自動中割りとカットアウト

自動中割りとか聞くと、結構多くの人が、無造作に描いた自分の線画が、よくわからない魔法のコンピュータ技術によって中割りしてくれる‥‥と思いがちです。

 

そんなわけないじゃん。

 

CACANiにしろToon Boomにしろ、描いた線がオブジェクト(呼び名は様々)としてソフトウェア内部で独立管理制御されていて、その線がどのように変化するかを、巧妙に組み合わせて、あたかも動いているように見せるのです。つまり、カットアウトです。ツイッターの映像でも、全ての線がそうなっていることを、よく見てくださいネ。

 

その辺はちゃんと説明しておかないと、みな勘違いして、コンピュータのミラクルで不思議なテクノロジーで無人動画機能が自動中割りしてくれると思い込んでしまいます。

 

そして、実際に使って描いた時に呆然とすると思います。

 

「うわ。誤魔化しが効かねえ‥‥」と。

 

要は、「描いた線1本1本の面倒をちゃんと見る」ということです。

 

旧来の現場風に言えば、「すべての線の割り先が存在する」ように描くわけです。今までの原画作業スタイルとは少々異なります。動画さんがなんとか辻褄を合わせて描いていたようなことは、カットアウトベースの自動中割り(Toon BoomやCACANi)には期待できません。

 

すべての線を把握して制御するのが、技術のキモです。

 

 

 

原画時点で線画のなりゆきを完全把握し、線のBirth & Deathや、特定領域での消し込みも含めて、すべて原画時点で「責任を持つ」作業スタイルを受け入れないと、「自動中割り」は実現しません。

 

自動中割りという言葉は、客寄せパンダみたいなもので、実際に技術のフタを開いてみると、紙で原画を描いていたようにはいかないことを痛感するでしょう。しかし、そのカットアウトスタイルに慣れれば、今までとは格段に向上した生産効率が実現できます。

 

私は近くToon Boomに移行してカットアウトを開始しますが、Toon Boomは値段も値段だけあって、機能が盛りだくさんです。ベクタートレス線に自分の思うようなペンテクスチャ(鉛筆や筆の)をもてるし、トレス線のウェイト(太さ細さ)は時間軸で変えられるし、そもそもベクターベースなのでラスターのように解像度に依存しない(どんなに拡大してもジャギがでない)し、「ベクター=単純な絵」という常識を覆せます。‥‥実際、そういう使い方で私らはToon Boomを使う運びです。

 

私は今まで線画はビットマップで、After Effectsでカットアウトを実施してきましたが、Toon Boomによってカットアウト周りの工程がシームレスに繋がることにより、より一層のカットアウト技術の発展を「日本流」にて推進できると、ワクワクしております。欧米流の価値観とは違うToon Boomのカットアウトをどんどん実践していく所存です。

 

思うに、4Kとベクターとカットアウトは、未来の線画要素のトリオだと思います。つまり、今までのアニメ現場の紙作画にはなかった要素です。それに慣れるか慣れないか‥‥は、まさに現場の人間次第です。

 

従来の送り描きの動画と、(日本では)新しいカットアウトの動画の、ハイブリッド運用こそ、4K時代を生き抜いて未来でもアニメを作り続ける道です。

 

電卓を弾けば、4Kドットバイドットが要求される未来のアニメ制作において、送り描き技術体制のコストが破綻するであろうことは誰でもわかるはず。

 

1.5Kの絵柄を4Kに拡大したって4Kのアニメにはなりません。ゆえに、根本から意識を変えていく必要がありますが、どこの誰だって突然には変えられませんので、徐々に自分のカラダを慣らす必要があります。

 

 

 

AppleのWWDCも未来を予感する要素でいっぱいでした。

 

時代性や最新テクノロジーを敵にするより、味方にしたほうが良いですよネ。

 

アニメは生まれた時から、テクノロジーの申し子です。

 

 


G1X FOUR

そう言えばちょっと前に、G1X Fourを買いました。長らく品薄の状態が続いていたのが解消されて、Amazonでも普通に入手できるようになったので、あるうちに買っときました。

 

 

機能の充実っぷりや使い勝手のよさ、そして実機の質感の高さは、人気が出て当然ですネ。G1onのあのオモチャみたいなデザインとは一変し、ペダル付きのモデルでも1万円を切る価格ですから、そりゃあ、みんな買うわ。

 

で、音は試していません。本業が忙しくて、電源を入れたのみです。

 

