怪優

私はゲームをほとんどやらないのですが、唯一、軽めのフライトシミュレータだけは息抜きにやります。私の好きなのはF-14(つーか、F-18, F-14, A-6, C-2, ハリアーの5機種からしか選べない)で、アメ車みたいな乗り心地がたまりません。

で、ほんとのF-14が飛ぶところを見たいとなると、トップガンとかファイナルカウントダウンを観る事になるのですが、特にファイナルカウントダウンはハイビジ(色鮮やかなマーキング)の米海軍機が総出演で、今となっては貴重な映像がてんこ盛りです。映画そのものの話のスジは、まあ‥‥いいじゃないですか‥‥。

今、ファイナルカウントダウンの飛行シーンを見返すと、いやまあ、凄い迫力です。CGに見慣れた現在の目で見ると、実写・実録のホンモノの実機がどれだけ凄みがあるのか、思い知らされます。

重いF-14が空力を駆使して、エグいマニューバを見せるカットなんかは、「実写だとなんでこんなに迫力がでるのか」うまく分析できません。実写というよりはもう、「実録」の凄み、ですよネ。

映像を頭で想像する面白さもありますが、「頭で考えてるよりも、実物は不思議な動きをする」事に、しみじみ感じ入ります。頭で考えちゃうと、飛行機はみんな行儀よく、機首を進行方向に向けて飛ばしがちですが、こういうのって(YouTube)かっこいいですネ。

このファイナルカウントダウン、日本人の私から見ると、ちょっと悲しくなる部分もある映画なんですが、基本的には「娯楽」作品です。登場人物がどんな深刻な会話をしてても、あくまで娯楽。なので、F-14が「やったるでー!」と意気込む時にVG翼が後退する描写(低速な零戦を相手にする時にはむしろ‥‥)も、気分盛り上げ演出として気になりません。つーか、この作品に理屈で突っ込むのはヤボだよネ。「スペース・トリック戦争巨編」だもの。

なんちゅうか、ポップコーンのバターの匂いがするような映画。ただ、実機が登場するシーンだけは物騒です。軍用機はその出自ゆえ、どうしても「怪優」になっちゃうのですネ。

*しかしなんだ、この映画もご多分に漏れず、零戦(テキサンだけど)の風防の脇に、奇怪な日本語モドキの文字が書かれていますネ。

コンピュータで絵を動かす‥‥という事

Photoshopがもはや「Photo」の「Shop」ではないように、After Effectsも「After」な「Effects」を施すソフトウェアでは、もはやありません。アニメ業界では「高機能撮影台」としての役割を今でも担い続けていますが、私にとっては「アニメーションの汎用ツール」であり、「撮影台」という従来の枠には収まらない使い方をしています。

前に紹介した簡単なモーションの「セル画風カット」は、After Effectsで「動画・仕上げ・撮影・ビジュアルエフェクト・グレーディング」を一括でおこなったものでした。背景は実は、自宅の駐車場です。

数年前に作ったものを見返してみると、ちょっとだけタイミングを変更してみたくなりました。After Effectsをモーションツールとして使っているわけですから、もちろん、キャラの動きのタイミング変更も可能です。以下のムービーがソレです。

安易にストレッチなんか使ってませんよ。あくまで動きの修正(中絵を抜いたり、シート変更したり、ポーズを変えたり)をおこなっています。



こうしたAfter Effectsを「After Effects以外」で用いる取り組みは、既に2005年くらいから始めており、今では未来のビジョンを持てるくらいに技術が熟れてきました。

そうした試行錯誤の中で得た、私の現在の見解としては、「セル画風のアニメは、紙の上に手描きで描くのが一番」という事です。違う言い方をすれば、「After Effectsをセル画時代のアニメの代用ツールにしたくない」‥‥とも言えます。

