メンデルスゾーン

フェリックス・メンデスゾーンはドイツ1800年代に活躍し、38歳で早逝した、ロマン派にカテゴライズされる作曲家です。ベートーヴェンの後期、ショパンとシューマンの1歳上、ワーグナーより数歳年上‥‥と言えば、クラシック音楽に少し興味のある人なら、大体の作風が想像できるかも知れませんネ。

パッと聴いた感じだと、派手な冒険をしない楽曲、ど派手な演奏効果を狙わない「保守的」なスタイルから、特に日本ではあまり興味を持たない人も多いように思います。モーツァルトやショパン、ワーグナーは聴いたことがあっても、メンデルスゾーンは‥‥と。

私は、小さい頃に「無言歌」の「春の歌」の雰囲気が好きで、よくレコードで聴いていましたが、その程度の認識でした。あと有名なのは、結婚行進曲でしょうか。

しかし、歳を重ねるにつれ、他の楽曲を聴いてみると、なにかシミる楽曲が多く、また少年時代の楽曲(メンデルスゾーンはゲーテも認める早熟な天才肌だった)は深みはないものの、「音楽の楽しさ」が溢れていて、「決して、退屈なクラシック」ではないと、今は感じるようになりました。

実は前々からメンデルスゾーンには惹かれていて、無言歌集の楽譜やCDを買ったりしていたのですが、Apple MusicのおかげでString Symphony(日本語だと弦楽交響曲?)などが簡単に全曲聴けるようになって、確実に「メンデルスゾーンは好きなコンポーザーのひとり」と確信できるようになりました。

*肖像画は、少年時代のメンデルスゾーン‥‥とのことですが、随分とまあ、成人後の肖像とは違いますネ。

String Symphony(12曲あるらしいです)の最初の数曲は、メンデルスゾーン12歳の頃の楽曲ですが、よく知られるメンデルスゾーンの作風とは異なり、対位法の影響が大きく現れており、「マタイ受難曲」を復活上演したその後の彼の片鱗が窺い知れますネ。私は第1番を、随分昔‥‥30年前くらいにエアチェック(=懐かしい言葉すね)で聴いており、楽しい作風に惹かれたものでした。


*のちの楽曲でも顔を出す、対位法的な趣向が、ここでは全快ですネ。ロマン派の時代に生まれた少年が、対位法を楽しんで書いたような雰囲気の曲です。これは聴く人以上に、演奏する人が楽しい曲のようにも思います。

叔母さんがバッハの息子さんの教え子だったり、14歳の頃にその叔母さんに「マタイ受難曲」のスコアをクリスマスプレゼントとして貰ったり、かなり音楽的な環境に恵まれていたのも事実のようです。

人生の長い期間に渡って何曲も書かれたピアノ曲「無言歌」は、弾く人によって大きく深みや味わいが変わる曲です。メンデルスゾーンはいわゆる「保守的」なフレーズや展開、響きを好むので、弾き方によっては「クラシックに聴こえすぎる」ように感じることも多いのですが、奥底の琴線を爪弾かれるような演奏を聴くと、俄然、魅力的な楽曲として染み渡ります。私の好み‥‥で言えば、「無言歌は無頓着に弾かないでほしい」‥‥と思います。別にもったいぶらずにサラッと弾いても良いものは良いんですが、消化試合みたいにして演奏されちゃうと、全く曲の良さが伝わってこないのです。もしかしたら、無言歌って、演奏者の「その人の感じ」が出やすいのかも知れませんネ。

メンデルスゾーンって、銀行家の息子で、音楽的な環境にも恵まれ、著名人と若い頃から交流があって‥‥と、「上流階級の音楽家」とか穿ってみられちゃうかも知れませんが、音楽はどうにもウソはつかないのです。例え境遇が恵まれたものであっても(実は色々と問題はあったようですが)、私のような平民でも共鳴するような、どこか「等身大の人間臭い」ところがあるんですよネ。それを感じられるか否かで、親しみも大きく変わってくると思います。

例えブルジョワ育ちでも、彼は38歳で死んだわけです。とっつきにくく、ナイーブな人間だった‥‥との記述もあります。実家の銀行は、本人は音楽に専念すべく、弟さんが引き継いだとのことです。

‥‥何か、そんなこんなが、まさに「無言」で「無言歌集」にも表れているようにも思うのです。


*ギレリスの弾く無言歌「デュエット」は染み入りますね‥‥。


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