酒とコンピュータ

まあ、普通に考えて、目の前に1万円があって、それを酒代にするか、ソフトのサブスクリプションとiPad Proのローンに回すかで、当人の状況も変わってきますわな。

 

面白おかしく生きることと、面白きびしく生きることは、私の実感ですが、「両立は無理っぽい」です。

 

そこはどんなに隠そう、ごまかそうとしても、事実がそうだから、そうとしか言えません。

 

夢を叶えたい手段として、酒を使うか、コンピュータを使うか、‥‥‥とも言えますネ。すごく、極論ですが。

 

 

たまに酒を呑むのは良いですネ。楽しい酒は良いです。

 

では、たまにコンピュータを使うのも良いか。‥‥う〜ん、「たまに」ではダメかなあ‥‥‥‥‥。


サブスクリプションの選択

サブスクリプション、すなわちソフトウェアや各種サービスに対する課金は、お金を吸い取られ続けるだけに感じることも場合によってはありますが、考えようによっては「使うのをやめる」意思表示を初期導入費用なしに示せる手段とも言えます。

 

例えば、私はiPadにおいて、シングルスワイプ=1本の指先で摩る動作と、ペン先の入力を、機能を分けて使いたいのですが、その機能設定はドローソフトによってまちまちです。

 

紙と鉛筆を使っていた頃に、少なくとも私は、鉛筆を一旦離して机において、消しゴムに持ち替えて消す‥‥みたいな動作はせず、左手で鉛筆(左利きなので)、消しゴムを使う時に空いた右手を使う動作でしたので、ドローソフトにありがちな「消しゴムツールに切り替える」動作がいちいち面倒でイヤなのです。今では、Wacomのペンのテールスイッチすら面倒に感じるようになりました。

 

シングルスワイプを消しゴムに割り当てる機能は、今や必須となりました。対応しているドローソフトはクリスタとプロクリなので、自然とその2つばかりを常用するようになっています。

 

AutodeskのSketchBookは機能が豊富な上にシンプルな操作画面が気にいって、今までサブスクリプションでプロ版を使っていましたが、「指先消しゴム」に対応しない様子なので、サブスクリプションを停止しました。

 

 

 

もし、今までの「ライセンス買い切り感覚」ならば、数万円の対価を支払って、結局使わなくなった‥‥というオチになりますが、サブスクリプションだと月額か年額の安価な出費で済みますから、賢く使えばそんなに悪いものでもないです。ダラダラと課金することをしなければ。

 

試用期間が設定されているのも有利です。私はいくつもドローソフトを試していますが、「指先消しゴム」が設定できないと判明したアプリ・ソフトは、試用するだけで課金はしません。

 

メーカーにしてみれば、消しゴム機能1つで使用を停止するユーザがいるとは気づかないこともあるでしょうし、気づいても対応しないこともあるでしょう。単にサブスクリプションのアカウントが減るだけですが、そこから何を読み取るのかは、メーカー次第です。

 

ユーザーにしてみれば、「高い金出して買っちゃったから」と泣き寝入りせずに、「じゃあ、使わない」と明確に期間延長決済を打ち切って「否」を意思表示することができます。

 

「嫌いになった」から使わない‥‥なんて子供みたいな感情論ではなく、「使いにくいから」「使わなくなったから」という理由で、使用を停止できるのが、サブスクリプションにおけるユーザサイドの利点です。

 

AppleのMacやiPadの場合、サブスクリプション・課金の状態を操作する手順は、以下のサポート文書に解説されています。

 

定期購読内容を表示・変更・解約する

https://support.apple.com/ja-jp/HT202039

 

 

 

そのほかで、ユーザーができることは「フィードバック」でしょうネ。ただ、アプリ評価の「コメント欄」がどれだけ開発元に届いているのか無力感を感じることはあるでしょうから、本当にフィードバックをしたい=不満だけをぶちまけるクレイマーになるのではなくメーカーとユーザー双方の実益を考えるのなら、もっと別のフィードバックのルートを考える必要はありますネ。

 

 

 

まあ、ソフトウェア「税」、Apple税とかAdobe税とか言いたくなるような場面は、過去に何度もありました。小更新的な内容で、メジャーバージョンアップの数万円を支払うのか‥‥と辟易したことも、正直、あります。アドビはサブスクリプションを導入する前に、「必ず1年に1回、すべてのソフトウェアのバージョンアップをする」=「毎年お金を支払ってください」という方針を打ち出したこともありますよネ。

 

私は10年くらい前に、「使う時だけ使える料金制度ってできないのかな」と思ってましたし、以前の引越しする前のブログにも書いた覚えがあります。「サブスクリプション」なんていう言葉は当時全く知り得ませんでしたけどネ。

 

ソフトウェアを買う時に大きなお金を払って、バージョンアップに毎年1〜3万払う行為を、ソフトウェアの数だけおこなうのは、実質、個人では無理だと痛感していたのです。

 

サブスクリプションは毎月・毎年支払い続ける仕組みなので、より一層、「税」みたいに受け取る人も増えたかも知れませんが、やめたい時にはやめられる税、再開したい時には再開できる税でもあります。

 

 

 

まあ、アドビのCCに関して言えば、もう少し、料金制度が細やかだと良いのにな‥‥とは思います。特別セット980円、ソフト単体2000円、その上はいきなりフルセットで5000円‥‥とか雑な区切りではなく、単体だと2000円、自由に2つの組み合わせで3000円、そしてフルセットで5000円くらいになれば良いのにネ。5000円の月額で足踏みされるより、とりあえず使うソフトを2つだけでも使えるほうが、ユーザも「じゃあ使おう」って気になりますけどネ。

