就職。雑感。

日曜の朝日朝刊の1面に、

 

就職氷河期の悲運

 挽回できぬまま

 

 

 

‥‥と、1面と2面でデカデカと特集されておりました。朝日デジタルではさらに詳しく特集されているようです。

 

こんなスポット解説も。

 

 

 

私は就職氷河期から外れていますが、ベビーブームの渦中であることは同じです。加えて、アニメ業界の「アニメーター」になろうと思っていたこともあり、「就職難」という言葉とは少々ズレていました。

 

いや‥‥、私の場合、別の考え方をすると、

 

就職難=就職したアニメ業界が難ありだった

 

‥‥ということかも知れませんネ。皮肉な言い方ではありますが。

 

その「難あり」事情は、高校生の頃からアニメ制作現場に出入りしていたので、「就職」という概念すら通用しない業界なのを解った上で飛び込みました。なので、「エスカレーター式出世」なんて全くあてにしていませんでした。

 

実際のところ、当時、高校を卒業する際に、どうやって担任の先生に説明して納得してもらうか、少々困ったのを思い出します。事細かく事情を聞かれていたらNGだったでしょう。雇用とは呼べない「場所貸し」くらいの認識で、社会保険も何もないスタジオに「通って」仕事をするのは、果たして就職と呼べるのか、当時の私でもそのくらいの「危うさ」はわかっていました。

 

私の場合、就職難だろうが好景気だろうが、もともと社会一般の「終身雇用に基づく人生設計」の「枠外」で自分の人生を考えていました。アニメーターのそうした状況を肯定しようとは全く思いませんが、アニメの「職業」とはそうした性質を孕んでいると覚悟していたからこそ‥‥です。‥‥何度も繰り返しますが、その状況は肯定しませんヨ。あくまで、そうした時代であった‥‥という追憶です。

 

絵を描いてお金を得て生活する‥‥というカタチが、どう考えても、サラリーマンのイメージとはかけ離れていたのは、それこそい子供の頃から感じていました。

 

 

 

今でも、自分の描いた絵、作った映像で、対価を得て生きていくのって、相当厳しいと思いますもん。

 

個人作家ではないにしろ、実質、自分の描いた絵を売るんですよ? ‥‥どう考えてもハードルは高いですよ。

 

1,000x98x1.08=105,840

 

という計算は誰が何回計算しても結果は105840で変わりはないです。しかし、

 

絶望して自暴自棄になっている主人公の表情を描いてください

 

というオーダーは、人によって大きく異なる結果となるでしょう。均一にはなりません。

 

こうした「自分の絵は幾らの価値があるのか」という事実は、何をどう説明しても、どう綺麗事を言っても、誤魔化せることではなく、絵を描く人間の喉元に突きつけられたナイフのように鋭い、現実そのものです。

 

いつも笑顔で接している、一見穏やかそうに見える人でも、「自分の描いた絵を、値段で取引する」ような「自分の存在価値を金で取引される現実をいつも経験している」ならば、絶えずココロに「煉獄」を抱えているようなものです。

 

自分の価値は自分で高めていくだけのこと‥‥とココロの中で厳しく生きる人に、「氷河期」とか「就職難」とか「何かをロストした」とか「損をした」なんて感覚は、もともとありません。自分の能力「裸一貫」でいつも勝負しているのですから。

 

 

 

エスカレーター式人生、終身雇用で退職金と年金で暮らす余生、加齢とともに役職も給料もどんどん上がって‥‥というのは、いつ頃からの社会的なイメージなんでしょうね。私は、そっちのほうが気になります。

 

エスカレーター式人生設計を所与のものとしてイメージできなかった私には、むしろ、その大手企業型エスカレーターのほうが「長い人類の歴史」において特殊だったようにすら思えます。

 

学校生活の、学年が上がれば無条件に「先輩」と呼ばれて部活の要職に就く‥‥という「学園気分」は、現代社会の日本では多くの人間が有する「学園気分」だと思いますが、ロスジェネ世代は他の世代に比べて、学園気分が通用しにくい世代だったとも思えます。

 

学園気分なんて学校卒業と同時に捨てちゃえば良いのにネ。全ての世代においてネ。

 

重要なのは、

 

自分は何になりたいか。何になりたかったのか。

 

そのことに希薄な人ほど、寒さに震え続けているのかも知れません。

 

 

 

第二次ベビーブーム世代、団塊ジュニア世代が、他の世代よりも多くの貧困者で喘ぎ、その貧困をリカバーするために未来社会がより多くの社会保障を背負うのなら、どう考えても、今よりは苦しく、今より平和ではない社会になりそうです。

 

現実的に考えて、

 

私は何ができるか

あなたは何ができるか

 

‥‥を洗い出してクリアに相互評価できないと、状況打開のスタート〜新たな仕事を依頼することもままならないでしょう。

 

ロスジェネ関連の話題が「恨み節」に終始しているうちは、何も始まらないと感じます。恨み節を吐けば仕事を得られるんだったら、世の中みんな恨み節で埋め尽くされましょう。

 

どれだけ損をしたか、どれだけ辛い思いをしたか。どれだけ厳しい生活を強いられたか。‥‥そのことだけを記事にするのではなく、むしろ、どのようにすればロスジェネと呼ばれる世代の「覚醒」を呼び起こすのかを、新聞はアイデア出しを率先して記事にして欲しいです。

 

私は今まで色々な作業経験も積んできましたが、絶望的で屈辱的な体験や待った無しの貧困を経験してきたことも「今や自分の強力な武器」だと認識しています。

 

クリエイターは二度死ぬ

You Only Live Twice.

 

プラスだけがチカラになるのではなく、マイナスを掛け合わせた時にも爆発的なチカラを発揮するのを、私は知っています。

 

人生は一度きりですが、起死回生のチャンスは、恐らく、生涯に2〜3度はあります。

 

二度死んだら、三度復活すれば良いです。復活するチャンスのあるうちに‥‥です。

 

 


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