タイムコードを1スタートにするのはやめませんか。

アニメ業界の撮影さん特有‥‥だと思うのですが、タイムコード書式で1から始まる表記を結構目にします。

 

00:00:00:01

 

‥‥タイムシートのコマ番号と記述を合わせたいばかりに‥‥とは思うのですが、23コマ目は、

 

00:00:00:23

 

‥‥ですが、残念ながら、24コマ目は、

 

00:00:01:00

 

‥‥となり、ゼロスタートにリセットされます。

 

タイムコードは0スタートなので、いくら開始時間を1にズラしても、次の秒数からは0に戻ります。

 

意味ないじゃん。

 

むしろ、24コマ目が0:00:01:00になって前倒しになって、ものすごく混乱します。

 

 

 

なんでもかんでも1スタートに変えるのは、アニメ業界のアニメ撮影だけの慣習なので、外では通用しません。

 

一方、アニメ制作は業界内部だけでは完結できません。ポスプロ(編集など)からは一般的なタイムコードで時間の番地が管理されるので、アニメ業界の悪習を改めて、タイムコードはゼロからスタートする習慣を身につけた方が良いです。

 

タイムコードは0スタート、コマ番号は1スタート。

 

タイムコードは、0から23。

 

タイムシートは、1から24。

 

この両方の感覚を同時に扱うことは可能です。慣れれば大丈夫。

 

私はもう20年近くタイムコードとタイムシートの同時使用をしているので、慣れました。慣れることは可能です。

 

 

 

演出スタッフや作画スタッフも、タイムシートの「1コマ」を「1フレ」とか言わないように気をつけたほうが良いです。

 

フレ=フレームはタイムコード、コマはタイムシート。こうして「フレ」と「コマ」の使い方を切り分けた方が明快です。

 

 

 

シートの6フレーム目‥‥とか言うな。シートなら6コマ目と言いましょう。

 

タイムコードの12コマ目‥‥とか言うな。0スタートだと11フレーム目を指しているかも知れないので、不要な行き違い・誤認は避けましょう。

 

 

 

撮影スタッフは、フレームとコマをソフトウェア上で扱う専門職ですから、率先してタイムコードとタイムシートの読み替えを頭の中でできるようにしましょう。

 

書式は1秒目なら‥‥

 

0:00:00:00〜0:00:00:23

 

0+01〜0+24

 

‥‥と、「:」と「+」を使い分ければ良いです。

 

「:」だったら0スタートのタイムコード、「+」だったら1スタートのタイムシートのコマ番号。

 

全然、難しくないでしょ?

 

ラッシュチェックの際に、作監や演出が「12フレ目」とか言ったら、「12フレとは、タイムコード上ですか? タイムシート上ですか?」と聞き直しましょう。

 

たとえ相手がベテランでも、「タイムコードは0スタート、タイムシートは1スタートなので、混乱の原因になりやすいのです。行き違いを防ぐために、お聞きしたのです」と言えば、よほど頑固で意地っ張りなベテランでもない限り、答えてくれますヨ。

 

 

 

アニメの制作現場は、酷く、タイムコードに不慣れです。なぜかというと、リアルタイムでカメラ撮影しないので、全てのカット(バラの1カットごと)がゼロスタートだからです。

 

タイムコードを意識したことのない撮影スタッフは、アニメ制作現場には相当多いでしょう。

 

なので、意識しましょう。ただそれだけでアニメ制作現場の「不思議なタイムコード」を撲滅できます。

 

タイムシートの表記はタイムコードではないことを、改めて認識すれば良いのです。

 

 

 

After Effectsのテキストエフェクトにある「タイムコード」は、まさにタイムコードのためにあるので、タイムシートのコマ番号の表記に使うのはNGです。

 

前述したように、1秒目の最後に0スタートに戻ります。

 

「タイムコードの開始時間」は、単にタイムコードのオフセットを設定するもので、0〜23表記を1〜24に変更する機能ではありません。

 

エフェクト「テキスト」>「タイムコード」で開始時間を1にしても、以下のようなみっともないことになります。

 

この設定で「1スタートにできた!」と思っていても‥‥

 

 

残念ながら、タイムコードはあくまで「0 to 23(24fpsの場合)」なので、0+24の位置で‥‥

 

 

タイムコードだけは、2秒目の0フレームになります。

 

1秒目の0+23までしか通用しない表記なんて、害の方が大きいですよネ。

 

これは「After Effectsのせい」ではなく、「タイムコードを1スタートにした人間のせい」です。

 

 

 

もし、オフライン撮で、映像内にコマ番号やタイムコードを表示したければ‥‥

 

TC 00:00:00:00 - - TS (000+01) - -  000001

 

