iPad mini Retinaを買う

必要に迫られて、iPad miniのRetinaディスプレイモデルを買いました。呼称が長いので以後は「iPad mR」と略します。

誰でも同じだとは思いますが、「せめてローンの期間中は使い続けたい」のが人情ですから、「1ヶ月に支払ってもいいコストx使用期間=購入価格」が成り立つ製品をチョイスするのがポイントかと思います。まあ、1ヶ月に支払うコストの基準は、人によって大きく異なるとは思いますが、私の場合は今回「データ閲覧を主し、持ち運びが楽なもの」が欲しかったので、Mac Book Air or Pro、もしくはiPadという選択肢になりました。

Mac Book Airはディスプレイが1344pxと、今となっては旧世代のレベルですし、Mac Book Proは3年間くらいの使用期間に耐えうるBTOにすると10万円台後半となり、しかも「重さに折れて、どうせ持ち歩きしなくなる」のは明白だったので(あくまでも私の場合、です)、価格の折り合いがつきやすく400グラム未満で持ち運びも楽、2048pxの高詳細ディスプレイを持つiPad mRに決定したのです。

購入はAppleのオンラインストアを利用しました。今月(2014年6月)いっぱいは「Apple 0%ローン」が実施されているので、20回の分割で買う事にしたのです。実は「0%」は12回までで、18回以上の分割だと3%以上の手数料が加算されますが、「財布の隙間」で買える金額にしておきたい事もあり、20回の分割払いにしました。私のチョイスした64GBのiPad mRですと20回払いで3%の手数料=1300円程度なので、月々100円以下の手数料で分割が組める事になりますネ。

ただまあ‥‥Appleストア上の表記、「Appleローンを実質年率0%でご利用いただけます。」とか、「出荷24時間以内」とか表示するのは、何だかなぁ‥‥。Appleストアがもう少し「正直」だったら、「0%から」とか「お届けまで1週間前後」と表示するでしょうネ。

下図は6月27日に届いた「ご注文ありがとうございます」メールのスクリーンキャプチャです。



私は何度もAppleストアで機器を購入しているので1週間のお届け期間でもさして驚きませんが(昔は在庫あり商品でも10日くらいは待った)、「出荷24時間以内」とだけオンラインストアに表示しておいて、注文成立してみたら実は1週間かかる事が告知された‥‥なんて、初めてAppleストアを使う人はまさに「ぎゃふん」‥‥と驚くでしょうネ‥‥。

まあ、Appleストアはともかく、iPad。

iPadって、出始めの頃はみんな「ペーパーレス」に夢を抱いて持ち歩いていたものですが、なんだかんだと融通が利くのはやっぱり「紙の手帳」や「ノートパソコン」だと改めて実感したりして、「iPadで会議をこなす」のは「iPad使い」の人に限定され始めている印象があります。

でも、それは「iPadを日常使いできるインフラが全然整っていない」からで、「便利ならば、人はそれを使う」事を考えれば、制作システムの出来次第‥‥だと思います。

これから先は、24コマA4サイズの業界量産システムでアニメを作る他に、様々な新しいアニメーション制作技法が試されるでしょうから、iPad&クラウドの活用術も合わせて発達するでしょう。これは単に現場の人手の問題が大きく、「皆で紙にメモをとって、口頭で伝達し合うような、ある種の人海戦術」は、小規模の新アニメ制作技法には適さず、ゆえに「持ち歩き端末&クラウド」を導入せざる得ないのです。クラウドが先進的な贅沢仕様‥‥なんて事では全くなくて、むしろ「少ない人件費で仕事をこなす」ための「ビンボー仕様」とも言えます。お金が沢山あって、人を湯水のように使えるのなら、クラウドなんて無くても作業は進行できますからネ。

アニメーション制作における細々とした追っかけは、小規模だろうと減る事はありません。あっという間に各個人が「キャパオーバー」になります。後から後から溢れ出る情報を、どんどんクラウドに蓄積して参照できる仕組みを、「少人数だからこそ」構築する必要があるのです。

たとえ規模が大きく成長しようと、小国日本のアニメ制作においては、どのように人海戦術のレッドオーシャンから抜け出るかが、今後のポイントになるのでしょう。iPadはその「試金石」の役割も同時に果たすのだと思います。

とまあ、大それた事はバックグラウンドで動かすとして、まずはiPadを様々な情報の端末に仕立てて、2014年後半にのぞみたいと思ってます。

素材で絵を描く

本業が切羽詰まってくると、このブログのような類いは、更新が止まってしまいます。いやはや、何とも。

現在は実写作品(=詳細は公式の情報公開に譲ります)のカラーグレーディングが正念場で、残された期間でどれだけ絵を作り込めるか、自分との戦い‥‥といった状況です。自分が弱音を吐いたら、映像もシンクロして弱音を吐く事になるので、気が抜けません。