Zoomのマルチは昔から使い続けているので、音に心配はしていません。最新のZoomがどんなだか、楽しみです。

 

私はアナログ回路も深く愛しますが、デジタルプロセッシングも愛好します。まあ、高校入学のお祝いに、MaxonのDM1000(当時としては格安のデジタルディレイ)を買ってもらったくらいなので、昔からアナログもデジタルも好きだったのです。シンセサイザーの世代でもありますしネ。

 

 

 

脱線しますが、DM1000(デジタルディレイ)のパラメータを、いわゆる「エコー」ではない使い方をすれば、マイクシミュレーションのようなことができるのを、18歳くらいの時に発見しました。

 

5〜20ミリ秒の、極めて短いディレイに設定し、フィードバックは適宜、ドライ音と同じ音量でウェット音(エフェクト音)をミックスすると、普通ならギターをライン録りするといかにも電気っぽい音が、生っぽい何とも言えないエエ感じの「ジュワー」とした音になります。ミリ秒とフィードバックの組み合わせで、従来のライン録りとは思えないかっこいい音が作れるのを発見した時は、嬉しくて嬉しくて「大発見だ」と思ったものです。

 

思えば、そうした「人間の感覚と、機械のパラメータの共存」を若い頃に経験していたからこそ、今のペンタブ作画やカットアウトの取り組みにも普通に馴染めているのかも知れません。

 

 

 

ともあれ、G1Four

 

まだまだ、たまに品切れすることもあるみたいで、興味のある方は「在庫あり」のうちにどうぞ。

 

*エクスプレッションペダルなしのモデルもあります。ボリュームペダル奏法やワウペダルを常用しない人は、こちらのちょっと安いモデルも選択肢です。

 

 


4K時代に

今年のWWDCは、4K映像制作時代にふさわしい内容が盛りだくさんで、純粋に良かったと思います。

 

何か、Blood the Last Vampire(2000年公開の劇場短編)を作っていた1998〜99年ごろの雰囲気がフラッシュバックしました。

 

新しい時代へと移り変わる時、なぜか色々な産業がシンクロして次世代へシフトするんですよネ。まあ、見方を変えれば、色々な産業が同時多発的に関わりつつ技術発展するから、新しい時代へと移り変わっていく‥‥とも言えるのでしょうけど。

 

ちなみに、その劇場版Blood。1440px横幅のアメリカンビスタでした。After Effectsは8bitだし、メインのサーバは数百GBだし、導入例も事前の成功例もなく、手探りで困難の連続でしたが作りあげることができました。

 

 

 

1999年に1440px。

 

2019年の現在、1280pxでフローして1920pxにアップコンするような作品もありますよネ。20年前のヨチヨチ歩きで生まれたての「デジタルアニメーション」だったBlood劇場版よりも解像度が低いって、どういうことか。

 

アニメ業界全体、もういい加減、年貢の納め時です。昔の解像度は、未来に確実に通用しなくなります。

 

今必要なのは、アニメ業界の一般論をどんどん覆して、慣習(お金の慣習ももちろん)を塗り替えていくことです。

 

業界の今までの一般論や通論は、時代からとっくのとうにズレ始めています。NABやInter BEEでも、もう4Kはごく普通で、8Kの話題へと移行し始めていると聞きました。タブレットで4Kネイティブに作画して、4KHDRで映像をコンポジットするのは、アニメでは前代未聞でも、映像技術全般からすればごく普通の流れです。

 

本当に、未来もアニメを作って生きていきたいのなら、4Kを意識することくらいは2019年の今から始めたほうが良いですヨ。

 

 

 


9ms、1.5テラメモリ、1000nits、サイドカー(!)

今回のWWDC2019、盛りだくさんですネ。(現在講演中)

 

まず、iOS 13。

 

Apple Pencilのレイテンシーが20ミリ秒から9ミリへ高速化。10ミリを切りましたネ。

 

iPadがますます使いやすくなる工夫もいっぱいで、期待できます。

 

 

 

次に新型Mac Pro。

 

28コアのCPU、最大1.5テラ(でしたっけ?=12スロット)のメモリ。

 

8Kのストリームを3本、4Kだと12ストリーム。

 

大袈裟なように感じますが、未来の映像制作にはこのくらいの性能アップは必要だと、現在毎日、ひしひしと痛感しています。「ProRes 8K(エイトケー)」が演説の端々に聞こえていましたが、実はアニメだと大判が多いので(PANとかでね)、4Kのアニメでは10K超えのProResだって普通に扱う日々ゆえに、ようやくマシンの性能が追いついてきた‥‥と、ちょっと安心しました。お値段は6000ドルからスタートでしたっけ?

