条件がどうであろうと、今の業界の枠組みに加わるのが現実的な選択です。一方、新しいアニメを作りたいのに、旧い枠組みの中で活動する‥‥なんて、考えてみれば、変な話なのです。数年前はまだ幻想を抱いていましたが、今では、旧来の枠組みの中で新しい事を試行錯誤する事は、無駄だとハッキリ認識しています。「その枠組みがあるから、アニメ業界なんだ」という事を、10年かけて悟った次第です。

Adobe Audition

iTunesで2000年以前の旧い音源を聴いていると、音圧が低く、聴き辛く感じる事があります。最近の音源と連続再生した時に、特に差を感じます。

まあ、iTunesの各音声ファイルごとの音量調整機能を使えば良いのでしょうが、どのファイルをどれだけ音を上げ下げしたかが解らなくなりそうです。なので、私は音量の差をどうしても調整したい場合は、ファイルを複製して自分なりに調整したファイルに変えてしまいます。「自宅リマスター」みたいな感じ、ですね。

私は最近Mac miniを常用していますが、本格的な音楽制作環境はインストールしていないので、たまに音量が小さい楽曲に遭遇しても、そのまま我慢して聴いていました。いちいちLogic ProをインストールしてあるMac Proを起動するのが億劫なのです。

しかし考えてみれば、そのMac miniにはAdobe CCをインストールしてあるので、「Audition」というソフトを使えば、音圧くらいなら簡単に調整できるはず‥‥です。折角CC一式をインストールしてある事だし、試しに使ってみました。

結果。‥‥充分、使えますネ。あまり名前を聞かないソフトでしたが、特に扱い辛いと感じる事もなく、エフェクト類も充実してて、やりたい事が実現可能です。

Auditionって、何か、マイナーな扱いですよネ。もったいない。‥‥アドビって、色んな会社を買収してソフトウェアを自社化しても、どうも「持て余している」感がありますよネ。Speed Gradeとかもネ。

で、Auditionですが、パラパラッと流し見した感じでは、ひと通りの機能は取り揃えているようです。インターフェイスは最近のLogicなどに比べると、やや旧い印象を受けますが、特に困る事はありません。

音圧を上げる程度だったら、「エフェクト/スペシャル/Mastering...」だけで充分可能です。音楽制作の統合環境にはならなそうですが、軽めの波形編集やミックスダウンなら気軽にパパッとできちゃいそうです。

CCを契約しているのなら、Auditionはインストールしておくと、色々と重宝しそうです。機能限定版のGarageBandでマスタリングするより、積極的な事ができますヨ。当座、音楽制作環境がGarageBandオンリーでも、GrageBandでミックダウンした音声ファイルをAuditionでマスタリングするだけで、グッと音圧の詰まった聴きやすい音に調整できると思います。

でもまあ、Auditionって、ちょっと名前で損しているような気が‥‥。私も「オーディション?‥‥関係無さそ。」とスルーしてましたから‥‥。

Adobe CCには、音声の波形編集ソフト・マルチトラックミックスのソフトもついてくる‥‥と思えば、解りやすいかも知れませんネ。

大国とは言え

一昨年くらい、某映画大国の某大手の「新しいやりかた」のアニメを見て、技術的な根本が私の取り組んでいるやりかたと「モロかぶり」な事にショックを受け、さらにはその金のかけかたにも大きなショックを受けたのですが、その後全く情報が出てないところを見ると、どうやら「量産化」には手間取っている雰囲気を感じます。‥‥その点はちょっとだけ安心。

私も同じような悩みを持ちますが、新しい技術がてんこ盛りだと、アウトソーシングが難しいんですよネ。推測するに、大国が欲する物量は、実現がまだ難しいのかも知れません。

大国は、量で攻めようとするところが強みでもあり、弱みでもあると思っています。量の影に隠れた様々な要素を取りこぼしてしまうのですが、その事に無自覚でもあります。これは絵に描いたような「攻めどころ」です。

日本の職人気質と忍耐力を、物量にシフトするようじゃ、競う前から負けは見えています。日本の特性をどう活かすか‥‥ですが、そのためにはいつまでも万歳突撃してちゃダメだよネ。


レンダリングが忙しくなったら

レンダリングが忙しくなったら、もう1台くらいMac miniを買い足しても良いかなぁ‥‥と思ってますが、現行ラインアップは1年前の3GHz未満のモデルなので、もうちょい待ち‥‥です。