 

もしかしたら、「2つあれば足りる」というユーザが多いので「2つ」という選択肢はあえて用意しないとか‥‥、いろいろと裏事情を邪推したくもなりますが、現在の「サブスクリプション」という選択肢だけも、以前に比べてかなり有利だと感じます。

 

 

 

環境を凍結させて、例えば、2010年前後の環境のまま作り続ける選択もあるでしょう。CS6を使い続けるのも選択の自由です。

 

しかし、現在進行形の世界規模のインフラの中で、新しく出現する技術を味方につけたいのなら、制作環境の基軸として「サブスクリプション」を賢く使う選択は、必須だと感じます。

 

ユーザもソフトもハードも、映像制作会社も、映像ソフトウェアメーカーも、インフラも、ひとまとまりの社会も、何か単体で成立しているのではなく、相互に作用し影響して成立していることを考えれば、できるだけ賢くモダン=Modernな要素を活用していきたい‥‥ですネ。

 

 

 

 


CCのコスト

AdobeのCCが発表された2012年、とびつく勢いですぐに契約しました。なぜかというと、バージョンアップの料金に毎年苦しんでいたからです。

 

記憶が曖昧ですが、メジャーバージョンアップが2.5〜3万円、マイナーバージョンアップが1.5〜2万円くらいだったように思います。それをメインのソフト=After EffectsとPhotoshopで2つをほぼ毎年、サブのソフト=Dreamweaverを2年間隔くらいで、更新するのは相当キツかったです。

 

キツいと言っても年間6万にはなりませんでしたが、その代わり、IllustratorやPremiereやInDesignやFlashはハナから諦め、Dreamweaverなどサブ使用のソフトは数年前の古いバージョンに甘んじなければなりませんでした。

 

Creative Suite=CSのセットをまず最初に買うには、手頃なセットで20万くらい、フルセットだと30万越えだったようにも記憶します。それでも単体で5〜15万円のソフトを個別に買うよりはずっとお得でしたが、そのセット内容を全部、年ごとのバージョンアップに対応させるのは、個人の自腹では相当厳しい状況でした。そのうちに虫食いバージョンアップになって、放置していたソフトはバージョンアップ有効期限を失効する‥‥なんていうオチになります。

 

つまり、そもそもイニシャルコストが捻出できず、無理してCSのセットを買っても、その後の維持=バージョンアップがままならず、節約すればそのぶん使うソフトと機能が限られ、どんどん状況が変化する映像産業の技術に追随しにくくなる‥‥という痛い箇所ばかりでした。

 

なので、月5千円=年間6万円とは言え、すべてのAdobeアプリケーションが、すべて最新版で使用できる、2012年の新しいソリューションの「CC」にとびついたのです。

 

 

 

年間6万円。‥‥微妙な値段です。安いとは言えず、むしろ高いとは思いますが、月5000円の引き落としでアドビの最新版フルセットが使えるのは、昔からそれなりのお金をつぎ込んで使ってきたユーザとしては、決してバカ高いわけではないです。

 

最近は同じ月5千円のアカウントで、iPadで使うiOS版のアドビのアプリも制限なく使えます。来年リリースとの公式アナウンスのあったiOS版Photoshopと、「ようやく」アドビが繰り出したドローソフト「Project Gemini」も、同じ提供形態になると思われます。

 

そうなんだよね‥‥。1ライセンスいくら‥‥で買ってた頃は、新しいアドビのソフトが発売されても、手が出せなかったんですよネ。だって、まず最初に5〜15万くらいかかるし、その後のバージョンアップ料金の負担も1ライセンス分増えますし。

 

 

 

今まで何度も書いてきましたが、コンピュータはかなりの金食い虫です。アドビの月5250円だけで済むわけではなく、クリスタもサブスクリプションですし、定期的なマシンや周辺機材の買い替えも毎月の支払いに換算すれば、相当な額に達します。

 

アニメの作画机が一生物だった頃とは、キッパリ大きく愕然と、状況が変わります。毎月、お金を「環境を維持するためだけに」吸い取られ続けます。

 

金を食われる状況に身を置くのなら、食われたぶん、自分の状況のプラスに作用させないと、ただの食われ損です。

 

コンピュータを導入する前と後では、たとえ個人レベルであっても、ビジネススキームの違いをハッキリと認識して、日々の仕事と作業に反映させることが重要です。じゃないと、単に趣味でコンピュータが好きな人に留まるだけです。

 

もしコンピュータを自分の絵や映像を作る仕事のツールとして導入したのなら、その導入が大きな実利をもたらすように、アクションを変えねばならないでしょう。

 

 

 

「自分はただ純粋に絵を描いていたいだけなんだ」と思う人もおりましょう。しかし、絵を描くのを趣味ではなく仕事にしちゃったのなら、仕事としての損得勘定、ビジネスとして展開上の「狡猾さ」は、どうしても必要です。

 

絵を描くことを職業に選ぶことは、決して、大人になっても子供の感覚のままで生きるための隠れ蓑ではないはずです。

 

「あなたの才能に惚れ込んだ。あなたは自由に絵を描いていればそれでいい。必要なお金は全部私が用意する。」‥‥みたいな、夢のようなパトロンでも出現しない限り、自分自身の行動によって、自分の仕事が有利に展開するように、戦略と戦術を練る必要があります。それが絵を描く本筋と隔たっていたとしても、ホビーをビジネスに変えた人間の宿命なのです。

 

 

 

Warez(今はほとんど聞かないスラングですね)で凌いできた人ならともかく、正規のルートで対価を支払ってソフトウェアを購入&維持してきた人は、そのコストがどれだけ積み重なって生活費に影響を及ぼすか、強い実感があるはずです。時には、ソフトウェアの更新に合わせて、予定になかったマシンの買い替えの必要性にすら迫られますしネ。