 

未来はこのくらいのマシンが普通になると思いますヨ。

 

 

 

次にPro Display XDR。

 

6KのRetinaで1000nits(!)、P3です。値段は5000ドルですが、1000nitsのモニタがようやく60万円で登場してくれた‥‥と、MacPro同様にちょっと安心。

 

でもまあ、画面の見た目が綺麗なだけがリファレンスモニタの役割ではないので、本当にプロのHDR用途に適しているかは、にわかには信用しませんが、まずは市場の良い刺激になればと思います。EIZOさんの60万円帯のアンサーを期待してますヨ。

 

 

 

そ・し・て・・・

 

次期macOS「カタリナ」の「サイドカー」来たー!!!

 

サイドカー、つまりiPadをmacOSのサブモニタにする機能です。もちろん、Apple Pencilも使えます‥‥とのこと。

 

AstroPadを買った私ではありますが、Apple純正のサイドカーがきびきび動けば、それがユーザにとっては一番です。OSでサポートしてくれる安心感と安定感は代え難いです。

 

 

 

その他、今(4時2分)紹介してたARもスゴいネ。楽しそう。

 

今年のWWDCは盛りだくさんでした(って、まだ基調講演は続いてますが)。

 

 

 

追記:

 

SwiftUIはいいなあ。AdobeのESTKでUIを組み立てるのとは段違いの手軽さ。

 

さすがにWWDCだけあって、SwiftUIのデモでは会場が盛り上がってホーホー教の教徒がいっぱいでしたネ。

 

 


雑感

普通、誰だって、嫌われたり憎まれたくはないですよネ。

 

でも、日頃皆で現場の改革や近代化を唱えても、いざという時に事なかれ主義に転じて、何も状況を変えていけない烏合の衆になるのなら、たとえ一時的に嫌悪されようと、ハッキリと言うべきは言って「憎まれ役」を買ってでることも、年長者や経験者には必要でしょう。

 

成功例が無ければ決断できず、他所の導入事例ばかりをあてにして、失敗した時のことを考えるあまりに結局は保身に終始する姿は、年齢に関係なく見透かす人は多いものです。

 

 

 

1996〜2005年までの期間、アニメ現場にコンピュータを導入する取り組みなんて、前例も成功例もありませんでした。各所が小さな実績を重ねて足場を作っていったのです。

 

何もないところから構築することのほうが、今は重要です。1990年代後半には「デジタルについて」のアンケートもリサーチもできませんでしたが、それでも制作の基盤を年ごとにどんどん固めていけたのは、トップダウンとボトムアップが相互に循環する現場作りをしていたからです。

 

ペンタブを器用に使いこなして絵を描けたからといって、未来的な制作システムが作れるわけではないです。

 

制作システムの運用経験がいくらあろうと、新たな技術革新の場面では今までの経験値や思考形態では処理できないことも多分に存在します。

 

ペンタブを使いこなして何が可能になるのか。新しいソフトウェアを使って何ができるのか。指先1本の感覚からボトムアップしていく必要があります。

 

新しい技術要素によって、どのような新しい制作システムが構築可能になるのか。旧来の慣習に囚われず、今起きている新しい出来事から旺盛に吸収して、システム設計を進める必要があります。

 

一丁噛みや尻馬に乗ることなんて、最初から諦めて、自分らの力で堅実に現場を強くしていくしかないですヨ。1990年代後半から「デジタルアニメーション」の現場を作っていった人々は、鉄板の方法論の存在しないところで、みな自力で築いていったのです。

 

 

 

そりゃあ、誰だって、ストレスもなく、気楽にのんびりと生きていければ、それが一番。

 

でも、さも安定しているかのように見える内側で、どんどん細胞が壊死しているのに、のんびりとはしてられないでしょ。

 

耳障りの良いことだけ言って、表面上を和やかに取り繕っても、深刻な病が体内で進行しているのなら、たとえ耳に痛過ぎる内容でも、「病気を直しましょう」と告げることは‥‥‥‥、やっぱり必要だと思いませんか。

 

それとも、闘病よりも安楽死を望みますか。

 

私はアニメに死んで欲しくはないです。生き続けていけるよう、最大の努力と取り組みを続けるのみです。

 

 


フィルムなら4KHDRで

フィルム作品の復刻は、4KHDRの技術によって、ようやくあるべき姿が見えてきます。

 

