96年にはPhotoshopすら起動できなかった、この俺が。

今年、久々にアニメの撮影監督をやる案件があり、眠っていた「xtools」を復活させ、プログラム内部のメンテを初夏には終わらせたい目論みでいます。「xtools」とは自己開発のアニメーション制作補助ツールで、特に撮影業務の一式を補助するツールです。対話式の簡便なUIですが、After EffectsのコンポジションのオートビルドやQTの内容確認(もちろんスペック上の、です)など、手作業でやると煩わしい部分を代行してくれます。

言語は、AppleScript、JavaScript、ShellScriptなど、各種を混合して使っています。モジュールは共用できるようにライブラリ化し、ソフトウェアアップデートツールで、自動更新できる仕組みを作っています。また、データベースと連携機能を組み込んであり、ツールを使うと作業者も管理者も手間を軽減できる仕組みになっています。

現在の私は、アニメ業界の撮影業務とは違った作業を数多く引き受けており、xtoolsも大幅な機能拡張の時期を迎えています。また、「撮影」と言うカテゴリには当てはまらない、新しいアニメーション技法での各作業カテゴリもxtoolsに統合したい考えもあり、まずは春に旧来ツール群のプログラム内部面の大掃除を敢行する予定です。

「CBX」というコンポジションオートビルドのツールは、「素材の内容確認」「タイムシートの解析」「レイヤー配置の解析」などをおこなうので、ルーチンが複雑で大規模となり、メンテにも時間がかかります。加えて、「動く背景」素材(3D素材とは別に)に対応するなど、この10年で拡張を重ねた痕跡がメンテの障害になっていて、気が重くて放置していたのですが、そろそろ腹を括って「大メンテ」をしなければなりません。xtoolsは仕様をまとめながらコードを書いたので、つぎはぎ・増設の箇所が汚いのです。

ただ、xtoolsがあるのとないのでは、作業効率に大幅な開きが出ますし、作業事故の抑制効果も強いので、面倒で大変でも汚いコードを書き直してこまめに奇麗にしていこうと思います。それに現在は「撮ま」があって、撮影のベース部分をしっかりと固められるので、「撮ま」準拠のプログラムへと手直しする目的もあるのです。

プログラムって、アニメ業界だと今でも特殊な能力っぽく扱われますが、結局はプログラムを「やるかやらないか」だけだと思います。私が生き証人のようなもので、1996年春の初心者の頃は、同じ作業場にいた清積さん(ねこまたやさん)に頼らなければ「Macも起動できなければ、Photoshopを立ち上げる事もできなかった」のです。

96年にはPhotoshopすら起動できなかった、この俺が‥‥なのです。

プログラムは理数系の学校で授業を受けなければできない‥‥なんて、単なる思い込み、大ウソなのです。コンピュータがあれば、今日からでも始められて、身に付くものです。初めての頃は全角で「.PCT」なんて拡張子を付けてたコンピュータの右も左も解らない人間でも、プログラムを習得する事によって、自動でフォルダの内容を分析してAfter Effectsに読み込んでレイヤー配置とタイムシートを適用するプログラムが書けるようになるのです。プログラムを習得する事は、コンピュータを理解する事でもあるので、畳み掛けるようにコンピュータ全般の知識が備わっていきます。

私の考える現場は、プログラムが出来る人間が常駐しているのが「デフォルト」です。誰かが作ったソフトウェアに依存するばかりで、自分らの現場にツールを自作できる能力を持たないと、色んなものを諦めなければならないからです。xtoolsを作っていた時は苦難の連続でしたが、今では作って良かったと実感しています。ツールそのものもそうですが、「コンピュータで何ができるか」を遠く深く見通せるようになったのは、得難い知識と経験です。

googleで「フリーソフト ファイル 名前変更」なんて検索せずに、自分で名前変更ソフトを作ってみれば良いのです。「フリーソフトがあるのなら、それを使えば良いじゃん」とか思うかも知れませんが、それはすなわち、名前変更程度の事すらフリーソフトに頼らなければならない体質であり、さらにはその体質から永久に抜け出せない事でもあるのです。自分でプログラムが書けるようになると、ホントに、様々な場面で融通が利くようになりますヨ。

私は最初の頃、「を」の打ち方(=wo)が解らなくて、「を」を使わないメール本文を書いていたほどの無知な人間でした。お笑い草としかいいようがありませんが、事実です。そんな人間が、プログラムに触れて身につけていく事で、数年後にはShellコマンドを打ったり、メールサーバの仕組みが解るほどに知識を得られるのです。‥‥でもまあ、初心者の当時に、一緒に仕事をしていた清積さん(当時から作画とプログラムの両刀使い)が、私にとってのお手本になっていたのは大きいでしょうネ。


しかしまあ、そんなこんな、96年から換算すると、コンピュータと深く関わり始めて、今年でもう18〜19年か。そりゃあ、「コンピュータをもっと上手く使わなきゃ」と言うキモチになるのも仕方ない、「長い付き合い」になるんですネ。

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