 

「私はアニメ業界のアニメーターです。」という旧来のスキームから抜け出して、アニメ以外の画業も自分で開発していかなければ、コンピュータ機材を主軸とした自分の作業環境を良好に維持するのは不可能です。アニメの作画料金だけで維持できるほど負荷は軽くないです。

 

他の出費を抑えて充てる‥‥という思考だけでなく、自分のビジネスとしての、画業のとしての、「生涯視野のスキーム」を再考する必要があるでしょう。たとえ社員として雇用された若いアニメーターでも、20〜40年後の自分はどうなっているかを考えれば、「会社に依存しきる」のはNGです。

 

自分の身を守ってくれるのは、会社でも業界でもなく、最後は自分ですもんネ。

 

CCをはじめとしたサブスクリプションを、どう自分の「生涯の仕事」に作用させていくか。

 

ストラテジーとか言うと大げさかも知れませんが、個人レベルでも戦略規模でものごとを思考して、確実かつ地道に実践していくことが必須だと思います。

 

 

まあ、メーカーとしてのアドビは、耳障りの良い宣伝文句ばかりを押し出してきますが、それはそれで適度に受け取って適度にスルーしておきましょう。「我が社の製品を導入すると、こんなに負担が増えますよ」なんて宣伝する企業は、どこにも存在しないですからネ。

 

なので、宣伝文句ばかりに浮かれず、月5250円の負担を冷徹に捉えて、自分の仕事に作用させてどのように実利へと導いていくか。

 

その程度はあらかじめ考えておいても、「考えすぎ」にはならないと思ってます。

 

 


CSとCC

アニメ業界が今でもCS5.5やCS6を使っているのは、業界内部では広く知られた現状です。外部の一般の人にはあまり知られていないとは思いますが。

 

「なぜなの?」と普通の人は思うはず。CS6がサポート終了して結構経ちますし、いったいどれだけ前のバージョンかも忘れるくらい古いバージョンですが、理由はまあ、すごくシンプルに言えば、金がないからです。あらゆる方面において。

 

CS6を最新のCC2019にアップするためには、複数のハードルが存在します。

 

ライセンス買い切りではなく、定額の使用料金を、スタッフのアカウント分、支払い続けるための金

 

CCへの更新にともない、ハードウェアの性能=必要システム環境をアップするための、機材買い替えの金

 

CCへの更新にともない、別購入のプラグインの更新のための金

 

CCライセンスを整然と運用するためのシステムメンテナンススタッフを雇用するための金

 

最新のCCだとアニメの撮影ができなくなるという話では全くなく、PhotoshopやAfter Effectsを更新できない会社に合わせて、業界全体が引きずられているに過ぎません。

 

 

思うに、アニメに関わる会社が、AdobeのCCに更新できた時が、「大きな変化の象徴」だと感じます。

 

必要なお金を捻出できずに、昔のまま、作り続ける。

 

‥‥‥それって、AdobeのCCに限ったことではないですネ。原動画の一律で安い単価のまま作り続ける、アニメ業界の体質そのものにも通じることです。

 

「必要なお金を捻出できずに、昔のまま、作り続ける」状況が、「必要なお金をちゃんと捻出した上で、新しい社会や環境の基準に合わせて、作り方を変えていく」意識と実態に変わるということは、アニメの現場が変わり始めた象徴と言えるでしょう。

 

 

CS6を使い続けていれば、購入時以後のお金は発生せずに、相当なコスト抑制にはなりますが、新しい時代の新しい映像技術基準からはどんどん立ち遅れていき、前時代的作業環境と前時代的品質に留まることにもなります。

 

「じゃあ、どこかで一斉にCCにしちゃえばいいじゃん」とか思いがちですが、CCはCS6と違って「買い切りではない」ので、CCを使い続ける以上は延々とお金がかかります。今までのアニメ業界の「作画机を買ったら何十年でも使える」と言った「昔の作業環境の意識」のままでは、CCの料金制度は容認も許容もできない部分です。「ソフトを買って、その後はあまりバージョンアップしないで、費用を節約する」ということができなくなります。

 

 

一方で、ソフトウェアを作る会社側も、一度ソフトを売ったら、延々とバージョンアップとメンテナンスを無料で提供し続けるなんて、無理です。

 

「Windowsのバージョンが上がって動作しなくなったから、アップデータを無料で供給しろ!」と、最初にソフトウェア購入のお金だけしか払っていないユーザが主張するのは、「どんなに乗っても壊れない乗用車を売れ。もし壊れたら無償で修理しろ。」というようなものですから、それがどれだけ非常識なことか、お分かりかと思います。

 

ソフトウェア会社は霞を食って生きているわけではないです。霞では食えない‥‥はもう、お互い様‥‥ですよネ。

 

つまり、どういうことかというと、

 

アニメ業界内部の慣習や都合だけでエコシステムを形成する時代は終わろうとしている

 

‥‥のです。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどのインフラ、そして社会的な労働の基準も含め、過去のままでは済まないわけです。

 

その時代的変化を受け入れられるか、受け入れられないか、まさにCCの導入が象徴的に物語っています。

 

 

ものすごくバッサリ言うと、CCを導入できない制作集団は、過去から続く色々な物事を変えられない集団で、CCを導入できた制作集団は、新しく変わる可能性をもった集団‥‥とも言えるでしょう。CCを運用する時点で、お金の問題はクリアする必要がありますもんネ。まあ、CCを導入しても旧態依然とした作り方は可能なので、あくまでも「変わる可能性」ではあります。

