描いた傍からアルファ

機材を揃えて、知識も増やせば、紙と鉛筆でも、スキャンすることによりデジタルデータに変換して様々な応用が可能かと思います。2020年現在のアニメ業界の方式は、単に解像度が150dpiと低く、二値化で線のニュアンスが死んでしまう(だから後付けの撮影処理が出たんでしょうが「マッチポンプ」のような状況です)ことに問題があるだけで、スキャンしたデータを次世代に対応させること自体は何ら問題はありません。

 

しかし、その方法だと、まずコンピュータの画面に現れるまで、時間がかかります。段取りが多いのです。

 

  • 絵を描く
  • スキャンする
  • スキャンした際の余白を削る(トリミング)
  • コントラストやカラーバランスを整える
  • スキャンのゴミを取る

 

線画をモニタの画面に表示するだけで、これだけの手間は最低必要です。

 

一方、iPad Pro(などのペンタブ)で線画を描くと、当然の事ながら、描いた傍からデジタルデータなので、

 

  • 絵を描く

 

‥‥だけです。スキャンにまつわる工程は全て消えます。

 

ゆえに、フットワークが格段に軽快で、描いた直後からそのままイラスト着彩作業に移れます。

 

 

 

しかし、フットワークの軽さ重さよりも、もっと大きなアドバンテージが、iPad Proをはじめとしたペンタブ作画にはあります。

 

  • 描いた傍から、アルファチャンネルが付随する

 

‥‥という、紙では絶対に実現できない、作業における特性です。

 

白地に絵を描くと、一見、白を透明のように錯覚しますが、白で塗り潰された状態です。なので、キャラ以外の透明部分は何らかの方法で後から切り出して作ることになります。

 

白地ベースで描くと、猫もサインも白地も、全部一緒のマスク=全体が真っ白になってしまいます。

 

 

iPad Proで絵を描く場合は、レイヤーを新しく作って描き始めれば、不透明部分(アルファチャンネル)が段階的にどんどん生成されます。「描くことがアルファチャンネルを作っている事と同じ」なのです。‥‥すごいね。

 

 

 

地味なことかも知れませんが、ペンタブ作画のものすごく有用で効率的な特性なんですよネ。

 

この特性があるおかげで、運用と表現の自由度が格段に高くなります。

 

筆使いを駆使したイラスト塗りの場合は、この「描いた傍からアルファチャンネルが生成される」特性を活用して、様々な視覚効果をプラスすることが可能です。

 

液タブやiPadを使って絵を描けば、特に意識することのないあたりまえの機能ですが、スキャンしなければデータにならない紙媒体の場合は、いちいち手間となります。ゆえに、映像のアイデアも「最初に手間のことを先読みしてしまって」消極的になりがちです。

 

 

 

新しいアイデアは、新しい作業環境で生まれるものです。

 

私はPowerMacintoshで最初にPhotoshopをいじるまでは、その性能と威力を実感できませんでした。ちょっと「みくびっていた」くらいでした。‥‥恥ずかしながら。

 

しかし実際にいじってみれば、その猛烈なパワーは歴然でした。

 

トーンカーブで10年は飯が食えると思いましたが、少なからず、その直感は当たりました。

 

使ってみてこそ、わかるのです。

 

実際に使ったことのない人(ちょっとだけ触ってみただけの人も)ほど、あーだこーだと難癖をつけます。

 

まずは使いましょう。

 

そうすれば、道具の性質を理解できるようになって、いくらでもアイデアは浮かぶと思いますよ。

 

直にエフェクトを描くのだって、これ、この通り。

 

 

リアルっぽい放電も、ペンの筆圧で枝分かれを描きわけて、30秒くらいで描けちゃいます。実際、思いついて、このブログに載せるまで、数分の間の出来事です。

効果を追加すれば、いくらでも思いの通りの色にできます。

 

描かなきゃ損。ですね。

 

 



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