ライセンス買取とバージョンアップの日々

クリスタのライセンスは、macOS/Windows版を2つ、iOSを1つ、計3つ、個人で所有・維持しています。macOS版は、最初に買ったクリスタの支払いがいつの間に終了し(月500円だもんね)、2つ目のライセンスを支払い中ですが、やがていつか満期(支払い終了)となるでしょう。iOS版は今月まで月額払い(980円)ですが、来月から年額払い(月あたり650円)をスタートします。個人使用目的なので、全部、自腹です。

 

クリスタは思い起こせば、今まで料金をともなうバージョンアップがありません。その昔「コミックスタジオ」を買ったことがありますが、クリップスタジオとして新しくなって以来、お金を購入時以外は払わずに、いつでも新バージョンを使える状況です。

 

もしかしたら、バージョン2になった時に、バージョンアップの料金が発生するかも知れませんが、2019年7月現在(バージョンは1.9)に至るまで、何ら追加のお金を必要としていません。いったい、クリスタが発売されてから、何年になるんだろうか。

 

このクリスタの状況。‥‥相当珍しいです。デスクトップOS(macOSやWindows)のソフトウェアとしては、異例です。

 

クリスタのこの状況が普通だと思ったら、他のソフトなど何でもお金がかかるように思えて、使えないでしょう。

 

 

 

いくつものソフトウェアを使っている場合、ランセンスの買取は、煉獄の始まり‥‥でした。

 

例えば、Adobeのマスターコレクション(PhotoshopやAfter EffectsやIllustratorなど主要ソフトがセットになった商品)を「清水の舞台から飛び降りる」勢いで購入したまでは良いものの、それから後が地獄です。いくつものソフトウェアをバージョンアップするのに、それぞれ2〜3万円のバージョンアップ料金(全部ではなくそれぞれ‥‥ですよ)で、それが2〜3年ごとに押し寄せてきます。

 

ある時期からAdobeは「毎年必ずバージョンアップ製品をリリースする。そして、3バージョン以上放置すると、バージョンアップ権を失う」という方針を打ち出しましたから、結局は必ず定期的にバージョンアップすることになりました。

 

加えて、OSがどんどん更新され、新しいファイルフォーマットやコーデックが出現した際に、以前のバージョンでは未対応で仕事に支障がでることもありました。

 

ちなみに私は、何かの付録でついていたPhotoshopのLEを、優待価格でPhotoshopフル版にグレードアップし、その後「Extended版とスタンダード版(‥‥PhotoshopはElementsやLEだけでなく、Extendedなどのグレードがいつからか導入されたのです。‥‥覚えてます?)」の分岐が発生した際は、お金が割けなくて「非Extended〜スタンダード版」で自宅(自腹)は凌いでいました。

 

自宅のPhotoshopがExtendedでないばかりに、色々なこと(プロ用途で必要になりがちな要素)で制限が発生して、なんだかミジメな気持ちになったのを思い出します。

 

Dreamweaverなどは失効ぎりぎりでバージョンアップに追われる始末。バージョンアップを諦めて失効したソフトもありました。After Effectsは私の本業のソフトでもあったので、何とか毎年バージョンアップに喰らいついていました。

 

なので、私は「買取が安い」だなんて、全く感じられないのです。クリスタは極めて稀なケースです。

 

場当たり的にお金が中途半端に消えていくのに、各ソフトウェアは決して最新版ではなく、虫食いバージョン状態だったのは、忸怩たる思い‥‥というよりは、個人レベルの限界を感じました。

 

 

 

現在、私はAdobe CCを1ライセンス、iOS版のクリスタを1ライセンス、絵描き関連のソフトウェアを自腹でサブスクリプションを支払っていますが、昔に比べて遥かに良好な作業環境を整備できています。

 

まずイニシャルコストが無いのが良いです。

 

PhotoshopもAfter Effectsも最初は10万円前後はしたはずです。After Effectsはその昔20万円前後だった記憶があります。

 

そうした初期導入の負担はサブスクリプションにはありません。

 

そして、バージョンアップ料金の消滅。

 

常にどのソフトも最新版で使えます。もしAfter Effects2019のように出来がイマイチな場合は、2018など安定したバージョンで故意に保留できます。

 

さらには、運用コストの見極めが容易です。バージョンアップ料金にハラハラドキドキしないで済みます。

 

結局なんだかんだと、ソフトやハードの更新にお金が必要ならば、イレギュラーで場当たり的な予算ではなく、Adobeは年間いくら、セルシスは年間いくら‥‥と事前に「必要経費」として1円の誤差もなく計画できていた方が、お金も明確に用意できます。

 

 

 

実際、アニメ業界がCS6で立ち止まっているのって、「金」ですよネ。

 

ハードの更新、ソフトの更新、さらにはインフラの更新まで含めて、沢山のお金が必要になることが明白なので、そもそも動画や仕上げの報酬を単価190〜300円くらいでしか設定できないアニメ業界としては、機材環境にお金を回すこと自体が難しいのでしょう。

 

サブスクリプションをマシン全台にインストールするなんて、まるで目処がたたないのかも知れません。

 

しかし、macOSだけでなく、Windowsも32bitをサポート終了する未来が近づいています。32bitソフトウェアを使い続けることは難しくなるでしょう。RETAS Studioも終了です。CS6は64bit対応との文書がありますが、サードパーティ製のプラグインが対応しているかまでは言及していませんし、他の部分で思わぬ非対応要素が発覚する恐れもあります。

 

もしかしたら、2030年になっても、アニメ業界はWindows10、macOS High Sierraを使い続けて、時代から取り残された孤島となっていることすら、笑い話ではなくリアルにあり得ます。今の感覚で例えれば、Windows XPやSnow Leopardを使っているようなものです。

 

 

 

新しい技術への転換は、新しい時代にアニメ制作現場が生き残る「必須項目」です。

 

アニメ業界だけ「平成のままで良いんだ!!」と叫んだところで、ソフトウェアやハードウェアやインフラの進化は、アニメ業界の都合に合わせてくれません。

 

時代の技術をたっぷりと活用して、未来社会で生き続けるためには、ソフトウェアの更新はどうしても必要です。

 

ライセンスの買取、そしてバージョンアップの料金に、公私ともに悩み苦しんだ私としては、「目先の買取料金」でコストを計算することは経験上できません。

 

2020年代、2030年代と続く「令和の道」を、どのように歩んでいくか。

 

20年近く前のフィルムが徐々に消えていった頃、技術を転換できずに現場を去った人、役職を変えた人は、決して少なくありませんでした。2020年代以降の令和の時代は、その転換がいよいよ作画にも及ぶ時代です。

 

気持ちだけではどうにもなりません。技術、そしてその技術を支える環境が伴わなければネ。

 

転換期にたとえレッドまみれになろうと、未来のビジョンを見失わず、ブルーの海を目指して、一緒に頑張りませんか。

 

 



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