Fireやら

アマゾンのFire 7インチ端末がドキュメント&画像ビュワーに使えそうなのでテストしてみよう‥‥ということで、実際に新規購入して使ってみました。Fire端末はこれで通算4枚目‥‥ということになり、もはや1台2台と数えるよりは、枚数で数えたほうがしっくりきます。デスクトップパソコンをこの調子でバカスカ買っていたら、何よりも置き場所に困りますが、タブレット端末は置き方さえ工夫すれば狭い場所に何枚も収納できるので、土地の値段が高い都市部では重宝します。‥‥あ、あと、電気代もネ。

 

新規に購入したFire 2015 7インチは、定価は8980円ですが、プライムデーのセールで3480円で購入しました。セールを逃しても、プライム会員ならクーポン利用で4000円引きとなり、いつでも4980円で買えるので、iPad miniのほぼ1/10の価格です。

 

まず、結果から書きますと、Fire 7インチは「十分、作画作業の補助用途に使える」ことがわかりました。

 

JPEGやPDFはもちろん、m4vやmp4などのムービーの再生が可能、しかもデータ容量の大きいムービーや画像データは「ストレージ端末」〜microSDカードスロットに挿した大容量SDカードに保存ができるので、大量の画像&ムービー資料を収容できます。

 

また、スワイプやピンチインアウトの反応も良く、操作性でストレスを感じることもありません。

 

長辺寸法が1024ピクセルで、いまどきのビデオ解像度から見るとショボい印象を受けますが、7インチに1024ピクセルですから、アニメ会社の一般的な作業用メインモニタよりも遥かに高密度で、画像の荒さは全く感じません。横置きにして使えば、画像の表示においても小さくなり過ぎることもなく、ごく普通に作業の流れに馴染んでくれます。

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‥‥性能とは無関係ですが、アマゾンブランドの端末なので、アマゾンダンボール箱のデザインのケースにしてみました。持ち歩く必要のない場合は、ケースは特に買わなくても良いですネ。

Fireの不利な点の1つとして、保護ケースや保護フィルム・ガラスなどのサードパーティ製の商品展開がiPadほどではなく、値段の安いものが少ない点が挙げられます。本体が安く済んでも、ケースと保護フィルムで3千円くらいかかってしまうので、そのあたりは人気機種のiPadとは違うところ‥‥ですネ。

上図本体に、64GBのmicroSDカードを挿しました。

 
*2016年7月現在、SDXCの64GBは大体どのメーカーも2千円を切る価格です。128GBも1年後くらいにはもっと安い価格で買えるかも知れませんネ。


このカード=外部ストレージに、容量喰いのデータを保存して、タブレット本体のメモリ容量を消費しないようにします。

私のテストした結果ですと、画像は「JPEG」「PNG」、ムービーは「m4v」「mp4」が難なく再生できました。FLVやMOVは再生できないので、CompressorやHandBrakeで変換する必要がありますが、その辺りはiPadも同じなので特に問題にはなりません。iPadで再生できるm4vやmp4ならば、そのままFireでも再生できるので、変換の手間が増えることはないです。

画像と映像に関しては、ファイルやフォルダのツリー構造に厳密な決まりはないらしく、ファイル名の規則もユルめです。ファイルを追加した時点でFireがファイルの種別を判別し、「写真」もしくは「マイビデオ」の一覧に表れます。ちなみにファイルの転送は「Android File Transfer」を使って、Finderのウィンドウと同じような操作でおこないます。

 

 


Fireは「Amazonビデオ」の端末の末弟として売り出しているだけあって、さすがにビデオの再生はとても綺麗で滑らかです。ムービーファイルの資料の再生だけなら、ストレスを感じることはありません。ただ、標準の「写真」「マイビデオ」のアプリでは再生だけしかできないので、コマ送りやスクラブして再生したい場合は、何か方法を考える必要があります。

PDFファイルがちょっとくせもので、外部ストレージではなく本体の「Documents」フォルダに収納しないと、「ドキュメント」アプリからオープンできない‥‥みたいです。まだそんなに使い方をほじくってないので、確証はないのですが、PDFの扱いは画像やムービーに比べて縛りが強い‥‥というか融通が利きにくい感じです。

ファイルの取り回しはともかくとして、PDFで絵コンテを表示してみましたが、思いの外、使えそうな感じです。もちろん、全画面で1ページを表示すると「豆本」みたいになって実用性を欠きますが、横置きで部分表示すれば、文字も絵も十分な大きさで表示されます。

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*絵コンテの様子。横置きならば「ミニチュア表示」にならずに、必要十分な大きさで、それぞれのコマが表示できます。全カットを俯瞰視して頻繁に各カットを確認する演出さんだと不向きな表示状態ですが、担当シーンだけを作業する原画マンならば、特に大きな問題は感じないでしょう。少なくとも私は、iPad miniで上図と似た表示状態で原画作業をこなしたので、充分作業できると実感しています。