 

しかしねえ‥‥‥。アニメ業界の暗部を知る人は、「まさか、CCの導入のために、人的コスト=報酬・単価を削ったりするんじゃないか」と嫌な予感を感じる人もおりましょう。‥‥たしかに、そういうことをしそうな業界なのは否定できません。

 

もしかしたら、10年後にPhotoshopがバージョン30だ!‥‥とか言ってる世の中で、アニメ業界はCS6を使い続けていたりして。

 

‥‥そこまでキモが座っていれば、それはそれで凄いのですが、アニメ業界って一方で「簡単に尻馬にのる」性質も持ち合わせているので、果たして2020年以降はどうなることか、歴史とともに歩むばかりです。

 

 


アドビのラッシュ

早速使ってみました。Adobeの新しい「Premiere Rush CC」。

 

んー。なんだか昔のiMovieみたいで懐かしい。つまり、手軽な操作で、「ソフトにおまかせにし過ぎず」に、ムービーを編集できます。

 

で、なぜ私が早速試したかというと、作業している4K HDRのムービープレビューで、ちょっと困っていたからです。

 

まさに「ラッシュ」を確認したい時に、Premiere Rushが役に立つのではないかと思って、昨日の今日ですぐにインストールして試してみたら‥‥

 

十分、各個人環境ローカルでの「ラッシュフィルムチェック」的には使えそうです。

*スタッフを呼んでチェックする「ラッシュチェックイベント」には、横着せずに、然るべき環境でDaVinciかAvidで再生しましょう。

 

 

手元で内容をチェックするくらいなら、QuickTime PlayerやVLCじゃダメなの?‥‥と思われるかも知れません。

 

ダメなんです。

 

QuickTime Playerは「リミテッドレンジ」に表示を変えて再生するので、PQ1000nitsのクリップポイントが打撃を受けて絵が変わってしまってチェックできません。

 

VLCは、何か妙なお節介をしてモニタの輝度を変えて再生するので、これもNG。

 

After Effectsに読み込んで再生すれば、フルレンジの正常なルックになるのですが、After Effectsは編集ソフトではないので、クリップを並べて再生する用途にはイマイチ向きません。手間がかかります。

 

PremiereもDaVinciもラッシュを見るには、ちょっと段取りが大げさなんですよネ。

 

 

そこでまさに名前の通りの「Rush」。

 

Adobeが「Rush」と名付けたのは、ラッシュフィルムとは意味が違うかも知れませんが、Rushのそもそもの意味=「急いで」の意味は共通してます。iPhoneで撮影したムービーを手早く編集して手早くSNSなどに公開する目的のPremiere Rushは、その「手早く」が、私らのニーズにもうまくハマりそうです。

 

After Effectsでフルレンジ再生できたので、Rushも恐らく大丈夫だろう‥‥と思って再生してみましたが、ちゃんと正常にフルレンジで再生されました。

 

 

ちなみに、QuickTime Player 7もXも、リミテッドレンジで再生していることがすぐにわかったのは、まず映像が異常だったこと(=PQ1000は異常に気付きやすい)と、ボールドにつけたカラースケールが役に立って、レンジの変動に気付いた次第です。

 

*ブラウザではsRGB・Rec709の表示なので、PQカーブとは無縁のリニアな階調で表示されています。

 

PQ1000ですと、183と191の間にクリップポイントの様子=グレースケールの大きな落差が表れますが、QuickTime Playerやその他の簡易プレイヤーで再生すると、クリップポイントがズレて表示されます。QuickTime Player Xですと、175と183の間に大きな差が表れるので、「リミテッドレンジに圧縮されている」ことが容易に判別できたわけです。

 

PQ1000はひじょ〜〜〜〜〜〜〜〜うにデリケートなので、転ばぬ先の杖でカラースケールをボールドにデカデカと入れておきましたが、早速、役にたって良かったス。

 

 

で、Rush。

 

敷居がとても低く、インストール直後の簡単なチュートリアル(ものの5分で終了)で、すぐに使い始められます。

 

iMovieは色々と仕様変更があって、ユーザ不在で自動でムービーをチョイスして映像を作ったりと、使う気がどんどん失せていましたが(それはそれで皮肉な話です)、Rushはちゃんとユーザー本位の「編集作業」でムービーが作れるので、昔のiMovieとかが好きだった人にはオススメです。

 

 


20と16

今日、After EffectsやPhotoshopの2019が利用可能になりましたネ。

 

After Effectsはバージョン16、Photoshopは20。

 

昔、「Photoshopって、どこまでバージョンアップし続けるんだろう。もしかして20とか。ふぇふぇふぇ。」と笑っていたのが本当にバージョン20。

 

同じくその頃に、「Photoshopがバージョン20とか言ってる時には、自分も相当ジジイになってんだろうなあ」と思ってましたが、まさにジジイになりました。半世紀生きてもうた。

 

Photoshopは、レイヤーモードを切り替えるとライブで更新されるのが目新しいです。小技が盛り込まれてます。

 

あと、やっぱり仲間内で「おお〜」っとなったのは、複数回アンドゥ機能。「今更感」と、誰もが思う機能ですが、あれば便利です。

 

早速使い始めてますが、驚いたことに、

 

After Effectsは複数回アンドゥに体が無意識に馴染んで対応して、コマンドZに慎重な操作をしている

 

Photoshopは「どうせ1回しかアンドゥできない」と体が覚えているので、雑にコマンドZを押しまくって戻っちゃいけないところまで戻って混乱する

 

‥‥という自分の「PhotoshopとAfter Effectsの使い分けの癖」をはじめて認識しました。

 

