暗記か知識か

昔から「解像度」にまつわる誤解や錯誤は尽きなくて、今でも‥‥

 

dpi(ppi)は寸法の尺度だと勘違いしている人

 

‥‥は、特にアニメの現場に多いです。

 

dpi、ppiは、

 

密度の尺度

 

です。

 

大きさ・寸法の話をしているのに、密度の単位を持ち出しても、話が通らんでしょ。

 

 

 

例えば、こんな話。

 

Aさん:今度の日曜に、遠くまでドライブしようと思ってて

 

Bさん:へえ、どれだけ遠くに? 時速何キロくらい?

 

Aさん:へ? 距離の話だから、時速何キロかは、その時々で‥‥

 

Bさん:だってさ、時速50kmと時速100kmだったら、時速100kmのほうが2倍遠くに行けるじゃん

 

Aさん:自動車の速度はともかく、距離の話をさ

 

Bさん:いやいや。時速50kmで走るのと、時速100kmで走るのを比べれば、時速100kmのほうが走行距離が長くなるじゃん。だから、時速は距離と同じなんだ。

 

Aさん:‥‥泥沼の予感。

 

 

明らかに、Bさんは、「距離の話題と、速度の話題とを、混同して勘違い」しているのですが、「そう暗記しちゃった」のでタチが悪いです。「時速」の意味がどこかにふっとんで、走った距離の結果でオーライと信じ込んでしまったようです。

 

「暗記か、知識か」の差です。

 

構造や仕組みを理解すれば「知識」になりますが、段取りや手続きや結果だけを覚えると「暗記」になるのです。

 

dpi、ppiの話も同じで、仕組みや知識を覚えずに、単に「72dpiは低解像度、200〜300dpiは普通、600dpiは高解像度」と暗記しただけの人は、「寸法の話をしているのに、画素密度の尺度を持ち出す」わけです。

 

 

 

知識は、まず文字から。

 

dpi

 

‥‥何の略かご存知でしょうか。

 

ドット・パー・インチ

 

1インチあたりのドット数です。1インチあたりのドットの密度です。

 

つまり、実寸が何インチかが判らなければ、ビデオ解像度(この場合の解像度とは、映像フレームの画素数を示す)もわかりません。「主語」が抜けているような話です。

 

dpiの略語の由来を知れば、何インチかも語らずに、72dpiだ300dpiだと「dpiオンリーで寸法」を語ることのマズさがわかりましょう。

 

dpiは、インチ(ミリやセンチでも良いけど)とセットで語らないとダメです。

*「100F」とか「80F」とかで話す人もいますが、そもそもレイアウト用紙の100Fの横幅実寸が各社バラバラなので、基準にはなりません。「ディー・ピー・アイ」なのですから、あくまでインチやセンチの実寸で話すべきで、アニメ業界特有の「F」をさらに持ち込むのはヤメましょう。

 

 

悪い聞き方:150dpiなんだけど、4Kはこれで大丈夫?

 

=>実寸をちゃんと伝えましょう。適切か否か、判断以前の問題です。

 

 

良い聞き方:26cmの150dpiなんだけど、4Kはこれで大丈夫?

 

=>計算すれば、1535pxであることがわかります。なので、「26cmで4K(UHD)のドットバイドットにするには、375dpiが必要だよ。実寸(紙のサイズ)を大きくするか、スキャン設定を変更しないと、UHDには足りないよ。」と答えられます。

 

 

 

丸暗記や習慣による「知識もどき」と、構造や仕組みを理解した「本当の知識」との、大きな差は、実際の様々な場面で露呈し、状況分岐の良し悪しの原因にもなります。制作現場のスキルが大きく上下することもありましょう。

 

知識は、うわべの暗記や慣習では得られません。

 

知識は、構造や仕組みを理解した上で、さらに実際に経験することで得られます。

 

もし、慣習から経験をスタートしても、その慣習のナゾを日頃から探求すれば、より深い理解と応用も可能になりましょう。

 

これから先、4KやHDRなど、新しい技術要素が導入される映像制作現場において、「知識もどき」のままの「識者きどり」では、新基準の映像制作に支障をきたし、まず発展の機会すら得られません。

 

 

 

年長者になったからといって、「通ぶる」必要はないのです。通ぶっていながら、基本的な理解が危ういまま威張っている人は、理解している人々からみれば、何とも滑稽に見えます。

 

私は、むしろ、どんなに歳をとっても、自身の無知の知をわきまえ、謙虚に学ぼうとする人のほうが、尊敬できます。

 

短い人生、全てを理解できるわけはないので、多くの要素を暗記に頼ることもありましょう。ゆえに、自分の中で「それが、暗記か、知識か」をちゃんと分類して扱うことが肝要だと感じます。

 

知らない事を知っているふり‥‥って、辛くないですかネ。

 

傲ることなく正直に、知識を求める人間でありたいものです。

 

 

 


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