なぜセル画があのようなヌリ分けのスタイルになったのか、また、線画&ヌリ分けの絵を基軸として発展した動きと演出の技術とはどのようなものだったか。数々の「演出技法」「原画技法」の「発明」があり、まさに「必要は発明の母」だったわけです。「セル画と背景を撮影台で撮る」ために様々な技術発展を繰り返してきたのです。撮影台に写らない物は描いてもしょうがなかったのですからネ。

After Effectsで絵を動かすのならば、セル画にする必要はありません。演出技法も変わりますし、動きの技術もリファインしなければなりません。わざわざ「セル画時代の模倣」をする必要がないのです。

After Effectsでアニメーションを作る意味は、「旧来〜現在のアニメでは作れないもの」「セル画では作れない絵」を作る事だと思っています。なんでわざわざセル画を模倣して、世界の頂点と言っても過言ではない日本の作画技術の「ダウングレード版」を作らにゃならんのか。鳥類がチーターに陸上走で戦いを挑むような事などせず、むしろ空を飛ぶべきだと思います。After Effectsでセル画アニメの模倣をする事は、自ら「飛べない鳥」になるようなものだと思うに至ったのです。チーターやトラに憧れるのなら、鳥類は猛禽類〜ラプターを目指すべきだと思うわけです。

「空を飛ぶ」とはどういう事か。その比喩、暗喩がどうも解らない人は、まだ地上の呪縛の中にいるのかも知れません。一度、地上から目線をしばらく離してみるのも良いかも知れません。


ちなみに‥‥ですが、デジタルを安易に捉える人々は残念ながらまだ存在するようなので、注釈を追記しておきます。ここで紹介した「タイミングの調整」を早合点して、「撮影さんでもセルの動きが調整できるんだ」とか思いこまないでください。私は絵を描いた張本人で、動きのイメージもあるから調整できるんであって、アニメーション・モーションの訓練や作業経験を持たない人にムチャぶりしてはいけません。テキストエディタが使えるからって、誰でもシナリオが書ける訳じゃないでショ。「デジタルがあれば誰でも何でも出来る」と言う考えは、もうヤメにしておきましょうよ。特殊技術者として監督さん・演出さんと信頼関係(とそれに見合った報酬)が築かれているならまだしも、「デジタルだったら」というだけで、作画以外の人に作画ライクな事を発注するのは、トラブルのもとです。

弱者こそProRes4444

Appleの「ProApps」に付属するQuickTimeコンポーネント「ProRes」は、特に品質面において優れています。

そのなかでもProRes4444は、MacのQuickTime Playerでリアルタイム再生可能なのに、非圧縮映像と見分けがつかないほどの高画質を誇る、「低容量・高画質」のコーデックです。

プロの現場は、実は意外に、機材の選択は「いろんな理由で」不自由です。なので、画質がイマイチと思っていても、ファイル形式やコーデックを変えないまま、制作を続けたりします。

私の作業グループでは、ProRes422(HQ)以上のコーデックを常用しています。中でも、私が編集まで請け負うインハウスの作品では、ProRes4444基盤の12bitワークフローで作業を完結しています。(2013年現在はまだ10bitベースが多いですよネ)

自己研究など自宅で作る映像に関しても、通常はProRes422(HQ)を使い、本気のマスター映像はProRes4444を使います。After Effectsの16bitレンダリングのクオリティが、ProRes4444でより一層具現化できるのです。

ぶっちゃけ、アニメ制作現場で常用されるAvidなどの圧縮コーデックより「目に見えてハッキリと」画質が高いのです。特に暗部などの表現力は、格段に違います。

DVDやブルーレイ、地デジの視点だと、「ビットレートだけ、そんなに高くても」と思いがちなんですが、現行メディアに「映像の質」を合わせたがために、後でツブしが利かなくなった作品は、山ほどあり‥‥ますよネ。マスターは高品質に作っておいて、DVDやブルーレイ向けにダウンコン(色んな部分で)すれば良いのですから。

