Trinstan und Isolde

私は20代の頃、ワーグナーの「トリタンとイゾルデ」に猛ハマりして、原画を一日中描いた後で、疲れも知らずにトリスタンのスコアを見ながらCDを聴く‥‥というような日々を過ごしていた時期があります。ゆえに、所有するスコアの中で、一番痛んでいるスコアはトリスタンのDoverのスコアだったりします。

 

*AmazonでKindle版がお安く販売されてて驚きました。Kindleは便利でいいな‥‥と思う反面、スコアのKindle版は微妙な出来のものが多く(余白が異様に広くて、肝心の音符が小さくて読みにくい‥‥など)、買うのを躊躇しています。印刷版は普通に良いですよ。

 

 

当時、つたない音のMIDI音源で、トリスタンのスコアの気になる箇所を打ち込んだり、前奏曲の出だしの部分(主要動機が詰まった部分)はピアノ用に簡素にアレンジして「デジタルピアノ」で弾いてました。私の90年代前後=20代はトリスタンと切っても切り離せない時期でもあります。MIDIの打ち込みでも、オーケストラのスコアを1パートずつ打ち込むと、かなり勉強になりますヨ。トリスタンが息絶えるシーンで「松明の動機」が鳴り響く箇所がありますが、CDでは聞こえにくい様々なモティーフが絡み合う様子は、スコア研究ならでは理解できるものです。

 

ライトモティーフという作曲法は、映像にも活かせるのではないかと当時考え、故わたなべぢゅんいちさんと熱く語り合ったものです。今にして思えば、カラースクリプトそのもの‥‥ですが、「構図や色彩の示導動機は絶対にできるし映像作りに有効だ!」と90年初頭にひとりで盛り上がったのを懐かしく思います。‥‥まあ、それを今、そのまま仕事の一環としているわけですけどネ。

 

いつもそばに置いておく本はジャンルごとに色々ありますが、トリスタンのスコア、バッハの平均律やフーガの技法は、当座必要なくても、「いつもそばにいてほしい」存在なのです。

 

ただまあ、トリスタンの音楽を聴くと、自分自身の存在すら肯定できず危うかった20代を思い出すので、まさに「死の動機」の示す感情に支配されそうで、今になって聴くと気分サゲサゲになりそうでコワいキモチもあるのです。

 

 

 

現代はアマゾンでオイレンブルクのスコアシリーズも簡単に手に入りますし、せっかく時代が進化した今に生きるのなら、若くて吸収力が高いうちに、いろんな可能性を試してみるのも良いですヨ。

 

*マーラーと比較され「興行的」とも揶揄されるR.シュトラウスですが、何を言うても、近代オーケストレーションの雄ですので、ストラヴィンスキーやマーラーやラヴェルとともに、スコア研究は是非しておきたいですネ。

 

 



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