知識の一角、作画の折り合い

私は、「銃器類」が得意であると、なぜだか思われる事があるのですが、実際はさほど詳しくありません。メカ好き=銃の知識も豊富‥‥と思われるのかな‥‥?

アニメによく出てくる銃について、私も含めて、何だかよく知らないままに、ポンポン気軽な頻度で作画する事が多いです。前回のブログは、そんなアニメ作画の「絡み」も込みだったのです。私が仕事で初めて(20歳の頃)描いた実銃はUZIでしたが、各パーツは何のために存在して、発砲するとどれがどんなふうに作動するか‥‥なんて、全く知らないまま描きました。

頻繁に登場する銃について、あまりにもメカニズムを知らないまま劇中で扱うのはイヤなので、同じ重量を謳う東京マルイやKSCのエアガンとかを手元には置いてありますが、やはり、何だかんだいっても実感は希薄、いわゆる「ガンアクション」なんていうジャンルにはとても手を出す気にはなれません。もしガンアクションをやるのなら、知識を併せ持った人が、シナリオから絵コンテまでやるべきでしょうネ。

知識を広めるために読書は不可欠なんですが、読書だけじゃどうにも解らないものもあります。例えば、手に持った時の大きさなど、資料写真があっても、どうにも実感が掴めないものは多いです。箸を使わない西洋人が、写真だけ見ても、箸を使って食事する実感を得られるでしょうかネ?

まあ、銃の場合は、東京マルイの安いエアコッキングガンを買えば、手との対比はわかります。しかし、シナリオレベルから関わるタクティクス面は、どうにも一般人には実感が乏しい‥‥というか、まるで実感がありません。あろうはずも無い。

20年くらい前に「特殊部隊上がりの凄腕の女キャラ(20代前半)」という設定の企画があったのですが、これは中々に機雷がウヨウヨしている設定ですネ。ちょっと触れただけでドカンと爆発しそう。特殊部隊上がりで凄腕な経験値を持つ人物が、20代前半なんてあり得るか?‥‥とかネ。

「そんなの、アニメなんだから、テキトーにごまかしちゃえば良いじゃん」とか思われるかも知れませんが、作劇の軸が「特殊部隊上がりの凄腕」という設定を活用しているので、逃げられないのです。でもまあ、年齢の問題は「伏せてシラを切る」にしても、本編中のアクション時の「身のこなし」「挙動」「フォーメーション」については、作劇上の重大な要素なので、シラを切れません。まんま、作品のクオリティに跳ね返ってきます。

同じく20年前の話ですが、架空戦記モノをやった時に、どうしてもコクピットの描写が上手くできなかった事があります。計器類のディテールなどもそうですが、一番上手くできなかったのが、コクピットの狭さの描写です。‥‥これは制作者側が、「当初から意識して」取り組まないと、大体は表現できない要素です。絵コンテの段階で狭さを意識した画面の切り取りをしないと、作画ではどうにも描ききれなくなります。

戦闘艦の艦橋(司令室)の描写もねえ‥‥。豪華ホテルのロビーみたいな描写がいっぱいありますしネ。作画時にどう折り合いをつけるか、かなりの悩みどころになります。もともと作りもののアニメが、もっとつくりものっぽくなってしまうのは、できるだけ避けたいと思うじゃありませんか。

ガンアクションをやるのなら、アメリカに行ってKilling Houseの体験合宿みたいなものを経験して肌身で実感したいですし、軍用機が出てくるのならば、できればコクピットに座って(実際に飛ばなくても)狭さを実感したいです。通常では得る事のない知識ですからネ。‥‥で、アニメだとそういう非日常要素を軽々と受注して描くハメになるわけですから。

ちなみに、零戦を見たければ(乗れないですが)靖国神社に行けば無料で見れますし、朝霞の陸自広報館(これも無料)に行けば生の戦車が展示してあります。地方に行った時は、各種の歴史的建造物に是非足を運んで見学したいものです。木材の使い方1つですら大きな発見と収穫があります。

本やインターネットから得る知識は必要不可欠ですが、もし実物を触れる機会があれば、作劇・作画時の折り合いのキャパを広げる意味でも、見ておくのが良いと思っております。

作画と言っても、いわゆるアニメーターだけでなく、色彩設計や美術、3D、コンポジット&VFX、編集など、映像表現のコアメンバーができるだけ知識を得るような取り組みが良いと、日頃から考えております。