実写のグレーディング‥‥と言っても、私らのグループで担当するのは「最終的な絵の作り込み」をおこなう重要な作業局面です。一般的な「カラーグレーディング」とは内容が大きく異なるかも知れません。言わば「CGを絵としてフィニッシュする」ような、一見曖昧な作業内容にも受け取られがちな、しかしそれがないと「映画作りが成立しない」強烈な作用を持つ作業です。今そこにある素材だけで絵を作る‥‥というのは、苦しい局面も多いですが、裏返して考えれば、個人のスキル次第で映像に大きな変化が表れるので、楽しい作業でもあります。

この「ビジュアルエフェクト・グレーディング・ファイナライズ」全部入りの作業は、2014年現在でも「得体の知れない作業工程」と思われているようです。説明するより「工程前」「工程後」を見てもらえば解るのですが、現在作業中のはまだ作品公開前なので、図説ができないのですよネ‥‥。

素材を合成すれば、映像は完成‥‥のように素人さんは思いがちですが、そんなシンプルな段取りだけで作品独特の質感は生まれません。素材を合成すれば、その通りの「素材合成画」になるだけです。

映像作品が完成した暁には、言うまでもなく、「素材を合成した映像」ではなく、「映像作品」「映画」であるべきです。では「合成画像」と「絵」にはどんな差があるか?‥‥というと、要は作り手が「絵を描いているか否か」という取り組みや意識の差です。一生懸命に素材を合成しようとすれば、合成画像になるのは当たり前ですし、一方、絵筆を持たずとも絵を描こうと関われば、どんどん素材は絵へと変貌していきます。人間の意志の強さとは、真に不思議なものです。

アニメでもCGでも実写でも、「素材」が「絵」へと「成る」ためには、プロセスにおいて「画を作る執念」「絵描き度胸」が必要‥‥というわけです。

‥‥で、「絵描き度胸」のコンピュータ作業は、未来のアニメーション制作においても大きな柱の1つと考えています。人材育成はゼロからスタート‥‥になるでしょうが、仕方ないス。作画・3D・実写がクロスオーバーする未来の現場においては、何か1つの工程に特化するのは相応しくないので、「絵描き度胸」を軸足とした新しい意識の人材が必要なのだと強く感じます。

しかしまあ、新しいアニメーション制作を志すにあたって、実写作品の経験は「通らなければならない」重要なポイントなように思います。アニメの撮影を毎日やってた数年前の私を振り返ると、あまりにも特殊過ぎる「2値化&スムージング」に慣れ切って思考が固着し気味だった‥‥と感じます。

近い未来に「微細なニュアンス盛りだくさんのキャラ」が出現した際に、現アニメ業界の撮影技法よりも、実写や3DCGに対するグレーディング技法のほうが、使いどころが多いと予測します。レイヤーが統合されマスクも無いような状態で、どんな絵作りができるのか。‥‥案外、方法はいくらでもあるもの‥‥です。
 

温度管理の季節

恐らく‥‥ではありますが、一般に普及したコンピュータ関連機器は、人間が活動するのに快適な温度を目安として、設計・制作されていると思われます。人が室内で使う事を前提とする製品において、炎天下の猛暑や吐く息さえ凍りつく極寒の環境で「一番性能が出る」ようには設計されていないはず‥‥です。

つまりは、人がストレスなく過ごせる住環境は、コンピュータが性能を維持できる環境でもあるわけです。これは基準として解りやすいですネ。

私の自宅環境や仕事部屋では、温湿度計が各所に設置されており、温度と湿度を日頃から把握できるようにしています。‥‥温度計や湿度計を設置するなんて、大した事ない取り組みのように思いますが、私はアニメ制作現場で温度計や湿度計をあまり見た事がありません。「エアコンのリモコンが温度計代わり」なところがほとんど‥‥ではないでしょうか。皆さんの身の回りはどうでしょうか。

100円ショップの温度計すら買えないほど、アニメ制作現場が窮しているわけではないです。要は「温度・湿度の管理に無頓着」なだけです。

部屋の中の密集度によりますが、6畳ごとのブロックに温度計を1つ設置したいところです。コストをケチっても18畳で300円+税(100円ショップの温度計を3つ)ですから、決してできない事はないですよネ。

「温度計・湿度計なんて、部屋に1つあれば充分だ」と言う人は、おそらく、実際の仕事の実感のない人です。背の高い机の並ぶ作画ブースや廃熱の権化たるコンピュータがひしめくCG作業部屋では、熱が区画ごとにこもって、ほんの5mの距離で2度以上の温度差が生じる事もあります。26度で快く過ごせる場所のパーティションを隔てた隣りでは、28度の暑さを紛らわすために卓上扇風機が「強」で回り続ける事も、珍しくはないのです。