そんなこんな、「そろそろモデルチェンジの季節かな」と思ってアップルストアをチラっとのぞいてみると、即納ではなく2日待ちになってます。おやおや。

たしかに、微妙な時期ですね。以前この時期にeMacを買った事がありますが、ストアから「ご注文のモデルは在庫がありますが、ほぼ同じ値段でよりスペックの高い新モデルが出ますので、ご検討なさってはいかがでしょうか」的な連絡を受けた事がありました。

まあ、2.6GHzのi7のままでは、色が褪せてますわな。そろそろ入れ替えの時期、でしょうね。

レンダリング‥‥と言えば、私は最近、4K48fpsなどの影響で、「レンダリングが重いサイクル」に入りました。

 1・マシンの性能が上がり処理が軽くなる
       ↓
 2・性能向上に合わせて映像内容の各種レベルを上げる
       ↓
 3・マシンの速度が処理内容に追っ付かなくなる
       ↓
 4・マシンの処理速度を一時的にマシンの台数でカバーする
       ↓
 5・新型マシンの処理能力が向上したようなので買い換える
       ↓
 1にもどる...

いわゆるイタチごっこというヤツですが、今、私のいるフェイズは3、4あたりです。とにかく、速いマシンが欲しい‥‥のですが、速いマシンといっても、CPU、GPU、メモリ、HDDなどが全般的に高速化しないとダメな状態なので、多分、今のコンシューマレベルでは無理だと思っています。全体が底上げしてくるのを待つしかないと観念し、当座は分散処理で凌ぐしかないと考えています。

どんだけ重いかというと、1996〜7年のPentium200MHzやPPC604e/180くらいの性能で、1280や1920をやるような体感です。止め絵ならともかく、モーションピクチャーなので、ハードルがぐんと高いのです。320x240、640(720)x480の時代に、HDコンテンツを作る事を想像してもらえば、なんとなく解るかと思います。

しかし、ツールは色々と揃っているので、昔のような手も足もでない閉塞感はありません。単に重く遅いだけです。運用技術で何とかなるように思います。

私は現在、Adobe CCを2ライセンス契約しているので、4台のマシンを同時使用可能です。Mac miniもそこそこ速いし、Adobe CCありきのレンダーファームシステムをプログラムすれば、安価に「航空艦隊」が組めそうです。

まあ、後は映像表現の技術向上、でしょうかね。最近、ちょっとだけ当座の仕事(現行HD)に技術を流用しましたが、まだまだツッコめる箇所は山ほどあって、自分の技術の未発達さにヘコみました。各部、伸びしろだらけなのは嬉しいのですが、逆に大して伸ばせない自分にもどかしさを感じた次第です。まだ技術は未完成、発展途上にあるのを再認識しました。

私はもうプライベートでは4K/48fps未満の映像を作る事は無いと思います。2K/24fpsが欲しい時は、「スマートダウンコンバート」(単純な間引きではないダウンコン)で対応するでしょう。ほんとに強欲なもので、今では2Kをさして奇麗とは感じなくなってしまいました。

今度のAfter Effects 12.1は「HiDPI content viewers for Retina display on Mac」ですから、After Effectsも徐々に高密解像度に対応し始めている感じ、ですネ。

捨てられない

私の自宅では現在、Mac miniをメインで使い、サーバはUSB2.0時代のMac miniとQnapのホームサーバでネットワークの中枢を形作り、Mac Pro 2008、Mac Book Proを適宜使い分けています。そこにiPad2、iPad mini、Kindle PW、iPhoneなどが加わる形です。

昔のマシンはどうしたか‥‥というと、かなり大量に処分はしたのですが、まだ10数台は残っています。意図的にコレクションしているものもいくつかありますが、多くは愛着があって捨てられんのです。

アキアのWin機(珍しいですよね、今となっては)、UMAXのPPC603e機、Mac Plus、Mac SE、Mac SE30‥‥あたりはコレクションに近い存在です。

一方、PM8600/250、ツクモのWin機(改造多数)、Performa475 & LC475、Performa575、Performa630、Quadra650とかは、愛着が強いので捨てられない部類です。未来、どのような処遇にすべきかも、よくわかりません。ただ、倉庫で眠るばかりです。

どれも特に価値があるわけでもなく、下手すれば廃棄に金がかかってしまう事すらあるかも。投機目的なんて全く無く、愛着の問題なので、価値とかはどうでもいいんです。

私は20年近く契約している倉庫がありますが、これがまた、どうしたものか。

Fostexの1/4インチオープンリールデッキとテープ(AMPEX等)、LD(‥‥。)、MIDI機器など、レガシー過ぎる物品がラック内に積み上げられています。

ベータ&VHSテープは大量処分したのですが、まだなかなかキモチのピリオドが打てない物品は厳選して残しています。決してコレクターではないので、今以上にレガシーな物品が増える事はないのですが、捨てなければいつまでもそこに残り続けます。‥‥。