知識の一角、読書の時間


創作に関する様々な場面において、知識や技術というのは必要不可欠なのですが、それらは「必要なものだけ有していれば良い」わけではありません。当座必要な技術や知識を「安定」させるためには、水面下の豊富な質量が必要です。つまり、氷山の一角のごとく、目に見える部分をささえる、目に見えない部分が重要だと言う事です。

例えば、作劇上、ハンドガン(拳銃)が出てきたとして、単に握って撃つだけの描写でも、ある程度の知識が必要になってきます。ほんの些細なポーズでもちゃんとやろうとすると、水面下に夥しいほどの知識が必要になります。

なので、出番が少なく、重要な要素ではない場合は、演出上で「描写・取り扱いをはぐらかす」事で「墓穴を掘らない」ようにするわけです。

しかし、例えば、ガンアクションのシーンがあるような作品だと、結構‥‥いや、物凄くしんどい事になります。萌キャラのアクセサリの一環として(カッコよいポーズ付けのための)ガンアクションなどを軽はずみに作品に導入しようものなら、素人誤摩化しの散々な結果に成る事が多いです。リアルな作風だと意識して準備しますが、女キャラ軍団を引き立てるための小道具的な扱いの場合は、準備が甘くなりがちです。当事者としては、かっこよくするために取り入れたガンアクションが、結果的に、すげェかっこわるいシーンになってしまう‥‥わけです。まずい事に、知識不足からにじみ出る「どん臭い」描写は、素人さんでもそこそこに嗅ぎ分けてしまいます。
*私も昔(OVAが流行ってた頃か)、そんな感じの作品に参加した事があります‥‥が、無理に実銃なんて出さずに、オカリナみたいな「未来銃」にしちゃえば良いのに‥‥と思ったものです。描くのも楽だし。

これは、もう、誰でもハマりかねない落とし穴です。

私も、その穴がコワい。とてもコワいです。

なので、必至こいて、知識を広く深くしようと、日々努めるわけです。追っ付ききれるものではないと解っていても、無意識による迂闊な描写や段取りを少しでも排除するために、知識は少しでも多くしておきたい。

ただ、これがネジ曲がって、実物・事実を優先するがあまり、全く融通の効かない作劇になるのは、本末転倒ではあります。要は、作劇上でウソをつくもつかないも、まずは知識を得たうえで、確信犯的におこないたい‥‥という事ですネ。シチュエーションを持て余して「アワワ」とうろたえている様は、ブザマなんで出来るだけ見せたくない‥‥わけです。

日頃、身近にあるものなら、何とか描写できますが、ミリタリー的な要素、過去の歴史、外国の生活習慣、外国の文化などは、自分の限りある時間と資金でまかなうために、書籍とインターネット上の情報に頼るほかありません。
*今まで一緒に仕事をしてきた監督・演出さんや作画監督さんは、車に詳しい人や、ミリタリーに詳しい人、また、原付バイクからクレーン車までオールラウンドに描けてしまう人がいましたが、その人たちの本棚を見ると、なるほど納得、知識の蓄積の片鱗を伺い知れる本棚のラインアップです。

‥‥ですが、文献を読むのは結構な時間を消費します。さらに、ある程度の量の情報を頭に叩き込まないと、頭の中で知識を体系立てる事ができません。

現在、私に一番欠如しているのは、「水面下の質量を形成」するための、「本を読む時間」です。欠如してちゃマズいんですが、他の事を優先せねばならないので、ぶっちゃけ、どうしようも無い状態です。ただまあ、電子書籍なども活用しつつ、どこでも読書ができる方法を準備はしていますので、多少は改善されるハズです。

何だか、自分の状況を顧みて、やる事を増やし過ぎているとは思ってはいます。‥‥だからと言って、やる事を減らしてもダメなんですよネ。常識的なスタンスでやってたら、想定内の事しか成し得ないもんな‥‥。パズルを完成させるピースは、どうしても必要です。