卓上扇風機を買い足しても、温度計は買おうとはしない‥‥のは、何か人間の「性(さが)」を見る思いです。

作業者だけでなく管理者にとっても、漠然と「暑い!」と感じ続ける状況を放置すると、ともすれば「エアコンを交換しよう」なんて話だって出てくるのですヨ。‥‥で、高出力のエアコンに交換してみたら、余計に区画ごとの温度差が生じたりして、環境設備のコストがまるで「銭失い」となる結果だって容易に想像できます。

まずは現状を把握するのが一番先です。大雑把な現状把握の元、大雑把な設備投資をするなんて、お金をドブに捨てたい人やることです。

なので、温度計。できれば湿度計も。

‥‥で、できるだけ温度計の購入費を下げたいのなら、100円ショップへGo!

100円ショップで温度計を買う「罠」は、表示誤差が3度くらいならノープロブレム‥‥という事です。仮に、3度低く表示される温度計と、3度高く表示される温度計を買ってしまったら、その表示誤差は何と6度! ‥‥これでは、混乱を増す結果になりますので、100円ショップで温度計を買う際は「誤差の少ない温度計」を選び出して買うのがポイントとなります。

「誤差の少ない温度計」を買うのは、実は簡単です。売り場に並んでいる全ての温度計の表示を見比べて、「表示が真ん中」のものを買えばよいのです。商品とはいえ温度計は売り場の温度を表示しているはずですから、例えば、
 
  • 25°の温度計
  • 24°の温度計
  • 25°の温度計
  • 27°の温度計
  • 23°の温度計
  • 26°の温度計
  • 25°の温度計
  • 27°の温度計

‥‥というようなバラつきがあったら、買うべきは「25°の温度計」ですネ。‥‥まあ、この方法の欠点は「売り場に最低3つ以上の温度計が在庫している必要がある」事ですけども。

もちろんですが、「23°の温度計」「25°の温度計」「27°の温度計」を3つ、むんずと無造作に掴んで購入しちゃダメですヨ。そんな事したら、もう、訳が解らなくなります。せめて「同じ温度を表示している製品個体」を複数買ってください。そうすれば、エアコンのリモコンの室温表示とのオフセットで把握もできますからネ。

もしお金を数千円支出できるのなら、Dretecなどの熱中症表示機能付き・最低最高メモリー付きのデジタル温湿度計がお勧めです。私が自宅や仕事場で使っているのは、以下のコイツです。1つ1200円くらいですから、3つ買えば3600円ですネ。



商品はよりどりみどりですが、Dretecのコレは、大きな文字と余計な表示のないシンプルさが気にいってます。デジタル温湿度計と、針で表示する温湿度計との大きな違いは、ニコニコマーク‥‥ではなくて、最低と最高の温湿度がメモリーできる点です。この機能により、誰もいない時の室温の上昇下降が把握できるのです。自宅でサーバを常時運用している人は、サーバ周辺に1つ設置して「サーバの環境温度の変化」を把握するのが良いですネ。

私は以前、100円ショップの温度計で温度を把握していましたが、今はデジタル計で「快適度」も含めて確認しています。

ちなみに、今の時期(6月の梅雨時)、怖いのは、以下のような「温度が低く、湿度が高い」状況です。





しっかりニコニコマークが出ていますが、マシン的には80%の湿度は結露のキケンと隣り合わせです。全体的には「低温多湿」でも、マシンの背後は「熱溜まり」なので、マシン周辺部だけ「高温多湿」になる可能性があります。私はマシン周辺のサーキュレータをいつもより強風に設定し、廃熱と乾燥で凌いでいます。

温度計や湿度計があれば、季節折々の色々な「状況判断」に役立ちます。

温湿度計を設置する場所は、「自分の目線」くらいの高さの位置が良いです。映像制作は座って作業する人がほとんでしょうから、着座から起立までの120〜180cmくらいの高さが適切です。「皆が見えるように高い位置」に設置すると、温度が高く表示されることが多いです。ロフトベッドに寝た経験のある人はお解りかと思いますが、暖かい空気は上のほうに集まるので、温度計の表示も高くなります。まあ、上の空気と下の空気の温度差を見るのに、高い位置に温度計が1つあっても良いとは思います。

‥‥とまあ、温度計の設置だけで、こんなに長く書ける‥‥ということは、温度計の設置だけでも色々なノウハウがあって、ズボラではマズいということです。私も20代の頃は、随分テキトーに温度と付き合ってましたから、温度や湿度に目がいかないのも解るんですけどネ。

もはや「作画机を並べれば作画スタジオ」という感覚は、時代とマッチしないのだと強く感じます。今は1980年代ではなく、2010年代なのです。ツイッターとかで「もっとギャラを高く」みたいな話を目にしますが、私としては、今の作業感覚のままギャラや予算を倍にしても、すぐに「状況は頭打ち」になると考えています。色んな小さい部分を大量にないがしろにしてきたツケが回ってきているのに、相も変わらず大雑把な処方を続けるばかりでは、単なる「延命措置」にしかならないと思います。

予算を倍にしたところで、今まで通りの室温や湿度ほったらかしの「よどんだ作業環境」で作業し続けて、何か新しい未来のビジョンなんて見えるのでしょうか。アラウンド50の世代は「逃げ切り」でも良いでしょうが、若い世代は?

