2020年にできること。

アニメーターが自分で何らかの映像を作ろうとする時、キャラが動いて飛び跳ねて、カメラも回り込んで‥‥みたいな1カットを描きがちな一方、その映像は線撮のような状態で色も背景もないことが多いです。線画しか描いてこなかったアニメーターが、誰にも指図されずに自分ひとりで映像を作る時も、結局線画までしか手が届かず、ペンシルテストのような映像しか作れない状況。

 

色付きのアニメを作るには、昔はたしかに機材も高価で、ランニングコストも高かったです。しかし2020年の今は違います。

 

現代の道具を使えば、何ができるのか?

 

「今は何が可能か」を知らないがゆえに、自分の可能性に自ら限界を定めて、線を描く人間が、もっと線画だけに固執するようになります。

 

現在はiMacですら5Kのディスプレイ、iPadは無印の安価なモデルでもApple Pencilが使えます。各種ソフトウェアの高性能化により、プロ同質の映像が個人宅レベルで制作可能ですらあります。時には、凌駕する場合だってあり得ます。

 

例えば、iMac 5KとiPad Pro 12.9インチ、ProcreateとAfter Effectsがあれば(Photoshopは必須ではない)、以下のような簡素なキャラデザインなら、数時間でゼロからフィニッシュ(ムービーファイル)まで可能です。

 

*この映像は4Kではありません。ブログ用に960pxまで小さくして軽量化しています。容量を20MB/分に抑えたかったので‥‥。

 

 

別の用途で作ったムービーですが、一部変更して、このブログ用に作り変えました。

 

iPad Proで線画を描くところからスタートして、iMacなどの身近なPCでムービーのレンダリング=1カット完成まで可能なことを示しています。自宅でひとりでできるので、アマチュア、学生さんでも可能でしょう。

 

オープニング風の1カットの線撮を自分で作ってみるのも良いですが、地味だけど最後まで完成していて、作品の1カットに成り得る内容を作ってみるのも良いと思いますヨ。もっと動かしてみたいと思うのなら、徐々に「盛って」いけば良いわけですしネ。

 

 

 

「止め絵で髪の毛だけ動かしてるだけじゃん」と言うのなら、線画だけ描くんじゃなくて、ゼロからフィニッシュまで作ってみましょうよ。耳年増になってクチだけ達者になるのではなく、たとえ止め口パクでも、彩色も背景もカメラワークも自分ひとりで自分の手だけで。

 

アニメーターが線撮だけで満足して悦に入ってたら、「原画でこれだけ頑張りました」という自己アピールに終始します。ああ、やっぱり日本のアニメーターは、原動仕の仕組みからは抜け出せず、新しい時代の技術とは無縁の存在なんだ‥‥と、より一層、原画マン根性に傾倒していくようにも思います。

 

最初から最後まで、たとえ数カットでも自分ひとりで作ってみれば、「猛烈な気づきの機会」が何度も得られます。線画だけでは得られない、様々なことが見えてきます。

 

日本のアニメ業界のアニメーターは、原画や動画の描き方は知っていても、アニメーションの作り方を実地で知りません。不思議な話ですが、アニメの原画は描けても、アニメーションは作れない人が多いのです。ゆえに新時代のテクノロジーは、全くと言って良いほど制作現場には浸透しないし循環もしません。昔からの原画の描き方のまま、いつまで経っても旧態依然としたタイムシートに縛られ、技術も知識もストップしたままです。

 

線撮は何をどうやったって完成途中の線撮でしかないです。考え方を変えて、完全に完成した状態を作ってみては如何でしょう。

 

そこから知識の更新を始めないと、いつまでも「多重組み」とかで罪を擦りつけ合う現場のまま、進展しませんヨ。

 

 

 

実は、音楽もGarageBandでループだけで作っちゃいました。60秒間ずっと無音なのは気がひけたので。

 

音声のMUTEを切って音を出すと、GarageBandで数分で作った音楽が流れます。ありもののループを組み合わせて作ったので、数分で出来たのです。(なので「作曲」した‥‥とは全く言えませんが)

 

以下の通り、4トラックしかない簡単な構成ですが、iMacやiPadを買うとついてくるGarageBandで、簡易な音楽も作れたりします。ムービーを読み込んで、映像を見て合わせながら音楽を作ることも可能です。‥‥今回はそこまでしませんでしたが。

 

 

 

 

 

 

2020年の今、2010年のままで知識が止まっている人。

 

下手をすれば、1980〜90年代から基本的な知識が更新されていない人すら多い‥‥のではないのでしょうか。

 

ゆえに、下図のような「隣町に行くだけなのに、わざわざ高速道路に乗って、しかも通行料金を払って、遠回り」する制作事例が後を絶たないのです。

 

 

 

こんなに長い距離を走って、渋滞にも耐えて、苦労して目的地に到着して、当人は「仕事した気、満々」なのですが、まるでコストの無駄使い、人生の無駄使いです。

 

「いや‥‥、でもさ‥‥、下みちを使うと、迷って混乱するからさ」‥‥と言う人もおりましょうが、だったらなぜ、一般道を賢く使う方法論、そして情報技術(それこそIT)を駆使しないのでしょう? 今は無線ネットワークもナビもあるのに‥‥です。

 

アニメ業界は確かに低い作業単価で苦しむ人も多いでしょうが、一方で、昔の知識のまま、異様に無駄な段取りを重ねて無駄金をバラ撒いているのもアニメ業界です。

 

窮状を訴える‥‥なんて、半分は「無意識・無自覚が招いた自作自演」なのです。

 

制作現場の運用技術転換と、作業単価の根本的な見直しは、両輪ですよ。片輪しかなければ、未来に向かって走り出せないです。

 

なのに、現場の人間は作業単価ばかりに目を奪われて、自分らの運用技術のあまりの古さに気付いていないのです。

 

 

 

制作現場、業界‥‥ともなると、「みんなで乗るバス」のようなものじゃないですか。

 

そのバスが経年劣化と整備不良でまともに走らなくなってきて、かと言って、誰も根本的なメンテをしようとは言い出さない。エンジンのオーバーホールなんて「誰がやるの?自分はイヤだよ」と誰もが押し付けあったり、誰かがやってくれるのを待つばかり。

 

そればかりか、このバスはもうスピードがでなくなったから、運行スケジュールも変えて対処しよう‥‥とまで言い出す始末。

 

いっそのこと、「完全にバスが故障して動かなくなって、このままじゃ立ち行かないと皆が自ら動き出す」まで、待った方が良いのかも知れません。じゃないと、バスの異常をいつまでも認めたがらない人間が後を断ちません。

 

「バスが動かなくなったら、お前も困るだろ」と言うのは常套句ですが、だからこそ別のルートと別の移動手段を考えて準備しておくのです。移動手段とルートはいくつも用意するでしょ、現実世界ではさ。

 

まずは、個人レベルで何が可能かを知ることです。

 

AIとか自動中割りとか、自分が内情を知らないものに盲目的に過度に期待するのではなく、「今ならこんなことが実際に自分でできる」と言う身の丈の実感が必要です。

 

 

 

iPadもiMacも、業務用の何百万円もする機材じゃないですよネ。ベタベタなコンシューマ向け機材です。

 

2020年に生きていながら、2020年のテクノロジーを実感できないわけがないです。実感しようとしないだけ、です。

 

2020年代の技術転換の大きな波で、溺れて死ぬ人間、波にのって一気に進んでいく人間、どちらになりたいかと問えば、少なくとも私は「死ぬのはイヤだ」と思いますけどネ‥‥。

 

一度きりの人生。どうせなら、波にのりましょう。

 

 

 

 



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