液タブの10年

10年前〜2010年当時に制作現場に液タブを導入する‥‥ということは、それはもう困難の連続でした。まず高価だったので(あ、それは今も同じか)液タブの必要性・必然性を説かなければ導入は難しかったですし、導入しても1680pxだかの解像度では当時から性能不足を感じました。加えて、ペンタブの軌跡の精度もかなり低かったです。「湾曲ポイント」が画面の中ほどにあって、そのエリアをペンタブが通過すると必ず線がヨレて湾曲する‥‥という中々のポテンシャルの低さでした。

 

10年経った現在、液タブの性能向上と相対的な低価格化により、導入ハードルは格段に下がったと言っても過言ではないでしょう。加えて、iPad ProとApple Pencilという新たな選択肢も2015年以降に生まれ、機材側ではなく、使う人間側のポテンシャルが問われる逆転現象が起きています。

 

今のアニメ業界。迷走以前に、走り出す前に何に乗るかで迷っています。

 

どこに向かって走るのかが判らない上に、何に乗って走り出したら良いかも決められない。‥‥そりゃあ、まあ、停滞するわな。

 

どこに向かって走るのか‥‥なんて、自分たちで決めれば良いじゃん。

何に乗って走り出すか‥‥なんて、自分たちで決めれば良いじゃん。

 

で、今のところの結論は、

 

走り出さない。どこにも向かわない。

 

‥‥なんですよネ。

 

液タブの10年間は、アニメ業界においては、液タブの性能だけが進化し、人々は進化しなかった10年とも言えます。進化できた人々はごく局所的に留まります。

 

 

 

私はiPad Proの初期型が2015年秋に発売されて以降、ずっとiPad Proでアニメ業界をはじめとした映像関連の仕事をしています。

 

新しい道具として、iPad ProとApple Pencilを使い続けて、4年間です。道具は「使ってなんぼ」「使いこなしてなんぼ」ですよネ。

 

iPad Proでは仕事ができないなんていう人を、たまにツイッターで見かけますが、「道具に使われちゃっている人」だよね、そういう人って。

 

道具は使うものであって、人間側が道具に使われていたら失笑この上なし。です。

 

つい最近、Procreateが5にバージョンアップして、簡易アニメ機能が追加されましたが、アニメ機能なんてなくても原画作業はできましたヨ。‥‥何度も書くけど、クイックアクションレコーダーなしでも今まで原画を描いてきたわけですから、ペンタブになった途端、なぜ「動きをシート通りに再生できないとわからない」なんて言い出すのか、不思議なんですよネ。

 

クイックアクションレコーダーがあるスタジオのほうが珍しかったはずなのに、なぜ、今は必須なんでしょうね。みな、頭の中で動きを組み立てられなくなっちゃったの?

 

でもまあ、Procreateに簡易アニメ機能ができて、パラパラと複数枚連続で動きが確認できるようになったのは、良きことです。クリスタも最近のバージョンアップで画面が広く使えるようになって進化しました。‥‥そうして、どんどんペンタブもAppも進化を続けています。

 

アニメ業界の人間たちだけが、おいてけ堀です。

 

でもそれは、自分らが自ら立ち止まって進まないがゆえです。

 

 

 

液タブ・タブレットPCは2010〜2019年の10年間に、大きく進化しました。

 

一方、アニメ業界の人間、特に、作画の人間はどうでしょうか。

 

2020年代の現場がどうなっていくのか、進化に取り残された作画工程の当人たちが、考えていくしかないです。

 

 


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