もしかして、ユーザーから「前のような1回しかアンドゥが効かないオプションも追加してくれ」とかニーズがアドビに寄せられたりして。

 

 

After Effectsをアップデートすると、どうやらAME(アドビメディアエンコーダ)も合わせて自動でアップデートする模様です。

 

最近のAfter Effectsは、様々なムービーのファイルフォーマットやエンコードに対応するのに、AMEとの連携機能を使いますから、AMEのアップデートは必然です。

 

After Effectsはエクスプレッション・スクリプト制御のJavaScriptが強化されたと聞いたので、早速試してみました。

 

バージョン15、つまり2018のAfter Effectsまでは「Date()」をエクスプレッションで使うことができませんでした。以下の通りに。

 

 

つーかね‥‥、現在時刻をカットボールド(スレート)に書き込みたいので、Date()を使いたいのにな‥‥と、ずっと困っておりました。しょうがないので、昔ながらの「番号」エフェクトを使っていました。日付と時間を同時に使えなくて、どんくさくてイヤなんですけど。

 

しかし、新しいバージョンのAfter Effectsはめでたく、Date()が通るようになりました。

 

テキストレイヤーを作って、テキストソースにエクスプレッションを追加して、「Date();」と書くだけです。

 

 

 

これを、テキトーに加工して自分の好きな書式に変えれば、現在日時を書き込むことができるはず‥‥ですが、キャッシュが画像を握っていた場合は、番号エフェクトの時と同じく、期待した結果にならない可能性もありますネ。

 

すっかりJavaScriptのDateとはご無沙汰だったので忘れてましたが、JavaScriptのDateってShellの「+%Y.%m.%d」みたいに簡単に日付を文字列化するのってなかったっけ‥‥? いちいちgetYear()とかで「2018.10.16」を組み立てるのかな‥‥。

 

なので、やってみました。

 

以下のエクスプレッション文。

 

var cd=new Date();cd.getFullYear()+"."+cd.getMonth()+"."+cd.getDate();

 

で、結果がコレ。

 

あれ? 9月? しかも1桁。

 

 

 

そうか‥‥。なぜか、月だけはゼロスタートのコンピュータ流儀なのです。だったら、getDateもgetFullYearもゼロスタートにすれば良いのにネ。‥‥あ、アレか、月には呼び名があるから、配列のインデックスとして使えるようにゼロスタートなのかな。

 

var cd=new Date();"今日は"+["睦月","如月","弥生","卯月","皐月","水無月","文月","葉月","長月","神無月","霜月","師走"][cd.getMonth()]+"です";

 

‥‥みたいな感じで。

 

なぜ月だけゼロスタートなのかは本当の理由はナゾですが、まあ、それはおいといて、ちゃんと今日の年月日が出るようにします。

 

var cd=new Date();

cd.getFullYear()+"."+(String(cd.getMonth()+101)).slice(1)+"."+(String(cd.getDate()+100)).slice(1);

 

ベタベタな方法ですが、これで4ケタ.2ケタ.2ケタの年月日表記になります。

 

 

 

一発でこの書式が作れないのは面倒といえば面倒ですが、Date()が使えるようになっただけでも、素直に喜びましょう。

 

地道に機能を更新し続けるAfter Effects。Dateの他にもどんなことができるようになったのか、使いながら探っていきたいと思います。

 

 

そういえば、今回のアドビフィーバー(Maxか)で予告された「Project Gemini」は結構期待してます。他のドローソフトに遅れること数年、満を持しての登場だと良いんですけどネ。

 

 

 


ループ中

Fireの10が4200円割引でお手頃価格で手に入りますネ。10/22までのセールのようです。

 

 

4200円割引だと、11780円。1920pxを10インチに詰め込んだ高詳細パネルで、操作感もきびきびと動くタブレットが、12,000円って、凄過ぎです。

 

64GBのSDカードを足して96GB仕様にしても、14,000円未満って、他では真似できない内容です。‥‥まあ、Amazon的にはビジネススキーム全体での目論見があるのでしょう。

 

 

「そう言えば、昔の8.9インチのFire HDは遅くてトロくて、結局使い物にならなかったなあ‥‥、今のFireはかなり頼りになる存在だなあ‥‥」と何気なく考えていたら、ふとデジャブのような不思議なキモチになりました。

 

前にもあったぞ。この感じ。

 

まさに、MC68040、PPC601、604、G3‥‥と、映像やグラフィック用途でどんどん「使い物になっていった」Macの歴史をトレースしています。Windowsの場合はどのようなプロセッサの経緯になるのか実感が薄いので、Macで例えておきますが、どうやら、私の中で体験がループしています。

 

来年にはPhotoshop CCの完全版がiPadで動作し、Mac/PCと横断作業ができるようになるなんて話を聞くと、一層、20年間の状況が姿を変えて再演してループしているのを感じます。

 

ぶっちゃけ、Mac/PCは行き詰まった感があります。よほど大きな何かでもなければ、今後、特筆すべき性能向上は無いように思います。画期的なプロセッサの出現とか、そもそもノイマン型など旧来アーキテクチャとは全く違うコンピュータの出現とか、現在の「速度盛り」「容量盛り」の流れとは違った「何か」が現れないと、「今度はiいくつ? 何GHz?」と言った小更新に留まるでしょう。

 

実際にiMac Proを使っていても、4K HDRでの制作には「足りない感」があり、コンピュータは最近ずっと、足踏み状態だなと感じます。‥‥やっていることがどんどんエスカレートして過多・過重になっているのもあるんですけどネ。

 

 

一方、iPad Pro。Fire。

 

