生きる

ダメでもともと、とにかくやってみる‥‥というのは、20〜30代までの言い草。40代以降は、30代までに蓄積した技能を足場に、発展させていくフェイズです。ゆえに、絵を描く技術を30代までに積んできた人は、40代以降に全然違う職業でゼロから始めるのはもったいないことで、昔の道具から現代の道具へと持ち変えれば発展が期待できるわけです。

 

せっかく育った多年草の根っこを引っこ抜いて、うまく育つかどうかも不安な新たな種を蒔いて待つよりは、多年草の収穫はそのままに、さらにノウハウを活かして、違う道具で違うことにも幅を広げれば良いのです。

 

30代後半には、改めて、自分の「売り」とは何かを、再検証する時期がやってきましょう。少なくとも、私はそうして、現在の活動の方針が固まりました。

 

10代から30代までは、いわばレゴブロックのピースを1つ1つ作り続けて貯めてきた年代です。30代後半からは、そのレゴブロックでいよいよ何かを作れる段階に進むことができます。

 

ずっと一生、レゴブロックのピースを作っていきていたい‥‥と思っても、40代以降はそうもいきません。それまでに蓄積した経験と知識と技術を活かした役割にシフトしなければ、仕事を出す側も貰う側も「年齢に見合った」金額を設定できなくなります。

 

まさか、全く同じ内容なのに、20代だと2万円の仕事が、50代だと5万円になるわけがないです。50代でも2万円の仕事は2万円のままです。

 

明らかに仕事の内容も責任も違うからこそ、金額も変わってきます。年功序列で金額が決定されると思っているのなら、それは甘過ぎます。まあ、フリーランスでそんな甘い考えを持つ人がいるとは思えませんが、会社員しか経験したことがない「エスカレーター出世」を今でも夢見ているような類いの人は、40代になるころにはさすがに目を覚ましたほうが良いでしょう。

 

 

 

8050問題とか孤独死とか、セルフネグレクトとか、先々の貧困や困難が予測できているのに、社会や政府への不満をツイートしてても自分の状況は改善されません。1万回ツイートすれば「幸せな未来生活の優待券」が貰えるわけではないですもんネ。

 

自分のツイートに共感したのなら、俺の口座に皆1000円ずつ毎月振り込んでくれ。200人振り込んでくれたら、20万円になるから。

 

‥‥と言って、200人の「いいね」した人が、毎月1000円を振り込んでくれるわけがないです。

 

若い頃に何かで挫折した人の中には、延々と鬱屈した感情を引きずり続けて、視点や発想を変えられずに、新しいものごとに取り組む気力を失っている人もいるのでしょう。中高年引きこもりが61万人なんていう記事を読むと、就職氷河期も無縁ではないでしょうし、昭和の生涯設計が平成には通用しない場合も多かった証とも思えます。

 

でも、何をいっても、自分を窮状から脱出するきっかけは、自分自身のアクション以外あり得ません。不平を言ってれば、誰かものすごい慈悲深い人がいつか助けてくれる‥‥なんて考えるだけ無駄です。

 

自分は報われない‥‥なんて腐っている時間を、もっと他のことに費やすべきだと思います。「腐る時期」も人生には必要だとしみじみ実感しますが、そこから抜け出せないのはあまりにもマズいです。

 

 

 

腐る時期。

 

自分が腐り、部屋も腐り、ココロも腐る。

 

部屋もココロもゴミ屋敷。きれいさっぱり無の空間なのは、銀行の口座残高のみ。

 

私は20代の頃にあまりにも稼げなくてライフラインの一切が停止し、今でいうセルフネグレクトそのままの生活に落ち込んだ時期があります。ゆえに50代になった今でも、ゴミ屋敷のように場所が散らかっていることに対して、結構大きなトラウマがあるのです。

 

ほんとに‥‥、あのまま闇の感情を引きずっていたら、強いネガティブの吸引力がさらなるネガティブ要素を引き寄せて、どうにもならなかっただろうなと、しみじみ思います。

 

40〜50代に闇堕ちしてセルフネグレクトになるのは、かなりヤバいと思います。取り返しがつかなくなる可能性が大きいです。凄い闇の深さまで転落しますから、変な言い方ですが「体力」がなければ這い上がってこれなくなります。

 

数日の間、机の上に置いたままの汚れたマグカップや食器、空き缶‥‥、セルフネグレクト体験者からいえば、それはすでにセルフネグレクト、自己放任の兆候です。ただ単にものぐさな性格ではなくて、既に自己放任の兆しがあり、何かのきっかけで容易にゴミ屋敷になり得るといっても、言い過ぎではないです。

 