人には、それぞれ、自分の選んだ生き方があるでしょう。私はどうやら、片手間では完成できないものを、人生のターゲットに選んでしまったようです。

Apple

私は、1996年に本格的にコンピュータを使い始めましたが、思えば、それがApple製品との長い付き合いの始まりでした。

私が初めて自力でコンピュータを買ったのは1997年の12月ごろです。実は1997年は、MacかWinかで揺れていた時期でした。当時はGatewayというメーカーも健在で、価格的にやや有利なWindowsを買う直前まで進んでいました。しかし、習得の最中だったAppleScriptや、作業過程でシステムのトラブルを切り抜けた経験のあるMacOS、さらには内部に簡単にアクセスできる新しい筐体のPowerMacintosh 8600が発売された事により、Macを買う事になったのです。

考えてみれば、Appleが蘇生するタイミングで、私はMacを買った事になります。これは本当に、偶然、運、巡り合わせとしか言いようがありません。

1997年以前(かつ1992年くらい以降)のAppleの状況は、今のAppleからするとヒドいデザイン(これは見た目と整備性の両面で)のマシンが多く、ユーザ獲得競争の負け戦が商品展開から伺い知れるほどでした。裏にどんな事情があったかは、その後、様々な書籍を通して知る事になりましたが‥‥。林檎マークが無ければ、Macだと気付かないようなマシンもありました。4400とか最悪だったな(所有してたので、実感)‥‥。

「Appleはいつ消えるか解らない会社だ」と噂される事は日常茶飯事。実際、様々なソフトウェアで「次のバージョンからはMacOS版はなくなります」なんて事はよくある事でした。‥‥なんで、つい最近のAdobe CS開発終了を聞いても、免疫ができていたのでショックには感じませんでしたし、「土台がなくなった場合を想定して動いておく」事をAppleとの付き合いで「鍛えられて」いたので、特に動揺する事もありませんでした。散々、色んなソフトウェア会社からMacOS版を切り捨てられてきたので、頭の切り替え速度が向上したのです。‥‥言わば、地震に馴れちゃったのです。

だから、Appleが今後も安泰だなんて、とても楽観的に思えないのです。例え、一時的に「世界でトップクラスの企業」であっても。

これは今のAppleを見てそう思うのではなく、Appleだけではなく、何においても、「永遠」なんて事はあり得ないと思っているので、「何かが崩壊した時」を想像しているのです。歴史から必ず学べる最大の教訓は、「必ず滅びる」‥‥です。

自分は今のAppleに、何かマズい流れのようなものを感じてはいます。スカリー以降の流れが再現するのでは無いかと。‥‥ただ、その事に関しては「Appleの運命」として見守ろうと思っております。色々な事情が絡んで、運命の道筋が決まるんだからサ。

近年欠く事無く、日本発の色々なコラムで、Appleの危機とかやり方のマズさを指摘する記事を見かけますが、‥‥だったら、何でその視点や批判する能力を、自分らの国の落ちぶれ具合の改善に利用できないんだろう‥‥と思いますネ。随分見ましたよ、「iPodなんて売れない」とか、「iPhoneは日本じゃ流行らない」とかいう論調の記事。特にiPhoneの時は、「携帯電話の普及した日本に、iPhoneは浸透しない」なんていう記事を山ほど見ました。

ぶっちゃけ、自分、自分たち、自分たちの国を何とかしませんか。Appleに嫉妬してたって始まらないじゃん。高く舞い上がった事に嫉妬して、力が弱まり落ちてきた事を嘲笑う。‥‥醜いッス。他人のフリを見て「それ、みた事か」と識者ぶって批評に終止するのではなく、自分たちが高く飛ぶ事を考えてみてはどうか? 失敗するとカッコ悪いし責任を問われるから、やらないのですか。

しかし‥‥。今年のWWDCはどんなかなあ。‥‥家電メーカー路線へと突き進むのか、コンピュータメーカーの老舗としての面目を見せるのか。気になるところです。

やなぎ屋主人

見終わってすぐに忘れる作品もあれば、ずっと心に残り続ける作品もあります。今日、ふと、つげ義春の「紅い花」が読み返したくなり、アマゾンで注文しました。

私が好きなのは、「紅い花」の単行本に収録された「やなぎ屋主人」という作品で、口頭や文章では、うまく内容を伝えられない独特な作品です。映画やアニメにもできない、止め絵の連続するマンガという形態ならではの作品でしょう。

