平坦化と標準化の違い

平坦化と標準化を混同するのは、実は大きな過ちでその後に深い傷を残す直接原因になります。アニメ業界を見渡せば、標準化をせずに平坦化を推し進めた様々な害悪で溢れています。

 

最低限の取り決めを規定して円滑に制作運用できることと、皆で同じ技量に収まって作業価値を均一にすることは、まったく違います。

 

作業価値を均質化して、どの作業者でもどんな会社でも同じような品質にフラット化したら、始まるのは安売り合戦です。

 

標準化は、作業のベース(用語や指示方法など)や受け渡しの方法を規定すること。

 

平坦化は、作業の品質を均質化して、どんな作業者や会社も同じ価値で並ぶこと。

 

全然違う意味です。

 

注意しましょう。

 

 

 

標準化は規格化とほぼ同じ内容です。ちょうど、HD24pが1980x1080で24fps(23.976fps)で規格されているように。

 

様々な方式でブロードキャストする映像を、制作者が自由にピクセル寸法や縦横比やフレームレートを決めたら、視聴する側は少なからず混乱します。2257ピクセル四方で43fpsだ!SDRでもHDRでもない「マイダイナミックレンジ」だ!‥‥なんて言われても、再生できる環境にバラつきも生じましょう。

 

道交法があればこそ、様々な車が道路を走行できるのと同じです。

 

基本的な映像のフォーマットを標準化団体があれこれ協議して決めて、そのフォーマットの上で自由に作品を作る‥‥という仕組みは、映像制作関係者なら承知していましょう。

 

アニメ作品を作る際に、「アニメとはこれこれこういう内容であるべきで、キャラのデザインはこんな感じにまとめて、云々」と、どれも似たような内容に平坦化する必要はないです。みんなで同じ技術を共有する必要はなく、最低限の決めごとさえ踏襲していれば、技術の広がりや発展は個々の作業グループの「売り要素」にすれば良いのです。

 

道交法を決めたからって、どんなメーカーでも同じ性能の車を作るべし!‥‥とはならないですよネ。

 

 

 

標準化は、それこそ標準化団体を結成してでも、アニメ業界には必要かと思います。用語1つとっても、さじ加減な業界なので。

 

平坦化・平均化・均質化を望むのは、他の業種を見ていても、やめた方が良いです。技術のデコボコがあるからこそ、価値も生まれます。競争とはすなわち代謝。‥‥代謝を失ったカラダは死にゆくのみです。

 

技術の底上げ‥‥なんて、自分たちの作業集団で取り組めば良いのです。他社・他者に望むことではありません。淘汰があって、結果的に水準を保てば、それで十分です。皆が淘汰を生き抜こうとする行動が、すなわち、技術の老朽化を防いで新陳代謝を促し、技術の底上げにも繋がるのですから。

 

 

 

付けPANとFollowPANは違う意味だ。いや、同じ意味だ。大判作画と100F作画で用語が違う。いや、用語にはさほど意味はなく、どの方法を使うかは別の問題だ。

 

こんな議論を何十年も前から延々と続けているようなアニメ業界に必要なのは、Standardization。標準化です。

 

最低限の標準化もせずに、よくまあ、何十年もアニメを作り続けられたのは、逆に畏敬の念すら感じますが、それは笑い話でもあります。日本人のさじ加減コントロール能力の凄さを色んな意味で感じます。

 

今度の転換期に必要なのは、平坦化や平均化ではありません。

 

最低限の標準化さえ確立できれば、その上で、新時代の自由競争も可能になりましょう。

 

 


関連する記事

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM