目玉焼き

生卵を、じっと見つめてどんなに願いをこめても、目玉焼きにはなりません。灼熱の日差しの炎天下で、たまたま生卵を車のボンネットに落としたら、目玉焼きになっちゃった‥‥ということは奇跡的にあるかも知れませんが、車のボンネットのゴミをたっぷり吸着した目玉焼きなんて食べる気もしないです。

 

生卵は、しかるべき調理するメカニズムとプロセスを経て、目玉焼きになります。

 

 

 

お皿にハムと生卵を並べて、「神よ。目玉焼きに成らせ給え」とどんなに祈り続けても、生卵は決して目玉焼きにはなりません。何日も祈り続ければ、そのうちに腐って食えなくなるでしょう。

 

で、普通は「フライパン」の登場です。ガスコンロかIHコンロに油を馴染ませたフライパンをのせて温め、生卵を投入、水少々を加えて蓋を閉じ、火力は焼き上がりのお好み次第で、カリっにもシットリにも出来上がります。

 

でも、フライパンだけが目玉焼きを作れる道具ではありません。

 

電子レンジでも作れます。

 

「おいおい、やめろ。卵が破裂するだろ!」

 

‥‥というのは、電子レンジを知らない人。もしくは古いノハウしか知らない人。

 

ご覧のように、目玉焼きは破裂することなく、作れます。

 

 

 

ベランダのプランターのパセリも添えてみました。なかなか綺麗に出来上がりました。

 

「電子レンジだと生卵は破裂する」とある種、宗教上の禁忌や迷信のように思い込んじゃっている人は、なぜ生卵が爆発せずに目玉焼きになるのか、まるでメフィストの所業のように思えるでしょう。

 

ないない。

 

「なぜ、電子レンジだと、生卵が破裂するのか」、そのメカニズムを知って、破裂しないメカニズムを導入し実践すれば、職場の電子レンジで簡単に目玉焼きは2分で出来上がります。電子レンジを一切汚すことなく、です。

 

黄身が膨張して破裂するのなら、破裂させなければ良いのです。黄身にガス抜きの穴をつまようじでつついて3個くらい開けておけば、上図のように、黄身爆発を防げます。

 

レンジ加熱前に水を小さじ1〜2杯ふりかけ、全体を覆うプラ製のふたで閉じ、700ワットで2分も加熱すれば(卵2つの場合)、加熱時に発生する水蒸気でしっとり柔らかく蒸し焼きしてくれます。

*私は固めな黄身が好きなので、レンジ加熱後にすぐにふたを取らず、そのまま2分くらい蒸して余熱で加熱します。半熟や柔らかめが好きな人は、すぐにふたをとって熱を逃せばOK。

 

 

 

思えば、この「電子レンジでの目玉焼き」は、アニメ制作においても、示唆に富む内容です。

 

 

  • 生卵に対して、いくら念じて祈っても、決して目玉焼きには変化しない
  • フライパンだけが目玉焼きを作る方法だと信じて疑わない思考の狭さ

 

 

例えば、「制作費が上がれば、窮状改善が云々」という論調。

 

「せめて現場の制作費を2倍にしてくれれば、アニメーターの報酬をアップできる」‥‥なんて、まるで生卵に祈願するがごとくです。「なんで2倍になるのか、そのメカニズムが存在しない限り、神頼みを脱し得ない」ですよネ。

 

なのに、制作費向上・報酬向上のメカニズムは全く考えずに、いつか窮状を助けてくれる人や会社が現れる、いつか奇跡が起こる‥‥という夢想を前提にどんなにお金の計算をしても、虚しいばかりです。メカニズムそのものが存在しないんだから。

 

なぜ、今までの制作費で作っていたアニメに、今まで以上のお金を出資する会社が現れるのか。明確な理由=利潤、旨味が見込めるからです。人道上、倫理上の観点で動くわけ‥‥‥‥‥ないじゃないですか。

 

つまり、ビジネス発展の見込みがあるからこそ、そのビジネスに先行投資するわけです。見込みのないものに、どこの誰が大金を投入するのか、自分の身の丈で考えても解ります‥‥よネ。

 

メカニズムをもたない、根拠のない、「制作費2倍3倍」なんて、神頼みそのもので、生卵を何のプロセスもなく目の前で目玉焼きへと変える「奇跡」を待つがごとくです。残念ながらどんなに祈っても、死ぬまで、そんなこと起こりはしない‥‥ですよネ。

 

 

そして、旧来のメカニズムやプロセスへの、無批判で盲目的な執着。

 

なぜ黄身が破裂するのか、そもそも白身と黄身のどちらが破裂するのか、大して調べもしないで、およそ狂信的に「卵は電子レンジにかけちゃダメ!!!」と終始するのは、誰にでも起こりうる「盲点」です。

