イーズ。

カットアウトに限らず、コンポジットにおいても、初心者から抜け出る段階は、モーションに関していえば「イーズ」をどれだけ的確なコントロールができるかです。素人っぽい動きは、まさにソフトウェアの初期設定の「リニア」のままで、動きが機械的になっているのが典型です。

 

実は、私と同世代のベテランアニメーターも、ソフトウェアを使って動かすと、いきなりその辺が初心者になってしまって、自己品質チェック基準も道連れで下がってしまいます。でもまあ、ソフトウェアの様々なプロパティ・アトリビュートを動きに用いることに関しては初心段階ならば、ベテランだろうがティーンだろうが差がないです。

 

ぶっちゃけ、After Effectsでアニメーションする際(コンポジットじゃなくて)は、山のようなキーフレームをどう制御するかがスキルになります。イーズは「ツメ指示」そのものなので、例えば原画A1からA2の動画作業と同等の内容をAfter Effectsで行う場合、人体ならば肘や肩や首の付け根や腰などの基点キーフレームに対するイーズの制御は甚だしく重要な操作となります。

 

毎度のクマの走りですが、ちゃんとイーズ‥‥というか動きの時間軸上でカーブを操作しているので、「最初からこういうキャラだった」かのように動きます。

 

 

踏み出しの急なカーブ、沈み込みの緩いカーブ、手の振りのイーズ(両端ズメ)、お餅にみたいにぷよんぷよん動く輪郭。これらは、リニア(等速・均等)の動きでは表現できません。

 

エフェクト作画も同じで、下図はAfter Effectsにて2008年に作ったケムリですが、動きのカーブなしでは以下のように動きません。頭の中の動きのタイミングを、ちゃんとキーフレームの加速減速に反映してこそ、イメージ通りの動きを作れます。

 

 

 

リグ(どのくらい動かすかに合わせて、パーツを構成した状態)が大雑把でも、以下のような動きは作れます。動きの説得力は、リグを細かく分けたほうが向上しますが、動きのイーズの勢いでも、ある程度までは見せられるのです。

 

 

 

ちなみに、上のアニメーションは、すべて「止め絵」からAfter Effectsで動かしたものです。クマ、ケムリ、そして水たまりを歩く子供に関しては、After Effectsで絵も描いて動かしました。銃を撃つ女性は、2012年頃に、紙で元絵を描いてスキャン、After Effectsでペイントし、半日足らず(数時間くらいでゼロからフィニッシュまで〜リアル系とはいえ、簡単な絵柄なので)で動かしました。

 

 

 

アニメーターになって、他業種とは大きく異なる知識のフィールドはなんだろう?‥‥と考えてみると、「動きの観察力と分析力」です。動きを細かく分析できるのは、アニメーターの業種ならではのアドバンテージです。

 

なんでもイーズにすれば良いというわけでもなく、リニアもうまく使えば面白い動きにもなります。コンピュータを使って絵を動かす場合でも「動きの知識は必須」で、その知識をどのようにソフトウェアのコントロールに活用するかがまさに腕の見せ所です。

 

まずはイーズとリニアについて開眼することです。若手に限らず、ベテランでも、単にレイヤーを動かすレベルで喜ぶのではなく、その動きのキーフレームの質を、自身の「動かす技術経験」で問いましょう。

 

もし日本のアニメーターがカットアウトに目覚めたら、恐ろしいことになる(良い意味で)と思いますヨ。

 

 

 


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