私が使っている第2世代のiPad Proは、容量が512GBで「Display P3」の色域を持ちます。まあ、Appleの言う「Apple節のP3」はどのような仕様で何nitisかもナゾなんですが、プロクリやクリスタですいすい絵を描いても、膨大な容量の半分も使い切れません。

 

もちろん、iPadではAfter Effectsのようなソフトで重い作業をしないので、軽快さを保てているのでしょうが、タブレットPCの歴史だけで言えば、恐竜的進化の真っ只中です。iPad miniとかiPad 2とか、昔のMacで言うと鈍足なPPC601の6100や8100のごとくですが、現行機種は601〜604のPowerPCくらいの性能向上にはなっているでしょうかネ。

 

現行のFireも同じで、明らかに昔のFire HDとは、動作のキビキビ感が違います。2010年代前半のFire HD 8.9は、同時代のiPadに比べて動作が鈍く、「性能の差は値段の差か」と諦めたものですが、今は動作に関するストレスは感じません。ハードではなくソフト面、‥‥すなわち、Fire OSの機能の乏しさが目立つようになっています。まあ、本体の性能が向上したので、今度はOSが問われるようになった‥‥ということでしょうネ。

 

ふと自分を冷めた視点で見ると、自分がここまでiPadやFireに「熱中」しているのは、結局、1990〜2000年代に自分でもアホと思えるほどMac・PCに熱中したのと同じことを繰り返しているんだと思います。

 

現在はMac/PCは必要に応じて買い換える程度の頻度の低いローテーションに落ち着きましたが、その代わりに、iPadやFireを毎年のように買っているのですネ。外食や呑み代にお金を使わない程度の倹約で、十分、Fireは買えますし。

 

 

そうか‥‥。自分で言うのも何ですが、最近、据え置き型のコンピュータにあまり興味がなくなっていたのは、その性能向上の鈍さもあるけど、もっと大きな理由は、iPadのようなタブレット型PCに大きな可能性を感じて引き寄せられているからだった‥‥のです。

 

なんか、ちょっと考えればわかることで間の抜けた感じですが、自覚がなかった‥‥。今、気付くか? ソレを。

 

 


生死を忘れ

人間って、生きていることと、死ぬことを忘れがちな生き物ですよネ。‥‥いや、もしかしたら、猫や犬も同じかも知れません。生きているのが当たり前‥‥のように生きていくのが「生物」の常なんでしょうかね。

 

100年後の世界は存在するであろうに、私はその世界にはもういない。‥‥恐ろしい事実ですよネ。いつか自分が死ぬなんて。

 

生きているのは辛いけど、死ぬのは怖くない。

 

生きているのは楽しいけど、死ぬのは怖い。

 

どっちがましなのか。

 

 

「自分探し」ではなく、「自分失くし」をむしろすべき‥‥と、ラジオでみうらじゅんさんが話しているのを聞いて、そうだよなあ‥‥と思いました。色々なものを捨てて、最後に残るのはなにか。


実は私、そういう「自分失くし」の体験を20代のフリーアニメーター時代に通過しているので、肝はかなり座っていると自覚してます。「気分だけ」でなく、実際に生活まで闇に落ちた時代があったからこそ、最後に残ったものが解りました。

 

あのドス黒い闇の中から生還できたのは、自分ながら奇跡だったと思います。実際、お金が稼げずに、生活のインフラ=ライフラインが全て停止して真っ暗な夜をアパートで1〜2週間も過ごした(=一度ではなく何度も‥‥)ので、まさに闇の中そのもの‥‥でした。

 

思うに、そこまで落ちぶれ果てたからこそ、「生き死に」に関する「基本的な部分」をこじらせずにその後に済んでいるのでしょう。水道を止められれば、クソも流せないですが、そのクソを排泄したのは自分ですからネ。

 

 

毎月決まった額のお給料を貰える身分で、自己肯定ができない人

 

完全出来高で稼げなくてインフラも止められるような身分で、自己肯定を沸々とたぎらせている人

 

どっちがましなのか。

 

私にはよくわかりません。どっちがましか‥‥は。

 

ただ、自分の体験に由来する実感からすると、ライフラインが止まる生活まで追い込まれると、「自分の生きている状況」を、まざまざと実感します。「ライフラインは死んでるのに、オレは生きてる。‥‥なんだこれ???」と、月明かりがやけに明るく感じる窓外を見ながら、生きていることと死んでないことがリアルに刻々と身に染みるのです。

 

一生懸命取り組むほど金が稼げず、水道が止まってウンコも流せないほどのミジメな生活に落ちぶれて、でも、そのウンコを尻穴から絞り出して生きようとしている自分のカラダはあって‥‥と、「人生真っ暗闇」気分でもクソはするんだな‥‥と何とも滑稽に思えたものです。

 

自分の未来に何があると、錯覚していたのか。自分の中にどんな素晴らしいものが宿っていると、錯覚していたのか。‥‥妙なプライドは、クソと一緒にバケツの水で流れていきました。

 

ガラスのプライドを大切に守り続けて、どこか一部にヒビが入れば大騒ぎ。‥‥捨てちゃえば良いのですよ。そんな厄介なこわれものは。どうせ、遅かれ早かれ、ぶっ壊れるんだし。‥‥粉砕機にかけて粉々にしても良いくらいです。

 

でもねえ、やっぱり、捨てられない人は多いよネ。まず、そこまで状況的に追い詰められないもん。毎月定額の給料がもらえている時点で。

 

 

産まれて生きて死ぬ。己が、そうした人間の基本的な「生き死に」のトランスポート層の上にのっかっていることを、私は会社に所属するようになっても、忘れることはないです。人間の一生は、学校や会社や業界のコンテナに積まれ続けるわけではなく、やがて積み下ろしの時期も来ましょう。すべては終着点に向かう旅ですよネ。