ProResを使うのに、高いライセンス料は必要ありませんし、とりあえずは内蔵のSATAのHDDでも再生できます。安価に環境が構築できるのに、プロ現場と同等、場合によっては凌駕する品質が得られる「弱きを助けるコーデック」なのです。1997年生まれのHDCAM(144Mbps)なんて目じゃないですよ。

ProResコーデックの入手法は、「Compressor」を買うのが一番安い‥‥のでしょうかネ。「Compressor」はMacOSX用の映像変換ソフトですが、ソフトの中(パッケージ形式になってます)を開けるとProResコーデックが見つかります。それをAfter Effectsでも使えるようにリンクしておけば、QuickTime7やAfter EffectsのoutputModuleから出力できるようになります。

個人やアマチュアの人ほど、ProRes4444を使って欲しい‥‥ですネ。せっかく苦労して作り上げる自分の作品に、マシンの都合でトーンジャンプが出ちゃうのって、あまりにも悲し過ぎるじゃありませんか。

After Effects 12.1

アナウンスがありましたね。下記URLにて。

Announcing After Effects CC October 2013 update (v12.1)

  • 3D Camera Tracker and Warp Stabilizer VFX analysis of footage is a WHOLE LOT FASTER.  It’s now fully multi-threaded, and we’ve seen results going from a 60% speed increase to in some cases 8 times faster analysis depending on machine and footage.
  • snapping and property links: significant advancements to composition layout and layer control for complex projects
  • HiDPI content viewers for Retina display on Mac
  • new mask tracker for simple tracking of masks
  • Detail-preserving Upscale effect: This continues on the theme we started with adding Bicubic sampling in After Effects CC (12.0). We hear loud an clear from you that scaling (especially with 4K and ultraHD coming) is very important.
  • The Cineware effect now allows connection to Sketch & Toon as well as the Cinema 4D Physical renderer for customers of Cinema 4D Broadcast or Studio
  • media management enhancements with auto-opening of folders in the Project panel, as well as an early preview of the Media Browser panel, based on the Media Browser in Premiere Pro
  • new cards added to GPU list for CUDA acceleration of the ray-traced 3D renderer, as well as a preference to enable the use of untested, unsupported GPUs for this feature

目玉機能‥‥というよりは、使い勝手改善、便利機能の追加‥‥といったところでしょうか。

私がAEを使い続ける理由

Adobeが「CC」を発売開始して、以前では考えられないくらい安価に、フルスペックのAdobe製品を使用できるようになったのは、つい1年前くらいの事でした。

一方、Nukeなどのプロ現場で使われるソリューションも30万円代から買えるようになったり(1年前のキャンペーン価格)、Smokeが50万円代だったり、個人でも「買えなくもない」価格になってきました。

しかし、私は今のところ、「CC」で充分だと考えております。一番現実的なのはCCだ‥‥とも思っております。

ソフトウェアやハードウェアは、「一度買ったら、それで安泰」ではありません。維持費やメンテ費用を忘れてはならないのです。今度出るMac Proだって、数年後には低速なマシンになっているしょう。2012年のNukeを2020年に使い続けられるんでしょうか。‥‥つまり、買い換えやバージョンアップの費用を、「導入したら最後」、払い続けなければなりませんが、高スペックな初期導入費用の高価な環境ほど、相応に高額となり、少なくとも個人ではかなり維持がキツくなるでしょう。

なので、ビデオ編集の仕事を高回転で回すようなプロ向けスタジオでも無い限り、例え購入したとしても、最新スペックの状態を維持できないのが現状だと思います。(アドビが目をつけたのも、そのへんだよネ)

私はビデオ編集スタジオを主宰しているわけではないので、NukeやSmokeが数十万円へと価格改定して安価になっても、「今の価格ではナシだな」と思ってしまいます。販売元にしても、CC互角の1ライセンスあたり月5,000円換算なんて、ありえないでしょうし。

