Zを使用可能に。

XYZ軸のレイアウトがあたりまえの未来型(と呼ぶのは少々気恥ずかしいですけど)アニメ制作において、新たに出現するテクニカルエラー〜リテークは「Z軸パカ」「ゼットパカ」「座標パカ」です。思わぬところでZ軸の位置関係が前後して、画像が消えたり現れたりするエラーです。

 

エラー、リテークとして見れば、新たな厄介事かも知れませんが、映像技術的に見れば、今までのタイムシートのシートワークでは複雑怪奇になっていたことが、シンプルに実現できる新技術でもあります。

 

例えば、以下のような動きを、今までのシートワークで指定すると、そりゃあもう、置き換え乗り換えだらけの悲惨なシートになりましょう。

 

Z軸を使えば、この通りのシンプル構造。

 

 

タイムライン上のレイヤー階層の、何とシンプルなことか。

 

大きな円のレイヤーの下にしたり上にしたり、くるくる回るレイヤーのタイムラインをブツ切りにして挟み込む必要はないです。Z軸さえ、コントロールできれば。

 

もちろん、今までのタイムシートだと苦手な動きをあえてやってみただけなので、実際の映像制作の場面では、前と後ろをまたぐ動きはこんなに複雑ではありません。せいぜい、机の下の手を移動して机の上にのせる‥‥とか、人影から前に踏み出る‥‥程度の動きです。

 

でも、そうしたセルまたぎのちょっとした場面でも、Z軸をほんの1〜2ピクセル移動するだけで、例えば、BセルをCセルの上に移動させることが出来ます。

 

「それはいい。方法はどうするの?」‥‥となりがちですが、残念ながらアニメの撮影工程はZ軸を個別に扱う習慣がありません。特殊なカット扱いです。ゆえにシートに明確に指示できません。

 

つまり座標を指定する基本的な事〜アニメ技術のインフラが旧式化し過ぎて、簡単なZ軸のコントロールもままならないのです。

 

位置を指定できないんじゃ、どうにもならん‥‥ですよネ。基本中の基本ができないのですから、発展のしようもないです。

 

 

 

Z軸を扱うには、まずアニメーターがZ軸を使いこなせる必要があります。

 

レイアウト作業、画面を構成するレイアウトを描く際に、担当のアニメーター(多くの場合、原画マン。劇場作品だとレイアウト専門スタッフが存在する場合もあり。)がZ軸を意識して描く必要があります。

 

Z軸の扱いの他に、必要十分な解像度で各要素を分解して、頭の中でコンポジションを組める必要がありましょう。むやみに大判にしてたら、4K時代は大判サイズが2〜3万ピクセルになっちゃいますからネ。

 

「そんな無茶な。自分は撮影スタッフじゃねえし。」

 

‥‥とかいいがちですが、コンポ不可能なレイアウトなんて存在意義がないです。

 

だってさ‥‥、コンポ可能なように、誰かが作り直してやり直すんだもん。レイアウト作業は、原画の下書きじゃないのは判ってますよネ。

 

レイアウトはどのように画面内の要素を構成するか、作画に入る一番最初に画面配置や前後関係、処理などを事前に計画し、各工程の中間素材(セルや背景〜Intermediate)を組み上げてコンポジット(撮影)するための計画図です。

 

アニメーターは絵の収まりを重視しがちですが、もちろんそれが最重要項目ではあるものの、どんなにかっこいい画面配置ができても、コンポジット=最終的に映像化できないのでは、全く意味がありません。静止画のイラストを描くのとは訳が違うのです。

 

 

 

だ・か・ら。

 

アニメーターが、たとえ体験学習的であっても、ゼロからフィニッシュまで、映像を1カット自分一人で作ってみることが有効なのです。

 

「形骸化した原画作業」しか知らなければ、そりゃあ、不具合も非効率も招きますよ。他の工程を「簡単認定」して酷い指示を繰り返しもしましょう。

 

例えば、テクスチャの貼り込み指示はできても、実際に貼り込みがどのような作業によって実現しているか‥‥なんて、全然知らないアニメーターが多過ぎるのです。何をどうやっているかを知らなければ、「簡単に楽にやってる」みたいな曲解をして乱発もしますわな。

 

ざるで水を汲むような愚行も平気で犯しましょう。ざるに水を入れても一気には水は流れ落ちないから、速い動作なら水も汲める!‥‥なんてバカなことを繰り返して。

 

2020年代はもうそういうのはヤメにしませんか。

 

ヤメるためには、とにもかくにも「現代のアニメ制作技術」へと皆で知識を更新することです。

 

フィルム撮影台の亡霊を、ようやく成仏させるのが、2020年代です。

 

 

 

前にも紹介したムービーですが、Z軸を使った舞台セットです。

 

 

 

こうしたZ軸ありきのコンポジットは、欧米のToon Boom Harmonyなどではあたりまえです。クリスタはコンポジットのソフトではないので、日本ではAfter Effectsで実現するのが最短距離でしょう。上のムービーは、Procreate(iPad)で線画を描き、Photoshopを背景を作るのに併用しつつ、After Effectsで完成させました。

 

欧米ではすでに2008年にはZ軸の舞台セットをやってましたヨ。私はHOLiCの劇場版(2005年)で使ったことがあります。つまり、もう15年前にはZ軸はスタンバイしていたのです。

 

日本は進んでいる部分もありましょうが、信じられないほど遅れている部分もあります。2020年代は、技術の遅れを取り戻す10年にしませんか?


 

 

情報が古いままでは、身動きが取れません。

 

何をどうすれば良いかもわかりませんよネ。

 

誰かが‥‥ではなく、自分で技術知識を増やしていきましょう。

 

 

 


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