自分の作業部屋や作業環境の温度や湿度を即答できる人はどのくらいいるでしょうか。温度・湿度なんて、作業環境作りの基本中の基本ですが、そうした部分をほったらかしにしてお金だけを積んでも、自分らの制作環境の向上とは全く無縁の別のどこかに揮発するだけ‥‥ですヨ。

温度の管理などは大雑把な人から見れば「議論するまでもない些細な事」なのでしょう。そしてそういう類いの人は、小さい事の改善には目を配らず、「秘密兵器」や「特効薬」ばかり期待して、かつ、長い会議が好きんですよネェ‥‥。

でも実は、小さい何かを地道に成し遂げて積み上げた「ちりつも」こそが、秘密の新兵器や新薬を生み出すんですけどネ。

CC同時使用、撃破

Adobe CC(Creative Cloud)のウリは、1ライセンスで2台インストール&2台同時使用だったわけですが、その「同時使用」の文言が、Adobe CC 2014が新しくリリースされたタイミングで、見当たらなくなっていますネ。私も人から聞いて、ちょっとビックリ。

つまりは結果的に、「2台同時使用」は、ユーザ獲得の為の、ある種のフィッシング〜釣りの1つ‥‥だったとも、言えなくもないスね。2台同時使用化で、財布のヒモが緩んだ人も多いんじゃないでしょうか。

詳細はそのうち明らかになるとは思いますが…

以前〜
 
Creative Cloud で提供されているデスクトップアプリケーションは 台のコンピューターに同時にインストールして使用できます。
 
2014年6月20日現在〜
 
Creative Cloud デスクトップアプリケーションは、オペレーティングシステムを問わず、複数のコンピューターにダウンロードしてインストールできます。ただし、ライセンス認証はメンバーシップに関連付けられている個人につき 2 台のコンピューターに限られます。
 

……と、とりあえずササッと手早く修正した感じの文面ですネ。​今は削除されているようなので引用できませんが、以前は「同時使用可能」とハッキリと告示されていたのにネ。いつのまにか、「同時使用」の文言がしれっとオミットされとる。

「同時使用可能」とは書いてないけど、昔のように「同時に使えるのは1台までです」とも言い切っていません。いきなり使用条件を覆すと反感を買うと思ったのでしょうか。「うやむやのうち」に、昔の条件に戻そう‥‥とでもしてるのかな?



‥‥と、今、Adobeサイドのブログで「2014/06/19」に修正された箇所が検索できました。

コレ。


引用〜「同時使用可能」の文字が「打ち消し線」になっております。昨日6月19日の修正らしいです。〜
「また、Creative Cloudは最大2台のパソコンまで同時使用可能インストールして利用可能(2014年6月19日修正)”となりましたので、例えば異なるバージョンのIllustratorを任意に選択して同時に使用する、という事も可能となります。」


同時使用を見込んで予算を立てていた人や会社は、かなり深刻なライセンスの内容・条件変更です。

2台同時使用の大盤振る舞いは結局、1〜2年くらいしか保たなかったのきゃ。

私は、同時使用が明記される以前に2ライセンス分(=2アカウント)で運用していたので、「また、もとに戻るだけか」という感じですが、‥‥まあ、こんな重要な変更を表にしたがらない時点で、「Adobe的に、後ろめたさMAX」なのが解りますネ。

Adobeのアカウント流出事件(クレジットカード情報も)の時と言い、謝る事のできない「大企業のイヤらしさ」満載だのう。アカウント流出の際のアドビの言い分は、「わたしたちも被害者です。ネットって怖いですね」的なまるで他人事のようなニュアンスで、「クレジットカード情報を含めた重要な個人情報を預かって運用している」自覚の乏しい内容でした。‥‥正直、あれにはガッカリでした。

アカウント流出からまもなく、月に2〜3通しかメールの来なかったライセンス専用メールアドレス宛に、わんさか、変なメールが大量に届くようになったので、アドビからメールアドレス情報が流れたのは「状況証拠」的に確実なように思われます。