読んだ事すら忘れるマンガも多いのに、この「やなぎ屋主人」は、作品独特のニュアンスが脳に強烈に刻印されたまま、忘れる事の無いマンガです。

今でも私みたいなのが、新本(…なんて言えば良いのでしょう。いわゆる古本ではない新品の本)を買ったりするので、息の長い作品ですよネ。



ビデオカメラの選択肢



高性能な民生用AVCHDビデオカメラや、今どきのコンデジムービー録画機能は、「これで録画は充分」と思う事しきりです。実際、私の所有するソニーの2万円以下のコンデジ(カールツァイスレンズのやつ)のHD録画機能は、そのボディのコンパクトさからは想像もできない高画質録画ができます。

高画質でホームビデオなり取材用ビデオを録る際、もはやプロ用機材にでも手を出さない限りは、「性能はこれでもう上限」か‥‥と思っていると、今年6月頃に発売されるBlackMagicの新製品は、中々に「ソソる」内容を持って、誘惑してきます。

Blackmagic Pocket Cinema Camera

価格は10万円。「え、凄く高いじゃん」とか思われるかも知れませんが、これは、AVCHDのビデオカメラではなく、ProRes422(HQ)とロスレス圧縮で映像を記録できるプロ仕様の超安価な「シネマカメラ」の本体です。「凄く高い」のではなく、「凄く安い」のです。

レンズはマイクロフォーサーズのマウントなので、レンズの選択肢も種類・価格ともに豊富です。紹介ページではLumixブランドのレンズが装着されてますネ。

記録フォーマットはProResコーデックを採用しており、FinalCutでストレスなく編集可能でしょう。422(HQ)なので、HDCAMよりも高画質です。220Mbps(30fps時)の余裕は、画質にもしっかり表れます。ちなみにAVCHDは24Mbps程度、Blu-rayは30〜50Mbps、HDCAMは144Mbpsです。
*テープで編集渡ししていた時代は、私にとって、暗黒時代でした。ProResなどのデータ渡しフローなら高画質&スピーディーなのが解りきっているのに、HDCAMにテープ落としする悲しさといったら‥‥。居残りのテープ落としで時間を浪費し、トーンジャンプなど画質も劣化して、さらにランニングコストも高い。データで映像を作っているのに、テープ運用をいつまでも続ける‥‥。有効・有用なテクノロジをいつまでたってもフローに導入できないアニメ業界の限界を思い知る、数ある側面のひとつ‥‥でしたネ。

BlackMagicは、この他にも、USB3.0&ThunderboltでHDMIや各種ビデオ入力をキャプチャする機器を、2万円で発売してたり、プロにもアマにも訴えかける製品を多くリリースしています。

ポケットシネマカメラ。発売後のレビューが楽しみな製品です。

壁掛け扇風機

自宅の作業場に壁掛け扇風機を設置しました。クーラーに頼りきるのは色んな意味で避けたいので、クーラー微弱&空気循環で夏場を凌ごうと思っております。

いつものようにアマゾンで安いリモコン付き壁掛け扇風機を買ったのですが、通販は実物が来るまで解らないのが難点です。モーター製品は騒音の問題があるので、結構「賭け」な買い物です。

私が買ったのは、テクノスの「壁掛け首振り扇風機 30cm」です。結果は「中辛」で、文句も無いけど、満足もしない‥‥という感じでしょうか。あくまで、私の感想です。

結構、様々なメカニカルノイズを控えめに発します。風を切るブレードが存在するのが扇風機ですから、音がしないわけも無いのですが、「音程のとれる」音を微かに発するので、やや気になります。Abの音が風量の強弱に関係なく発生します。回転数の上下で音程が変わらないから、ブレードの回転とは関係ないように思われます。

首を振る時にもカタタ‥‥と音が発生してたのですが、1日使い続けるうちに消えました。馴染んだのかな? まあ、メカでは「慣らす」事で、メカニカルノイズが消えたり振動が少なくなったりする事はよくある事です。ヘッドフォンもそうですネ。買ってすぐに本来の性能が出る訳じゃないのがメカですから、まずは2週間くらいは慣らし運転期間です。

壁への設置は、いつものように、アンカーを埋めこんで、付属の壁掛け金具を設置しました。石膏ボードなので、アンカーによる下地は必須です。

私は空気の循環用途で導入したので、天井に近い高い設置位置です。‥‥ふと思ったのは、リモコンで左右の首振りだけでなく、上下も操作できないかな‥‥と言う事です。が、まあ、コスト面で難しいのかな。