4KHDR生粋の作品を新たに作っていくことも未来のビジョンですが、フィルム時代の作品をディテールそのままに蘇らせるのも未来の大いなるビジョンです。

 

「今のブルーレイじゃダメなの?」

 

フィルム作品の場合は、現行の2Kブルーレイでは役不足です。ダメとは言いませんが、スペックがたりません。

 

  • 秒間の解像度(フレームレート)=24fpsと24pで特に問題なし
  • 画素数=1920pxのHDでは細部の情報量が足りない
  • 色域=Rec.709・sRGBの100nitsでは甚だしく不足しており、500〜1000nitsの明るさとP3以上の色域は必要

 

HD(2K)の映画のブルーレイは、24pで1920pxでRec.709なので、旧テレビ放送やDVDよりはマシですが、フィルム映画を再現するメディアとしては、特に発色で大きく劣っています。

 

ちまたで4Kのリマスターやレストアと言っても、実は4Kに併せて導入されるHDRのほうが見た目の効果は絶大です。

 

1年くらい前に、実際に専門技術のラボに言って「4KHDR PQ 1000nits」のデモを、しかるべき機材で見させてもらいましたが、まるでリバーサルフィルムをライトボックスでルーペで見ているような鮮明な色彩に、胸が踊る想いでした。だって、私はアニメも好きですが、フィルムの映画も好きだからこそ、この職業を30年以上もず〜っと続けているわけですから、4KHDR 1000nitsの映像に魅了されないわけがないです。

 

 

 

でもまあ、今は状況が揃うのを感じつつ、自分らのなすべきことを進めましょう。世界規模で動く物事だということを、明確に意識して。

 

家庭のテレビが4KHDRにリプレースされ、コンテンツも4KHDRが豊富になって、その時に「我々アニメ制作者」がどのように時代を掴むか強くイメージしつつ、クリスタやToon Boom、After EffectsやDaVinciを未来派志向で使っていこうと思います。

 

タブレット作画に関しては、ボトムアップで機運を盛り上げていくのがよろしいでしょう。映像技術の未来と、アニメ制作現場の未来を交差させるには、両方の未来が進み続ける必要があります。

 

 


クリスタとキーボード

クリスタとキーボードは切っても切れない関係です。ドローソフトとアニメーションソフトの二面性を持つのならなおさら、iOSになったからといって、ジェスチャーだけでは基本機能すら網羅できません。

 

iPad Proでクリスタを使うには、キーボードは必須のアイテム。

 

私はいくつかBluetoothのキーボードを色々な場所(持ち歩きも含めて)で使っていますが、クリスタで作画する机でiPad Proに割り当てているのは、ロジクールのK380

 

*色は黒、青、赤の3色から選べます。

 

左上の3つのボタンで明示的に3台のiPadやiMacやWindowsPCを切り替えられるのが特徴です。電源はアマゾンやパナソニックの普通の充電池で動作するので運用コストも安価です。

 

iPadで本格的にプロの作画作業をすると、1台のタブレットPCだけでは設定や参考資料を見るのに不足してきます。私は自分ながら過度とは思いますが、机の上にはiPad Proの他に、Fire7と8、iPad Airと無印iPadの計4つが机の上にセッティングしてあります。もちろん、固定しているわけではないので、1分もあれば、机の上から全台のiPadとFireを避けることも可能です。

 

そうした複数のタブレット端末を使っている際、1つのキーボードで3つの端末を選択できるのは、かなり便利です。まさか、タブレット端末の数だけキーボードを揃えてペアリングするわけにはいきませんよネ。かと言って、その都度、ペアリングの解除と接続をするのも面倒この上ないです。

 

まあ実際は、iPadにしろFireにしろ、ほとんどの操作はジェスチャと画面キーボードで事足りるのですが、クリスタを使う場合には必須です。

 

なので、どうせ机にキーボードを常備するのなら、作画用途以外のタブレット端末でもテキスト打ちに兼用できれば、環境の柔軟性も向上します。

 

 

 

K380に限らず、無線で軽量でコンパクトで場所を選ばないiOS対応キーボードはいっぱいありますから、もしクリスタを使う場合は買っておくと躓かずに済みます。

 

また、いざとなればiPadはUSBも繋げるので、USBハブで分岐させたのちに、USBキーボードを繋いで、無線LANが不安定な場合は有線LANアダプタも繋いで有線化し、さらにはUSBオーディオインターフェイスやミキサーも繋げて、「プチパソコン」のようにも使えます。まあ、iPadの機動性はいかにも薄くなりますが、机に固定されるのはUSB部分だけですので、iPadを持ち出す場合はLightningコネクタからUSBアダプタを外せばサクッと身軽になります。