まあ、今回も、アドビがどう動くのか、様子を見ましょ。

林檎

ここ数年のAppleって、何か、惹かれる要素が大きく減っているように思います。基準が「iPad・iPhone合わせ」になっている‥‥というか。

「便利」と「簡単」が短絡しちゃっている‥‥と言うか。

「難しいから面白い」と思うわけで、「簡単だったらつまらない」のです。

ティムおじさんは、高学歴で働き者かも知れないけど、「よく、そんな事、考えつくもんだね」という鬼才・奇才ぶりは、あまり「期待できない雰囲気の人」だよネ。それがそのまま、今のApple製品に反映されているように感じます。

Appleも秀吉よろしく、ジョブズ1代限り‥‥なのかな。‥‥でもまあ、それなら、それで。

エアコン撃破

エアコンがぶっ壊れました。というか、ぶっ壊したとも言えなくもなきにしもあらず。数年前から異音を発していた自宅のエアコンを、つい先日、とうとうトドメをさしてしまいました。

数年前からエアコン内部の何らかの回転ユニットが激しく異音を発しており、「おばあちゃんのチョップ」よろしく、ある一カ所を突くと異音が鳴り止んでいたのです。ただ、天井近くにあるエアコンを突くには何かしらの「長い棒状」の道具が必要であり、手元にあった「忍刀」(もちろん模造刀ですヨ)の鞘でゲシゲシ突いていたのですが、此の度、その突いていた箇所が大破し、臨終してしまいました。20年近く働いていたエアコンでしたが、まさか忍刀でとどめを刺すことになるとは。‥‥南〜無〜。

忍刀の鞘は、地面に突き刺して足場にするくらいのものなので、まあ、そりゃあ、製造20年も経ってもろくなったプラ部品なんて突かれれば壊れるか‥‥。最後の4年間くらいは、内部の異音が酷くて、いつ壊れてもおかしくない状態でしたが、忍刀で臨終するエアコンもそう滅多に無かろう。

ミキサーのススメ

映像制作をしていると、コンピュータをはじめ、DVD/BDプレーヤー、HDDレコーダー、iPhone、iPadなど、あれやこれやと機器が増え、都合、音声の出力も比例して増えていきます。

オーディオコンポが全盛だった昔は様々な機器をプリメインアンプに繋いでセレクタで切り替えて音を聴いていました。しかし現在は安価で手頃、高性能のミキサーが各社から発売されているので、今となってはブームが下火となって選択肢の限られたプリメインアンプよりも、ミキサーを買って機器を繋いでしまったほうが、結果的に安上がりで色々と融通が利きます。



しかし、ミキサーは何か「専門的な印象」があるのか、手軽に使う人はあまりいないようです。30年近くアニメ業界の色んなスタジオを見てきて、机にミキサーを置いて使っていたのは、ほんの数人の方々だけです。

もったいない。ミキサーって便利なのに。

昔は、ちょっとしたミキサーでも2〜3万円したので、軽い気持ちで買ってみる機会も無かったと思います。しかし、今はセール品とかだと5,000円以下、普通に買っても1万円くらいです。プリメインアンプを買うより手軽です。

1万円クラスのミキサーの使い方は、至極シンプル。機器を繋いで、各機器の音声レベルをツマミかフェーダーで調整して音を1つにまとめるだけ‥‥です。3〜4万くらいするミキサーだと、レコーディングに必要な多彩な機能(音声の道筋を色々と分岐させる‥‥とか)がついているので少々難しいですが、1万円のミキサーは「音をまとめて1つにする」のがメインなので、迷う事がありません。

例えば、以下のように機器を繋いで、1つのヘッドフォンと1ペアのスピーカーで音を聴く事ができます。もちろん、ヘッドフォンだけでも構いません。




聴きたい機器の音量を上げ、ヘッドフォンやスピーカーでモニター(音を聴く)します。音声レベルのまちまちな機器も、ミキサー側のゲイン(入力感度)で適宜無段階に調整できるので、あらかじめ音量の差を無くして一定に合わせておく事もできます。

さらにいまどきのミキサーは、USBオーディオインターフェイスを内蔵しているモデルも1万円くらいから買えるので、USBケーブルでMacやWindowsマシンを直にミキサーに繋ぐ事もできます。要はミキサーがUSBオーディオインターフェイス代わりになるわけです。



USB付きのミキサーをMacなどに繋ぐと、音を聴くだけでなく、コンピュータで録音する事も可能になります…が、まあ、録音する事はあまりないですよネ。MacOSXですと、「システム環境設定」の「サウンド」の入力・出力のリストにて、ミキサーを選択する事が可能になります。ベリンガー社のミキサーですと「USB Audio Codec」という名称でリストに現れます。

映像制作の作業場でもミキサーは重宝します。作業者それぞれがミキサーで音声をまとめておいて、メインチェックモニタのメインミキサーに送れば、自在に「出音(でおと)」を制御できるようになります。