 

生きてるんだったら、死ぬまでにどれだけできるか、それを考えることにしてます。

 

死んだら、何もできなくなりますもんネ。

 

 

*今回、排泄物の単語が何度も出てきましたが、私の当時の状況の吐露と解釈くださるよう、お願い申し上げます。

 

 

 


iPad版 Photoshop CC

「iPad版Photoshop CC」の情報が今日、出ましたネ。

 

https://www.adobe.com/jp/news-room/news/201810/20181015-adobe-announces-next-generation-creative-cloud-max-2018.html

 

以下、引用です。

 

 

マルチデバイス対応の高性能な画像アプリとイラスト制作アプリをプレビュー

アドビは、マルチデバイスという新たな時代の制作環境に対応し、主要デスクトップアプリと連携したワークフローを構築できる、2つの次世代モバイルアプリのプレビューを公開しました。

 

iPad版Photoshop CC:タッチ操作でコントロールできるよう再設計されたiPad版Photoshop CCは、デスクトップ版と同じパワーと精確さを受け継いでいます。つまり、iPad版PhotoshopでPSDのネイティブファイルをそのまま開いて業界標準と言えるPhotoshopの画像編集ツールで編集ができ、使い慣れたレイヤーパネルも装備されます。マルチデバイス対応のPhotoshop CCは、iPad版が2019年に提供開始予定です。iPadで編集作業を開始し、すべての編集内容をCreative Cloudを介してデスクトップ版Photoshop CCで引き継ぎ、両者間を行き来して編集をすることができます。

 

Project Gemini:デバイス横断でのドロー&ペイントワークフローを加速するために新たに開発されたアプリです。Project Geminiは、iPad版を2019年に提供開始予定です。ビットマップとベクターならびに新しいダイナミックブラシを統合し、単一のドローイングエクスペリエンスを提供します。Project Geminiでは、アーティストは使い慣れたPhotoshopブラシを同期して使うことができ、Photoshop CCとの連携もスムーズに行えます。

 

 

iOSでのPhotoshop。‥‥既にiPadを作画&映像制作業務で毎日使っている私としては、メモリの上限によるレイヤー数や、色深度(8bitどまりか否か)の制限が気になるところですが、まずは「デバイス横断」が可能となるPhotoshopの登場を素直に喜ぶことにします。

*デバイス横断を宣伝するあたり、16bitモードの読み書きは可能だとは思いたい。ちなみに、クリスタもプロクリも8bitどまりで、16bitは扱えません。軽量のプロクリはともかく、クリスタが今でも16bit非対応なのは不満というよりはナゾです。カラーイラストを扱うのにネ。そんなに設計の古いソフトなのかな。

*PQのHDRを扱う場合、8bitは使わないので、いちいち16bitをiPadのドローソフト用に8bitに変換するのが面倒です。‥‥線画作業なら8bitでも大丈夫ですが、行き来がネ。Pixelmatorは16bitファイルを開けますが、ドローソフトにはならないので、なかなか悩ましい。

 

選択肢が広がるのはイイです。

 

私がPhotoshopを初めて使ったのは、バージョン2の頃で、レイヤーがないバージョンでした。レイヤーのないPhotoshopなんて、今では冗談みたいな話ですが、当時はアンドゥリドゥ、フェード、マスクが使えるだけでも、めちゃスゴいと喜んで使ってました。だってさ、現実の写真撮影や絵具を使ったイラスト制作は、アンドゥやフェードなんて無理ですもんネ。

 

当時では夢の道具でしかなかったiPadのようなガジェットが出現した上に、Photoshopが動作するようになるとは、リアルに想像できませんでした。奥行きがあってドカンと重いCRTに、タワー型Macの1152px解像度の映像を映し出し、1670万色なんて無限の色彩だ!‥‥とか言ってた時代が、何もかも懐かしいです。

 

今度のiPad Proの新型は、5.9mmの薄さとも噂されていますよネ。

 

時代はどんどん進化しますネ。

 

 

1995年頃に初めてPhotoshopをイジった時に、「これで自分の人生が変わるかもしれない」と予感したものですが、2015年に発売されて即座に飛びついて買ったiPad Proも、実は、刻々と自分の人生を変え続けているのかも知れません。

 

たとえ将来にAppleのiPadがなくなったとしても、iPad Pro的な何かさえあれば、自分はなんとかなりそうだ‥‥という実感があります。

 

だってさ‥‥、私が20代の終わり頃にPhotoshopとMacと遭遇していなかったら、アニメ業界から離れて、今は全く別のジャンルの仕事をしていても不思議ではなかったと思います。そのくらい、道具との出会いは重要です。当人を生かすも殺すも、道具次第‥‥だと、人生を半分以上生きた今、ハッキリと自覚できます。

 

iPad版Photoshop CCは来年に提供が開始されるとのことです。

 

iPad Proの新型もあいまって、また何か、新しいワークフローやものつくりのアイデアが生まれると良いですネ。

 

 

 

 

 

 


忠誠の習慣

日本のアニメーターは、類い稀なる突出した能力を有しているにも関わらず、「絵を描くことをハンデにしている」ような状況を感じます。

 

線画以外を描こうとしない

アニメの仕事以外をやろうとしない

ネットなどの現代のインフラを仕事の広がりに活用しない

アニメの仕事の形を変えようとしない

 

なぜ?‥‥なんでしょうね。

 

