単体かソリューションか〜液タブの存在

AppleやAmazonが強いのは、いまさら言うことでもないですが、やっぱり、単品ではなくソリューション〜商品の周囲をまるっと含めた「環境」を売っているからでしょう。iPadやiPhone、Apple Watch、そしてiMacなどのMacは、単品ではなくApple IDやiCloudなど、ハード&ソフトのネットワークの相互関係が形成できるのが売りです。

 

iPhoneで撮った写真をiPadやiMacですぐに見れるのがあたりまえになると、デジカメでいちいちデータを吸いださなければならない手間は、ものすごくドンくさく感じます。データは端末の垣根など気にせずシームレスに扱えて当然の時代です。

 

AirDropでファイルを簡単に受け渡しできる環境に慣れると、

 

USBメモリを用意して、空いているUSBのクチに挿して、データをコピーし、アンマウントして、持ち運んで、別のマシンのUSBのクチに挿して、データをコピーし、アンマウントして

 

‥‥と、段取りを書くだけでも辟易してきます。

 

サーバを使う運用はアニメ会社でも一般的ですが、サーバを使う人間の自助努力頼みなのは基本方針として古めかしさが否めないですし、実際に操作次第でどこに何でも置けてしまいます(ソフトウェア上の操作の制限が実質無い)。単にサーバを設置してファイルサーバとして各端末にマウントするだけですから(まあ、百単位の端末に整然と、ファイルの送受をサービスするだけでもスゴいことではあるのですが)、「ライブラリ」「プロジェクトマネージメント」の意識がソリューションとして根本的に存在しません。アニメ会社では「ファイル共有」程度の運用意識で停滞しているところも多いんじゃないでしょうか。

 

2009年と2019年では色んなことが大きく変化しています。自分も10年歳をとったし、社会も10年進化しました。プライベートや仕事も、10年分の進化が知らず知らずのうちに盛り込まれていて、それがいつのまにか「大前提」となって物事は進みます。

 

 

 

アニメ業界も社会と歩まなければならない‥‥と、度々このブログで書いてきましたが、具体的に言えば、アニメ制作現場の「ソリューション」をガラパゴス状態から脱皮させることと言えます。

 

アニメの作画で言えば、紙作画からペンタブ作画‥‥ということになりますが、何よりも液タブの進化速度が遅いので、なかなか思うようにいかない現実はあります。

 

液タブはさあ‥‥。19〜21インチでUHDの薄型が必要ですよ。切実にネ。

 

ペンタブが単体で存在感を出している今の製品ではなくて、作画の環境全体にフィットする、「丁度良いカタチ」が求められていると痛感しています。

 

16インチじゃ小さいですよネ。24インチはでかいです。20インチでもFHDでは性能不足。

 

私は自宅にも仕事場にも両方に液タブを導入しようと製品を定期的にチェックして、たまに実機でテストもするのですが、どうしても買うに至りません。

 

現行の液タブが帯に短し襷に長しで、液タブに作業環境が引きずられるのです。

 

作画作業の「ソリューション」として、構成要素にピッタリはまる液タブが欲しいのです。それは、前述のとおり、ズバリ、「19〜21インチでUHDの薄型」です。

 

 

 

製品が、単体で魅力をアピールする時代ではないです。パソコンもタブレットもスマホもサーバも、すべては環境の構成要素であり、何が主役というわけではないです。

 

主役。別格。

 

私の小さい頃は、牛肉のソテーは「ビフテキ」と言って、他の料理を寄せ付けない存在感があり、別格の待遇でした。「トイレット博士」でビフテキ1枚をメタクソ団員で争って食べる話がありますが、お下劣なデフォルメはともかく、たしかに特別の存在感があったものです。

*スナミちゃん。Procreateで、スタジオペンというプリセットをそのまま使って描きました。小学生の頃、「持ちキャラ」(手本を見ないで描けるキャラ)だったんよ、スナミちゃんは。‥‥今はもう覚えてないので、見ながら描きましたけどネ。

*人生50年いまだに、少女時代にトイレット博士やメタクソ団が好きだった‥‥という女性に一度も会ったことがないです。糞尿が飛び交うストーリーでしたから、まさに男の子の漫画‥‥でしたね。少年漫画と少女漫画が分類されていたのは、必然というか必至というか。

iPad ProとApple Pencilで数分で描いて、AirDropでiMacに送って、ハイ、ブログに掲載。‥‥これがソリューションで絵を描く「本域」です。フットワークの軽さはバツグンです。

 

 

 

スナミちゃんはともかく。

 

2019年の今、まさかビーフステーキを特別な存在として扱う人はいまい。「ビフテキ」という言葉を聞かなくなって久しいですしネ。

 

コンピュータの映像制作で言えば、ひと昔前は、PC本体やプリンタや液タブやディスプレイがそれぞれ「ビフテキ」みたいな存在でしたが、今は「健康と趣向に合わせて、自由に献立を考える時代」、つまり、Mac本体ですら「日々の環境の1要素」でしかないです。

 

アニメの作画環境で、唯一と言って良いほど、環境から逸脱しているのは「液タブ」かも知れません。他の要素は、いい感じに馴染んできて、単体を意識するよりも全体のソリューションとして捉えることができますが、液タブだけが‥‥‥まだ外れたところに居続ける存在です。

 

ぶっちゃけ、来年には自分で自腹で自宅に液タブを買いたいのですが、ほんとに‥‥頼むよ‥‥メーカーさん‥‥。私だけじゃなくて、他のアニメーターさんも「24インチはでかい、16インチは小さい」と言ってますよ。

 

液タブが「ビフテキ」のままでは、アニメーターの次世代移行は停滞し続けます。ビフテキ状態から脱して、日々馴染む要素として使えてこそ、作画のソリューションは令和にふさわしく進化するでしょう。

 

 

 


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