作業者個々の映像をチェックする際、即座に映像と音声を切り替えて、監督・演出チェックができますし、音量を手元で如何様にでも調整できるのでとても便利です。ほどよくセッティング済みの「2ch」ステレオ音声がすぐに出せるだけでも、チェックは何かと円滑に進むようになります。

いちいち後ろに回ってプラグを差し替えたり、音量調節のできないセレクタで切り替えるのは、ピリピリしがちな映像チェック時には出来る限り避けたいものです。余計なストレスは排除し、スマートにチェックを進めたいですよネ。

「音は出る?」「繋いでないので出ません」‥‥なんていうやり取りで場が白けるのは、なんと言うか、わびしいですよネ。作業者がミキサーのフェーダーを上げれば、即座に音がモニタースピーカーから鳴るようにしておくと、チェック時だけでなく、オフライン映像のちょっとしたプレビューにも役立ちます。

私のオススメは、安くて有名な「ベリンガー」のミキサーです。選択肢が広く、様々なニーズに安価に応えてくれます。ネットで耳年増になった人とかは、音を聴きもせずに「安かろう悪かろう」なんてベリンガーをこき下ろしますが、プロのコントロールルームで聴くような場面でも無い限り、個人使用やアニメ会社の雑音の中で聴くレベルだったらベリンガーで十分です。

なんかさぁ‥‥、アニメ会社の音声モニタ事情って、往々にして劣悪ですよネ。テキトーなPCのオマケスピーカーで鳴らしてたり‥‥とか。音を実際に扱わないアニメ会社だって、音をモニタする事(主題歌のデモとか予告の音声とか)はいっぱいあるじゃんか。ベリンガーのMS16とQX1002USBで合計2万円もしないですけど、それでも、オマケスピーカーとかテレビ付属のシャカシャカした音よりは格段に良くなります。線撮にはべらぼうにお金を使うわりに、音声モニタ環境には一銭もかけないのよネェ‥‥。

まあ、ともかく、個人の環境は個人でレベルアップできますから、安価かつ良品質で使いやすい音声モニタ環境は、2014年の今はとても容易に揃える事ができるのです。

ちなみに、買う場合は「サウンドハウス」や「オフプライス楽器」など格安楽器店の通販でケーブルも同時に買うのがオススメです。特にケーブルは、アマゾンで購入するより楽器屋さんの通販での「まとめ買い」がお得ですヨ。アマゾンで1本ずつ買ってたら、出費が1万円くらい変わっちゃうかも‥‥ネ。

今さらだけどeSATAって

部屋の模様替えで、久々にeSATAのケーブルを取り回しましたが‥‥、eSATAのコネクタって、冗談みたいな規格だよネ、今さら‥‥ではありますが。

簡単にポロポロ外れる、このコネクタ規格は誰が考えたんだ?

eSATAのコネクタを「素晴らしい!」と誉め讃える人って、世界に誰か1人でもいるんだろうか。‥‥みんな「しょうがねぇなぁ‥‥」と思いながら付き合っているような気が。

USBもFireWireもThunderboltも、差すだけの頼りないコネクタではありますが、eSATAに比べれば50倍くらいマシな使い心地です。

Appleなどの大手が、eSATAをかたくなに導入しないのも、頷けますネ。SATA規格自体は安定してるのに、eSATAコネクタが「癌」なのよネ‥‥。eSATAコネクタがUSBのコネクタくらい安定してたら、もしかしたら歴史が変わっていたかも知れませんネ。初代のSATA(1.5Gbps)ですら、USBやFireWireに比べて、遥かに高速で安定していましたから。

全くもって頼りないeSATAのコネクタを保持する為に、私の場合は、周りから固める方法(周囲の何かにタイラップなどで固定する)でコネクタが外れないようにしています。

Thunderbolt2は、転送速度が20Gbpsと超高速で、コネクタも外れにくい(あんな頼りないカタチではありますが)のですが、いかんせん、普及が今1歩、2歩、3歩‥‥くらいなんですよネェ‥‥。

自宅環境の模様替え

10日がかりで取り組んでいた自宅の作業環境の模様替えが、日曜でようやくカタチになって、まずはひと息‥‥といったところです。まだ未配線の箇所が数カ所あり、完成してはいませんが、機材をバラす前と同じレベルには復旧しました。

下の写真は「模様替えしたわりには、雑然としたまま」のストレージのラックの様子です。写真に写すと、特にね‥‥。今回のトピックは、メタルラックを組んで、下にサーキュレータを設置し、メッシュの隙間から空気が流れるように工夫した事です。