 

Apple純正の「カメラアダプタ」、実際はUSBアダプタになるのが、こちら。Lightningの充電口も確保されているので、バッテリーを気にする必要がないです。

 

 

私は、有線キーボードを使うと机が一気に煩雑になるので、キーボードはBluetoothでまかなっています。サブの常駐iPadの中は、有線LAN、USBミキサー、USB鍵盤を繋いでいるものもあります。

 

*ちょっとしたアイデアスケッチに気軽に使えるコルグのナノシリーズ。随分前から愛用してます。

 

*ヤマハのAGシリーズは、ヘッドフォンアンプとしても重宝します。

 

*無線LAN(WiFi)が異様に不安定な場合は、有線でiPadに繋げる方法もあります。Lightningではおそらく(あくまでおそらく)100baseまでしか対応していなかったと記憶するのですが、100baseでも数十ギガの映像ファイルをやり取りする用途でなければ、今でも十分現役です。

 

 

クリスタをiPad Proで使うにはキーボードが必要ですが、クリスタでの作画仕事以外にiPad Proを色んな用途で使う場合には、色々な手段や選択肢がありますので、iPad Proを所有しているのなら、「絵以外の趣味やクリエーション」にもチャレンジしてみても良いですヨ。

 

 


CSSだよ

CSSのボックスで、ボーダーを破線(dashed)にしておいて、シャドウをボックス塗色と同色に設定して太らせて(ボカさずに)、角を少し丸くすれば、刺繍風のボックスになる‥‥って、機能というよりは使う人のアイデア勝ちですよネ。作例を見て、驚きました。

 

CSSは機能の豊富さだけでなく、使う人々のあの手この手のアイデアで、思いもよらなかったデザインが実現できるのが、非常に興味深く、面白く楽しいです。

 

とても今からCSSの使い手になろうとは思いませんが、エッセンスだけでも取り入れて、「ホームページはデザインセンスの無い人が作るもの」という昔の黒歴史のイメージから抜け出たいと思います。

 

意固地になって「デザインなど不要。昔のままで十分。情報さえ伝われば良い。」というのは、それはもうジジババになって柔軟性を欠いた証拠。

 

情報を伝えるために、読みやすく見やすい、惹きつける(=読もうという気にさせる)デザインが必要なのです。映像だって、ワイヤーフレームで動きの情報だけを伝えりゃ良いって話じゃないですもんネ。

 

ただ、あくまでHTML+CSS+PHPだけの範囲で、あまり重くしないように作っていこうとは思います。

 

 


クリッパー

鉄は熱いうちに打て。

 

Strike while the iron is hot.

 

「好機を逃すな」‥‥物事はホットなうちに、勢いを削がないようにして進めるのが、昔からの戦いの鉄則です。逆に、緩く勢いがない時は、次の攻勢に備えて準備を整えておくべし‥‥です。

 

クリスタに対して、急速に事態が進展した私の周囲環境に対して、ここでまた、気を緩めていては、成功するものも成功しません。

 

好機を逃して、勝機を逸する‥‥とは、勢いづいたことに安易に慢心して手を緩めることとも同義です。

 

状況が動く時に、状況は動かせ!‥‥です。状況が動く時の1日と、状況が停滞している時の1日の、時間の価値や重さは、等価ではありません。

 

なので早速、Webの準備を開始しました。情報を共有するための私的なWebですが、クリスタを使う知人友人も多いので、After Effectsのコンポジット技術との連携も絡めて、「ボトムアップ」による作業システムの機運を高めていきたいと思います。

 

数日前に取り組み始めたので、まだ公開できる状況ではないですが、独自ドメインもサーバスペースもWebフォントも今日の休日を使ってセットアップしました。

 

内容は無いですが、こんな感じです。

 

https://clippers.work/

 

クリップスタジオなので、クリッパー。‥‥あまりコネくって考える必要もあるまい‥‥と、数分で考えました。

 

一応、セキュアのhttpです。「work」のトップレベルドメインを選択したのは、単に安かったのと、「clipper」や「clippers」はかなり人気で、すでに誰かに取得されており、ドメインの選択の余地がほとんどなかった‥‥という理由です。1年1000円なのはありがたいですし、仕事にも深く関わることなので「work」は「あまりもの」でもちょうど良いと思いました。

 