ゴミが溜まったのなら、ゴミ置場に出せば良いじゃん。‥‥でも、それが無気力ゆえにできなくなるのです。「自分なんか、どうせダメだ‥‥‥‥‥」という挫折感が、全てのやる気を削ぐのです。

 

同じく、自分が報われていないと思うのなら、同じ場所でウジウジ悩んでいないで、別のフィールドにも踏み出して、報われるための色々なアクションを起こせばよいじゃん。‥‥でも、何かに挫折した敗北感と怨念感情が万年常時無気力な自分へと変えて、現状に甘んじて無為に時間を浪費して、気がつけば5年10年の月日が経過していた‥‥ということにもなりましょう。

 

私は20代のフリーランスのアニメーター時代に、セルフネグレクトを経験したので、まだ這い上がってやり直しもできました。しかし、若い頃に挫折を味わおうが、会社員でとりあえずは毎月給料をもらい続けて、極端な貧困も経験せずに40代まで生きてしまった人が、アラウンド50の時にセルフネグレクトに陥った場合、その過酷さは想像を超えると思います。

 

 

 

アラウンド50になって痛感することは、人生に無駄な時期などない‥‥ということです。

 

誕生の0〜9歳

発育の10〜19歳

基礎作りの20〜29歳

応用発展の30〜39歳

拡大の40〜49歳

事業完成の50〜59歳

 

自分のどの時期にも役割が与えられていることを思い知ります。妙な言い方かも知れませんが、年代ごとの「締め切り」は、どうやらあるみたいだ‥‥というのが、私の経験による実感です。

 

これは人間を生物としてみたメカニズムにも準じた、自然な流れとも思います。20歳の時に50歳と同じことはできないし、50歳の時に20歳と同じこともできない‥‥という、とても簡単な理屈です。

 

 

 

就職氷河期という言葉を最近よく目にします。実際、就職氷河期と呼ばれる年代のスタッフとも仕事をしています。しかし、本人たちは「氷河期でした」とはいうものの各方面から依頼も多くモテモテな人が多いです。

 

思うに、団塊ジュニアの1番のピークに生まれ、就職氷河期世代の人でも、そもそも「終身雇用型エスカレーター式の出世」など最初からあてにしないで、若い頃から独自の経験と技術を積んだ人がモテモテな現在の状況を作り出している‥‥と客観的に見て思います。

 

終身雇用かつ、エスカレーター式の出世を目論んでいた人が、氷河期のアオリを食ったのであって、最初からエスカレーターに乗るつもりがなかった人は、独立独歩で世代の影響は受けにくいのでしょう。

 

それに、人生の最後まではエスカレーターは運んでくれないことはわかっています。まんまとエスカレーターに乗れた人でも、エスカレーター依存式の考え方は50代後半から限界も見えてきましょう。

 

アニメ業界でも、まるで「アニメ業界という会社の社員」のように振る舞うフリーランスもいますが、氷河期であろうとなかろうと、アニメ業界は終身まで面倒は見てくれませんヨ。それどころか、働き盛りであってもボロ雑巾のように使い古してポイ捨てするような業界の全体像だということを、よくよく自覚すべきです。

 

であるなら、業界は利用すべきであって、忠誠を誓うものではあるまい。

 

業界も個人を利用する、個人も業界を利用する、あおいこでいいじゃないですか。

 

業界で生きて業界で死のう!‥‥なんてスローガンは全く無用。業界に命を預けるなんて、一番マズい考えかたです。死んだこともないクセに、死のう! だなんてよく言うよ。死という言葉に酔ってるんでしょうかネ。

 

生きて生きて踏みつけられてもまだ生きて、是が非でも生きぬくことを説けば良いのにネ。そうすれば、自ずと、色々な自分の中の「売り要素」を開発する機運にも繋がります。

 

大事にすべきは、技術も豊かで信頼も厚い、生身のリアルなスタッフの人々です。業界を変える!‥‥などと漠然とした目標ではなく、今、一緒に仕事をしているスタッフたちと、どのように信頼関係を築いて一緒に生きていけるか、それが一番重要なことであり、運用の主眼です。

 

 

 

自分の売りとは一体何か。

 

オムニグラフにでも書き出して、一旦整理し、何と何を掛け合わせれば、新しい要素が生み出せるのか、自己検証してみるべきです。少なくとも、40代以降は。

 

「終身雇用型エスカレーター式出世」に乗れなかったことをいつまでも嘆いていてどうするのか。恨み節を吐き続けたところで、自分の現在と未来を変えることはできまい?

 

自分が何十年も生きて得た「自分の売り」を意識して、次に繋げていくことが、まさに「生きる」ことだと承知しています。

 

死んだ体験は1度もないけど、生きた体験は山のように蓄積されているわけですから。

 

 

 


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