XDR

‥‥と豪語していた、本日未明のApple HDRディスプレイ新製品。

 

HighではなくExtreme、「H」DRではなく「X」DRだ、と。

 

製品としてみれば1000nitsで60万円以下の価格設定は、魅力的です。講演会場では価格に対して微妙な反応でしたが、1000nitsの現在の「相場」を知っていれば、その手の関係筋は「そこから来たか」と唸るでしょう。

 

私は、事前のリークで6KのHDRモニタが出るとネットで読んで(リークがネットで広く出回るというのもアレですが)、本当のところはどうなのか、あまりヒートアップしないでいました。

 

60万円クラスで1000nitsなのは、確かにHDRの映像制作には魅力的なのですが、本当にちゃんと「調整」できるかは、今までのApple製品の流れを考えると、懐疑的な印象をもちます。

 

業務用のモニタは、色の「見た目」の鮮やかさや綺麗さなど「かえって事故のもと」です。1000nitsなら1000nitsのRGB通りに、ブレなく映し出す性能が大前提です。民生のテレビやコンシューマ向けパソコンモニタとは一線を画します。

 

測定器で測って、ちゃんとデータの値通りの輝度が、全帯域においてフラットに出力されているかが、何よりもプロの現場では重要です。

 

 

 

Pro Display XDRのスペックで特筆する部分もありましたが、そうでない部分もありました。例えば10bit深度のスペックです。今では10bitは常識になり始めており、12bit製品の価格が現場にとって手頃になるのを、1000nits同様、HDR作品制作に関わるスタッフは待っています。価格は全然違いますが、EIZOのCG-3145が12bitを受け取って出力できるのは、やはり優れた部分だと思います。

 

また、PQについての言及がなかったのは、話が専門的になり過ぎるのを避けたのでしょうかね? ‥‥PQに関する設定項目がなかったり、HDMI信号任せだったりしたら、Dolby Visionの制作には使えないことになります。まあ、細かいスペックの発表を待てば良いでしょう。

 

日々、HDRの作品制作を進めるスタッフにおいて、1000nitsやPQは一番の関心どころです。色を思った通りに表現するには、なくてはならない性能です。1000nitsのモニタをポンポン買えるわけではないのは重々承知していますが、300nitsで60万円クラスのリファレンスモニタで日々作業する傍ら、部署に1台は1000nisでPQ設定を持つリファレンスorマスターモニタは欲しいです。

 

業務用としてHDRのマスターモニタとして機能する製品は、2019年現在300万〜450万円の高値です。一方、AppleのXDRは60万円で、その性能の如何が問われます。

 

 

 

今まで、Appleのモニタ製品が映像制作用途でリファレンスやマスモニとして基準になったことはありません。その過去のレッテルをXDRは覆せるかは、興味深いところです。

 

私はXDR云々よりも、市場が活気づく要素になれば、間接的に嬉しいです。思うに、10万円台の業務にも耐える低価格HDRモニタ、30万円台のHDRモニタ、そして60万円くらいの1000nits低価格モニタが日本国内メーカー(って今や実質1社だよね)から出てくれれば、HDR映像制作の敷居はぐんと下がると思います。もちろん、価格ごとの格付けはあって良くて、ニーズに合わせた選択肢が豊富になることを望んでいます。

 

 

 

実際、EIZOのCG-3145はHDR制作の羅針盤ともいえる、前途多難なHDR航海の道しるべのような存在です。正確な色彩と1000nitsの強力な輝度を日々体験せずして、1000nits合わせの映像は作れません。300nitsでも絵は作れますが、1000nitsのマスモニ的存在はどうしても必要です。

 

新たに出現したAppleのXDRが、映像業界でどのような評判となるのか、日々興味深いです。

 

 


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