ちなみに、メガドライブ、セガサターンもまだあります。アドバンスド大戦略が捨てられないがために。‥‥ただ、もはやRCA入力を持つモニタがどんどん無くなっているので、映写環境的にヤバそうな予感ではあります。


マシンあれこれ

今日、「3万円台Windows8マシン(新品)」のDMがアマゾンから来たので、中身を見てみると、中々の低スペックぶりにびっくり。イーサネットが100baseだったり、メモリ上限が8GBだったりと、たまにしかパソコンを使わない人向けのスペックで、安いなりには理由があるのがわかります。

私の自宅のメインマシンは、つい去年まではMac Proだったんですが、今はすっかりMac miniばかり使っています。Windows7もそのMac miniで動かしています。もともとは、Mac Proに集中していた要素を、Mac miniに逃がすつもりでの購入だったのですが、Adobe CCが2台までの同時使用可をアナウンスしてからは、Mac miniばかり使うようになってしまいました。Mac Proはやっぱり熱いしうるさいんで、「事が足りているうちは」Mac miniばかりになっているのです。編集と音楽制作だけはMac Proの担当のままですが、それはSATAの安定したHDDを頻繁に使う作業だから‥‥ですネ。

昔はよく「Macは高い」などと言われましたが、最近はそうでもないようです。もし今でも安く感じる事があれば、それは単に低いスペックのBTOが存在しているがゆえに、即物的な価格表示だけの事が多いです。たまに、同等スペックのWindowsマシンを見積もる事がありますが、意外なほど安くならないのです。昔は同等処理速度のマシンでも半額くらいになったものでしたが、今はMacが安くなったのかWinが高くなったのかはわからないですが、価格面での優勢は崩れているように感じます。‥‥なので、デカくてうるさい汎用筐体を使ったWin機よりも、小さくて静かなMac miniを買ってデュアルブート(もしくは仮想マシン)したほうが良いくらいに感じます。

Core i7, 16GBメモリ, 1TB SATA HDD, 1000baseイーサネット, 無線LAN, USB3.0 (&ThunderBolt)‥‥といったMac標準の仕様をWindowsで実現しようとすると、結局コストはMacと同じくらいになります。ただ、省電力・省スペースといった面も評価対象に入れると、Winマシンには匹敵するものが中々見つかりません。

7〜8年前、Mac G4とWin、サーバの合計数台を自室で動かしていた時はあらゆる面で居住性は最悪でした。場所を我が物顔で占拠し、各種の騒音が唸り、全機の廃熱によるプチヒートアイランド状態で冬は弱暖房でしのげるほどでした(そのかわり夏は悲惨)。昔のコンピュータは「住環境を阻害する存在」の典型だったのです。作業環境をより良く快適にするはずの高性能コンピュータが、どんどん環境全体の快適性を阻害していく‥‥という何とも皮肉なジレンマに陥っていたのです。

なので、昔は単に性能だけで選んでいた機種選定を、今ではトータルコスト・作業環境全体の快適性の観点を重視しておこなうようになりました。たまに安いPCの宣伝を見て「今、こんなに安く買えるのか」と色めき立った十秒後くらいに、昔の騒音&発熱地獄がフィードバックして「やっぱり、いいか‥‥」と冷めてしまうのです。昔の筐体のままの安PCを見ると、「あの騒音」が思い出されてウンザリするのです。タワー型のワークステーション(現Mac Proも含む)も、今では図体ばかりがデカく感じられます。

アニメーターの机にドカンとタワー型が無遠慮に設置されているのを見ると、ものすご〜く前時代的な「コンピュータに我慢する人間」の構造を感じます。また、ドアを開けて部屋に入った途端、PCの各種騒音が室内を覆っているのも、昔は「コンピュータをいっぱい導入してまっせ」というドヤ顔の雰囲気でしたが、今では「まだこんな騒音の中で人間に作業させてんのか」と感じる事しきりです。コンピュータの騒音なんて、無ければ無いほど良いと思うんですよ。コンピュータの廃熱は冬場の暖房になりますけど、騒音って役に立つ事は、多分、無いですよネ。

今度の新Mac Proはかなり小さいとか。問題は騒音ですね。発熱は高カロリーの処理を前提としたマシン設計では、ある程度仕方ないとは思っています。

編集用iMacにThunderBoltで繋がったHDDの速度をつい最近見ましたが、実測(理論値ではなく)で3〜4Gbpsとかなりの高速でした。ちなみにブルーレイは0.05Gbps、HDCAMは0.14Gbpsですので、その快速ぶりが解ると思います。静音・省電力でも、チョイスをわきまえれば、高性能な環境が得られるのが、最近の特徴のようです。マシンに関わる意識を変えないままだと、いつまでもマシンの騒音と廃熱の中に生きる‥‥しかないのでしょう。

