ネットの色

ジオシティーズが閉鎖されて10日。もうすでに数年前から「廃墟巡り」のように90年代から放置されたジオシティーズの「ホームページ」を愉しむ趣味すら存在するようなので、いくら「仮想の街」と言っても閉鎖はやむなしだったのでしょう。

 

改めてふりかえってみると、ジオシティーズの各Webに見られた配色は酷かったと思います。時代云々ではなく、素人パワー炸裂そのものだったと言えます。

 

例えば、

 

WELCOME

 

‥‥とか、

 

ようこそ

私のホームページへ


日々思うことや感動したことなど

自由に書きつづっています。

 

‥‥とか、黒バックに文字がセンターで延々と、

 

ようこそお越しくださいました

 

このホームページは

 

インターネットエクスプローラー

ネットスケープナビゲーター

 

のいずれかで

ご覧くださることを

推奨します

 

‥‥みたいな色使いの宝庫で、「漠然と自分の好きな色を寄せ集めた」配色は、まさに無法地帯と呼ぶにふさわしい状態でした。濃いグレーに赤い文字とか、「何かの目のテストか」と思うくらいです。

 

比べて、今のデスクトップのそれは上品なことと言ったら。

 

ブラウザのウィンドウを並べていても、目がチカチカせずに済みますわな。

 

 

 

当時の謳い文句、「パソコンとネットがあれば、誰でもクリエーターになれる」というフレーズが、ただ単にソフトを売る「売り文句」であって、実質とはかけ離れていたことがわかります。

 

なんでもかんでも無難な配色にすれば良い‥‥ということではなく、なんのビジョンも方針もなく、なんとなく好きな色を寄せ集めた、ある種、暴力的なまでの色の組み合わせが、「ジオシティーズのホームページ」の凡例だったと言えます。もちろん「暴力的なデザイン」を意図してやるのなら、それはまさに意図した通りに見る側にも伝わるのですが、当人は全く無自覚で暴力的だなんて考えもせずに目に突き刺さる配色をホームページビルダーでどんどん実行していったわけです。

 

うーん。やっぱり、凄い時代だったと思います。

 

 

WELCOME

 

‥‥これじゃあ、目がキツいですよネ。色の組み合わせで、ここまで読みにくくなるのか‥‥という典型の配色です。

 

グレーに赤文字を組み合わせたいのなら、

 

WELCOME


 

FASHION | BEAUTY | CULTURE

 

とか、

 

 

WELCOME

 

 

FASHION | CULTURE | GEAR

 

 

 

WELCOME

 

 

FASHION | BEAUTY | CULTURE

 

*黒字に見えますが、444444のかなり暗いグレーです。文字を暖色系にするか寒色系にするかでも、男性的にも女性的にもなりますネ。ee4433かee3344の違いだけなんですけどネ。

 

くらいには抑えて(まあ、赤文字はそもそも目に刺さりますけどネ)、配色の規則(配色の言語ともいうべきか)をあらかじめ決めて各ページを構成すれば、サイトの基本テーマを色でも語ることができます。

 

背景色やフォントの色使いも、表現者の言わんとすること、伝えたいことの、重要な媒体だということを忘れてはならない‥‥というところまでは、ホームページビルダーもページミルも教えてはくれなかったということですネ。

 

 

 

でもねえ。

 

ここまで書いておいてなんですが、皆が一生懸命「パソコンのソフト」と格闘してWebサイトのコンテンツを作っていた「あの時代」が、今はとても愛おしく感じます。

 

素人っぽい暴力的な配色も、徐々に手直しして、やがて自分の思う印象のページのカラーデザインにすれば良いことですし。

 

Webのコンテンツを自分では作らず、どんどん受け身と化した今の状況は、何だかつまらないです。

 

 

 

ふと、本棚の本に目をやると、「あの本は、いつの頃に出版されたのかな。相当古いはずだけど‥‥」と思う本が並んでいます。

 

カラーデザインって、実は相当長い寿命をもちますよネ。

 

本の内容も、そして絵の内容も、例えば「クリムト、古〜〜!」とかもはや言わんもんネ。つまり、内容によって古くなるものと、古くならないものがあるのがわかります。

 

例えば線画1つみても、今のアニメの可愛い女の子の絵柄は20年後にはかなり古臭く感じるはずですが、ビアズリー林静一さんの画はいつの時代に描かれたとしてもおかしくない超時代性を獲得しています。

 

新しい古いの皮が剥がれた後に、何が残るかがキモなんですよネ。

 

なので、私が今考えている「復活のWeb」は、時代の一時的な流行に翻弄されない、30年後に見ても普通に見れるWebを目指しています。萌えキャラ(既に萌えキャラという言葉も聞かなくなりはじめていますが)とか流行り言葉とかは一切使わず、まあ誰が描いても人体はこう描くだろうし、文もいつの時代もこう話すだろうという内容を考えています。

 

 

 

ジオシティーズは、皆がネットを利用し始めた黎明期における、「インターネットのホームページ」という一時的・一過性の流行だったのかも知れません。

 

しかし、インターネットそのものが一時的なものではないのは、誰でもわかることですよネ。そして、Webサイトという形態自体も新しいだの古いだのは関係ないです。ツイッターだって、Webサイトへの参照ありきだからこそ、短文で済むことも多いですしネ。

 

ジオシティーズは消滅したけれど、Webやネットはまだ健在‥‥というか、存在して当たり前のものにすら、定着しています。

 

使わないでおくのは、もったいないですよネ。

 

 


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