夢の機材

コンピュータは、特にアニメを作ろうと思う人にとっては、まさに夢を叶える機材です。これは堂々とハッキリと言えます。

 

私は小学生の頃からアニメを作りたくて、中高生の頃にも自主アニメを作りたいと思ったこともありましたが、できるのはパラパラマンガ止まりでした。セルに色を塗って撮影台で1コマずつ撮影して‥‥なんて、とてもとても出来ることではありませんでした。

 

セル用紙のそれはそれは高いことと言ったら。

 

セル彩色用具を一式揃えるなんて中高校生では不可能でした。

 

透過台(ライトボックス)すらない。ガラステーブルが作画机。

 

トレスマシン? ありえないです。どこにあんの? そんな専門のプロ機材。‥‥そもそもセル用紙とセル絵具が買えないわけだし。何とか数枚だけセルを描いて塗ったとしても、オールハンドトレスです。(セル絵具は水性モデルカラーで代用)

 

撮影台。‥‥8ミリフィルムでコマ撮り可能なカメラがあると聞いたことがありますが、もはや購入の可能性は絶望そのものです。

 

 

色付きの自主アニメなんて、な〜んもできない。

 

個人では絶対無理。フィルムでセルで紙だったころは。

 

大学のサークルでセル&フィルムアニメを作っていた人もいるらしいですし、高校にアニメ部があってアニメを作ったことがある‥‥と聞いたこともあります。つまり、自費の機材じゃないわな。

 

商業アニメのセルアニメだけがアニメじゃない。砂絵アニメだって、人形アニメだってある。

 

学生の頃に商業アニメを作ろうとは思ってはいませんでしたが、キャラを描いて、色を塗って、動いたアニメを作りたかったのです。それに砂絵アニメだって人形アニメだって、1コマずつ撮れるカメラ自体が学生では入手困難でしたので、無理でした。当時は公衆電話の時代で、iPhoneで1コマずつ撮影するとか「未来のSF」レベルの話でした。

 

要するに、

 

不可能でした。

 

まあ、2000年代以前はネ。

 

 

 

2019年の今は、作れます。その気になれば、プロと同等の品質で。

 

コンピュータとタブレットを使えば、です。

 

有り体にいえば、iMacとiPadがあれば、個人規模で作れます。Adobe CCまであれば、最強でしょう。

 

 

 

40年前の子供時代の自分に教えてやりたいです。

 

1980年から40年経った2020年代は、個人でもアニメが作れるほどに、コンピュータが高度に発達するんだよ。

 

‥‥とネ。

 

アニメを作りたい人間にとって、コンピュータは夢の機材そのものです。個人でも集団でも、趣味でもビジネスでも、分け隔てなく、コンピュータはアニメ作りの環境を提供します。

 

 

 

本当に夢が溢れんばかりの、コンピュータ。

 

お金持ちの裕福な大人や子供以外でも、何らかのタブレットとPCがあれば、映像制作機材の基本装備は揃えることができます。

 

高い機材だけ買い集めてご満悦のナリキンを他所目に、iPadとMac miniとApple Pencilでいくらでも打ってでることができます。

 

高価なプロ用機材がなければお話にならなかった昭和や2000年以前とは大きく違います。

 

パーセプションとかリアリティとか、たかだかD1解像度の24〜30fpsの映像を再生して編集するだけで、どんだけ高い金がかかったのか。

 

2019年の今は、2000年当時の再生機材より遥かに高画質で高詳細のProRes4444コーデックを、Mac miniやiMac 5Kで4K再生できるのです。アニメ業界は今でも画質の低いDNxHDやロスレスアニメーション圧縮で作り続けているくらいで、むしろプライベート制作やアマチュアのほうがコーデックの画質が高いことすらあります。

 

自分の能力さえどんどん高めて磨けば、いくらでも自由に映像を作れます。公開して発表する場も、世界規模です。

 

 

 

絵が描きたくても貧困の末にパトラッシュとともに息絶えたネロのように死ななくて=諦めなくて良いのです。

 

昔、500万円出してもスタート地点に立つことすら難しかったことが、5万円で始められます。

 

一番安い無印のiPadを手に入れる。Apple Pencilを買う。アニメーション機能がさらに充実する新バージョンのProcreateをiPadにインストールする。学生のうちからどんどん描きまくって上達して、順次ネットに公開する。

 

学生にとっては5万円は大金でしょう。夏冬休みにバイトするなり、何かの交換条件で親御さんに頼み込んで買ってもらうなり(期末テストの成績がクラスや学年で上位何番以内‥‥とか)、お父さんお母さんと共有機材にするなり、とにかく絵を描いて絵を動かせるタブレットを手に入れれば、アニメは作れるようになります。

 

40年前は、何をどうしようと、絶対に無理だったもんな。金持ちのボンボンならまだしも、庶民の子供は絶対にアニメの自主制作なんてあり得ないことでした。

 

今は、タブレットをどうにかすれば、アニメもイラストも作って、しかも全世界に公開できます。

 

夢、凄すぎるでしょ。

 

 

 

プロでも同じです。

 

アニメ制作現場の人々は、分業制がカッチリ区切られていて、ぶっちゃけ、一人でアニメを1カットだけでも作ることはできません。「俺はアニメーターだから線画までしか描かない」‥‥というように、たとえ1カット3秒でも、アニメをゼロからフィニッシュまで作ることは難しいです。

 

でも、iPad ProとiMac 5K、何らかのドローソフト、After Effects‥‥くらいがあれば、能力次第で一人で短尺を作ることは可能です。カットアウトの技術をマスターすれば、さらに現実的になります。

 

 

 

このくらいの簡素な絵柄なら、数時間〜半日でゼロからフィニッシュまで作れます。

 

リグを細かく分ければ、より一層、自分の思うように動かせます。もっとこうしたい、ああしたいというのを、フィードバックできます。

 

40年前は、いくらプロの原画マンでも、動画と彩色と背景と撮影と現像と上映まで、ひとりふたりではできなかったでしょ?

 

今はできるんですよ。コンピュータがあるから。

 

もちろん、使う技術と知識は不可欠ですが、逆に言えば、技術と知識があれば可能だということです。

 

何度も繰り返し書きますが、どんなに技術と知識があっても、コンピュータが今のように発達する以前は、個人規模では不可能でしたからネ。

 

 

 

夢を叶える機材を、横目に眺めているだけじゃあ‥‥‥、どんなに技量があっても、幸運は近づいてきませんよネ。

 

制作集団〜しかもプロとして、アニメを作る我々アニメ制作者は、2020年代にどのようにアニメを作っていくのか。

 

アニメ制作のプロ集団として、どのようなアドバンテージを発揮すべきか、何がプロとアマを分けるのか。‥‥それはもはや、機材ではないです。

 

改めて何もかも棚卸しして、やるべきこととできることを数え直して、慣習や惰性を捨て去って、新しい思考へとシフトすることになるでしょう。

 

 

 

 


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