まだまだ表示試験の段階で、CSSの定義も中途です。CSSの様子はこちら。

 

https://clippers.work/temp.html

*意味不明な文がテストページに表示されていますが、テキストの回り込みの雰囲気を確認するためで、何かがおかしくなったわけではありません。

 

CSSはホントに機能が豊富で、数ヶ月では網羅できるものとは思えませんし、仕事の片手間のプライベートではさらに習得に時間がかかるでしょうから、基本的なもの、必要なものだけを覚えて、HTML5の機能も併せて、サイトを構築していこうと思います。

 

Adobe Fontsのおかげで、Webの趣旨と雰囲気を代弁してくれるフォントを選択できるのも、時代の強みですネ。新しい時代のニュアンスを表現するために、スッキリとして軽快なサンセリフだけで構成しています。

 

 

 

まずは準備して思うのは、時代の強みは、ふんだんに使ってこそ。‥‥ということです。以前なら無理なことばかりが、今は簡単(というのは知識さえあればという条件付きですが)に実現できます。

 

独自ドメインの取得が初年度100円未満だったり、レンタルサーバも月数百円で済みますし、CSSやHTML5などを駆使すれば以前のケバケバしい原色の文字やデリカシーのないレイアウトに甘んじることもなく綺麗なWebページを作れますし、レスポンシブデザインによってパソコンモニタだけでなくiPadやiPhoneなどにもコンテンツを最適化して公開できますし、色々な恩恵で満ちています。

 

特に、CSSとAdobe Fontsには、時代に対する感謝しかないです。2000年前後では絶対ムリでしたもんネ。

 

 

 

余談ですが、最近終了したジオシティーズの「ホームページ」コミュニティが、コンテンツのありようゆえに「黒歴史」とか言われますけど、それは使っていた人だけの問題じゃないですヨ。例えばHTMLのリンクカラーの「色彩のデリカシーを欠いた、色の数値設定」など、HTMLや当時のパソコンの各ジャンルのリソースが「デザインなど気にしなかった」がゆえに、黒い歴史に拍車をかけたとも思えます。

 

こんなケバケバしい色。どうやったって、馴染ませることはできませんもんネ。

 

0とFだけで作った色なんて、HDRになったら、即OUTです。

 

Webセーフカラーは、時代の古く苦い思い出、でもちょっと懐かしい思い出だけで、今はじゅうぶんです。

 

現代は高機能なCSSもAdobe Fontsもあって、少なくとも「いかにもパソコンで作ったホームページ」のイメージから脱却することはできます。

 

私は映像制作が本業ゆえに、プロの人のようには到底できませんが、以前よりは読みやすく伝わりやすく、目にも優しいWebを作れたらと思います。

 

 

 

で、クリッパー。

 

クリスタ。

 

クリスタにしろ、TVPにしろ、ToonBoomにしろ、風評とも言える噂が業界内を飛び交っていますが、まずは自分で使ってみましょう。今は、リサーチやアンケートに右往左往して勝機を逸し続けるトップダウンではなく、実際に自分で使って小さいことでも確かな手応えを得て積み上げるボトムアップの時期です。

 

自分で使う‥‥となると、すぐに使えるのはクリスタになります。500円はね‥‥反則技とも言える価格設定だもんねえ‥‥。

 

アニメ業界の数年内に超えるべきハードルは、多くの人がペンタブ作画に慣れること、ソレに尽きます。ペンタブを使わなければ、その先には進めません。紙をトレスデータの入力装置として使い続ける以上、未来の映像産業との溝はどんどん深くなって、辛くなるばかりです。

 

TVPに関しては、私は旧知のAura使い(TVPの前身のAura時代、日本国内きっての)の人がいることもあって、使うこと自体はやぶさかではないのですが、如何せん、機会に恵まれないので、今はクリスタ、そしてToon Boomに専念することにはなると思います。私は以前、Mirageのライセンスを持っていましたし、クリスタよりもAura系のTVPのほうが親近感があったのですが、仕事の流れの都合で、今は安価なクリスタによってペンタブ作画自体を普及させることのほうが重要だと考えています。

 

とにかく、どんなソフトやハードを使うにせよ、ペンタブを使う人間を全世代分け隔てなく増やしていかにゃあ、なるまい。

 

 


フレーミング

カメラで写真を撮るのと絵を描くのは別物だと無意識に思っている人は、それなりに多いと思うのですが、フレーミングという観点で言えば、当人の撮った写真を見ただけで、当人のレイアウト作画の基礎能力を察することができます。無意識に撮ったiPhoneの写真なら余計に、当人の素性が出ます。

