Followの意味

アニメの制作現場、映像の制作現場で度々出てくる撮影用語の「Follow」「フォロー」とはどう言う意味か。

 

私は実は、このフォローという言葉の、制作現場における意味を、いまだにハッキリ確定できていません。

 

まさか、台引きのことをフォローだなんて言うのはズレ過ぎですし、「付けPAN」「FollowPAN」の定義もあまりにも各所で違っています。

 

つまり、アニメ業界で「Follow」「フォロー」という言葉は、撮影指定用語のフリをしているものの、実際のところはとても曖昧なまま、数十年が経過したのではないか‥‥と、最近は考えます。

 

Followを辞書で調べると、

 

ついていく

追いかける

 

‥‥という意味を検索できます。まさにカメラ・撮影の用語でも「被写体(キャラだけとは限らず、写すべき対象全般)」を追いかけてフレームに収める行為を指しているものと思います。

 

被写体を追いかける‥‥と言うことでは、Followの意味は一致しそうですが、問題〜特にアニメ制作技術の実質面においては、

 

どのように追いかけるか

 

‥‥が、キモになってきます。

 

実写でも同じことが言えると思いますが、追いかける方法には、大きく2つあって、

 

被写体と一緒に動いて追いかける

 

被写体を目(レンズ)だけで追いかける

 

‥‥の2種類があります。フォローは必ずしも、被写体と行動を共にして一緒に動くだけではなく、「目で追う」というのもフォローたり得るでしょう。

 

ですから、例えばカメラドリーで人物を追うだけがフォローと言い切ってしまうのは、かなり偏った解釈と思います。

 

r2.jpg

 

 

つまり、フォローとは、被写体に対するフレーミングの状態を、一般的に指し示すものであって、特定の段取りや撮影技術を指すものではない‥‥と、最近は考えるようにしています。

 

 

ただ、「どんな内容のフォローか?」を、絵コンテを描く人間や演出家、そしてアニメーターは、「レイアウト作業時点でハッキリと明確にイメージ」できている必要があるでしょう。

 

被写体と一緒に動いて追いかける

 

被写体を目(レンズ)だけで追いかける

 

このどちらであるかを、ちゃんとイメージできて、脳内でレンダリングしておくことで、明確な素材を発注でき、コンポジット時に計画通りに組み立てることが可能です。

 

●自走してフォローする場合

 

 

 

 

 

●定点でフォローする場合

 

 

 

キャラの収まりは一緒でも、背景の流れ方がまるで変わってくるのが、カメラドリー風のフォローと、PANによるフォローの大きな特徴です。

 

ただ、これまたややこしいのですが、アニメの制作現場では、自走によるフォローをイメージしたカットでも、しばしば、背景のスライド速度を速くしてスピード感を「盛る」ことがあります。カメラドリーとパンニングの両方をミックスすることも平然とやります。

*実写でも、カメラドリーやクレーンに乗りながら、カメラをパンすることで、同じ効果は可能です。

 

つまり、

 

見た目のイメージ優先

 

‥‥であって、理屈は後からつけるというのが、「実物にとらわれない」現場の流儀だったりもします。現実世界におけるカメラの様々な特徴を、適度に、そして自由に組み合わせることができるのも、アニメのアドバンテージです。

 

一方で、実写っぽいカメラワークを模して、「現実感」を強調するテクニックもあります。国民的柔らか路線の大御所監督さんでも、実はリアルなカメラワークをふんだんに取り入れて、「真実味」を増す技法を駆使しているのを、見逃すべからず。

 

 

問題は「フォロー」という言葉の具体性。

 

明確な何らかの指定用語を指すのではなく、「カメラが被写体を追いかける行為」として捉えておいたほうが、良さそうです。

 

Followといえば、台引き/BGスライドのことなんだー! 絶対にそうなんだー!

 

‥‥というのは、あまりにも思い込みが激しいかな‥‥と思います。業界の方言、しかも業界全体ではなく各流派の方言とすら思える「フォロー」という言葉とは、余裕をもって接したいですネ。

 

まあ、つけパン、フォローパン、台引き(代引きじゃないよ)、Follow 何mm/kなど、様々な用語も混ざって飛び交う現場においては、妙に業界用語に頼るよりは、

 

BOOK1を1秒あたり900px、矢印方向にスライド

雲レイヤーをAからBにポジション移動

BGを2秒で1フレーム分、右から左に移動

 

‥‥とか、実質的なことを書けば伝わりますネ。

 

要は、

 

技術も変わって、機材も変わったのに、フィルム撮影台のつもりで指定し続ける古めかしさ

 

‥‥を、新しい方法へとシフトしていくのが、令和、および2020年代の直近の達成目標となり、特に演出と作画の両工程に必須となるでしょう。

 

これからは、アニメ業界といえど、様々な映像制作ジャンルの方々と一緒に仕事もしていくことでしょう。アニメ業界でしか通用しない用語の使い方、しかもそれが一般用語となれば、認識を新たにして未来に臨むべしと思います。

 

 

 


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