デジタルの弱さと強さ

デジタルデータは、タフでもあり脆くもあります。脆い面の代表例は、「データ読み取りの互換性・再現性」です。特に旧式メディアに収録されたデータは、読み取りドライブが手元にない場合には、手も足もでなくなります。

私の手元にある一番古いデジタルデータ収録メディアは、QD〜クイックディスクというものです。当然、現在はクイックディスクドライブなんて売っているはずもなく、データの読み取りは困難です。
(まだドライブは捨ててないので、ドライブを物置から発掘すれば読み取れますが‥‥凄く面倒な段取りなので、もう一生使う事は無いでしょう=>捨てればいいじゃん)
*私の持つデータ収録メディアで一番古いのは、厳密には、カセットテープなんですけど‥‥手元に見つからないので(多分、捨てた)除外しました。

デジタルデータそのものはとてもタフなんですが、データを収納するメディアと「一蓮托生」なので、結果、脆くなりがちなのです。

なので、銀河鉄道999のメーテルではないですが、「体を入れ替えて」データを生き続けさせる事が必要なのです。当該メディアのフォーマットが古くなってきたら、新しいメディアに複製して移動するのです。その取り組みをやめた時点で、データは死ぬ運命にある‥‥んでしょうネ。

データの移動を怠らなければ、データはいつまでも存在します。もちろん、二重バックアップは基本中の基本です。私は1996年にマウスで描いた絵が、今でもデータとして手元にありますし、もっとさかのぼれば、PC-98のマルチペイントで描いたラクガキもデータとして残っています。もちろん、当時のメディアのままではなく、何世代もメディアを乗り継いで、現在に至ります。

20年前のデータが、全く劣化せず、今でも手元に残る。‥‥なんとタフな事でしょうか。18年前に作ったバンク素材だって、現役で使えます。1994年のデータでも、2013年のデータと並んで、共有ディスクの中に平然と存在しております。

つまりは、データをアーカイブしようと思ったら、現行の記録メディアを買い続け、定期的にデータの大移動をし続けねばならない‥‥という事です。それがイヤなら、データは捨てるしか無いスね。

また、データの保存方法を誤ると、様々な理由で開けない事もあります。After Effectsのプロジェクトファイルがその適例(昔のAfter Effectsとプラグインでないと再現できないとか)です。

当時のメディアに当時のデータのままとっておけばアーカイブは完了するわけじゃありません。ぞんざいに保管されたデータは、その半数以上が15〜20年後には廃棄物となる運命にあります。

デジタルデータをタフにするか脆くするかは、扱う当人次第‥‥という事ですネ。

4K8K、裏方の利点

4K8Kは、よく考えてみれば、さすがにもうテープで運用する事はないですよネ。

私は既にテープベースの仕事からは遠ざかっていますが、今でもHDCAM関連の仕事は周囲に沢山存在しております。

テープなんて、もう「作業場の慣習」「新規機材費カット」以外、利点なんてないもんね。複雑なメカ、高いメンテ費用とランニングコスト、前時代の画質(HDCAM)、ランダムアクセスできない点も遠い昔のフォーマットだよね。

4K8Kでようやくファイルベースだ(^D^)テープ撲滅だ(^Q^)

私にとって、ベーカム・デジベやHDCAMは、大げさな言い回しではなく、胃潰瘍寸前(武蔵境の日赤に夜間緊急外来)となる大きな原因でした。テープが無ければ、確実に睡眠時間を多くとれて、休息を得て体力を回復できたでしょうから。‥‥あたた、思い出しただけでも胃がキュウっとなってきますワ‥‥。

テープ運用って、何もかも、前時代的だもんね。コンピュータを使っている意味がほぼ無い。PCからリモートでデッキを操作‥‥なんて、懐かしい感じだよネ。そういえば昔、自宅の1/4インチのオープンリールテープやMD DATAのMTRとシーケンサー(MTCを使って)で似たような事、やってましたよ。それがまた運用が煩雑でねえ‥‥。

コンピュータデータも管理しなければ煩雑極まりないですが、工夫して自動化を導入すれば、大きく改善されます。テープ運用は、物理的に拘束される時間とメディアの管理に、どうしても手間(=時間)を持っていかれます。

テープデッキが現場から無くなれば、テープに関わる可能性はゼロになります。‥‥それはほんとに、嬉しい事です。


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