 

例えば、日頃の風景写真の多くが右(か左)の一方だけに傾いている場合。

 

つまり、こういうことです。

 

 

パッと見た感じでは、このくらいの傾きは大したことないと思いがちです。

 

しかし、水平に気を配って写真を撮る癖がついていると、以下のようになります。

 

 

見比べると、随分と傾きが判りますよね。

 

当人は全く気がついていないのか、水平ではなく、右のほうが微かに下がって傾いているのは、フレーミングを全く意識できておらず、目に映った情景を漠然とiPhoneを構えて撮影ボタンを押すからです。

 

並べてみると、一目瞭然です。

 

 

 

 

水平で良いものは、水平にちゃんとフレーム内に収めて、シャッターボタンを押すところからです。傾いた写真を撮ることに意図や意味などないのなら、まずはちゃんと水平に撮りましょう。

 

「自分の癖だ」というのなら、その癖を直しましょう。カッチリと水平を維持するのは、意識するようになると中々難しいものです。

 

実は、ほぼ水平に見える二番目の写真も、ほんの微かに今度は左側に傾いています。慣れてくると、そうした傾きが瞬時にわかるようになります。まあ、シャッターチャンスを逃すくらいなら、多少傾いていても撮ってしまうのが良いですが、静物・風景を撮る際には「自分の癖」で画面がどちらかに傾くのはできる限り避けたいものです。

 

*このくらいの傾きなら、バレを最小に防いで、Photoshopで修正できます。

*明らかに無意識で傾いているのと、体の揺れで傾いているのでは、見る人が見ればイッパツで判ります。スマホはつまんで構えるので傾きやすいですが、意識さえしていれば、少なくともこのくらいの傾きには抑えることができます。

 

 

水平、垂直にフレーミングできるようになったら、今度は撮りたいものをちゃんと写真に収められるようにフレーミングします。

 

撮りたいものにレンズを向けてシャッターボタンを押せば、撮りたかったものが無条件に写真に収まるわけではないです。「あ。この風景、イイ!」と思った時に、その情景の何が良いと思ったのか、インスピレーションを瞬時にフレーミングで切り取る能力が必要です。

 

人間の視覚は、即物的な記録装置と違って、脳内でフレーミングやトリミングをして、情報の特性を抽出する能力があります。人間の両眼の視野は、40〜50mmレンズのライカ判と同じくらいですが、人間は視覚によって得られた画像・映像を、ビデオカメラのように決まった画面アスペクト比と時間軸で脳内に収録するわけではなく、断片的に画像を抽出して、さらにはタイムリマップして記憶します。

 

その脳内のイメージ、情景から刹那に感じ取ったニュアンスを、画用紙なりカメラフレームなりに収めるのは、まさにレイアウト能力、フレーミングのセンスが必要になります。

 

 

 

もちろん、能力やセンスは磨くことができます。

 

一眼レフカメラを首からぶら下げて、街を散策してみましょう。歩いて回るだけで十分です。

 

ふと刹那、なんとも言えないニュアンスを情景から感じたら、そのニュアンスをフレーミングするために、サッと一眼レフを構えてファインダーを覗き、レイアウトを決め込みます。

 

ファインダー越しにフレーミングして切り取った情景レイアウトの中に、自分が感じたニュアンスは見えているでしょうか。

 

見えたならそこでシャッターを押します。見えないのなら、無駄なシャッターは押さなくて良いです。

 

初心の頃は、自分の肉眼を含めた身体感覚のほうが、レンズ越しのフレーミングより優っています。自分が瞬間に肌身で感じたニュアンスより、レンズ越しに撮影した写真のほうが劣っていることでしょう。そういうのを、寝ぼけた写真と呼びます。

 

つまり、自分の体は外界・世界から様々なニュアンスを感じ取っているのに、そのニュアンスをフレーミングへと翻訳できていないのです。

 

しかし、慣れてきてコツを掴んでくると、レンズ越し、ファインダー越しのフレーミングのほうが、自分の感じたニュアンスを大幅にブーストして拡声して代弁してくれるようになります。肉眼の視覚よりも、カメラのフレーミングの方が勝る体験を幾度となく経験します。

 

やがて、肉眼ではありきたりで平凡に見える日常の中から、カメラだからこそ切り取れる「特別な瞬間」を撮影できるようになります。

 

 

 