QTのデュレーション取得スクリプト

色々弄っているうちに、「せっかくだからルーチンとして完成させてしまえ」と思い、前々回書いた、QuickTimeムービーのデュレーションを得るスクリプトをサブルーチンにしました。

以下。

tell application "QuickTime Player 7"
    my getQTDurationInfo(document 1, 8) 
end tell

--以下からサブルーチン

to getQTDurationInfo(_document, _offset)
   
    set _frameDuration to false
    try
        tell application "QuickTime Player 7"
            set _duration to duration of _document
            set _timeScale to time scale of _document
           
            repeat with t in tracks of _document
                if (type of t) as Unicode text is "vide" as Unicode text then
                    set _frameDuration to duration of frame 1 of t
                    exit repeat
                end if
            end repeat
        end tell
        if _frameDuration is false then return false
    on error msg
        display dialog msg--エラー時、いちいちdialogが出るのがイヤな場合はコメントアウト
        return false
    end try
   
    set _fps to (round (_timeScale / _frameDuration * 1000)) / 1000
    set _rfps to round _fps
    set _sec to _duration / _frameDuration / _rfps
   
    set _frameCount to (_sec * _rfps - _offset) as integer
    set _sec to _sec - (_offset / _rfps)
   
    return {movie_frame_count:_frameCount, movie_seconds:_frameCount div _rfps, movie_frames:_frameCount mod _rfps, movie_time_info:((_frameCount div _rfps) as Unicode text) & "+" & (characters 2 thru -1 of (((_frameCount mod _rfps) + 100) as Unicode text) as Unicode text), movie_time:(round (_sec * 100)) / 100, movie_framerate:_fps}
end getQTDurationInfo

上記ルーチンで、23.976, 24.0, 29.97NDF, 29.97DF, 30.0の5種類のフレームレートを試しましたが、全て期待した結果を返す事を確認しました。

パラメータ「_offset」はボールド(スレート)のフレーム数を入れると、尺から指定フレーム数だけ差し引いて、デュレーションを計算します。

(12+20)で23.976fps、ボールド先頭8フレのQTで試すと、

{movie_frame_count:300, movie_seconds:12, movie_frames:12, movie_time_info:"12+12", movie_time:12.5, movie_framerate:23.976}

‥‥のような結果を返します。ちゃんと8フレのボールドを差し引いた"12+12"になっていますネ。

さらに、(12+25)で29.97fpsノンドロ、ボールド先頭10フレのQTで試すと、

{movie_frame_count:375, movie_seconds:12, movie_frames:15, movie_time_info:"12+15", movie_time:12.5, movie_framerate:29.97}

‥‥のような結果を返します。これも合ってますネ。

60秒の29.97fpsノンドロは、

{movie_frame_count:1800, movie_seconds:60, movie_frames:0, movie_time_info:"60+00", movie_time:60.0, movie_framerate:29.97}

となり、期待した結果になります。QuickTime Playerの情報ウィンドウだと「0:00:01:00.06」とか表示されて混乱しますが、上記ルーチンはちゃんと60秒ジャストの尺を返します。

ちなみに、尺が(59+28)のドロップフレームのQTをルーチンで処理しても、ちゃんと59+28を返します。

日々、こうしたルーチンをストックし、スクリプトコンポーネントに書き込んでおくと、とても楽に、面倒な処理のスクリプトがスッと作れるようになります。

スクリプトコンポーネントは単にサブルーチンを記載したスクリプト書類です。load scriptでスクリプト書類を読み込み変数に入れて、中身のサブルーチンを呼び出すだけです。

set myComponent to load script [任意のファイルオブジェクト]
set theResult to myComponent's getQTDurationInfo(document 1, 8)

最近は、本業を絵作り中心に戻そうと思っていますが、やはり、スクリプトで環境を武装しておかないと、不毛な時間的ロスが発生し、巡り巡って、絵作りの時間が奪われる事になります。あまり夢中になりすぎないように、自制しながら、スクリプトやプログラムと付き合い続けていこうと思っています。

