包囲網から

アニメ制作事情の未来は、できるだけ簡潔にまとめると、

 

人件費の高騰

制作環境維持費の増大

高画質化の波

 

‥‥の3方向から包囲された状態と言えます。

 

ですから、数兆円の市場だ何だと壮大なロマンを語るよりも以前に、現場的には、包囲網から脱出して活路を見出すことが求められるでしょう。

 

単純に考えて、

 

人が絵を描いたり塗ったりするための人件費が上がり

人が作業するためのソフトウェアがサブスクリプションに移行して維持費が上がり

人が絵を描いたり塗ったりする絵の細かさ(クオリティ要求)が上がり

 

‥‥となるのに、

 

作業する物量(例えば枚数や人足)は以前と同じかそれ以上

 

‥‥だったら、どうやったって、破綻します。いわゆる深夜のテレビ枠の予算で収まるわけもなく、たとえ制作費が2倍になってもテレビはキツいんじゃないでしょうか。電卓を弾いてみれば、誰でもわかることです。

 

上述の3要素に当てはめると、

 

作業報酬がアップしなければ、細かい絵柄なんてとてもじゃないが描けない

作業環境が更新されなければ、いくら作業費を貰えてもマシンの性能不足

絵のクオリティがアップしなければ、作業環境と報酬をアップしても見合う価値がない

 

‥‥という抜け出せない負のループに突入します。どれかだけを改善して‥‥なんて無理です。

 

じゃあ、どこにしわ寄せがいくか‥‥というと、そっくりそのまま、3要素に反映して

 

人件費を据え置きか

作業環境をアップデートせずに切り詰めるか

高画質化を諦めるか

 

‥‥となります。

 

このままの感じでいくと、3要素全て据え置き‥‥なんていう未来もありそうです。つまり、未来と決別して過去の世界のまま生きることを選ぶ‥‥ということです。

 

でもそれで、アニメ制作の将来は成り立つでしょうか。

 

 

 

簡単に答えや解決方法が導き出せる問いではないです。だから、

 

目を背けるのか

直視するのか

 

‥‥は、まさに当人の生き方そのもの、制作集団の意思決定そのものです。

 

 

 

今回は「前回」のように、尻馬に乗るのは困難かと思われます。動きが激しすぎて振り落とされます。日和っていたら、ごっそり淘汰された‥‥なんてことも起こり得ます。

 

だって、社会的な立場ゆえの人件費の問題や、サブスクリプションや、世界規模の映像品質アップデートが、同時多発で押し寄せるのですヨ。何度も書くけど、かなりキツいです。フィルム撮影台とセルがコンピュータへと移り変わった2005年前後の状況とは全く違います。同じだと思ってたら、認識・分析不足も甚だしい。

 

人間は、「自分だけは死なない」と思う生き物らしいです。

 

今回の「地盤シフト」で、いつもの正常性バイアスに委ねちゃうか否か‥‥は、もう、本人次第の危機管理能力としかいいようがなく、結果、生き残った人間で新しい世界を築いていくようにも予感します。

 

 


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