そして何よりも重要な事は、そのハリウッド系のプロ向けソリューションが、私のニーズに応えられるか?‥‥です。

例えば、「銃を構えている女性」の1枚絵を描いた線画オンリーの原稿(原画)があるとします。そこから「線画にセル画風に色を塗って、"駆け寄って銃を3発撃つ(で、残弾が0になる)" アニメーションを作る」という事がAfter Effectsでは可能です。こんな感じで。



上のムービーの制作時間は、全く素材がゼロ(注1)のとこからスタートして、1人足(=つまり私一人)で半日です。リギング(注2)が大雑把なんで、少々「止め絵」感がでちゃってますが、このくらいの事はAfter Effectsで普通に基本機能だけで(操作が簡単だとは言いませんが)可能です。Photoshopでの背景作成も込みで「セル画風の映像を、どれだけ短時間でできるか」を数年前にテストしたものです。
(注1)YouTube画質ではわからないかも知れませんが、線画は速描きしたのに加えて最近の定番の「ステッドラー」「こな雪」を使ってないので、線質がガサガサしてます。でも逆に、作風によっては「味」に使う事も可能でしょうネ。
(注2)2Dでもリグは重要で、リグ次第で制作時間やクオリティが大きく変わります。


Nukeとかって、線画のスキャン画像をポンと渡されて、完成映像まで作れるんだろうか。After Effectsは彩色はもちろん、いざとなれば背景だって描けますが、おそらくNukeとかはビジュアルエフェクトとか映像合成加工に特化してしまっていて、こんなキワモノ的活用法なんて考慮されてないんじゃないかな‥‥と思います。つーか、そんな事を想定しているソフトウェアって皆無だとは思いますが、少なくともAfter Effectsはその要求に応えてくれています。

私が今取り組んでいる映像の研究は、上のムービーのような「セル画時代のアニメの代用品」ではなく、ずっともっと先の意識、画具・画材としてのコンピュータの性能を活かしたアニメーション表現です。未来視点からすれば、上のムービーはまさに「極・初歩編」とも言えます。その「未来のアニメーション技術にとって初歩的な事」が、実質CCの何倍も維持費のかかるNukeに出来るのかな?

ハリウッド由来の高価な機材にココロを動かされるのは、もちろんあります。しかし、結局は総合的な判断で、After Effectsが一番「何でもできそうだ」というキモチに落ち着きます。

ただNukeとかも、「私がAfter Effectsに馴染んだ、同じぶんだけ」使い込めば、ひょっとしたら、キワモノ的操作ができるのかも知れません。‥‥しかし、それにはAdobe CCくらい安くならないと、私は手を出せないでしょう。ハリウッド系機材に数十万も使って高い維持費を払うのなら、他の創作活動に投資したほうが「自分のタメになる」とも考えてしまうのです。

職場のハリウッド系機材で「お仕事」はできると思います。しかし、創作活動の日々のうねりの中で愛用されるのは、Adobe CCのような安価なソフトウェアだと思っているのです。

私は、AdobeがCCソリューションを始めたがゆえに、若い人の中から、やがて天才が現れる‥‥とすら思っています。「身近にある」というのは、それほど重要な事だ‥‥と考えています。

校正

不定期に書き続けているこのブログ。読み返すと、変な文(接続詞とか同じ言葉の繰り返しなど)をちらほら発見します。なぜ、書いてる時に気づかんのか。

修正前:
「Finderの検索対象から、起動ディスク直下の「ライブラリ」「システム」から外されて久しい」
修正後:
「Finderの検索対象から、起動ディスク直下の「ライブラリ」「システム」外されて久しい」

順次、発見したものからチクチク直していますが、修正箇所が多いのがイタい。

面倒な最近のOSX


MacOSXは、バージョンを重ねるごとに、システム関連のフォルダやファイルをユーザから「隠す」ように仕様を変更してきています。

Mountain Lionでは、ユーザフォルダのライブラリも隠してしまったので、いちいち面倒です。
*ちなみに、Mountain LionでユーザのライブラリフォルダにFinderで潜る場合は、Finderの「移動」メニューから「フォルダへ移動...」を選び、「/Users/自分のユーザ名/Library/」を入力して「移動」ボタンをクリックすれば、フォルダのウィンドウが開きます。自分のユーザ名はホームフォルダの名前を確認すれば良いすネ。/varや/etcもこの方法でFinderでフォルダにアクセスできます。