‥‥のような表記をテキストレイヤーとエクスプレッションで生成して表示させるのが良いです。等幅フォントで綺麗に表示すれば見栄えも良いですし、タイムコードとタイムシートの2書式を併記すればアニメと映像一般の両方の現場に対応できます。タイムシートと照合することが頻繁ならば、1スタートのフレーム番号を添えると、もっと利便性が高まるでしょう。

 

何度も繰り返しますが、タイムコードをタイムシートのコマ番号に流用するのは、無理があるばかりか、混乱の大原因になります。

 

タイムコード、タイムシートの(0+0)書式、通しのフレーム番号は、それぞれ別物として扱い、何でもかんでもアニメのタイムシート基準で思考する癖から脱皮しましょう。

 

 

 

アニメはフィルムで作ってた伝統が‥‥と言うのなら、フィートはどうしたんでしょう。

 

「3ブツ」は、3秒前と3フィート前の2種類がありますが、リーダー(10から3までのカウントダウン)を見て、24fpsビデオのリーダーか24コマフィルムのリーダーか、見分けはつくでしょうか。

 

「アニメはフィルムが基本だから」と言うのなら、当然、見分けがつくでしょう。3フィートが何秒なのかは、35mmフィルムを知っていれば当然わかるはずですが、アニメ作画や演出はおろか、撮影スタッフでも知る人は少ないです。

 

つまり、自分の誤認を取り繕うために、フィルムを引き合いに出しているに過ぎません。

 

フィルム云々じゃなくて、タイムシートのコマ番号しか扱ったことがない人が、タイムコードを間違った使い方をしているだけです。

 

 

 

After Effectsにはエクスプレッションがあります。

 

テキストエフェクトのタイムコードなんかに頼らず、エクスプレッションで対処しましょう。

 

エクスプレッションには、timeToTimecodeやtimeToFrames、timeToCurrentFormatなどの便利な関数が用意されているので、活用しましょう。

*プロジェクトの時間表示をフレームにしている場合は、timeToCurrentFormatはタイムコードにはなりません。私はプロジェクトの時間表示はタイムコードにすべきと思いますけどネ。アニメ村の限定された意識ではなく、映像世界のグローバルな感覚を、アニメ制作スタッフもそろそろもつべきです。

 

fps=1/thisComp.frameDuration;

tc=timeToTimecode(t = time + thisComp.displayStartTime, fps, true);

sec=String(Number(Math.floor(time)+1000)).slice(1);

koma=String(Number(tc.split(":")[3])+101).slice(1);

f=String(Number(timeToFrames(t = time + thisComp.displayStartTime, fps, true))+1000001).slice(1);

"TC "+tc+" - - TS ("+sec+"+"+koma+") - - "+f;

 

 

101とか1000を足しているのは、桁数を揃えるためです。フォントは等幅の英文フォントを選びます。時間の表記は、整然と美しくなければネ。

 

レンダリングすると、この通りです。フォントは等幅のCourierのBoldを使って、字間が動かないようにしています。

 

 

タイムコード、タイムシート、コマ(フレーム)の通し番号、全て表示すれば、どの場面でも使えます。

 

もし、CC2020を使っていて、表記がズレるようなら、After Effects新バージョンにおける小数点の誤差ですので、0.001などをtimeに足してケアします。CC2020に限らず、昔のバージョンから小数点の誤差は厄介でしたので、上述のエクスプレッションでも、できるだけ小数点を扱う場面を控えています。

 

 

 

たしかに、タイムコードを扱う現場にいないと、タイムコードを流用してタイムシートの表記に合わせるようなことは、やっちゃいがちです。

 

私も20年前くらいは、危うい感じでした。タイムコードとタイムシートの境界を曖昧にしていました。

 

しかし、ポスプロの立ち合いや、実写作品に関わったり、欧米の映像関連会社などと関わるようになると、タイムコードをちゃんと扱わないと、とんでもない事故になることがわかりました。‥‥なりかけた寸前で、私は悪習を直せましたけどネ。

 

 

 

今、日本のアニメ業界は、映像技術的に10年以上の遅れをとっています。アニメ業界は、外界から閉ざされた竜宮城なのです。

 

しかし、今後、生き残って発展するためには、海底の竜宮城から地上に戻らねばなりません。

 

海底には、映像に限らず様々な分野における新技術の日差しが届かないからです。

 

「デジタル作画」が停滞している理由も、「デジタル作画を竜宮城の中でおこなおうとしている」からに他なりません。

 

2020年代、2030年代に、1970〜2010年代の方法論が通用し続けると思いますか?

 

アニメ撮影にありがちな1スタートのタイムコードに、その「竜宮城感覚」を見いだす時、そろそろ、「なんでも1スタート」の悪習から抜け出る時期‥‥ですネ。

 

 


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