数値の賢い使い方

昔、Google SketchUpを使っていた頃、画角を決める数値で「視野」というのがあって、数値が大きくなるほど画角が広がっていきました。「視野の数値が上がる=視野が大きくなる=視野が広がる」ということで、最初は慣れないものの、慣れれば感覚的に数値をコントロールできるようになります。

 

タイムコードも同じで、世界で0スタートと決まっていることに納得して慣れれば、タイムシートとの読み換えも大した手間ではなくなります。データがストリームしてくる感覚で考えれば、最初はゼロの状態からスタートすべきなのも理解できます。フィルムではなく、信号の伝達で映像を映し出す方式で考えれば、タイムコードのゼロの意味もなんとなくでも解るでしょう。

 

映像に限らず、データをアップロードやダウンロードする際にも、1ファイルを完全に送受信していない中途の状態は、ゼロからデータ量を数えた方がしっくりきますよね。0からスタートするのはちゃんと意味があるのです。

 

一方で、作画の枚数カウントを0スタートにするのはおかしな話です。目の前に現物の1枚が存在するのに、0枚目とか言わないですもんね。同じく、既に目の前に存在しているフィルムの1コマを0コマとか数えないでしょう。

 

すなわち、数値とは、

 

仕組みの基本を理解して扱えば、賢く便利に使える

 

わけです。

 

仕組みは、様々な決め事の集合体とも言えます。決め事で処理の段取りを仕切るがゆえに、段取りが流れていきます。

 

 

 

もし、道路で進入禁止の標識があったとします。

 

 

これは正式には「車両進入禁止」と言って、四輪自動車だけでなく車両全般に適用される進入禁止の規則です。自動車だけでなく軽車両も含まれるので、実は自転車も進入禁止です。しかし、そこは大目に見られてはいますネ。生活道路としての融通を考慮して‥‥でしょうかネ。

 

しかし、自転車ではなく、アニメ業界の独自の慣習で「夜中は自動車で進入して走っても大丈夫」なんていうことにして、進行車がバンバン一方通行路を逆走したらどうなるでしょうか。

 

警官に捕まる? ‥‥いやいや、そんな罰則のことではなくて、実際の場面ではどうでしょう。

 

状況によっては、正面衝突して事故りますよネ。

 

つまり、

 

独自の感覚でテキトーに規則を破っていると、いつか事故る

 

‥‥ということです。

 

 

 

画角のミリの数値もそうだし、DPIしか気にしない寸法の認識もそうだし、タイムコード書式を1スタートにするのもそうだし、規則が取り決められているのにも関わらず、自己流の扱い方をするといつか事故る‥‥のです。

 

タイムコード書式でオフセットして1スタートにして、次の秒からゼロスタートに戻るなんて、他の映像業界では「トンデモ運用」なのです。事故のもとを自ら仕込んでいるようなものです。

 

「この作品は何DPIですか?」というのも間が抜けた質問で、用紙サイズの実寸とペアで聞かなければ、画面の広さ・大きさなんて判断できません。

 

レンズの口径・ミリ数は、撮像する面積の広さとの兼ね合いで、画角が導きだされるのに、50ミリが標準画角のレンズだと信じて疑わないのは滑稽な話です。APS-Cではライカ判換算で80ミリ前後の中望遠画角になります。

*ちなみに、画角に関しては、ニコンの画角のページがわかりやすいです。https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/lenslesson/lesson23.html

 

1から数えるのが悪いわけじゃないですし、実寸にはDPIの概念も必要ですし、レンズのミリ数も基本をわきまえれば画角のイメージにつながります。

 

要は、不完全な状態で理解しないまま、なんとなく雰囲気で曖昧に数値を扱い続けることが、間違いと事故のもと‥‥というわけです。

 

スペックマニアにも完璧主義者にもなる必要はなく、ただシンプルに、基本の仕組みを理解して適切に扱えば良いだけです。

 

タイムコードは0スタート。

 

DPIは実寸と一緒に。

 

レンズのミリ数で画角を語るには、撮像面積(の規格)とペアで。

 

たった、これだけのことです。難しいことはないです。

 

 

 

知らなかったことを嗜められて、ムキになって怒り出すのは、まさにチャイルディッシュ。

 

知らないことは、聞いときゃあ、いいじゃん。私だって、数多くの人に間違いを指摘されて、正しい理由や仕組みを知るようになりましたし。

 

年長になったからって、何でも知っているフリをしなくても、良いんですよ。とんでもない勘違いを30年持ち続けることだって、たまにはありますヨ。

 

明らかに間違った使用法を指摘された時に、不快になって言い訳をあれこれ持ち出して意固地になる年長者と、間違いを受け止めて精査した上で正しい使い方に修正する年長者だったら、どちらが尊敬に値する?

 

私は俄然、後者を尊敬しますけどネ。前者はめんどくさくてしょうがねえス。

 

 

 

用語や数値を「暗記もの」にしているか、仕組みから用語や数値を推し量っているか、‥‥の決定的な違いとも言えます。

 

暗記ものは、理屈や仕組みの話になると、弱いよぉ‥‥。単に数値が、「番号の羅列」でしかないから。

 

しかし、仕組みの基本を理解した上で、数値の暗記までプラスすると、俄然強くなります。たとえ、ジャンルの違う技術者と会話しても、数値が一致して知識も通用します。

 

数値を賢く使うには、基本的な仕組みを知っておくことです。

 

それだけで、数値は、数値以上の価値を発揮し始めます。

 

 


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