また、いつの頃からか、Finderの検索対象から、起動ディスク直下の「ライブラリ」「システム」が外されて久しいです。これも凄く面倒。「/var」「/etc」を隠したいキモチは、MacOSからの経緯を考えれば解るんですが、ライブラリのプリファレンシスくらいは検索させてくれよ‥‥と思います。

もちろん、findコマンドで検索すれば、あっけなく検索できます。(要su,sudo

つまりは、ターミナルを使う類いの人とそうでない類いの人を、明確に線引きしとるんだね‥‥という事です。「ターミナルを常用してないような人は、システム関連書類を迂闊にイジるな」という無言の威圧を感じます。

「ここから先は"Mac"ではなくて"UNIX"だ」との無言の警告は、「/var」「/etc」あたりを不可視にしている事で解りますし、実際、MacOSノリでイジってはならない書類がわんさか収納されています。MacOS時代にはなかった書類群ですから、MacOS9からのユーザの移行を考えれば、当然の処置だったとは思います。

しかしなあ‥‥システムの「初期設定」「機能拡張」フォルダくらいは、MacOSで検索や操作をしたいものです。まあ、今でも「場所さえ解っていれば」管理者権限で操作は可能なんですが、「場所を検索する際に対象から外されている」ので、探す際にどうしてもターミナルの出番となります。

私はMac68kのNetBSDでコマンドラインを扱ったのであまり苦には感じませんが、常用はしておりません。フォルダの中身を見渡すのは、Finderで普通に操作しますし、複製や削除もFinderです。apacheの設定書類をいじる時でも、miやTextEditを使うクチです。viは操作法を忘れがちなもので‥‥。システム書類だろうが、出来るだけFinderなどMacOS定番の操作方法で完結したいのです。

しかしMacOSXはバージョンを重ねるごとに、ユーザの能力をどんどん「低く見積もった」仕様へと変更していきます。「あんたら、システムなんて手に負えないでしょ?」と言わんばかり。

ターミナルがあるからいいか‥‥と思う反面、軽く屈辱的なキモチ。

プラグインの場所

MacOSXのAfter Effectsは(他のもかも知れませんが)、アプリケーション同階層の「Plug-ins」の他に、プラグインをインストールする場所があります。

CS6なら、
/Library/Application Support/Adobe/Common/Plug-ins/CS6/MediaCore/

CC(CS7?)なら
/Library/Application Support/Adobe/Common/Plug-ins/7.0/MediaCore/

です。

既にインストール済みの昔のプラグインをCCで流用したい場合は、ここらへんをコチョコチョッとすれば良いスね。32bitやPPCバイナリだとNGですけども。

しかし、なんちゅーか、Adobeも呼称がややこしいですネ。

After Effects CC(2013年夏現在)は、

 After Effects 12.0‥‥であり、
 CCのファーストバージョン‥‥だが、それはすなわち7.0で、
 なぜ7.0かというと、CS6の次のバージョンだから

‥‥という事で、ややこし! 販売形態を刷新した新しい「CC」のバージョンが7.0というのが、何とも。経緯を知らなければ、ナゾですよネ。

まあ、After Effects 3.1をリリースしてた頃は、未来がこんなふうになるなんて、予測もできなかったでしょうが。

核の傘の子

私は小さい頃から飛行機が好きですが、では飛行機好きがどの世代もみな同じ趣向かというと、大きく違うと思っています。銀翼・単葉・低翼・固定脚にみなノスタルジーを感じるかというと、そうでも無いような気がするのです。‥‥実際、確実に私は、大戦間の飛行機にはノスタルジーを感じません。

