画面比

私は35mmフィルムのライカ判だけでなく、ブローニーの中判まで手を伸ばしましたが、66とか67ではなく、69を選んだのは画面比率の感覚がライカ判の比率と同じで(全く同一かは不明)、テレビと映画の中間のような画面比率だったからです。

 

テレビやビデオはNTSC〜SDの当時は、4:3で、1.3333....の画面比

35mm一眼レフカメラや69判は、3:2で、1.5の画面比

1920x1080の16:9は、1.78の画面比

アメリカンビスタは、1.85の画面比

シネスコは、2.35の画面比(実は色々あるようで、2.38の作品を作業した記憶があります〜スクイーズが絡むので余計記憶が曖昧です〜都度、ポスプロの方に確認して作業しています)

 

私は純粋にカメラだけの視点でカメラを使っていたのではなく、自分のアニメ映像制作に応用するためにカメラを用いていたので、ブローニーもテレビや映画の観点で比率を決めました。のちにデジカメで4:3の比率が出現した時は抵抗なく受け入れられましたし、16:9が出現した時は「映画っぽい!」と喜んで導入しました。

 

2007年前後に制作され私も関わった「スカイクロラ」は、いち早く16:9を取り入れた劇場作品で、「なぜビスタで作らないのか」との意見もあったようですが、今となっては16:9で作っておいて正解だったと思います。2019年の今日において、例えば4Kの55インチのテレビで画面いっぱい埋め尽くす(=レターボクシングやトリミングがない)画面比率は、見応えたっぷりと思います。既に「スカイクロラ」の頃は彩色以降はデジタルデータ運用がすっかり定着していましたので、「地デジ化」に先行してデジタルハイビジョンの画面比率で作ったのです。新時代の「映像データ運用時代」において、いつまでもビスタサイズに固執する必要はないと考えました。

 

2019年現在、シネスコはともかく、ビスタサイズで劇場アニメを作っている作品って、存在しますかね? 私の聞く範囲では、16:9で作っている作品ばかりです。そもそも今はフィルムレコーディングはせずに、DCPですしネ。

 

ただ、色域の狭いsRGBやRec.709で最初からデジタルデータとして作っていたのは、時代の限界です。今では「せっかく丁寧に作っているのにSDRではもったいない」と強く感じますが、2007年当時に1000nitsなんてとても考えが及びませんでしたし、明確な規格も存在しなかったと思います(2007年当時にDCI-P3なりの広色域が存在したのか、検索しても見つけられませんでした〜Rec.2020は2012年とのことです)。その辺は、秘めたポテンシャルを持つフィルムとは大きく異なります。デジタルデータはどんなに細かく分析しても、99は99、100は100なので、SDRで作られたデジタルデータ組成の映像作品は、後付けの「HDR感」に未来を託すことになりましょう。

 

比率に話を戻して。

 

今は、16:9という画面比率で作っておけば、ひとまず安心です。色々な上映媒体で共通して観れます。

 

ちなみに、タブレットPCやスマホの画面比率は、

 

AmazonのFire 10は、16:10で、1.6の画面比率

iPad Pro 12.9インチやほとんどのiPadは、ほぼ4:3で、1.33...の画面比率

iPhoneの6〜8は、16:9で、1.78の画面比

iPhoneのXS Maxは、2688x1242で、2.16の画面比率(カメラやセンサーの切り欠きを除くとどのくらいの画面比になるかは不明)

 

‥‥と、iPadが昔のテレビ(NTCSのSD)の比率に似ている以外は、16:9や16:10(パソコンのモニタは16:9だけでなく16:10も多い)など似たような比率でまとまっていますネ。

 

悩ましいのは電子出版側の原稿比率で、アマゾンは自社のFireに合わせた「16:10推し=1.6」ですが、例えばクリスタは電子出版と紙出版を兼ねて「AB用紙」〜例えばB5用紙サイズ〜の比率がデフォルトです。A4用紙のサイズを比率に直すと、「297/210=1.41」です。

 

電子出版は様々な媒体で読まれるので、紙由来の1.41かAmazon推奨の1.6あたりで作って各端末ではレターボクシングにおまかせ‥‥が落とし所かと思います。断ち切りのことを考えると、全てに対応するのはそもそも無理ですもんネ。

 

 

 

映像分野では通常16:9で考えておいて、適宜シネスコなどに対応し、パソコンやタブレットPCやスマホのサイズは気にせず、むしろ端末側で対応してもらう。‥‥というのが落とし所でしょうかネ。

 

深刻に考えてもムダですネ。これだけバラバラですと。

 

当該制作作品の画面比率に関しては、素直にポスプロさんに問い合わせましょう。知ったふりして事故を起こすより、素直に「今回はシネスコなんですが、具体的なピクセル寸法とピクセルレシオはどんな数値でしょうか?」と聞いた方が良いです。特にシネスコはスクイーズも絡むので毎回確認したほうが良いです。「シネスコ」の言葉だけでは終わらせないようにネ。「24フレ」も23.976か24.0かを毎回確認したほうが良いです。

 

プロだからって、「他人に聞いたら負け」なんてないです。逆にプロだったら、ちょっとでも危うかったら、当該作品の専門の技術者さんに問い合わせるのが行動の指針です。

 

聞く側でなく聞かれる側も、他所からの正式な問い合わせに対してスラングもどきの用語や自分の慣習だけで答えるのは、そもそも仕事をスカしてナメてる証拠で、実はとてもプロとしてカッコ悪いことです。問い合わせに正確に答えるのもお互いの業務の1つですからネ。

 

 

 


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