雑感

今から20年前の頃、コンピュータで仕上げ以降を作業してコンポジットする新しい取り組みは、今と状況が似ていて、機材面に色々と苦労していました。MacもWIndowsも150〜250MHzのクロック数で、メモリは160〜256MBで、512MBもあればモンスターマシンでした。

 

であるにも関わらず、1年の進化の度合いは大きく、1996年から2002年の6年間にこなした作品の数も、そして作業基準の度重なる更新も、「よくまあ、6年間にあんなに詰め込んだものだ」と信じられない気分になります。

 

コンピュータを導入するに踏み切ったアニメ制作現場だけでなく、コンピュータ関連機器やソフトウェアも、歩調が合うカタチ(偶然なのか必然なのかはわかりませんが)で、半年単位で性能向上を果たしていたことも、速い更新ペースに拍車をかけたのでしょう。

 

最近、コンピュータって、昔のような勢いはなくなっていますよネ。i7が3〜4GHzになったあたりでスローペースになって、現在に至ります。

 

ただ、新しい状況の要素は集まりつつあって、次のステップに進む準備段階は各社製品ごと整いつつあります。

 

1996〜2002年の間に、漢字Talk7.5がMacOSXになったように(2001年の初め頃、イノセンスを作業し始めた時にMacOSXに移行してAfter EffectsもOSX版に移行したのでよく覚えています)、128MBのメモリが2GBのメモリになったように、4GBのHDDが80GBになったように、2018〜2024年の間に相当大きな変化が訪れると思います。

 

おそらく、2024年の映像制作業では、普通にHDRのモニタで作業しているでしょう。家庭では4Kテレビがあたりまえ、スマホの解像度は2Kが標準(iPhoneは既に2〜2.5Kですよネ)、VR/ARも品質が向上しているでしょう。

 

 

 

では、アニメ業界はどうか‥‥というと、‥‥‥‥‥よくわからんのです。正直なところ。

 

紙からタブレットに移行するには、「タブレットを買ったよ」では済まない、基盤からの大きな変化が必要なので、アニメ業界全体がそれを乗り越えられるかは、少なくとも私は全く読めません。

 

4KHDR時代のアニメ制作は、「全員参加ではない」と感じるからです。

 

おそらく、2Kで「筆を置く」人も、相当数、いるのではないかと思います。アニメブーム・ヤマトブームと言われた世代は60代に達し、60代から新しい機材を購入しソフトを覚えて新しい仕事に慣れる‥‥ということ自体に「もう新しいことはいいよ」と背を向ける人が出てきても何の不思議もありません。

 

アニメ制作会社も、今後、液タブやタブレットPCを大量に導入し、サブスクリプション形態のソフトウェアを使い、新しい社会的立場と基準で作業者を雇用したり業務委託するには、根本的な体質改善(というよりは生まれ変わりに等しい?)が要求されるでしょう。

 

昭和基準の「作画机と椅子と鉛筆削りとヘッドライトを用意すれば、タコ部屋完成」という意識は通用しなくなると思われます。

 

ゆえに、アニメ制作に関わる個人や会社が、今後、どのような選択をするのかは、私はどうにも読めません。

 

新しい時代に進む人は進む、進まない人は立ち止まる。ただそれだけのようにも思います。

 

数兆円産業とか騒ぐのは、もしかしたら、昭和平成と続いた花火大会の最後の尺玉、スターマインのフィナーレだとしたら、輝きが鮮やかなほど切ないものがありますネ。

 

 

 

でもまあ、それはそれ。そしてコレはコレ。

 

業界全体で何かをコントロールしようったって、まとまりを欠いて進むに進めないでしょう。

 

各人各集団の、自分たちがリアルに関わるプロジェクトで、新しい元号の新しい花火を咲かせるのが、何よりも手堅いと思います。

 

 


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