ちなみに‥‥AppleScriptをいじった事がなく、他の言語でプログラムをやる人は、

 if _frameDuration is false then return false

‥‥なんて記述を見ると、不思議に思う事でしょう。AppleScriptは、値が存在すればtrueになるわけでは無いのれす。undefinedとかをfalse扱いにしたりも出来ません。いわゆるundefined的なものは、AppleScriptにおいては、スクリプト文の構造上の欠陥と見なされます。「存在しないならfalseだよ」とは行かず、「存在しないのはスクリプト文のエラーだ」となります。‥‥めんどくさいっすネ。結構、「型にウルサイ」やつなのです。


追記:ルーチンにちょっとミスがありました。ビデオトラックを検索する部分です。

誤記「set _frameDuration to duration of frame 1 of track 1 of _document」
訂正「set _frameDuration to duration of frame 1 of t」

誤記のほうは、何のためにループ文でトラックを検査しているのか、意味の無い書き方になっちゃってますネ。見直してたら気付きました。
‥‥まあ、いわゆる「撮影上がり」はビデオトラック1つだけの事が多いので、エラーもなく完了する事も多いのですが‥‥。


Numbersのスクリプト制御

NumbersはそこそこにAppleScriptで自動制御が可能なので、使う気になれば、色々な場面で役立ちます。Numbersの関数と、AppleScriptの各種コマンド、AppleScript上で作った自作の関数などを組み合わせると、日々の作業や日常生活で特に不満を感じる事なく、便利に使えます。

表計算ソフトウェアとしてのExcelの優位性は疑う余地の無いものですが、前に書いたエディットシート程度の内容や、バーコードなどのラベル作成、当座の集計表くらいならば、Numbersで充分こなせますし、レイアウトの自由度が高く、フォントが(お金をかけずに)奇麗なのは、Numbersならでは特徴です。おそらく、Numbersの開発意図も、Excelと「ビジネス分野で競合するつもりはない」のでしょう、Excelのビジネス寄りの盲点を突いた設計思想になっていますネ。

Numbersをスクリプト制御する際のコツは、「ある程度、Numbers内で作っておく」事です。要は、Numbersの関数と協同してスクリプトを実行するわけです。例えば、行番号はNumbersで「row()-1」(1行目が見出しの場合)で自動表記するようにしておいて、コンテンツはAppleScriptで流し込む‥‥みたいな。そうしておくと、後で「この行は不要だ」と削除した時に、いちいち行番号を書き変えなくてすみます。行番号までAppleScriptで流し込むと、任意の行を削除した時に面倒な修正が必要になります。

レイアウトもスタイル(フォントや文字サイズ、字体や装飾)も、Numbersであらかじめ作っておきます。スタイルや行揃えまでAppleScriptで制御しようとすると、無駄にスクリプト作成に時間がかかります。行を追加した時などは、Numbersはスタイルを前の行の状態を継承しますので、スタイルもひな形で事前に作っておけば、AppleScriptでの手間を省けます。

ただ、スタイルは「セルに1種類」と考えて、ひな形を作る必要があります。Numbers上では、セル内で内容文を改行し、行ごと(文字ごとでも)にスタイルを使い分ける事は可能ですが、AppleScriptで単純に値を流し込むと、行頭のスタイルで全て統一されます。スクリプトに対応するひな形のデザインをおこなう事で、最小限の手間でNumbersを思いのままに自動制御できるようになります。

私は、NumbersとAppleScriptを用いて、倉庫収容物のデータベースからバーコード付きラベルを印刷したり、QTファイルのレンダリング速度のアベレージを一覧表にしたり、「手でやると面倒な」作業を自動化しています。

アニメ制作においても、制作さんからCSVファイルを提供してもらい、自分の作業内容と照合して、結果をNumbersの表に出力するような事もできます。

人間の時間は限られたもの、24時間から睡眠時間を除いた時間しか与えられていなので、コンピュータでもできるような仕事は、どんどん自動化して、人間でしか出来ない事柄に時間を費やすべき‥‥と考えているのです。

このあたりの記事は、「片手間スクリプト」的なコラムにまとめて、もっと詳しくコードとかも書いて、リファインすべきかな‥‥とは思っております。Macを使ってるんなら、AppleScriptやiWork、XcodeやObjective-Cを使わないのは、もったいないもんネ。

QuickTime Player 7 と Numbers でエディットシート

今更ながらの話題ですが、QuickTime Players 7とNumbers、そしてAppleScriptがあれば、QuickTimeムービークリップの基本事項を記した一覧表、いわゆるエディットシートを自動で作る事ができます。最近、必要に迫られて昔のスクリプトをブラッシュアップした事もあり、忘れないうちに書き留めておきます。

