コンピュータへの甘え

動画彩色兼任の話もそうですが、思うに初心者や知識の少ない人は、コンピュータを「何でもできる道具」として捉えて、コンピュータに甘えてしまうところがあるように思います。

 

例えば、アニメの作画の経験が全くない人間が、

 

iPad Proとクリスタを買ったぞ。明日から原画マンになるぞ。クリスタがあれば僕もデジタル原画の原画マンだ!

 

‥‥と言い出したら、周りは止めますよネ。

 

「ズブの素人ができることじゃない」

 

‥‥と。

 

コンピュータのハードウェアとソフトウェアが「機能として」作画ツールを用意していても、専門の知識なしにプロになれるわけないです。作画に限らず、彩色をはじめとした他の工程も同じです。

 

ソフトウェアの機能と、実際の技術と経験は、切り分けて取り扱うのが、何よりもの基本です。

 

例えば、作画に限らず、コンポジットの作業も受注しようと思うのなら、当然コンポジットの知識は不可欠です。Adobe CCをインストールしてあるだけで、色んなプロの仕事が可能になるわけではないのは、お判りでしょう。

 

「可能になる可能性」をコンピュータが提供してくれるだけで、コンピュータさえあれば無条件に可能になるわけじゃないです。

 

 

 

コンピュータって、昔から、「何でもやってくれると思われがち」「甘えられがち」「過度に期待されがち」なところがあります。

 

どんなに高額なコンピュータや機材を購入して所有しても、使う本人の能力はどうしても問われます。使いこなしてこそ、高額なコンピュータもそれに応えます。

 

コンピュータを所有したところで、誰もがクリエイターになれるわけではないです。

 

コンピュータは、当人の能力を拡張する「かけ算」のような存在です。

 

10x10は100になりますが、0x10は0です。

 

 

 

そんな夢のないことを‥‥とある人は言うかも知れません。

 

いえいえ、夢に溢れてますよ。

 

もし、自分の能力を育てて、0を1に、1を3に、3を12にすれば、それぞれ、10を掛けて拡張すれば、10, 30, 120になるのですから。

 

自分の能力次第でコンピュータは自分の実行能力を、何倍も何十倍にもしてくれます。昭和のアニメーターができなかったことが、平成、そして令和のアニメーターは実現できる可能性があるのです。

 

夢だらけじゃないですか。

 

 

 

コンピュータはある意味、冷徹で非情で残酷です。何も持たない人には、何も持ち上げて拡張してくれません。

 

どんなにコンピュータにお金を使っても、当人の能力が低ければ、コンピュータは「お前では、私を使いこなせまい?」と当人の才能の欠如ばかりを突いてくるでしょう。

 

でも、そのクールさをもって、何かを持ち得た人には、何倍もの拡張を実現してくれます。考え方によっては、怖い存在です。

 

メフィストフェレスのように、最後はファウストの命を奪うかも知れません。まあ、そもそも絵で人間を描いて動かそうとするあたり、ファウストの創りしホムンクルスの如きですしネ。

 

そうした特性をよくよく理解し、コンピュータと契られ給へ。

 

 

 

コンピュータに甘えても、無経験の専門作業ができるわけではないです。「クリエイティブ・エコノミー」分野ならなおさら、当人のクリエイティブが求められます。

 

むしろ、コンピュータは、ロデムやロプロスやポセイドンのように、頼もしいしもべにして、地と空と海を駆け巡りましょう。

 

 

 

 


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