チプカシ

私は、財布嫌い、腕時計嫌い、そして携帯嫌い‥‥と、考えてみれば、身に付けることをある種、強要するタイプのものが嫌いなんだ‥‥ということが最近分かりました。自分のことながら。

ただ、半世紀近く生きるオトナが、野人のように振る舞うこともままならず、とりあえず、財布とスマホくらいはいつも持ち歩いています。

実は昔から、「良い腕時計」には憧れていて、ステンレスとかチタニウム製の「パイロットが付ける」的なモデルは、いつか欲しいとは思っております。今は、腕時計の世界はよくわからないし、特に欲求がないので、すぐに欲しいわけではないです。

でも、腕時計の1つくらいは‥‥と思い、最近、カシオの数千円のを買いました。私にしては珍しい、メタルのバンドの製品です。もしかしたら、メタル製の「いわゆるメンズの腕時計」を買ったのは初めてかも‥‥。バイクに乗っていたので、アウトドア系のものばかり購入していましたから。

メタルのバンドは、長さ調節が必須です。そういうのもあって、今まで避けてきたのですが、考えてみれば日頃プラモを作っているわけだし、バンドの調整くらい自分でやろうかと思い立ちました。

アマゾンでバンド調整の工具を物色するうちに、チョイチョイ、カシオの安い腕時計が「オススメ」に並んでいるのを見て、ふとクリックしてみると、なんとも言えない魅力を感じました。

私が子供の頃、「未来の腕時計」のように感じた製品とよく似ています。「F-91W」は全世界的なヒット商品で、91年に発売されて以来、膨大な数が生産されており、アルカイダが使っていたくらいのワールドワイド商品みたいです。
 


値段は驚愕の千円。ヨドバシで買うと、ポイント還元で900円です。スゴいですねえ。

カシオの安い腕時計シリーズ。だんだんと興味が湧いてきて、色々と物色するうちに、豊富な製品ラインアップのうちの一部は、実は私が求めていた「実用の腕時計」に合致することがわかってきました。

「薄くて、軽い時計」です。つまり、拘束感がない時計ですネ。

試しに、いくつか買ってみたのですが、実品を見て「今の自分に必要なのは、まさにこれだ」と思いました。どうやら今の私には、高級感のある100グラム前後の重い時計よりも、20グラムを切る「チープでも軽量で薄い」時計が日頃使いには適しているんだと実感しました。

これなら、気軽な外出時にもつけられそうです。冠婚葬祭・オールマイティとは言いませんが、ジョナサンやサイゼリヤで飯を食うくらいなら、これで十分だと思います。
 


 


実際の製品ですが、仕上げが丁寧なので、粗雑さゆえのチープな印象は全くありません。100円ショップで売っているような「バリ」「パーティングライン」が残った成形とは一線を画します。この辺は安心の日本ブランド(生産は中国)です。もちろん、樹脂製のバンドや廉価なガラスに低コストを見ることはできますが、それは当然のことです。1000円の時計が5万円の時計と一緒じゃあ、お金の価値も失われますもんね。印字も高詳細でカスレやジャギもありません。

電池寿命は針が回転するタイプは3年前後、デジタル表示タイプは10年(!)のようです。

制作現場で使うのなら、F-91のような軽量・薄型のデジタルタイプは適しているように感じます。とにかく薄くて軽くて、腕時計をしている気がしません。

いろいろ調べるうちに、この手の安い時計が「チープカシオ」すなわち「チプカシ」として密かな盛り上がりがあることを知り、驚きました。外国のエピソードで、10年前に屋外で失くしたF-91が発見された際に、時を刻み続けていた‥‥なんてエピソードからSNSを通じて盛り上がった‥‥とも。

クロノグラフとか機械巻の時計は、やっぱりいつかお気に入りを探し出して買ってみたいものです。しかし、今の私には、ただの飾り物にしかならないので(実際に使用しないでしょうから)、日頃はチプカシを愛用しようと思っております。


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