アルミタワーのMacPro、倉庫送り。

ほとんど通電しないまま、数年が過ぎ去ったアルミ製のタワー型MacPro。Mac mini/Core i7にメインの座を奪われサブマシン扱いに甘んじた後、iMac 5Kの導入でサブマシンですらなくなってしまった、旧世代のマシン。旧仕様のメモリゆえメモリ容量の増設もままならず、消費電力も激しい旧世代のワークステーションにもはや活躍の出番はない‥‥と、悟りました。

‥‥ので、部屋から撤去し、倉庫で眠らせることにしました。

私の愛猫の名前をつけたマシンではありましたが、名前は次のメインマシンのために取り置き、本体はモスボール保存することにしました。

つい先日、i7/4GHzのiMac 5Kで4Kの素材書き出しをしましたが、簡単に16GBのメモリを消費しておりました。レンダリングは2時間近く。‥‥なんだか懐かしい時間感覚です。現用のマシンが2000年前後のマシンのように鈍足に動作するのは、もちろん、After Effectsで絵を動かす重い処理を、さらに4〜6Kのサイズでおこなうから‥‥ではありますが、他の技法でもTrue 4Kで映像を作るようになれば、そこそこに重くなると思います。

思うに、現在のテレビアニメ制作本数を支えられている理由の1つは、「要求される作業に対して、マシンが高性能を維持できている」ことも大きいと思います。2K以下で二値トレスという作業スタイル、つまり、現在の普及型マシンでも軽快な動作が可能な作業内容は、現在のアニメ制作を根底から支えています。現在テレビの「デジタル」ワークスは、とにかく「大量に速く」を要求されますが、1つずつの処理内容で見れば、レンダリング時間は数分から十数分で、「1カットが重い」(=数時間もレンダリングに所要する)ことは稀です。Core2Duoはともかく、2008〜9年のXeonマシンでも、充分レンダリングに堪える内容です。
*ちなみに、レンダリングが軽い=作業が軽い‥‥ではないですヨ。張り込み作業は内容によってはオペレーションに非常に時間がかかりますしネ。ここで書いているのは、「レンダリング計算時間とマシンの性能」の話です。2015年になってイチイチそんなこと(=現場の常識)に注釈をつけたくないですが、一応、付け加えておきます。

しかし、4〜6Kの素材を使った「本気の4K」アニメーションでは、現用マシンをもってして、「アクセル、ベタ踏み」状態でも苦戦を強いられるようになります。中には、全く歯が立たないマシンも出てくるでしょう。

まあ、ですから、以前から何回か書いているように、現在のマシン性能からみて、アニメ業界が許容できる4Kアニメ制作は、「24コマA4作画+2.5K&二値トレスペイント+アップコン」あたりになると思われます。素材段階から4Kで作るのは、アニメ業界の状況から鑑みても非現実的です。

「じゃあ、なぜアンタは、4〜6K素材の4Kアニメに熱心なのよ」と聞かれちゃうかも知れませんが、理由はとても簡単で、True 4Kのアニメーション技術は、旧来と一線を画した技術ブランドを形成できるからです。下世話な言い方をすれば、「新技術のブランドで有利な商売(=上品な言い方だと「有利な展開」)ができる」と確信できるからです。「非現実」を「現実」へと変えた時、そこには「いろんなもの」が集まってくるのです。

「ブランド」って本当に重要だと思います。90本といわれるテレビアニメを抱えるアニメ業界において、技術ブランドの有無がどれほど現場に作用してくるのか、知っている人は知っています‥‥よね。ブランドとはすなわち、「技術と信頼の印」みたいなものですから、その「印」が、「出資する人と作る人」の関係性においてどのように威力を発揮するのか‥‥ということですね。まあ、この辺はこれ以上は書くまい。

現在のアニメ制作から鑑みれば、まだ使えそうな旧Mac Proではありますが、新時代の新技術における新しいアニメーションで「商売」しようとする時、メインメモリが10GBを超えられないマシンは、これから先、最前線からはどんどん姿を消すでしょう。ゆえに、8年前に30数万円で買ったMac Proも、倉庫送りとなる次第です。私の自宅作業場には、もはや「2K以下で二値トレス」の環境は必要ないのです。

自宅のプチ模様替えも祭日に済ませて、スペースに随分と広く余裕ができました。アルミタワーの巨大なMac Proを倉庫送りにしたことで、紙と鉛筆、iPad ProとApple Pencilの両方に対応した作画環境を確保することもできました。コンピュータの設置スペースの「余り」で作画していた旧環境とは大違いです。

紙と鉛筆は、2種類のスキャナですぐにオンラインに乗せることができますが、iPadはどうすべきか、今は思案中です。LAN(ローカルエリアネットワーク)に直に参入できないのは想定していますが、LAN限定のWebDAVにアクセスできるのなら、それでも運用は可能でしょう。LANで作業しているのに、いちいち外のCloudに送るのは面倒ですからね‥‥。

旧型のマシンが得意げに活躍していた頃は懐かしくもあり‥‥ですが、そんな感傷に浸っていたら、セルとフィルムで作っていた頃も懐かしく愛着もありますから、キリがありません。それに、懐かしさは、その当時の苦しさや難しさを覆い隠してしまいますしネ。8bitレンダリングでトーンジャンプと苦闘するのも、制約だらけのフィルム撮影台で技法をやりくりするのも、もう過去の思い出だけにしておきたいです。

旧Mac Proに限らず、いろんなマシン(8600/250とかiMacボンダイブルーとか)が倉庫に眠っているのですが、20年後くらいにその子等の電源を入れた時、どんな感慨に耽ることでしょうネ。
 

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