平成最後の年末に

今年も残りあとわずか‥‥というか、「平成最後の年末」だと思うと感慨深いです。私の祖父は明治生まれで随分と昔の人のように感じていましたが、今では昭和生まれの私が似たような立場になるのだと考えると、確実に時代は流れていくんだなとしみじみ思います。

 

仕事の話で言えば、映像の品質基準はもちろんのこと、作業に使うハードやソフトもどんどん時代とともに変わっていきます。「パソコンソフト」を「パソコンショップ」で箱のパッケージで買って、製品添付のシリアルナンバーとCD-ROMでインストールしていた時代は、過去の話です。現在はどんどんサブスクリプションに移行して、ネット経由でソフトウェアを購入&更新するのが標準になりつつあります。

 

本を読んだり音楽を聴くのも、印刷した紙の本や光学ディスクから離れて、デジタルデータによる端末への配信形態へと変化しています。私は350冊程度ですが、職場の同僚は数千冊を電子書籍で所有してたりします。

 

私は単純に置き場所の問題で、今ではできる限り紙の本は買わないようにしていますし、特にマニュアル本の類いは内容がすぐに古くなるので、紙の高い本を買うのはあまりにもリスクが大きいと考えるようになりました。コンピュータのソフトウェア解説本(=コンピュータを使いながら読む本)なんて、もはや紙で出版する意味は著者や出版元だけの利点であって、購入者にとってはマイナス面のほうばかりが目立ちます。ちょっとした内容のアップデートも紙の本では不可能です。

 

パソコンショップでソフトを買うのが良かった。本屋さんで本を買うのが良かった。レコード屋さんでLPレコードを買うのが良かった。

 

私も箱買いのソフトや紙の本やLPやEPやCDには思い入れが深いですが、昔の出来事は昔話であって、未来に持ち出して語るものではない‥‥と思います。

 

 

 

 

腸内の健康状態は、日和見菌が握っているとか。以前にそんな記事を読んで、妙に納得したことがあります。

 

「善玉菌にも悪玉菌にも当てはまらないけど、強い方につきます」という菌なのです。

善玉菌が強い時には善玉菌側、悪玉菌が強い時には悪玉菌側になってしまう、とても面倒な菌なのです。

 

 

善とか悪とか関係なく、ちまたには、「何を選ぶか」を迷うようなことも多々ありましょう。「昼食にラーメン食おうか、パスタ食おうか」を迷う程度なら他愛ないですが、自分の仕事、自分たちの業種の進む道を前にした時に、業界全体の迷う人々はちょうど日和見菌のような役割を演じます。

 

ある時、著名なベテランのミュージシャンが「ハイレゾなど不要だ」と言えば「そうか、そうか。そうだよな。」と「ハイクオリティ不要論」に染まってみたり、またある時には、技術展示会のような催しで新技術や新製品を目の当たりにすれば「そうか、そうなんだ。新しい時代についていかなきゃ。」と「にわか先進技術推進者」になってみたり、自分の行動のポリシーが揺れて定まらないのです。それはすなわち、感情的、反射的、刹那的に物事を捉えているからでしょう。

 

 

過去に作られた創作物は、過去の時間の中でリアルタイムな技術を活用して作られたものです。例えばディープパープルレッドツェッペリンの音楽は、演奏だけでなく、当時の録音装置と技術も「込み」で完成されている‥‥と長年のファンの私は思います。

 

でもさ。

 

現代、そして未来の技術が、昔の技術の再現で良いとは全く思いません。過去は過去で技術の限りを尽くしたのですから、現代は現代で同じく、技術の限りを尽くせば良いのです。

 

自分たちの進むべき道の話をしているのなら、それはすなわち、「未来の話」でしょ?

 

昔の創作物をレストアして生きていくわけじゃないでしょ? 過去の模造品ではなく、新しく作品を作っていくわけでしょ?

 

過去の作品は、過去=当時の技術で作られました。同じく、未来の作品は未来の技術で作るのです。

 

もし、ベテランや御大が「昔のままでいい」というのなら、それは当人が「過去の中で生きている」からです。過去の思い出の価値観で生きる人と、新しい未来のビジョンは共有できるはずもなし‥‥です。

 

視点を「未来」に据えて考えれば、「日和って迷うようなことはない」と思うんですがネ。でもこれがまた、絵に描いたように日和る‥‥んだよなあ‥‥‥。

 

ちなみに‥‥

 

死滅した菌にも役割があります。

腸内にいる善玉菌の餌になったり、免疫力を高める作用があります。

 

‥‥ですって。‥‥中々に意味のある一節ですネ。

 

 

 

 

Adobeのサブスクリプションの値上げは、許容できる上げ幅のようで、それはそれで良かったです。1.5倍とか2倍じゃなくて、とりあえずは、良かった‥‥。

 

ソフトウェア開発会社の人々だけでなく、どこの誰だって、霞を食って生きているわけではないのですから、ソフトウェアを使い続ける以上、サブスクリプションの仕組みを受け入れざる得ない未来はすぐに来るでしょう。もしお金を払えないというのなら、使わないようにするしかないです。

 

「一度ソフトを買ったら、ずっと使える」なんていう時代では、今はもうない‥‥のです。

 

西陣織のフロッピーの話も、フロッピーが消滅してソフトウェアが使えなくなることばかりに論調が向きがちですが、そもそも時代の流れに歩調を合わせて、制作システムの足場を段階的に移行できなかったことに問題があるのです。‥‥アニメ業界も全く同じ状態ですけど。

 

お金が払えないからCS6までしか使えない。だったら、未来は廃業するしかないでしょう。どんどん映像の品質基準も変わって制作環境のパワー向上が必要になる未来に、CS6では生きていけませんよ、マジで。

 

サブスクリプションに対応できる「会社の体質」を作っておかないとさ‥‥‥、未来はないよ。

 

サブスクリプションの全面導入でそれまで以上にお金がかかるようになるのは事実ですが、それをハンデにしかできない制作会社や作業者の弱点・欠点もこれまた真実なり‥‥です。

 

旧時代の慣習や思考や金銭感覚を捨て去ることを、アニメ制作業態の「生まれ変わり」のきっかけとして捉えれば、決して悪いことではなく、転換当初は辛くてもやがて新しい未来世界で生き残る足場となりましょう。悪玉菌に日和っていた過去から抜け出す機運となれば‥‥です。

 

 

 

平成最後の年末、「平成にも色々あったなあ‥‥」と思いを馳せつつ、2020年代の新しい時代に向けて、上げ潮じゃー。

 

 

 


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