DPIの計算方法とか。

最近、ツイッターで作画に絡むDPIの話題をいくつも見かけました。20年前のペイントとコンポジット周りの技術意識の変革を、今、作画が味わっているのでしょう。それだけアニメの作画部門は、コンピュータとは近くて遠い意識だったことを証明しています。

 

あなたの使っているレイアウト用紙の100F(標準フレーム)の横幅は何センチ?

 

これが即答できる人は、実は毎日作画していてもかなり少ないんじゃないでしょうか。

 

だって、目の前にある用紙に描けばいいんだもん。寸法なんて意識したことないわ。

 

‥‥という人が多いと思いますよ。

 

つまり、デジタルデータ化に無頓着だったことがわかります。

 

 

 

DPI。‥‥PPIとも呼ばれます。

 

全然難しくないです。

 

DPIなんて、小学校の算数ができれば簡単に計算できるのです。

 

DPIとはドット・パー・インチの略語です。つまり、1インチあたり何ドットか?‥‥です。

 

1インチは2.54センチなので、100DPIは2.54センチの中に100ドットと言う意味です。

 

インチに対してあまりにも馴染みがないのなら、DP2.54cmとか覚えても良い‥‥ですが、あまり整った表記ではないですネ。

 

 

 

例えば、26cmの横幅の100Fを150dpiで計算すると、

 

26/2.54x150 = 1535.433070866141732 〜端数を小数点切り上げと偶数化で1536px

 

‥‥となります。

 

センチ わる 2.54 かける DPI

 

‥‥です。iPhoneとかの電卓で難なく計算できますネ。

 

横だけなく、縦も求めたいなら、16:9の比率で簡単に算出できます。

 

26/2.54x150 = 1535.433070866141732 : 100Fの横

26/2.54x150/16x9 = 863.681102362204724 : 100Fの縦

 

小数点を切り上げて偶数化すると、

 

26cm横幅の100F「作業サイズ」は1536x864

 

‥‥になります。

 

「作業サイズ」とことわりを入れたのは、あくまで作業上に都合が良い寸法であって、比率の正確さはウソをついているからです。この「1536x864」のまま、縮小拡大して数値を算出すると、どんどん誤差が大きくなので注意しましょう。

 

 

 

この計算のどこが難しいのか。‥‥全然、難しくないですよネ。義務教育の卒業率がほぼ100%の日本においては。

 

難しくしているのは、

 

自分が使っているレイアウト用紙のフレーム実寸を知らずに放置していた

センチとインチの換算がめんどくさくて放置していた

スキャン解像度の簡単な仕組みをなんとなく理解せずに放置していた

 

‥‥という放置三重苦が原因です。

 

ということは、放置しないで、一旦理解してしまえば、OKです。

 

めんどくさがることなんて、誰にだってあることですから、必要な時こそ覚える時です。

 

 

 

「でも、結局、覚えなきゃダメなんでしょ? 紙とフィルムの時は、ミリやセンチは絶対的な指標だったから、良かったよなぁ」

 

‥‥なんて言う人もいましょう。

 

もう忘れたん?

 

ミリやセンチは、絶対的な指標ではないですよ。あくまで相対的でした。

 

例えば、1ミリのスライド指定は、どんな時でも画面に対して同じ比率ではないです。

 

テレビの26センチの100Fと、劇場の30センチの100Fだったら、同じ1ミリでも、画面の中の対する速度・移動幅は大きく変わります。

 

テレビの感覚のまま、劇場の大きな100Fの中で、1ミリでスライドしたら「何か、いつもより、遅く感じるなあ」なんて、考えてみれば当然のことですよね。

 

0.25ミリや0.125ミリが普遍‥‥だなんて、忘れっぽいなあ‥‥。相対で可変ですよ。昔から。

 

フィルム時代でも100Fの幅は各社バラバラでした。フィルムカメラのかわりに、スキャナやAfter Effectsになっただけで、いつの時代も100Fの実寸の中でミリの比率は変動していたのです。

 

もちろん、このことはピクセル寸法にも言えて、1920pxの中の100pxと、3840pxの100pxでは、画面の中での100pxの比率は変わりますよネ。

 

 

 

私は作画だけでなく、撮影(After Effectsのコンポジット)もしていたので、素材のサイズがバラバラなのは、昔から存在していたのを目にしています。

 

皆、自分の使い慣れたDPIで追加素材をスキャンするものだから、仕上げさんのスキャンした素材以外は、使い物にならないものがほとんどでした。位置もズレてれば、DPIも違うし、DPIは同じでも寸法がまるで違う(そしてタップが画像内にない)とか。

 

当時は「これでOKだと思われるのはマズい」ので、できるだけ戻すようにしていましたが、状況によっては、解析してコンポジットしていました。スキャナのデフォルトの解像度で推測すれば、だいたいドンピシャリでしたネ。

 

そして今、2020年代。

 

作画にも「デジタル化」の波が徐々に押し寄せて、少なからず、混乱が始まっているようです。20年前の再演が作画工程でおきているのが、ツイッターからも伝わってきます。

 

なので、前回書いたように、新旧分離が良いとは思いますが、スキャンやプリントの解像度くらいの知識は共通でもっていても、損はないでしょう。日常生活でもたまに必要になるでしょうしネ。

 

DPIの換算値を暗記する必要なんてないですよ。

 

わからなくなったら、即、計算。

 

そうすることで、苦手意識もいつの間にか消えています。

 

 

 

ちなみに、寸法を小数点切り上げで、場合によっては偶数化する理由ですが、

 

  • 小数点を切り下げると、画面バレが生じることがある(でも、余白付きで作業することがほとんどなので、実害はないですが)
  • 偶数値のコンポの中に奇数値の画像を配置すると、0.5の中間位置に配置することがある
  • 中間値でアンチエイリアスが生じた画像には、二値化スムージングのエフェクトが正常に機能しない
  • 半分のサイズにしただけで、0.5が生じ、整数ではなくなるのがキブンが悪い(これも実害はほとんどないです)

 

‥‥などが、私の知るところの理由です。

 

実際は、アンチエイリアスと二値化スムージング以外の実害は経験したことがないです。余白なしで作業することが皆無なので、バレはもともとないですし、100Fを偶数値にしても、様々な素材が奇数だなんてことはいくらでもあります。

 

厳格に合わせなければならないのは、最終的に出力する、世界共通の映像フォーマットです。我が社のHDサイズは1922x1082だなんて通用しませんのでネ。

 

 

 

DPIは仕組みと計算方法を覚えておけば、何も不安に思う必要はありません。

 

センチわる2.54かけるDPI‥‥です。

 

覚えるのなら、一覧表じゃなくて、計算方法を。

 

 

 


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