人間の眼にはフレームがありません。ぼんやりとしてブラーのかかった瞼のマスクが四辺になんとなく見えるだけです。しかも、眼を動かして情報を脳に送り、マッピングして収録します。

 

そうした眼から記憶した情報を、フレームという情報格納スタイルに準じて、しかも単眼でワンチャンスで、レイアウトして収めるのは、モロに当人の処理能力が影響します。カメラで写真を撮るということは、実はとても難しいことで、当人のスキルがありありと表れる性質を持ちます。

 

iPhoneでも良いので、自分の撮った写真を痛烈に批判しながらチェックしてみましょう。アニメーターも含めて多くの人は、自分がiPhoneで撮った写真に対しては無批判で、振り返ることもなくiPhoneの記憶装置に蓄積されていくだけですが、1枚ずつ丹念に自己分析して自己評価してみると、新たな自分に対する「気づき」が得られます。

 

そしてその気づきは、自分の描く絵にもフィードバックできます。アニメーターがレイアウトを描く時に、なんとなく線を引いて、「収まりの良さ」だけで消化試合的にレイアウトを描いて、レイアウトを描きながらレイアウトに無自覚だった自分を改めて認識できるでしょう。

 

さらには、線だけで知覚していたレイアウトフレーム内のあらゆる要素に対して、明暗や色彩のプロパティを強く感じられるようになります。

 

レイアウトは線だけでどうにかなるものでありません。色彩のレイアウト、明暗のレイアウトは、極めて重要です。

 

しかし、アニメ制作現場の標準的なフローでは、アニメーターが関与できるのは線のレイアウトだけです。ゆえに、画面設計、イメージボード、コンセプトデザイン、カラースクリプトなど様々なアプローチによって、レイアウトの線画だけでは見通せない要素に対して、明確に設計して能動的にコントロールするのです。

 

ですから、たとえiPhoneでも、絵や映像を本職とするプロならば、フレーミングを常に気にかけて撮影するのは有用です。

 

写真には色々な目的がありますから、なんでもかんでもかっこいい写真を撮るだけではないでしょう。資料写真にアーティスティックな要素など必要なく、克明に撮影できたほうが良いです。しかし、その「克明に」というオーダーにも、実はレイアウト能力・フレーミングテクニックは活きてきます。

 

資料写真として優れた写真を撮るにも、技術は必要なのです。ロケハンに行って単にシャッターボタンを押すだけでは、何をしにロケハンに言ったのか、写真からまるで伝わらない意味不明な写真のオンパレードになります。フレーミングを駆使すれば、資料写真として何十年も参考になる写真を撮ることができます。

 

 

 

アニメーション作品制作にあたり、監督・演出さんと一緒にロケハンに出かけるのもありです。「観光ではなく」てネ。

 

(ライカ判換算で)19mm、24〜35mm、50mm、85mm、100〜300mm、600mmくらいのレンズをレンズバックに入れて(重いけどね)、三脚も携えて、監督のイメージを聞きながら、

 

この広い景観を広いまま開放的に

 

昼間でありながら暗く閉ざされた雰囲気を

 

白日夢のように希薄な感覚で

 

都会にいながら、疎外感や孤独感を感じるような

 

‥‥みたいな様々なオーダーを、レンズの画角とフレーミング、絞り&シャッター速度といった限られた要素を駆使して、カメラに収録していきます。

 

アニメスタッフが雁首そろえてロケハンに行っても、誰一人として資料写真もイメージコンセプト写真も撮影できないようでは、単なる「ロケハンと言う名の慰安旅行」でしかないです。‥‥であるなら、アニメーターなり美術監督なり色彩設計なりの役職が、写真の技術、フレーミングの技術で、有用有益な写真を撮って実りあるロケハンにすれば良いのです。

 

 

 

アニメーターの中には、

 

写真は楽だ。シャッターボタンを押せば済むだけだから。

 

‥‥とか言う人も中にはいますが、その人が撮った写真は果たして「なぜこの写真を撮ったのか、ちゃんと見る人間に伝わる」写真に撮れているかと言えば、全然ダメダメだったりします。

 

絵より写真のほうが楽だ‥‥なんて、写真もろくに撮影できない人間がよく言ったものだ‥‥と思いますよネ。自分のやっていることだけは凄くて、他人はさぞ楽しているだろう‥‥なんて、不遜にもほどがありましょう。

 

まずはiPhoneでまともなフレーミングの写真をどんどん撮ってみましょう。

 

そうすれば、自分のアニメ作りにも旺盛にフィードバックできるようになりますヨ。

 

 



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