 

黄身に2〜3個、小さな穴を開けておくだけで、あっけなく、破裂は防げます。

 

というか、何かが膨張して何かに閉じ込められるメカニズムがあれば、黄身でなくてもレンジ加熱で炸裂するんですよネ。黄身だけが炸裂するわけじゃなく、似たような構造をもつなら、肉でも魚でも破裂してレンジ庫内を汚します。

 

つまり、どういうことか。

 

作業上の経験や技術、慣習は、時として、とんでもない盲点を生み出すということです。その技術や経験に自負をもつほど、余計に、です。

 

ですから、日頃なんとなしにスルーしている経験上の慣習も、時には疑ってみて、他のメカニズムの可能性を考えることも、作業者・技術者・表現者には必要です。

 

「オレはこれで喰ってきた。生き抜いてきた。だから、オレの技術は絶対的な信頼がある」というのは、非常に危うい。

 

その絶対的な自信が、絶対的な盲点を作り出し続けていることにも、結構イイ歳になった経験者なら気付くべきと思います。そして、新たな発想法で、違うメカニズム、違うアプローチ、違うプロセスで、のぞんでみるのです。

 

 

未来のアニメ作り。

 

生卵を前にして、ただただ、祈り続ける人もいるでしょう。

 

フライパンだけが道具だと思い込む人もいるでしょう。

 

 

それこそ、ず〜っと今まで棚上げしたり盲信してきたことを、全部棚から下ろして洗脳から抜け出て、じっくり1つ1つ考えてみても、2020年代は良い頃合い‥‥だと思うのです。

 

生卵が自動的に目玉焼きへと変わる奇跡を、自分たちは延々と待ち続けてはいないか。

 

普通に考えれば、絶対に起こり得ないことを、なぜ、自分たちは「自分たちには起こり得る」と思い込んで、ずっと待ち続けているのだろうか。

 

奇跡などハナから諦めて、とっとと目玉焼きを調理して食っちまえば良いだけです。もし目玉焼きの方法が見つけられないのなら、見つかるようにあの手この手でアクションするだけです。

 

 

 

 


ねこ

仕事続きで疲れている時、ふとネットで猫の写真をみると、疲れを忘れて独り笑いすることが、私はけっこうしょっちゅうあります。

 

IPPONグランプリの「写真でボケて」シリーズのような、写真と文章の組み合わせは特に好きで、独りの仕事場で人知れず吹き出したりもします。

 

以下、Pinterestより。

 

 

 

 

「パトラッシュ、パトラッシュ」「犬が犬が」と、「まあ、犬が主人公の話だから」と流して見ているうちは良かったものの、あまりにも、犬犬犬犬、犬犬犬犬言っているのを見てるうちに、どんどん胸糞が悪くなって、最後の方では殺意すら芽生える‥‥みたいな「事前のストーリー」を写真と一文から想像するうちに笑いがこみ上げてきます。

 

「無事ハムスターが見つかったのに謝罪がない」‥‥というのも、それまでに起こった色々な出来事やセリフを想像すると笑いを誘います。ハムスターや家族は一切写真には無くて、猫の表情だけでストーリーを想像するのが楽しい。

 

 

こういう「全部言い切らない」で「想像する」のって好きなんですよネ。猫や写真ボケに限らず、アニメの見せ方でも。

 

例えば「風鈴が鳴っている」と文字で書かれていても、風鈴そのものを必ずしも描く必要はありません。

 

窓が開いている向こうに夏の青空が広がっていて(BGオンリー)、音だけで「チリン、チリリン...」と表現すれば、逆に、風鈴そのものを描写するよりも色々な情報を見る側に想像させることができます。

 

風鈴そのものを描いちゃったら、そこでイメージが決まり過ぎちゃって、見る側に想像する楽しみや余白を与えないことにもなりかねません。我々は映像を作っているのですから、絵と音と時間軸をうまく構成して駆使すれば良いのです。なんでもかんでもシナリオに書かれている事柄を直球で描いて表現するだけが能ではない‥‥のは、まさに映像表現の醍醐味ですよネ。

 

 

話を猫にもどして。

 

猫って、一緒に暮らしていたから判りますが、妙に人間臭いところがあって、独立独歩でマイペースのわりには、興味を示して参加してきたり、狼狽したり、取り繕ったり、愛情を試したりと、「揺れる感情」がたまらないイキモノです。

 

ゆえに、写真で思いもよらない表情や仕草が撮影できたりもするんですよネ。

 

またいつか、猫と暮らしたいとは思っています。ただ、猫の命を看取るところまで年数計算すると、そんなにのんびりと「いつか」なんて考えてはいられないようにも思います。

 

 

 

 



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