設定表(キャラ設定やメカ・小物設定)を表示する場合は、さすがに7インチだと狭さを感じ始めます。キャラ設定は、全身像の前後とキャラ表情の幾つかを1ページにまとめることもありますから、7インチの物理的限界があります。9.7インチのiPadですら狭く感じますからネ。

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*「そこそこ収まって表示されている」ように見えますが、横幅が15cmのディスプレイですから、キャラ設定等の全体表示はなかなかキビしいです。もちろん、ピンチイン&アウトで拡大表示はできます‥‥が、キャラの立像は全体表示したいので、キャラの立像の時だけ縦置きに変えなければなりません。

資料写真の表示で、「大体の感じを掴む」場合や「拡大してディテールを見る」ようなニーズならば、ピンチインアウトとスワイプで拡大縮小・上下左右で表示を操作し、充分に役立ってくれます。

この他、Fireを運用する際のポイントをかいつまんで書きますと、

 

  • 母機が必要(アマゾンのクラウドを使わない場合)
  • 本体ガラス上で指が滑りにくく、指紋がつきやすいので、保護フィルムによるタッチの改善が必要
  • 環境設定やファイル送受のOS周りが少し不安定


‥‥などです。つまりは、タブレット本体としてのあからさまな弱点はないのです。弱点は、「7インチという大きさ」だけ‥‥ですが、7インチのFireを買っておきながら7インチが弱点だ‥‥と言うのも変な話ですネ。

7インチの大きさでも、案外、色々と使いまわせるものだな‥‥というのが使ってみた本音です。実は当初、7インチは小さすぎて、作業には何の役にも立たないんじゃないかと思っていましたが、机の上に置く幾つかのディスプレイのうちの1つをFire 7インチに変えても、作業上の支障は生じない事が実感できました。

 

* * *

作画作業をする際、机にはまず作画用紙、次に絵コンテ、キャラ設定、参考資料、時にはビデオ資料‥‥など、机を占有する物体が増えることはあっても減ることはほとんどありません。

春先に作業したオールデジタル=ペーパーレスの作品では、全ての要素がデータだったので、どんなに作業が進行しても机が荒れることはありませんでした。複数台のiPadが臨機応変に絵コンテになったり設定表になったり参考資料になったりと、iPadがその役割を様々に姿を変えてくれたお陰で、机は(散らかしやすい私であっても)整然とした状態を維持していました。

 

ペーパーレスと作業の効率化が結びついた時、新しい次元へと制作現場をシフトできる。‥‥そのことを、つくづく実感できました。
 

以前は、ペーパーレスにしたところで、どれだけコストの削減ができるんだろう‥‥とは思っていたのです。今でも、同じ人員規模を維持したままペーパーレスにしたところで、コンピュータ関連機器のコストと維持を相殺できるほど、ペーパーレスの効果は劇的ではないと感じます。ペーパーレスはすなわち、効率化の象徴であるべきで、コンピュータの全面導入と同時に人員の効率化(=今よりも格段に少ない人数でアニメを作ること)も一緒に遂行しなければ逆効果となります。作業人員を減らしもしないのに、コンピュータをどんどん買い込んで作業者にあてがったら、コストなんて簡単に破綻します。

 

ただ一方で、終了作品の紙素材が、通路や部屋を占有していく様子を垣間見るに、紙は確実にコストを消費し続ける存在だとも感じます。紙を「保管時における、空間を占有する度合い」という視点で見れば、土地の値段の高い都市部においては、無視できないほどのコスト消費を負っているとも言えます。作画の紙素材を保管するコストがどれだけのものか、本気で調査すればすぐに算出できると思います。

 

まあ、コンピュータも猛烈な金喰い虫なので、ペーパーレスにしたからコストダウン‥‥なんて簡単な話にはならないのは、上述した通りです。ただ、「紙は金がかからない」というのは極めて局所的な捉え方であって、「環境性能を評価する習慣」や「ライフサイクルコストを思考する習慣」を持てば、紙も実は相当な金喰い虫なのが見えてきます。

 

この辺は話が長くなりますし、わかっている人はわかっているでしょうから、しつこくは書きません。

 

紙の現場は、カット袋を詰め込んだダンボールをどんどん山積みにする。デジタルの現場は、Adobeのソフトウェアを最新バージョンにアップすることができない。こうした状況の延長線上を歩むのか、別の新しい進行路を見出すのか。

 

ホントに、これから先10年間は、各制作グループの「運用の腕の見せ所」だなと思います。

 


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