納得の期間

私は、紙作画の思考から完全に抜け出るのに、10年以上かかりました。1995年前後にPhotoshopを触り始めてから、2008年前後にようやく、用紙もタイムシートもタップ穴も、他の適した方法に移行すべきと、自分の中で納得して切り替えることができました。

 

結局、自分で納得しないうちは、紙の代用品思考から脱出できないのです。他人からどれだけ理屈や事例を示されようが。

 

iPadで作画作業をするうちに、やがて、紙の流儀を模倣して踏襲することに、非効率な部分を多く感じるようになり、それでもなお旧来の方法を踏襲することに、釈然としない感情が芽生えるでしょう。

 

今のアニメ業界の人々の多くは、「デジタルで作画する時のトラブル云々」で思い悩むことが多いですが、そもそもコンピュータを使って絵を描いているのに、紙の流儀を踏襲しようとするからこそ、トラブルが発生し続けることに、まだ自分自身で気づいて納得できていないのです。

 

誰に諭されるわけではなく、自分自身で「なぜ、iPadを使っているのに、紙の真似ばかりしているんだろう」と気づくプロセスが必要です。

 

納得するには、自分なりに時間が必要です。

 

 

 

実際のところ、「これこれこういう理屈と理由で、iPadやPCはこう使ったほうが良い」と他人から言われても、自分で実感しなければ納得もできないし、さらに自分が他者に伝達する際に「実感をもって説明できない」でしょう。

 

自分が旧来の思考の枠内に囚われていたことを実感するための「時間」が必要です。

 

で、今のアニメ業界は、その時間の最初の頃です。なので、ひとかわ剥けるまで、先はまだまだ長いス。

 

しかし、その時間はショートカットできません。時間の長短は各人それぞれでしょうが、カットはできないです。カットしたら、自分で納得しないままで、本質を理解できぬままですから、先に進んでも大きくブレます。

 

 

 

絵を描くことは止めない。しかし、絵の描き方、アニメの作りかたは、紙とフィルム時代に形作られた流儀ではなく、新しい時代のツールと技術を最大に活かす、新しい流儀を形成すべし。

 

紙とフィルムの時代は、そこに紙とフィルムと絵具があったからこそ、その道具を活用する技術体系が出来上がったのです。

 

では今は?

 

目の前にiPad Proがあって、PC/Macがあるのなら、その道具を活用する方法論を考えるでしょう。

 

紙やフィルムの過去は、事例や教訓として参考にはすれど、思考を縛られることなく、です。

 

とは言え、色々な状況や理由があって、なかなか思考は転換しませんが、日頃からiPad Proで絵を描いていれば、理屈よりも感情で「昔に縛られる必要なんてあるのか」と、やがて気づいて、自分の発想の原点を自己批判できるようにもなります。

 

絵を描く本人が気づく。そして思考を変える。‥‥そのプロセスが必要なんですよネ。誰かの押し付けではなく、自分自身で。

 

アニメの作りかたを「再現」するのではなく、「再発明」する意識へと移行するための、今は移行期間だと思えば、色々なトラブルや難問も、未来の大きな糧になりましょう。

 

 



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