NumbersはMacOSXの定番表計算ソフトウェアですが、システム標準装備の奇麗なヒラギノフォントなどを用いて作表できるので、見栄えの良いドキュメントを作成できます。AppleScriptを用いて、セル内の値の書き換え、行や列の追加などが自動処理できるので、ひな形ファイルでスタイルを作っておけば、最小限の手間で、スタイル付きの読みやすくて奇麗な表を作る事が可能です。

一方、QuickTime Player 7 は、AppleScriptを用いて様々な操作を自動で処理する事ができます。フルコマ〜数コマ毎の連番書き出し、映像の変換、字幕やインデックスの挿入、映像のカット&ペースト、サイズの変更など、自動処理できる内容は盛りだくさんです。もちろん、ムービーファイルの情報取得も可能です。

Numbersはひな形ファイルをまず作ります。タイトルのテーブルを作り、一覧表のテーブルも作ります。表に名前をつけておけば、「table "お好みの名前" of sheet 1 of front document」で任意の表へとアクセスできます。セルの指定はとても単純で、1行目左からカウントしていくだけです。例えば、8列2行の最終セル〜つまり一番右下のセルは「cell 16」となります。

行を下に追加したい場合は、add row below cell [セル番号] で簡単に追加できます。例えば、先ほどの8列2行の表に行を1行追加したい場合は、add row below cell 9、または、add row below cell 16などで下に追加されます。命令自体はとても簡単。

セルの内容を書き換えたい場合は、set value of cell [セル番号] to "ほにゃらら"で書き換えられます。空欄にしたい場合はvalueを""にすれば良いですネ。

ひな形ファイルはFinder上で複製して日付でリネームするのが楽です。日付けは、do shell script "date +%y%m%d"で、容易に省略した年月日が取得できます。"130510"のような書式は、下手にdateクラスを使うより、shellのdateコマンドを使ったほうが断然楽ですネ。

表の操作が可能になれば、あとはQuickTime Player 7で取得した情報を各セルに流し込むだけです。

QuickTimeはDuration(いわゆる尺ですネ)をタイムスケールの単位で表します。タイムスケールが480だった場合は、10秒は4800という値になります。タイムスケールは大きな数値の事もあれば、24という素直な数字の事もあるので、実際のファイルから取得して計算するのが安全です。duration / time scale で秒数は取得できますが、24コマ表記にする場合は、ちょっと頭をヒネって、変換式を作ります。

ビデオそのものの情報については、「ビデオトラック」の情報へアクセスします。コーデックを知りたければ、「data format of track 1 of document 1」です。
*これはPlayer上で一番手前のドキュメントで、かつトラックがビデオトラック1つだけの時に有効なスクリプト文です。トラックが複数ある場合は、track 1 でビデオトラックを指定できるとは限りませんので、trackの種別を調べてから情報を得る必要があります。でもまあ大概、After Effectsでレンダリングした「撮影上がり」QT は、トラックは1つだけです。

ビデオトラックよりもさらに細密なframeにアクセスすると、フレームレートなどが計算できます。ただし、23.976fpsはちょっと厄介です。「例の誤差」はご多分に漏れず、QTでも発生しますので、めんどくさがらずにサックリ対応します。

QuickTimeの場合、1分につき0.06の誤差が発生し、情報ウィンドウにも本来「60秒」であるはずが、堂々と「60.06秒」として表示されます。しかし、これではNG。しかと本来の尺になるよう工夫します。例えば、以下みたいな。

tell application "QuickTime Player 7"
    set dur to duration of document 1
    set ts to time scale of document 1
    set f to duration of frame 1 of track 1 of document 1
   
    set fps to (round (ts / f * 1000)) / 1000
    set sec to dur / f / (round fps)
end tell

duration of frame 1 of‥‥の下りは、After Effectsで言う「frameDuration」ですネ。fpsはそのまま計算すると「23.976023976024」なんて数値が返るので、野暮ったいやり方ですが、下3桁に丸めています。

上記スクリプトで処理すると、60秒のムービーはちゃんと60の値を返します。60.06(60+1)とかにはなりません。

fpsは23.976ですが、実際は24(四捨五入で)で計算をし、60秒ジャストの尺が返るようにします。せめて未来の120fpsは120.0であって欲しいですが、59.94なんてレートが存在するから、やっぱりダメだろうなあ。

