雑感

アニメは、いろんな技法やポリシーはあれど、絵を描いて動かすものなので、絵が心底好きでないと、少なくとも実際に手で絵を描く従来の作画作業やCO/KFアニメーション技術の作業は長く務まりません。特に、既存の方法論や先例もなく、技術のひとつひとつを積み上げていかねばならないCO/KFアニメーション技術には、相当な強い根っこがないと、やりきれるものではないです。それを最近、改めて明確に認識しました。

 

目は口ほどにものを言う‥‥とはいいますが、絵描きにとって、道具は口ほどにものを言う‥‥とも言えます。

 

これはiPadやタブレットでも同じで、単純にチップ・ペン軸の消耗だけでも、どれだけ絵を描いているか、液晶保護フィルムのヘタりや板タブの擦り傷で、それまでどれだけの量を描いてきたかが、すぐにわかります。

 

量より質‥‥なんて言葉もありますが、技術習得には当てはまりません。質の良い練習法で量をこなしてこそ、上達が可能になります。量も質も、習得には必須です。

 

描いてて三日坊主で終わるのなら、絵を描いていながら絵をめんどくさがって誤魔化したりするのなら、その人は作画作業には向かないのです。

 

 

 

例えば‥‥。

 

とある男が、女性にモテない劣等感の代償行為で絵を描いてても長続きはしないように思います。モテない現実を、絵を描く行為に覆いかぶせるには、あまりにも技術が難し過ぎますもん。そういう人は数日で飽きては止め、またしばらくして思い出したように描いてみては止め‥‥なので、上達しません。女性にモテるようになれば、絵なんてどうでもよくなるタイプの人間です。

 

しかし、同じくモテなくても、自分の劣等感ではなく、女性の存在そのものが好きならば、絵をいくら描いても果てしないでしょう。なぜ可愛く感じるのか、美しいと思うのか、惹かれてしまうのか、そのナゾが知りたくて、どんどん絵を描いてしまい、いつしか上達します。研究熱心で量もこなすのですから当然ですよネ。

 

 

 

コンピュータはある意味、スカした存在です。「誰でもプロ並み」とかAdobeがその昔宣伝してた(今も?)ことからもわかるように、たいした努力をせずともツールさえ買い揃えればできるようになると、錯覚しがちです。売り文句としては耳障りが良いですが、真実ではないです。

 

私は最近、考えが変わって、新しいスタッフ探しには、まず何よりもとことん絵を描くのが好きで、それこそ愚直なまでに絵に打ち込む人材が必要だと思うようになりました。

 

根っこの強い衝動がないと、とてもではないですが、新しい技術を1つ1つ切り開いて積み上げていく前に、へこたれてしまうからです。便利なプラグインやコピペで誤魔化す方法など不要です。必要なのは誰かから聞いた小手先のTipsではなく、自分たちで作り出す技術構造論・方法論です。

 

世渡りの術なんて下手でも良いから、本人の見目なんて大した問題ではないから、とにかく絵を描くことに無我夢中な人が良い‥‥と思います。絵が描けないと、映像が作れないと、スタート地点にすら立てないです。

 

極論を言えば、ソフトとかハードとかは、どうにでもなるんですよ。後付けで使い方を覚えられますし(教えられますし)、時代によって機材なんてどんどん移り変わるんですから。

 

他者ではどうにもならないのは、本人の「絵を描きたい。描かずにいられない。映像を作りたいんだ。」という強い観念、ある種の飢餓感です。「絵を描きたい」という強い衝動が内に在って、本人を突き動かす状態でなければ、どんなに高い機材を揃えてもただのコレクションにしかなりません。

 

 

 

2020年代は新しいアニメーション技術、映像技術の黎明期になるように予感します。

 

先人のテンプレートに従って技術をクローンコピーすれば生きていけるようなヌルい時代は、お金的にも、環境的にも、技術的にも通用しなくなると思います。旧世代と新世代を区切る、淘汰の時代がやってくるでしょう。

 

Fortitude。

 

どうしてもアニメが作りたいと思う人間が、新しい世界を作っていくのです。

 

 

 


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