私のような1960年代生まれも、20代の若い1990年代生まれも、「学校で良い子」であることを子供の頃から叩き込まれて、「道」から外れることを「悪しき」とする思考が根付いちゃっているのかな‥‥と思います。

 

「なぜ、アニメーターは反乱しないのか」という記事を読んだことがありますが、反乱しないのはアニメーターに限らず、仕上げも撮影も同じで、もっと言えば日本で育って社会人になった人間の多くは「自分の仕事を所与の形として認識して、それを疑わない」気質と言えます。

 

‥‥で、何か指摘されたり注意されたりすると、容易に不快な気分になったりします。それはなぜかというと、「自分はこんなにルールを守っているのに」という意識が根底にあるからだと、常々考えています。

 

「おれはちゃんとやっている」‥‥の「ちゃんと」の実体とはなんなのでしょうネ。それはアニメーターで言えば、

 

線画だけに専心する

アニメの仕事だけをやる

昔からのアニメ業界のインフラだけで仕事をする

アニメの仕事の旧来の形を守り抜く

 

‥‥ということなのでしょう。

 

となれば、たしかに、どんなに絵の能力が高くても、線画の原画仕事以外に目はいかなくなりますよネ。

 

でもさ。

 

「アニメ業界の忠臣」を体現して、「主君からどれだけの恩給を与えられる」のでしょうか。「サムライジャパン」の気分に浸って、「アニメ業界のサムライ」とばかりにアニメの線画仕事だけに忠誠を誓って年月を重ね、‥‥で、手元に残ったものはなんでしょうか。貧困の老後?

 

手がけた多くの原画仕事の全ては自分の著作権を主張することは難しく(他人の考えたキャラとストーリーで、他人が書いた絵コンテに基づいて、原画を描いているのですから、著作権の主張は無理過ぎるでしょう)、かと言って、権利などなくてもどんどん稼げるほど作業単価が良いわけでもない。

 

そんな酷い現状の中、一体、何に対して、忠誠を誓っているのでしょうか。

 

子供の頃から植え付けられた「忠誠心の習慣」だけで行動しているんじゃないですか。

 

 

私は、もし群れがリーダーに付き従うとすれば、リーダーがアルファオオカミとしての何らかの強い実力をもつからだ‥‥と、いつも考えます。年功序列でもなければ管理職の肩書きでもないです。へっぽこなリーダーには群れは追随しません。

 

では、アニメ業界の暗黙のリーダー的存在、つまり、アニメ業界を束ねているシステムは、2020年代に果たして強い力で人々を惹きつけるリーダーになり得るでしょうか。

 

なり得ませんネ。システムが老いすぎて、ヘッポコになり過ぎているのです。

 

新しい映像技術が押し寄せる2020年代に、アニメ業界の内部は「一致団結して、困難に立ち向かう集団」たり得るでしょうか。それも「たり得ない」ですネ。今後はどんどん内部分裂が進んで、在りし日のアニメ業界のシステムはズタズタに寸断され、今よりさらに酷くなると思います。お金の一点だけとっても内部は不満だらけで、かろうじて束ねているのは「アニメが好き」という各人の「アニメに対する忠誠心」です。

 

忠誠心にも限界があります。「アニメに対する憧れ」を20代で体験したのちにアニメの職を辞める人は一層増えるでしょうし、中堅・ベテランのリタイアも加速するでしょう。

 

 

 

アニメ業界人にアンケートをとって集計して分析めいたことをしても、アニメ業界が一向に改善されないのは、この10年を見ててもわかりますよネ。雇用の状態が多少でも改善されたこともありましょうが、それは、ツイッターなどの討ち死に覚悟の個人の内部告発に、制作会社がビビり始めたからでしょ。決して業界団体の功績じゃないよネ。

 

「1つの何か=アニメへの愛着」に対しての、「極度の忠誠心」から解放されるべきです。

 

アニメーターではなく、絵描きとして自分を認識するのが良いです。アニメ業界に忠節を誓う家臣になる必要はないです。

 

 

 

‥‥で、iPad Pro。べつに、Surface ProでもMobile Studio Proでも良いかも知れませんが、私が実物を知った上で推薦できるのがiPad Proだというだけです。

 

お前はAppleの回し者か‥‥とか言われそうですが、現実問題、さっくりと持ち運べて、十分な性能と機能を持ち、仕事にも使えるのは、私個人の所有する機材の現状で言えば、iPad Proです。‥‥いや、実際、Appleは次は何をDisconするか怖い企業なので、ベッタリなのも怖いんですけどネ。

 

自宅にお絵描きパソコンセットを用意するんじゃダメです。必ず、そのパソコンの前に着座しないと絵が描けない‥‥なんていう縛りは、やがてパソコンが埃をかぶることになるでしょう。

 

行動のフットワークは軽く。

 

そして、自分の思考やアイデアのフットワークも軽く。

 

 

 

アニメ業界は暗黙のうちに、スタッフが「アニメじゃないと食っていけない」という依存状態を利用しているのです。スタッフ自身も「ギャラが安い。こんな業界はダメだ」と言いながら、実は共依存関係にドップリなのです。

 

アニメ業界の家来になり下がるのではなく、あくまで、アニメ業界の仕事は単なる選択肢の1つにしましょう。共依存からすぐに抜け出すことは無理でも、iPad Proなどでアニメ仕事以外の絵を描いて、依存関係から「まず自分から」抜け出す努力をすべきです。

 

子供の頃から植え付けられた「忠誠の習慣」から、一生そのまま抜け出さないのも人生ですし、自分で「起業精神」を発揮するのも人生です。

 

まあ、死ぬまでに、どうやって生きていきたいか、‥‥‥ただそれだけではあるんですけどネ。

 

 

 



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