そんなこんなで得た情報を、Numbersの表に流し込むと、整然とした書式の一覧表が出来上がります。

ブログなので、細部の説明はかなり端折っていますが、いつか本家サイトで詳しく紹介できたらと思います。



お役所仕事と萬屋仕事

私が以前書いた「作業区分を作業基盤で明確にすべし」という論調は、ともすれば、柔軟性を欠く、お役所仕事(と一般に言われている)に終止する危険性をはらんでおります。

かといって、あまりにも何でも対応すると、些末な事や前例のない事を大量に「タダ」で引き受けて自滅しかねません。

難しいものです。

私の場合、まず、「今回の作品の自分の役割」を明確にして、キャパシティと作業費目を確定します。撮影監督と撮影一式を自分と自分の部署で引き受ける場合は、人員と一日あたりの作業消化ピーク、各スタッフの技量などを考慮して計画を立てます。撮影監督としては、カット内容の監督・演出さんとのやり取りはもちろん、カットの詳細を記録・照合するデータベースも稼働し、作業記録もとっていきます。コンポジットの映像表現者だけでなく、作業事務も兼任するわけです。高品質な映像をコンポジットし、編集入れで尺やカット漏れがないように厳密なチェック機構を設け、かつ納期にも間に合わせるように、体制を敷きます。可能な事と不可能な事を、監督・演出さんに理解してもらう折衝もおこないます。

エスカレートする要求を抑えつつ、枠内でクオリティを最大にしようと努めるのです。枠内でできない作業内容は事情を説明して断る事もします。

一方、特殊なコンポジット内容を集中して引き受ける時は、撮影監督の意識とは全く変わります。納期を守る事はもちろんですが、全体視野ではなく、引き受けたカットのクオリティを特に重視するスタンスへと変化します。監督・演出さんの難易度の高い要求も、できるだけ期待に応えるべく、通常の撮影ではクオリティオーバーな内容も積極的に引き受けます。

現在のソフト・ハード性能を最大に活用しようと努め、従来の枠から飛び出たオーダーにも、積極的に対応します。今までにない作業内容でも、できるだけ引き受けて実現できるようにします。

つまり、引き受ける役割〜作業費目によって、私は「お役所」と「よろずや」の側面を使い分けている事になります。

しかし、こうした使い分けは、私だけの自己操作で成り立っているとは言い切れません。むしろ、私を使う監督・演出さんとの日頃の付き合いがあってこそ‥‥かも知れません。「使いどころ」を知っている人と一緒に仕事してこそ、最大限に能力が引き出せるだと思っています。

つくずく、自分は「工場型では無い」なと思います。「工房型」なんでしょう。

私が工場型をどうしても受け入れられない理由はいくつもありますが、解り易い理由としては、「工場の生産ピークに合わせて体制を組むと、工場はそのピークを保つように仕事を回さないと、立ち行かなくなる」と言う事です。

アニメって、工場で作るような需要が、未来まで継続するんだろうか。6年後、12年後、24年後、需要は維持されるのか。需要が減った時、どこにしわ寄せが行くのか。

そんなわけで、私は今は、「その時必要だから」という理由で、安易に人を増やせない、増やすべきではない‥‥としみじみ実感しているのです。「勝ちのパターン」が明確に、具体的なものとして、見えてこない限りは。

‥‥話題を元にもどして、この「お役所」と「よろずや」のバランス感覚、使い分けは、実はかなり重要な要素だと思います。

作業に目の回る日々を重ねていると、使い分けなんて面倒でできなかったり、12年後の自分を想像して今から準備するなんてやる気が出なかったりしますが、これは自分をプロデュースする上で、どうしても必要な行為・取り組みだと考えています。

ぶっちゃけ、タイムスリップして、30代の私に強く言い聞かせたい気分なのです。

使い分けなどの運用面、6年毎の近未来への準備、12年後へのインフラ構想などは、実は30代くらいのキャリアを積めば、充分行動開始できるものです。要はどれだけ、そこに意識を向けられるか‥‥です。

私はあと6年、はやく行動できてれば‥‥と、やや後悔。6年の意識の遅れはキビしいですが、取り戻そうともがいております。


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