USB3.0のHDDケースが3つ、FireWireのHDDケースが1つ、eSATAのHDDケースが2つ、NASが1つ、Mac miniが2台、旧Mac Proが1台‥‥と発熱天国(地獄)の一帯を、サーキュレータが強制的に風をかき回す仕組みです。これだけHDDが集合すると、とにかく熱がこもるので、「つべこべ言う前に風を送れ」‥‥です。


*メッシュの板や小物入れは全てダイソー(100円ショップ)取り扱い品。アナログミキサーはタイラップでメッシュに固定して、ラックマウントミキサー風な操作を可能にしてあります。ちなみに、この他にまだ机が3つあって、メインのPC&作画作業机、大面積のライトデスク(自作)、スプレーブースの机‥‥と言う状況で、机とラックが雑居高層ビルのように組まれた部屋になっています。

以前の状態からすると、空気の流れが大幅改善された「スッキリ配置」になった‥‥のですが、まあ、自宅なもんで、サーバルームとまではいかんスね。(‥‥あ、よく見たら「HDDケース」を「HDケース」とミスタイプしとる‥‥。)

私の部屋は、「サイレンの魔女」が来るくらい、色んな機械エネルギーが詰まっとるので、これでもかなり整理できたほうなんですヨ。

Mac miniにつなぐHDDケースについては、結局、ロジテックの黒箱オンリーになってしまいました。好みとかは一切反映されておらず、単に、MacOS環境において、「そこそこ安価で、とても安定している」からです。



上の写真の中の1台は作業エリアを専門に担当しており、箱側のRAID0で動作しております。まあなにぶん、RAID0ですから、1時間ごとの履歴バックアップで安全性を確保しています。速度は以下の通り。


使用機材は以下の通り〜
HDDケース:Logitec HDDケース 3.5インチ RAID (HDD2台用) USB3.0 + eSATA接続 ガチャベイ LHR-2BRHEU3
HDD本体:WD Red 3.5inch IntelliPower 2.0TB 64MBキャッシュ SATA3.0 WD20EFRX


中身はWDのREDで、単体でUSB3.0ですと120〜150MB/s前後しか出ないですが、RAID0だと上図の通り、WRITE 230MB/s、READ 280MB/sの速度が出ています。4Kのアニメーション制作においては、特にREAD性能が必要なので、まずまずの結果ではないでしょうか。アマゾンで普通に手に入る汎用製品だけで、2Gbps越えの速度が手に入るんですから。

今回にあわせて、小型のサーキュレータも新調したのですが、10年前と比べて、色々と良くて安いものが増えてますネ。アイリスオーヤマのこやつなどは、「弱」モードだと音がビックリするくらい静かで、思った以上の性能でした。「弱」送風だと柔らかい優しい風になりますが、メタルラックの隙間を風が枝分かれして流れていくので、充分に効果を発揮(熱い空気が停滞してよどむ事を防ぐ)できます。



しかし今回の模様替えは疲れた‥‥。積年の「場当たり&悪い加減」な配線や設置を解消する目的も含まれていたので、細々とした配線撤去と再敷設をベランダ側から雨に打たれながらチクチク・モクモクと作業する‥‥という。

全然使わなくなっていた2008年式のMac Proを、レンダリングに使えるように整備・設置し、デッドスペースに追いやられていた三菱のモニタも、モニターアームで設置占有面積(占有体積はそのままだけど)を必要としない「宙」へと移動しサブモニタとして戦線復帰、USBの配線もシェイプアップ(HUBのたこ足配線を改善)して余計なトラブルが発生しないようスッキリさせました。‥‥とまあ、盛りだくさんでした。

でもまあ、色々と苦労した甲斐あって、今年の夏はこの環境で乗り切れそうな予感です。

4Kは呆然とするほど重くはないですが、決してチョロくはないので、今までの制作環境では支障が出るのは必至です。限られた資金の中で、4K8K便乗の余計なものは導入せず、効果を発揮するものを導入する「環境づくりのノウハウ」が今後求められていくでしょう。

個人レベルの制作環境が、「狭い設置スペース」で「予算規模を出来る限り抑え」、「メンテ費用が安く」「自分で面倒を見られる」ものとなるのは、SDでもHDでも4K8Kでも同じ事です。

企業と言えど、最初からべらぼうな予算で新しい試みができる事は稀でしょう。むしろ、小さい規模から発展する事のほうが多いと思います。小さい規模と言えば、その最たるものが個人環境ですから、後々「プロ現場でも応用が利く」と思っています。「いざ」という時に、「ノウハウがまるで足らない」事のほうが、私にとって恐怖です。活きたノウハウはネットを徘徊しただけじゃ得られんスからネ。

 

管理する側、される側

私はアニメーターとして稼ぐ日々から、やがてアニメ作品におけるコンピューターグラフィックスの作業も請け負うようになり、ビジュアルアエフェクトやら撮影監督やら、実写のCGパート、実写やアニメのグレーディングまで、作業の幅を広げるようになりました。

