環境新基準

1〜3ヶ月前、新しいPC/Macを作画&デザイナー作業さんに調達するので、意見を求められたのですが、以下のように答えておきました。今だけを凌ぐ最低限のマシンではなく、今後の作業に耐え得る仕様です。

 

将来的に4Kモニタを3台10bit以上で繋げるビデオ性能

メモリは64GB

記憶装置は1TBのSSD(M.2)か2TB以上のFusionDrive

CPUはi7で4GHz

 

実際に調達されたマシンは、ほぼこの通りとなり、当人の作画&デザイナーさんも「速くなって快適になった」と喜んでおられました。

 

 

4Kモニタ3台なんて、ギョッとするかもしれませんが、甘い甘い‥‥、すぐそんな時代が来ますし、もうそこまで来てます。液タブで1台分のビデオ処理能力を消費するのですから、sRGBとPQ1000のデュアルモニタ&液タブで4K時代になれば、それでもう4Kを3つ分です。

 

メモリは、これからは64GBもごく普通になりましょう。「メモリが増えた」なんていう話題は、もう20年前以上から話され続ける話題ですから、64GBだってすぐに見慣れます。。32GBだとちょっと少なく感じるようになり、8〜16GBはあきらかに少ない部類に入ります。できれば、128GBにしたいですが、まだまだ値段が高いので、64GBがしばらく標準でしょうかね。

 

記憶装置は、今や必ずしもHDD=ハードディスクドライブとは言えません。SSDでもSATAではなく高速なPCIe〜M.2のSSDがマシン内部の記憶装置にふさわしいです。素材を貯めておく低速で構わない記憶装置は、今までのUSB3.0でRAID10でも組めば良いです。また、キャッシュの置き場は、Thunderbolt3などの高速な接続手段でM.2外付け箱のSSDがふさわしいです。キャッシュの割り当てディスクが低速だと、キャッシュそのものが大容量化した時に、作業上の大きなストレスになりますヨ。

 

ちなみに、光学ディスクは本体内蔵でなくても、もう充分作業は成り立ちます。他のマシンとの使い回しのDVD/BDのUSB接続のドライブが1つだけあれば良いでしょう。光ディスクを記録メディアとして仕事で最後に使ったのは、もういつだったか、忘れてしまいました。

 

CPUは最近は性能向上があまり見られないので、数年前と似たようなi7の4GHz前後となりましょう。現在は、CPUの速度が云々よりも、もっと他の要素で速度を稼ぐ時代になっています。

 

なので、自宅に買うのなら、DELLなどの相応のマシン(だいたいモニタなしで15〜20万くらい)か、iMac 5Kです。メモリは自分で16GBモジュールを4つ買って交換しましょう。BTOだと不用意に高くなっちゃいますからネ。

 

モニタに関してはもうちょっと様子を見るのが良いです。現在、ちゃんとプロとして使える4KHDRモニタは、最安で60万くらい(CG-319X)なので、まさかそれを個人で買うわけにはいかないでしょうから、今は2.5K〜2560pxのsRGBモニタか、買い替え覚悟で10万円以下の4KHDRモニタ(HDMIでHDRが目覚めるヤツ)を割り切って買うのが肝要かと思います。

 

 

 

先日、米国のカラーサイエンティストの方と意見交換‥‥というか、色々とお話を聞かせてもらったのですが、今はどんどんノウハウが溜まっている時期で、かつ機材も徐々に充実し始めており、柔軟な対応が求められると痛感しました。

 

1000nitsで今は作業していますが、2000〜4000nitsになった時の明るい部分の扱いはどのようにすべきか(白の中の白)とか、ドルビービジョンにおけるHDR to SDRの「下位品質への配慮」とか、「この歳になっても、まだまだ覚えることが、いっぱいあるなぁ」と感じ、未来の映像制作は何とも刺激的です。

 

After Effectsでも、

 

 

‥‥みたいなエラーも出るしで、今まで普通にできていたことが、未来は普通にできなくなることも多々あるだろうと思います。

 

ちなみに、上図のエラーは、2万3千ピクセルのコンポサイズにしたわけではなく、内部的な処理の何かが、より大きいイメージバッファを必要とするルーチンなのでしょうネ。AdobeのAfter Effectsインサイドのことは、わかりません。アウトサイダーなので。

 

セルシスさんもそろそろ、いい加減、8bpc止まりの設計から脱して、さらにはsRGBモニタでHDR PQ1000の「擬似表示」ができるようにカラープロファイルなどにも対応して、未来のロードマップを示してほしいものです。Adobeに一歩も二歩も遅れをとらないように頑張って欲しいです。‥‥日本屈指のメーカーさんが、世界標準から遅れに遅れて失笑されるようでは、悔しいじゃないですか。

 

 

 

何度もしつこく書いていることですが、これからは金がもっとかかるようになります。

 

つまり、制作技術の大変革・大転換をしなければ、破綻するということです。

 

作画界隈は、今まで大きな変革期を迎えずにきました。反面、ずっと低額な報酬額に耐え忍んできた‥‥とも言えます。大転換を免れた代わりに、報酬の改善もなされてこなかったわけです。

 

現在、ちまたの業界人ツイートでは、報酬についての意見が盛んですが、今までの作業基盤・技術基盤が継続するという「暗黙の前提」で話されていて、いまいち現実味が欠けるように感じます。

 

紙と鉛筆の時代に比べて、結構金がかかるようになる‥‥ではなく、猛烈にハンパなくお金がかかるようになるのに、1枚いくら1カットいくらでカウントする意識のまま報酬金額の交渉をするなんて、未来の世界を全く無視した近視眼的な考えです。

 

作業環境は、いわば、自分の「武器」です。

 

その武器を、「作画工場」用途だけの貧弱な装備に留めて、自らを「デジタル作画専用」の人材に限定しますか?

 

昔、「いい加減、目覚めなさい」が決め台詞のドラマがありましたが、アニメーターも新しい春に向けて、目覚める時が近づいている‥‥と思います。

 

 

 



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