美術と数学

私は中学2〜3年の時に、担任の先生が美術と数学の掛け持ちだったので、美術はもちろん、数学に対する興味も強かったことを思い出しました。私の好きな数学は、方程式と証明問題と図形でした。

 

今日、「学校で習った三角関数なんて、社会に出てから使ったことがない」云々という記事を見かけましたが、それはたまたま、記事の当事者がそういう職業だからです。

 

After Effectsを使うようになって、意外に役に立つのは三角関数です。エクスプレッションで結構昔から使っています。

 

例えば、コレ。

 

 

Math.sin()やcos()に、円周率を掛け合わせて1秒周期にして、あとは円の半径を設定するだけです。こんな動きをキーフレームで手作業でやってたら、劇中の表示系のコンポジットなんて日が暮れてしまいます。無機的な動きはエクスプレッションのMathを使って、タイミングの調整は数値操作だけでおこなうのが常道です。

 

8の字はちょっと応用すればできますし、楕円や振り子の動き、両端詰めの動きも、簡単なエクスプレッションで可能です。トランスフォームのポジションプロパティに適用すれば、キーフレームなど1つも打たなくても、円運動をアニメーションできます。

 

//正円の円周軌道

var gain=thisComp.height/2*0.8;//半径
value+[Math.cos(time*Math.PI*2)*gain,Math.sin(time*Math.PI*2)*gain];

 

//8の字の動き

var gain=thisComp.height/2*0.8;//半径
value+[Math.sin(time*Math.PI*4)*gain/2,Math.sin(time*Math.PI*2)*gain];

 

ちなみに、cos()を使わない場合は、sin()で用いるtimeにオフセットを適用すれば、同じ結果を得られます。毎秒における回転数を可変にしたい場合は、ユーザ変数「rps」の数値=回転数を変更します。

 

//正円の円周軌道〜Math.sin()だけを使う場合

var rps=1;//1秒あたりの回転数
var gain=thisComp.height/2*0.8;//半径
value+[Math.sin((time+0.25/rps)*Math.PI*rps*2)*gain,Math.sin(time*Math.PI*rps*2)*gain];

 

 

昔、プラチナデータという実写映画で、顔写真付きのIDカードが螺旋状にパレードする動きを作ったことがありますが、エクスプレッションの三角関数があったからこそ可能な作業でした。各カードごとの間隔や、螺旋全体の振幅や速度など、全て数値で制御しましたが、何よりJavaScript Mathがエクスプレッションで使用可能だったことが大きいです。

 

ちなみに、上図GIFのムービーは、軌道がわかりやすいようにエコーエフェクトで残像を作っています。After EffectsのサンプルAEPは以下です。CC2018です。

 

三角関数で円運動

 

 

ふと、私が美術的な表現アプローチとともに、コンピュータに嫌悪感を抱かずすんなり馴染めたのは、中学の担任の先生の強い影響があったんだな‥‥と改めて思いました。子供の頃に出会った先生の影響は、実はとんでもなく重要なファクタとなるのかも知れませんネ。

 

まあ、担任の先生自身「美術と数学を兼任している」というのも、なかなか珍しい人だったのでしょう。美術の指導では随分と気にかけてくれましたし、数学の方程式や図形問題では、教程とは別のアプローチの解き方をしても、その内容が正しければ「正解」にしてくれました。私自身もいつしか自分の得意なジャンルを意識し始め、どんどん調子にのって、没入していったのを思い出します。

 

友人・知人との雑談で聞くところによると、「自分の教えた通りに生徒がトレースしないと気に食わずに不正解にする」なんていう教師も山ほどいたようです。まあ、今考えてみれば、教師とはいえ30代なら、器の小ささを残した若造が教師の中に紛れていても不思議ではないですもんネ。

 

そう考えると、私はとても幸運だったと思います。

 

運命って、残酷極まりないですよネ。人との出会いは、相当重要ですもんネ。

 

 

とまあ、よくよく考えてみれば、作画とコンピュータを掛け持ちしているのは、美術と数学を指導してくれた中学の担任の先生の影響がかなり強いんだな‥‥と実感する一方で、現場の人間に「プログラムは若いうちに習得しておいたほうが良いよ」と繰り返し説いても、中々そういう人間は現れないので、‥‥さて、どうしたもんかな‥‥と腕を組んで考え込んでしまう日々です。

 

 



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