そうした色々な作業の中で、「管理される側」と「管理する側」の両方を体験してきたわけですが、私が双方の立場において共通して「避けたい」「やりたくない」と強く思う作業が、「同じ情報を何度も記述・入力する手間」です。

例えば「カット名」や「カットの尺」。

管理する側は、ほんの些細な気持ちで、「何度も何度も」同じ情報を、作業者に繰り返し記述させたりキー入力させます。これは作業者にとって「単純にうっとおしい」作業であり、ケアレスミスが発生する原因でもあります。

アニメーター的な立場で言えば、「カット150、尺3+0」という情報は、レイアウト用紙とタイムシートに書いたら、それ以上はもう書きたくないですよネ。仮に「こちら側で管理する為に、作業が上がったカットは、パソコンでカット名と尺と日付と作業者名を入力して」と管理者から言われたら、「タイムシートが言わば伝票でしょ? それじゃダメなの?」と思うはず。

管理者側からすれば、簡単で少ない手間のように思われる作業でも、「同じ事を何度も繰り返すのは」嫌なものです。さらに「コンピュータで管理する為だけに、やらされる」のだとしたら、反発は必至です。

「コンピュータを使いたいのは、管理者側の都合であり、作業者にとってのメリットは無い」んじゃあ‥‥、イヤになりますって。

管理者がコンピュータで作業情報を管理したい、かつ、作業者がデータ入力を自ら率先しておこなう状況を作り出すためには、双方がメリットを感じられる「上手いからくり」が必要なのです。

アニメの撮影作業を例にとります。私が以前、劇場作品などで用いていた「xtools」というシステムは、作業を始めるにあたり素材ファイルを収集する時に、「FHX」というソフトウェアを起動し「カット名と尺」を対話方式で入力します。そうすると、カット名を認識した「FHX」が必要な素材を色々な素材保管場所から収集して、作業の準備を整えます。

作業者にとっては、「カット名と尺」を入力する代償として、素材をいちいち手作業で収集する手間を省けます。また、After Effectsで作業開始する際に、カット名と尺を自動設定するので、「プロジェクトファイル名」「コンポジション設定」の手間が省け、さらに「フッテージの読み込み」「コンポジションへのレイヤー配置」など、作業のお膳立てをしなくて済みます。これは明らかなメリットです。最初に「カット名と尺」を入力すれば、あとは「xtools」のソフトウェア群がデータベースと連携して情報を引き継いでくれるのです。

管理者にとっては、「誰がいつ、どのカットをどのマシンで、どんな作業を開始したか」「カットの尺」などを、「作業者本人の入力」によって得られ、データベースに蓄積できます。作業者がおこなうのは、あくまで「カット名、尺、トランジション」の入力だけで、「誰がいつ、どのマシンで、どんな作業」に関しては、使っているコンピュータのマシン名や日付、ログインユーザ、ソフトウェアの種別から、自動で情報を得られます。管理者サイドは、情報入力する手間を省けるので、やはりメリットです。

作業管理システムって、管理者側の視点が強くなり過ぎて、「え‥‥。また同じ事をキーボードで打つのかよ‥‥」と作業者をウンザリさせるベクトルに進みやすいです。「管理するために、協力してくださいよ」と言われても、メリットが無いなら、作業者的には「しょうがないからやる」モチベーションに落ちてしまい、やがて「ミスの多い入力」へと繋がっていきます。

「管理する側、される側」の「双方のメリット」。‥‥管理側だけの都合良さだけでは、人は動かんのです。作業者側〜管理される側のメリットを組み込んで、はじめて、活きた管理システム・自動処理システム・作業補助ツールになると思っています。

私が4Kに絡めて、以前の「作画」をコンピュータベースへと移行させたいのは、新しい映像表現の土台として、「作業管理」及び「作業の正当性の実証」の為にコンピュータを上手く使える‥‥と考えているからでもあります。例えば、「作業内容の重いカットを、素早くアップした」場合に、ちゃんと双方の実益に繋がるようなシステム作りが必要だ‥‥と思うのです。

制作管理システムを設計する際、金・作業内容・時間を全て扱える「極めて統合的」な管理システムでないと、アニメーション制作現場には上手く馴染まないと思います。管理する要素だけに限定して、作業者のメリットを「オミソ」にした管理システムは、作業者にとって厄介なものでしかありません。

「そんな風呂敷を広げ過ぎな‥‥」と思うかも知れませんが、私は「風呂敷は、広げる必要がある時には、広げるべきだ」と考えます。風呂敷を結んで閉じたままじゃ、そもそも風呂敷の存在意義がないじゃん。

要は、最初っからバカデカい風呂敷を広げようとするから途方に暮れるのであって、まずは小さい風呂敷から広げようと考えているのです。


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