紙の立場

もし、未来のペーパーレスの現場を作る時、たとえどんな理由でも、「紙を1枚でも」使ったら、その現場はなし崩し的に紙データ化の運用に引きずり込まれて、頓挫し破綻するでしょう。

 

ペーパーレスの現場において、紙を使うスタッフは1人も招き入れてはダメなのです。

 

どんなに才能があろうと、紙を使う人間がペーパーレスの現場に混ざると、それが発端となり、ペーパーレスのワークフローは複雑なフローへと変質し、紙運用よりも劣る結果となります。

 

ですから、ペーパーレスのワークフローは、実はとても厳重な管理が必要なのです。ペンタブを導入してクラウドを設定するだけで終わる手軽なものではないです。

 

ペンタブで器用に絵を描けたからといって、ペーパーレスが実現するほど、制作運用は簡単ではありません。

 

それこそ、スキャナとプリンタを廃棄するくらいの度胸と覚悟と勢いが必要です。

 

もし、どうしても伝票等で紙が紛れ込むのなら、その部分を明確にフローとして定義します。予想していない部分で、ほんの一部だけ、なんとなく紙に戻った‥‥なんて、管理者・統括者の敗北そのものです。許容するのなら限定的かつ明確に許容する、事前のワークフロー設計が求められます。

 

 

 

現在、私らが主導で進めるワークフローは、デジタル作画周りでどうしても伝票で紙が発生しています。しかし、あらかじめ紙の伝票取り扱い部分は想定して設計しているので、大事には至りません。

 

作画そのものに至っては、紙は1枚も存在していません。もし作画で紙を用いるようなことがあれば、仕切り直して、違う方法論をも模索するでしょう。

 

もしスタッフの中に紙じゃないと作業不可能な人がいるのならば、人選からやり直す必要があります。

 

まあ、多くの場合、ペーパーレス体制が崩れる原因のほとんどが、人選ミスだとは思います。

 

 

 

ペーパーレスの優位点はまた別の機会で書くとして、紙を媒体とせずにデータを媒体とする運用の効能は、未来の制作現場の必須要素です。紙を使わないからこそフローする現場の強みを、ツール視点ではなく産業視点で活かすのです。

 

将来、数少ない「手作りの紙アニメ」としてニッチな商売は可能かも知れませんが、紙運用は確実に主流から外れていきます。

 

もしかしたら将来的には、回収運送料、スキャン料、紙保管料など、様々な紙取り扱いの手数料が、作業単価に影響することすら考えられます。紙の手間賃が単価から引かれるのか、デジタル作画に環境費として上乗せされるのかはわかりませんが、3DCGが様々な作業環境維持費を制作費に計上するのと同じく、紙はマイナス、ペンタブはプラス‥‥というような状況が発生しても不思議ではないです。

 

個人事業主は自費で環境を揃えて複数の会社から作業を請け負うでしょうから、2020年代の未来には環境維持費を単価上乗せ要求しても良いんじゃないですかネ。個人事業主が毎年10〜20万円近い機材維持費相当を払って、しかもペーパーレスでストレスフリーのコストパフォーマンスに貢献しているのなら、それなりの優遇措置が得られても当然でしょう。

 

今のところ、紙とペンタブで単価に差をつけている事例は聞いたことがありませんが、2020年代のさらに厳しくなる社会においては、どうなることでしょうね。

 

ちなみに、私はペーパーレス作画以外考えていないので、私ら主導の作品作りにおいては、差も何もありません。最初からペーパーレスの作業報酬設定です。紙時代の単価はあまりにも安すぎますからネ。

 

 

 

紙と鉛筆で生きてきた過去ばかりを見つめ続けても、未来など見えません。

 

現役を貫くのなら、時代の進化に柔軟に対応してこそ、です。

 

 



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