自動動画マンという幻想

日本はカットアウト後進国。カットアウト未開の地。

 

ゆえに、自動中割りの「曲解」が今でもはびこっているのを、ツイートで見かけます。

 

確かに「自動中割り」と表現しても良いような機能はあります。しかしそれは、ちゃんと自動中割りできるようにリグを組むからです。‥‥リグですよ、リグ。

 

旧来日本国内方式の「いつものやりかたの原画」を描いて、その後で「AI」とやらが自動動画マンとなって、無人で動画を作業する‥‥なんてことを、2019年の今でも考えているとしたら、相当認識が遅れています。

 

そんなのないからさ。

 

あきらめてよ。

 

グーチョキパーの手の3枚だけ原画で描いて、AIがちゃんと中割りできると思う? 色んな角度で自発的に美意識を発動させて、AIが描けると思う??

 

カットアウトでそれが可能なのはリグを組むからです。AIでは全くありません。人の知能の産物です。

 

そして、カットアウトではやりきれない難しい作画内容は、今まで通り、血の通った人間の知を活かして動画を描きます。ゆえに私ら4KHDR制作集団は、相当高い単価を、未来の動画作業に想定しています。ここでその金額を書くと問題が色々とあるので敢えて書きませんが、かなりの金額設定に跳ね上がり、さらには変動単価が通常になります。

 

難しい作画に対して、高い報酬を設定するためにも、カットアウトの導入は必然であり必至なのです。なんでもかんでも、今まで通りの作画方式で全てまかない、その全てに高い単価なんて設定できません。ちゃんと、全体のバランスがあってこそです。欧米の8:2という数字は、さすがにカットアウトの経験が豊富な現場ならではの実感でしょう。

 

手間がかかるがゆえに生産効率がある程度までしか上がらない作業は、ちゃんと、その通りに相応の対価が必要です。1枚400円の動画単価で「ウチの会社は結構出している」みたいな顔をされても失笑ものです。技能者が1日5枚しか描けなければ、400円でも日給2000円なんですよ???

 

原画や作監は、動画の報酬の事情や作業環境を直視して、全ての技術を総合して未来をジャッジしてください。「自動中割り」なんて言葉に惑わされるのではなくてネ。

 

 

 

アニメーターのツイートでは「自動中割り」という言葉はちょいちょい見かけますが、「カットアウト」を実際に研究したり作業に取り入れている‥‥なんてツイートは一切見ないですもんネ。つまり、そのくらいの認識レベルだということです。

 

いつかAIが全てうまくやってくれる

 

そんな希薄な世間の雰囲気だけが、自動中割りという言葉使いから匂います。具体的なソフトウェア名ではなく、あくまで「AI」という呼び名で。

 

自動中割りが実用化されれば‥‥って、「されれば」という言葉に過大な期待感が表れています。内情も知らず想像だけを膨らませている様子が伺えます。

 

自動中割りの実用化を望むのなら、まずアナタが実用化に関わってください。ツイートだけして待ってるだけじゃなくて。‥‥そうすれば「自動中割り」という幻想に気づくはずです。

 

カットアウトはちゃんと「自動中割り」的なモーションができるように、リグを組んでいるのです。決して、今まで通りの原画を描いたら、あとはおまかせ‥‥なんていうソリューションではないです。

 

いい加減、次の意識へとステップアップしましょう。

 

原画の描き方や考え方、作監の在り方を、根本から問い直して、2020年以降にアニメ制作現場が技術的にも環境的にも労働的にも改善するのを目指すのです。戦後から生まれたアニメの産業の「戦後」にピリオドを打って、令和から仕切り直すのです。

 

原画マンだけは昔の原画マンのままでいられる‥‥なんて特権階級意識ではなく、原画や作監も「新しい未来に向けて、自分も変わっていくんだ」という意識を持ちましょう。

 

 

 

もし一緒にカットアウトをやりたい!‥‥と飛び込んで来てくれるのなら、私は今まで蓄積してきた知識をいくらでも共有したいと思いますけどネ。‥‥でもまあ、全然いないわな。日本には。

 

話が通じるのは、海外のアニメーターだけ。日本は極めてひと握りの数人のアニメーターだけ。‥‥悲しくもなりますヨ。

 

 

 

日本人の竹槍思想を美化したい気持ちもあるでしょうが、それでは未来は生き抜けません。数百円の動画単価でこの先何十年もやり続けるつもりとは、誰も思っていないわりに、何ら新しい技術を模索しようともしていません。「自動中割り」という幻想だけを口にする程度で。

 

欧米のカットアウトの技術進化は凄いことになっていて、頼もしく感じると同時に、焦りも感じます。‥‥日本は後進国だからさ。

 

竹槍思想。自分たちの技術に自信を持ちすぎて新しきを受け入れられない心情。‥‥鬼畜米英とか言ってた戦時中の日本人と全くかわらぬ精神構造を感じますが、国策ではなく自分の思い込みからの脱却で済むのですから、皆で新しい技術をどんどん開発して挽回しましょう。

 

技術を共有したくても、竹槍思想で進め火の玉では、如何ともしがたいです。

 

 

 

動画の存在意義を高い価値として再設定し、カットアウトなどの新しい技術もふんだんに取り入れる。

 

4KHDRを通して見えた、2020年代の目標です。

 

 

 


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