私がノスタルジーを感じるのは、センチュリーシリーズくらい以降の時代です。センチュリーシリーズとは、F-100からF-110(=F-4)の「100番台のアメリカジェット戦闘機」の事です。F-86とかはちょっとまだ遠いんですよね。

F-100
F-101
F-102 F-104
F-105
F-106
*F-110は改名によりF-4(有名な"ファントム"です)となりましたし、F-103, 107, 108, 109は試作&計画のみですから、実質はF-106までがセンチュリーシリーズと言えますネ。

もちろん、「プラモデルで昔の飛行機に馴染む」という道筋はあるのですが、少年期に「時代から受け取る雰囲気」と共鳴するのは、自身が生まれる10〜15年前の飛行機が限度だと思います。

私が少年時代の頃はまだ、「いつ第3次世界大戦が起こるか」「核攻撃の後、世界はどうなる?」と言った話題が、まさに「現役」でした。真綿のように吸収力の高い少年期において、時代の風潮や空気感は、当人に強い影響を及ぼすでしょう。私が小中学生だった頃は、夏休みともなれば必ず「世界の軍事兵器」的な番組があり、エンディングは「イマジン」で閉める‥‥というのが定石でした。NATOとワルシャワ条約機構軍、戦術核の使用、水爆は1発で関東一円を壊滅させる、核よりも怖い中性子爆弾‥‥などと散々恐怖を煽っておいて、最後にイマジンを流されてもなあ‥‥と、子供心に釈然としない感情を抱いたものです。

怖い時代ですが、表面的には平和でした。そんな曖昧な時代の空気が、私のノスタルジーと一致しているようです。私にとって銀翼は「死の鳥」のイメージです。良い要素ばかりがノスタルジーの中核を成しているとは限りませんもんネ。「田園に死す」もそうですけど。

ちなみに、アニメは時代(や地域)の空気を、制作当時には意図していなかった角度から伝えてくれる事があります。ディズニーの短編では、ドナルドが「かちかちタマゴ」(中に何が入っているかは‥‥)を掴んで爆発し、地球の裏側まで穴が空いて落ちていく‥‥なんていう話がありました。‥‥ウソ?と思いますが、50年代のアメリカらしいスタンスと言えます。マジンガーZでは、暴走したミネルバXが向かうのは原発でしたが、すなわち、「ブッ壊れたら絶対にOUT」という意識はもうその頃からあった‥‥という証ですね。

フィリックス・ザ・四白眼

マンガのカリカチュア化されたスタイルで特に好きなのが、黒目の四方に白目がある「四白眼(という言葉があるかどうかは不明ですが)」のキャラです。見たら最後、どうにも心が惹き付けられます。‥‥なので、シンプソンズのキャラは見た時から魅了されましたし、小さい頃はフィリックス・ザ・キャット(当時は正式名は知らなかったのですが)のガムが好きでした。

以下は完璧な四白眼です。



う〜ん。いいなあ。アメリカのキャラクターって、戦前の白黒時代のほうが、私は好きなんですよネ。

という事で、フィリックスつながりでVFA-31「トムキャッターズ」はどうにも気にかかる存在です。具体的には、以下の写真です。

F/A-18はともかく、F-14は、ロービジなんだかハイビジなんだか、訳がわからんです。国籍マークだけロービジで、効果あるんかいな。臨時行事の地上展示用とか何か訳ありかな?
追記:「その訳」が後日、検索してたら解りました。なんとVFA-31は「ロービジなんてイヤだ!」と、無彩色な塗装に頑強に抵抗していた部隊だったらしいです。「士気が下がる」との理由で。
イイネ!‥‥実にイイ。ますますVFA-31が好きになる。









しかし、これと似たような事を、日本のキャラで自衛隊機に施すと、‥‥こうはならんよなァ。アメリカのは、キャラが図形に近いからサマになるのかな。今の日本の萌えキャラを尾翼に描こうものなら、痛車みたいになっちゃう‥‥よね。ドラえもんでも結構違和感あるだろうし。‥‥それとも見慣れればイケるんだろうか。


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